いよいよ決勝トーナメントが始まった。
そう、あの時…。
【イシズの回想】
ん…?
あ…あなたは……。
あっ…、マリク!
私はマリクの忠告に従い、リシドを別の場所へ移した。
けれど、あれ以来マリクの声は聞こえない。
マリクの心は、どこかに消え去ってしまったのか。
それとも、マリクの闇の人格に完全に捕らえられてしまったのか。
リシド、あなたが倒れた時に始まった惨劇。
次の日、マリクはリシドと共に、姿を消した。
千年ロッドも一緒に。
あの惨劇で、わが一族の使命は消え果てた……かのように思えた。
【イシュタール家の過去】
あぁっ……!
うぅっ。
千年タウクよ、まだ惨劇は、始まったばかりというのですか?
(現在のイシズ)その後、マリクは王家の谷から、ラーの翼神竜と、オシリス天空竜のカードを奪い……。
ここに、オベリスクのカードはありません。
マリク、グールズ。観念なさい!
マリク、ラーとオシリスのカードを返しなさい。
いいえ、それは名も無きファラオの持ち物。
正当な持ち主に、返すべき物よ!
やめなさい、マリク。既に運命は決まっている。
あなたの行いこそ、新たな惨劇を起こすきっかけ。
マリク…!
マリク、ここからは逃げられません。
うっ…!
リシド…!
リシド…。もう一人のマリクの目覚めを止められるのは、あなただけ。
その為に、永遠にマリクの傍にいる道を選んだのですね。
リシド。あなたが倒れた今、マリクの肉体には、邪悪と化した魂だけが残されている。
今思えば、すべては運命の導き。
遊戯という少年が、千年パズルを組み立てたのも。
ペガサスがエジプトで石版を目にし、デュエルモンスターズを作り上げたのも。
海馬瀬人が、神のカードを手にしたのも。
名も無きファラオ…。
私たちと、マリクの未来は……あなたに託されている。
最終更新:2008年01月06日 02:08