安心しろ、女ァ。
貴様が召喚したのは正真正銘、ラーの翼神竜だ。

だが残念ながら、貴様程度のデュエリストに神を操る事は不可能。
神を従えるのは、神によって選ばれたデュエリストのみ。

なら、貴様のデュエルディスクにセットされている神のカードを見てみな。

フフフ…。お前にその文字が解読できるか?
そこにはラーの真の力を目覚めさせるテキストが示されているんだよ…。

そう。ラーに秘められた恐るべき特殊能力がなぁ…。

無理だよぉ。
そのテキストを解読しない限り、神を起動させる事も、特殊能力を発動させる事も出来ない。
だがひとつだけ教えておいてやる。
その文字は、ヒエラティックテキスト。古代神官文字だ。

古代エジプトにおいて、法律・文学・宗教の文書に用いられ、
特別な地位にある者にしか解読出来なかった文字だ。
まさに、選ばれし者のみがその意を得る事が出来る…!
もちろん、我が墓守の一族もな…!

デュエルモンスターズを生み出したペガサス・J・クロフォードでさえ、
ラーに秘められた能力を解読する事は出来なかった。
止むを得ず壁画に描かれた、ヒエラティックテキストをそのままカードに記したのだ。
ラーを召喚した時のみ浮かび上がるという特殊な処理を施してなぁ…。

今のラーはスフィアモード。まだタマゴといったところだ。
さぁ、バトルモードにするための秘密を解いてみなぁ!
早く神を操ってみせろ、孔雀舞!
ハハハハハハハハ!

貴様のフィールドには、気まぐれな神以外存在していない。
次のターン、俺のモンスターで攻撃しても、神は貴様を守ってくれないぞ。

神を起動させないと、次のターンで更なる地獄を味わう事になる…。
ほらほらぁ、神頼み神頼みムフフフハハハハハハ!!

俺のターン。
ホールディング・レッグス召喚!
残念だったなぁ。こいつにも特殊能力があってねぇ。
このカードが場に出た時、場の全てのリバースカードは手札に戻る。

更にホールディング・アームズ、ホールディング・レッグス、2枚のカードが揃った時、
ウィジャドの石版が出現する!

フフフフ…。
神も魔法もトラップも、フィールドで貴様を守るものは存在しない。
苦痛と共に闇に抱かれろ孔雀舞!
ホールディング・アームズ、ホールディング・レッグス!

これは闇のゲームだと言ったはずだァ…。
全ての幻想はお前にとって全て現実となるんだよ…!
体感する苦痛までもがなぁ!
プレイヤーに直接攻撃!

フハハハハハハハ!苦痛に身を捧げろ!

ッ……!

なかなか楽しい見世物だろう?遊戯。
今から闇への生贄の儀式が始まるぞ!

聞いておくがいい!
ラーの特殊能力は3つ!
そのひとつだけを明かしてやろう!

イウ アーク イル フェスイ ウレル ペフティー イル ヘクア
セトゥ ネプ ケティ ネウ アンク ネウ プア ヘヌア ネフェリ
トゥ エル ネウ クアトウ(ヒエラティックテキスト ゴリラ語)
(空耳:wii…あぁ…wii…売れすぎ…売れるべき………瀬人…寝ぼけている…)

ッハハハハハハ!
これがラーの能力のひとつ。
神は正確にテキストを唱えたプレイヤーの忠実なしもべとなる。

我が勝利のために。
起動せよ、ラーの翼神竜!

これぞラーの翼神竜だ!

俺のターン、ラーの攻撃でこの女を紅蓮の炎で焼き尽くしてやる。
フハハハハハ!

フフフフ……。
生贄としてお似合いだぞ?孔雀舞……。
囚われの身のお前には、デッキに手を置き、サレンダーする事さえ出来まい。
ラーの攻撃で、一瞬で焼き尽くしてやるよ……。

全ての記憶と共に、灰となって闇に舞い散れ!

よく見ておけ遊戯。
女を闇の生贄にしてやる!
そして貴様の憎悪を最大限に引き出してやるよ!

俺の背に刻まれた記憶の刻印。
それは我が一族が3000年の間守ってきたファラオの記憶のありかを示すものだ。
いつの日か復活する、ファラオの魂に献上するためにな。

その目的のためだけに、一族の生は受け継がれていった。
我々に与えられたものは深き闇。そして深き傷跡。
絶望と苦痛のみ……。

クッ、フッハッハッハッハッハ!!
とまぁ、ここまでは、俺の宿主の心を支配してたトラウマだ。
暗闇で自由を奪われた者は自虐的な心に更なる闇を作り出す。
そして奴の心の闇に内在する苦痛、憎悪……。
そいつが俺を生み出したのさ。

俺のバースデイはなぁ、奴が10歳の時。
墓守の儀式を受けた日だ。
奴の父親から与えられた苦痛と悲しみは、奴の心に、自己破壊の願望を根付かせた。
奴が生き抜き、己を守るためには、俺と言うもう一人の人格を作り出す以外なかったわけだ。

俺はその瞬間、奴の人格を支配出来ると思った!
だが、ひとつだけ計画を狂わす事があった。
俺は奴の怒りの感情によってのみ、人格交代が出来るのだが…。
リシド…。
あの男の自ら刻み付けた癒しの刻印によって、奴の怒りは封印されてしまったのだ。
俺はマリクの心の奥深く幽閉された。

フフフフ……。
だが奴が倒れた今、遂に俺は、この体の支配者となったのさ!

目的ィ?
フハハ……、そんなもなぁねぇよ。
ま、強いて挙げるとすれば、全ての秩序、そして俺以外の全ての命の破壊、破壊だ!
破壊こそ快楽だ…!そこに俺の支配する世界が誕生する……!
真の闇の世界がなァ!!
ハハハハハハハハ!!

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最終更新:2021年10月15日 19:45