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ジミニー・クリケット

名前:Jiminy Cricket
デビュー:『ピノキオ』(1940年)

概要

ピノキオ』(1940年)に登場する旅するコオロギ。いつも傘を持ち歩いている。ピノキオの公式の良心として彼を誘惑や悪の道から救い、正しい道へと導く役割を与えられる。道を踏み外しそうなピノキオには厳しく接するが、美人にはめっぽう弱いなど茶目っ気やユーモアもある。

美声の持ち主で、ディズニーの名曲として知られる「星に願いを」を歌ったのも彼。

ミッキーマウスティンカー・ベルと同様に、しばしばディズニーのマスコットとして用いられている。進行役を得意としており、1950年代のテレビ番組をはじめ、教育映像やオムニバス映画、テレビゲームなどでのホストも数多く務める。ミッキーの30年ぶりのスクリーン復帰作『ミッキーのクリスマスキャロル』ではプロデューサーも担当している。

歴史

原作では物言うコーロギという名前で登場。悪童のピノキオに潰し殺されてしまうというかわいそうな末路を辿る端役にすぎなかったが、ディズニーでは主役をサポートする魅力的なキャラクターとして再構成されることとなった。ウォルト・ディズニーらは、作中における友情を描く上で欠かせないキャラクターと語っている。アニメーターはディズニーの巨匠ウォード・キンボール*。ウォードは前作『白雪姫』で8ヶ月もかけて作った「ミュージック・イン・ユア・スープ」のシーンをカットされており、ウォルトはその一件もあってジミニーのデザインという大役を彼に任せることとなった。ウォードの手腕によってジミニーのデザインはどんどん洗練されていき、現在の姿を生み出した。初期はコオロギに似たデザインだったが、最終的には耳のない人間をモチーフにしたという。

名前の由来は「なんてこった!」を表す感嘆の言葉「Jiminy Cricket!」。これは『白雪姫』の七人のこびとをはじめ、様々な映画で使用されている。言葉の由来としては、「Jesus Christ!」と同じイニシャルである点が挙げられる。

エピソード

ピノキオ

物語の冒頭、ジミニーはぼろぼろの服を着た旅人で、の中にある時計職人ゼペットの家を通りかかる。ジミニーはゼペットが木彫りの人形ピノキオを完成させたこと、また「ピノキオを本当の生きた子供にしてほしい」というゼペットの願いを受けた妖精ブルー・フェアリーがピノキオに命を吹き込んだ場面を目撃する。ジミニーはブルー・フェアリーに見込まれ、ピノキオの良心役を務めることに。この時、彼女から綺麗な衣装をもらい、使命を全うしたら勲章をもらうという約束を交わす。

学校初日、子悪党コンビのJ・ワシントン・ファウルフェローギデオンの誘惑に負けたピノキオは「俳優になる」と宣言。動く生きた人形として、人形劇一座の親方ストロンボリに売られてしまう。金の成る木として鳥籠に閉じこめられたピノキオだが、ブルー・フェアリーとジミニーによって諭されて救出される。

ピノキオが今度はファウルフェローとギデオンに遊びの島プレジャー・アイランドへと連れて行かれれた際には、悪友ランプウィックと共に説得に応じないピノキオに嫌気が差し、一度は匙を投げることもあったが、島の主コーチマンの恐ろしい企みを知ったジミニーはピノキオを見捨てなかった。

ピノキオを捜すゼペットが巨大クジラ「モンストロ」に飲み込まれたことがわかった際にも救出に同行。命がけで父親を守ったピノキオに、ジミニーは優しい心を持たせることに成功したと認められ、ピノキオは晴れて人間の子に。ブルー・フェアリーから綺麗なジャケットと勲章をもらう。

ファン・アンド・ファンシー・フリー

ジミニーは二部構成から成るこの作品において、両方に登場する唯一のキャラクター。

前半では家の中を探検し、進行役として『ボンゴ』のレコードを再生する。このセグメントでは『ピノキオ』に登場した金魚のクレオと再共演を果たしている。

レコードが終わると、ジミニーは向かいの家で行われているルアナ・パットンのパーティーへと向かう。腹話術師エドガー・バーゲンと彼の人形チャーリー・マッカーシー*モーティマー・スナード*がいた。ジミニーはそこでバーゲンおじさんの『ミッキーと豆の木』の話を聞く。

1950年代

ジミニーは1950年代に放送開始したディズニーのテレビ番組のスペシャルにおいて、何度かホストを務めた。最も有名な代表作が『ジミニー・クリケットのクリスマス*』で、アメリカではマイナーチェンジを行いながら何度も放送されてきた。日本*でもあるバージョンがビデオ化された。

1950年代から1960年代にかけて、ジミニーは二つの教育映像シリーズを担当していた。『僕だってできるよ』シリーズでは、子供たちに危険から身を守る方法を伝授。『You...』シリーズでは、人間の身体についての説明を行った。

ミッキーマウス・クラブ*

ジミニーはオープニングテーマ「ミッキーマウス・マーチ*」にて、ダンボティモシーと共に登場した。

ミッキーのクリスマスキャロル

1983年の映画版で、スクルージに省みるべき過去の姿を見せる、過去のクリスマスの亡霊を演じた。彼の亡霊の勲章は、『ピノキオ』でブルー・フェアリーから受け取った勲章バッジをモチーフとしている。

スクルージは青年時代、フェジウィッグ(トード氏)のもとで働いていた。仕事が軌道に乗るとお金に目がくらむようになり、恋人のイザベル(デイジーダック)に逃げられてしまう。悲しい過去に背を向けるスクルージに対し、亡霊は「でもこの過去を作ったのは君なんだよ」と言い残して去っていく。

