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ビアンカの大冒険


2000



  • 目次

ストーリー

救助救援協会に所属するミス・ビアンカは、議長ネズミが解読を諦めた助けを求める手紙の解読を主張。差出人がニューヨーク*子供の家ペニーであることが分かり、救助に立候補したビアンカは相棒にバーナードを選ぶ。

ビアンカとバーナードはアホウドリ航空オービルの背中に乗って、孤児院の子供の家に向かう。ペニーは行方不明となっており、猫のルーファスに聞き込みをした二匹は、マダム・メデューサ質店の主人マダム・メデューサに目を付け、悪魔の沼を目指す。

概要

ディズニー長編アニメーション映画第23作。

後に、『ビアンカの大冒険 ゴールデン・イーグルを救え!』(1990年)が公開された。

歴史

1962年、シベリアのような全体主義国家の本拠地の捕虜となった詩人の物語として映画の製作が始まった。しかし、物語が国際的になるにつれて政治的な性格を持つことを良しとしなかったウォルト・ディズニーはこのプロジェクトを棚上げにした。ウォルトの死後、1970年代になるとドン・ブルース*を中心とした若手アニメーターがこのプロジェクトをアレンジして再開させることになった。

アニメーターたちはマージェリー・シャープ*の『ミス・ビアンカ』シリーズから『南極の冒険』に目を付けた。捕らえられてショーへの出演を強要されたホッキョクグマが手紙のボトルを流してネズミたちが拾うという筋書きであった。このルイスというクマをルイ・プリマ*が演じ、フロイド・ハドルストン*による楽曲6曲をプリマ自身が歌う計画であった。しかし、1975年にプリマは頭痛や記憶喪失に悩まされ、脳腫瘍が見つかったことでこの計画は白紙となった。

ロビン・フッド』(1973年)の製作を終えた長編アニメ班はケン・アンダーソン*を中心として、ポール・ギャリコ*の小説『われらが英雄スクラッフィ』の製作に着手することとなった。これは第二次世界大戦*下、ジブラルタルの猿が自身を脅かすナチと戦う物語であった。やがて、ビアンカとスクラッフィのどちらか一方を選ぶこととなり、上層部はビアンカを選択した。

当初は本作の悪役として『101匹わんちゃん』(1961年)のクルエラ・ド・ビルを出そうという案があったが、オリー・ジョンストン*が続編を試みるのはよくないと反対した。代わりの悪役として大公夫人を出すことになり、それに準じて原作エピソードもビアンカシリーズの第2作『ダイヤの館の冒険』に変更することとなった。本作で引退となるミルト・カール*はクルエラを超える悪役をと意気込みマダム・メデューサを完成、彼女のアニメーションをすべて一人で担当してしまうほどだった。

ペニーは原作の少女ペイシェンスをモデルにしている。メデューサのドジな手下スヌープスはアニメーション歴史家のジョン・カルヘイン*をモデルにしている。カルヘインは言われるがままポーズを取らされ、マヌケなキャラクターに使われてしまったわけだが、「ディズニーキャラクターになる夢が叶った」と満更でもない様子だった。二匹のブラッドハウンド、タイラントとトルメントはワニのネロブルータスに変更された。ミス・ビアンカバーナードは探偵の夫婦とする予定だったが、ロマンチックにするため未婚となった。

脇役として沼の仲間たちも様々なキャラクターが作られた。リーダーの歌うウシガエルはフィル・ハリスが演じる予定だったがカットとなった。トンボのエビンルードの羽音は長年効果音やミッキーマウスの声優を務めたジミー・マクドナルドが担当、本作を以て引退となった。また、ビアンカとバーナードを運ぶ鳩のキャラクターが考案されたが、オリー・ジョンストンが離着陸のおぼつかないアホウドリを提案し、オービルが生まれた。

アニメーション

101匹わんちゃん』(1961年)以来、スケッチをセルに転写するゼログラフィーの技術には線が固くなってしまうという問題点があったが、本作の頃にはより丸みを帯びた線を表現できるように改良されていた。作品にはミルト・カール、オリー・ジョンストン、フランク・トーマス*といったベテランのほか、グレン・キーン*ロン・クレメンツ*アンディ・ガスキル*ら次世代のディズニー・ルネッサンス*を担う人材も参加している。

キャスト

初公開版 新録版
ミス・ビアンカ エヴァ・ガボール(台詞)
ロビー・レスター(歌)
新道乃里子 小原乃梨子
バーナード ボブ・ニューハート 山田康雄 安原義人
オービル ジム・ジョーダン 槐柳二 屋良有作
ペニー ミシェル・ステイシー 勝又愛 山下真実
マダム・メデューサ ジェラルディン・ペイジ 里見京子 吉田理保子
スヌープス ジョー・フリン 藤本譲 龍田直樹
エリー・メイ ジャネット・ノーラン 麻生美代子 滝沢ロコ
ルーファス ジョン・マッキンタイア 雨森雅司 大木民夫
ルーク パット・バトラム 斎藤隆 辻親八
デッドアイ ジョージ・リンゼイ 宮内幸平 佐藤正治
グランプス ラリー・クレモンズ* 八木光生 西村知道
ディガー ダブ・テイラー たてかべ和也 中博史
ディーコン ジョン・フィドラー 北村弘一 後藤哲夫
議長ネズミ バーナード・フォックス 納谷悟朗
ネロ クラレンス・ナッシュ - -
ブルータス クラレンス・ナッシュ - -
エビンルード ジミー・マクドナルド - -
エウリピデス・マウス - - -
空港のアナウンス 西村知道
テレビアナウンサー ビル・マクミラン 屋良有作
ドイツのネズミ ラス・バッツィ
主題歌 シェルビー・フリント 山崎陽子

  • 初公開版:1981年12月19日公開。
  • 新録版:2000年3月17日発売。ビデオ用に新録。※DVD・VHS収録

スタッフ

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長編映画
最終更新:2024年02月15日 00:05
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