相棒を失ってしまった俺は、その焦りから羽蛾の挑発に乗り、突き上げる感情を抑えられないまま、羽蛾を倒してしまった。
こんなことをしたって、相棒を取り返せるわけもないのに。
そして、暴走する列車は俺達を乗せたまま線路を飛び出し、谷底へ転落してしまったんだ。
【回想】
うわああああ!
ああ……
う……相棒!
相棒!!
あ、相棒!!!
【回想終わり】
うっ……夢?
俺は確か……あっ。
杏子、杏子!
杏子!
おっ……
ん?
君は?
あなたは?
うぅ……
う……
これはもう、俺には使えないカードなんです。
本当に、魂を抜かれたんです。俺がそうしてしまった……俺の心の闇が、そうさせたんです。
俺はかけがえのない相棒を失いました。俺は……その魂を探す旅をしているんです。
わからない……ただ一言、謝りたい。
杏子!
石の荒野?
そこに、相棒の魂も!?
俺は……相棒に会いたい。
あ、あぁ……
ここが、石の荒野。
あれは?
あそこに行けば、相棒に……!
うっ。
んっ……
ん?
あ、あぁ……
くっ……
くっ……
相棒。
っ……
相棒!
相棒!
う……あぁっ!
俺は、どうしてもお前に会いたかった。
相棒、俺にはもうわからないんだ。何がいいことで、何が悪いことなのか。
相棒といた時は、自然に感じられた。優しさも、思いやりも。今の俺には虚しいだけだ。これ以上戦い続けても、人を傷つけるだけ……奴の、ラフェールの言った通りだ。
俺の心の中には、巨大な闇が眠っている。俺はもう、自分の記憶を取り戻すことさえ怖いんだ。
相棒?
相棒……
ま、待ってくれ!
う、あぁ……
相棒……
う……くぅっ……
最終更新:2009年04月19日 17:21