1974年のオーディオブック版では、『王様の剣』のマーリンがこの役を担当した。

ハウス・オブ・マウス ミッキーとディズニーのなかまたち*

初回のエピソードでは、ミッキーマウスがクラブの客への注意事項として「他のお客さんを食べちゃだめ!」と言ったことで、ティモンに食べられたところをプンバァに救出されている。

「がんばれピノキオ」では、ピノキオの良心役をペインパニックに奪われ、代わりにミッキーの良心をすることに。次第にうんざりしてくるミッキーだが、彼の機転でジミニーをステージゲストに選出すると、ジミニーが観客に説法を始める。感銘を受けたディズニーキャラクターたちが「自分の良心になってくれ」と懇願するが、最終的にピノキオと元の鞘に収まることに。

「グーフィーのおてつだい」では、暗い顔のイーヨーを元気づけようとしていた。

クリスマススペシャルの『ミッキーのマジカル・クリスマス 雪の日のゆかいなパーティー』では、ドナルドダックがクリスマスを楽しめないことに落ち込むミッキーの元に現れ、クリスマスの意味を問いかける。ミッキーの立ち直りにより、ドナルドを含めたみんなが最高のクリスマスを満喫する。

その他

ロジャー・ラビット』では、エディ・バリアントが車でトゥーンタウンに突入したシーンにカメオ出演している。

チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』では、誘拐事件の被害者として改造されている。

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出』では、「星に願いを」のソロパートをミッキーマウスの右手の上で歌い上げた。エンド・クレジットにもトップバッターとして登場する。

ゲーム

ピノキオ

映画をモチーフとしたスーパーファミコン*のソフトでは、ジミニーを操作するステージが存在する。

Villains' Revenge

日本未発売のPCゲームで、メインキャラクターとして登場。同じ本を繰り返し読むことに飽きてしまったジミニーはプレイヤーと共に絵本をバラバラにした結果、悪役たち(王妃サーカスの団長ハートの女王フック船長)に物語を改変されてしまう。ジミニーはプレイヤーと共に物語の主人公たちを助けるため絵本に飛び込む。

メテオス ディズニー・マジック*

ジミニーはメニュー画面に登場。映画の冒頭のジミニーの語りのように、モードやステージの選択画面の選択肢が本のような演出となっている。

ディズニー エピックミッキー:ミッキーのふしぎな冒険*

主人公のミッキーマウスの相棒として、彼をサポートする。

ディズニーインフィニティ

主人公の案内を務める。

その他

Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ』には登場しないが、ピノキオが「困ったときには口笛を鳴らせば、ジミニーが来てくれる」と言及している。

KH

キングダム ハーツ

ジミニーの住んでいた世界が闇に呑まれて消滅してしまった。ひとりディズニーキャッスルにたどり着いたジミニーは王妃ミニーマウスから、キーブレード使いを捜すドナルドダックグーフィーの旅の記録係として旅に同行することを命じられる。トラヴァースタウンでキーブレード使いのソラと合流し、以降は旅の記録をつけることに。これがジミニーメモであり、本作のやりこみ要素の一つとなる。

道中、モンストロの体内に閉じ込められ、元の世界で離ればなれになってしまったピノキオと再会する。ジミニーはピノキオの良心として彼を励ます。

キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ / キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ

前作の冒険を終えたソラ、ドナルド、グーフィー、ジミニーは進むに連れて記憶を失う忘却の城*へとたどり着く。忘却の城に入った途端、前作のジミニーメモは不思議な力により白紙化されており、城での冒険の記録を新たにつけることとなる。

キングダム ハーツII

ソラ編開始直後のみに登場する。前作での記憶を失っており、ジミニーメモからも前作の冒険の記録が全て消され、「ナミネ*にお礼を言う」と一文が記されただけになってしまっていた。

キングダム ハーツ コーデッド / キングダム ハーツ Re:コーデッド

ジミニーメモに見覚えのない文章が記されていたことから、ジミニーメモをデータ化した世界で冒険することに。

キングダム ハーツ 3D: ドリーム ドロップ ディスタンス

眠りに閉ざされたプランクスターズ・パラダイス*に登場。

テーマパーク


日本の東京ディズニーシーでは、映画の舞台であるイタリアをモチーフとしたエリアであるメディテレーニアンハーバーピノキオゼペットらと共に登場する。


東京ディズニーリゾートでは教え導くシンボルとして、ジミニーが新人キャストの教育係「トレーナー」のピンのデザインに採用されている。

NHK紅白歌合戦出場履歴

第63回(2012年) ジッパ・ディー・ドゥー・ダー
第66回(2015年) 星に願いを
第71回(2020年) 小さな世界
第73回(2022年) 君の願いが世界を輝かす*

登場作品

1940年代

1940年
ピノキオ


1950年代




1957年
You and Your Food*

1970年代


1980年代

1983年
ピノキオの冒険旅行 ※東京ディズニーランド
ミッキーのクリスマスキャロル



1988年
ロジャー・ラビット(カメオ出演)

1990年代


1999年
Villains' Revenge

2000年代







2010年代






2020年代





















実写

ワンス・アポン・ア・タイム*』に登場。ストーリーブルックでは、心理カウンセラーのアーチー・ホッパー先生。演じるのはラファエル・スバージ* / 多田野曜平。若い頃はモーガン・ロフ、アダム・ヤング。

実写版『ピノキオ』では声をジョセフ・ゴードン=レヴィット / 山本耕史が演じる。

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キャラクター
最終更新:2023年12月31日 22:20