ここでは全ての者がオレを知っている。だがオレには、誰一人として知る者は居ない。
オレはファラオとして、みんなのことを知り得ていたのだろうか。
そして本当のオレを、みんなは・・・
お前は・・・確か
マハード
そうだな。オレが悪かった。気を付けよう
あ・・・
昔を・・・昔のオレを知っているのか?
あ、ああ。そうだったな
マハード、マナ・・・少なくともこの二人の間にオレは存在していた。オレにも仲間がいた。
マハードは神官として忙しい身、今少し辛抱してくれ
王子か
いや
マナ、オレの、その・・・名前を言えるか
知らないのか
うん。頼むぞ
マハード、父上の墓を守ってくれ
子供時代
ふふふ
ほら
ん?
あっ・・・マハード!
マハード
動くな
オレとお前の、いったい何に違いがある。
マハードに赤い血が流れているように、オレにも赤い血が流れている。同じじゃないか
いずれ皆が身分など関係なく、自由に暮らせる世界が来る。オレが絶対にしてみせる
最終更新:2009年03月24日 23:37