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動画作成

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 このページではリプレイ動画の作成手順を一通り説明します。

前提
  1. フリーソフトを使って汎用性のある動画 (H.264+AAC) 作成
  2. 凝った処理はせず必要最低限
  3. 後々の叩き台になるような解説

キャプチャソフトについて
 ここでは Fraps 正式版での撮影を想定していますが、まだキャプチャソフトを持っていなくてとりあえず挑戦してみるだけであれば、体験版も存在します。Fraps の体験版はロゴが入りの最大 15 秒で Half-size 固定。Dxtory はほぼ制限無しですが大きめのロゴが入ります。また今回の解説では 30FPS で撮影したソースを想定していますので、FPS の変換などは行っていません。


このページの目次

登場するソフト一覧とその入手先

映像関係 説明
AviUtl 動画の加工編集出力、マルチスレッド対応
拡張 x264 出力(GUI) 改造したソフト→x264 詰め合わせから入手 (x264.xxx.rar)、AviUtl プラグイン、x264エンコーダ
.NET Framework 2.0 SP1 (x86) 拡張 x264 出力に必要 (同 3.0 以降導入済なら不要)
.NET Framework 2.0 SP1 (x86) 日本語 LangPack 拡張 x264 出力に必要 (同 3.0 以降導入済なら不要)
Visual C++ 2008 SP1 (x86) 拡張 x264 出力に必要
DirectShow File Reader AviUtl プラグイン、FPS1 (Fraps) の読込などに必要
Lanczos 3-lobed 拡大縮小 AviUtl プラグイン、高品質拡大縮小
黒ベタ追加フィルタ AviUtl プラグイン、任意の位置に黒ベタ追加
音声関係 説明
Nero AAC コーデック 音声エンコーダ (AAC)
Audacity 非破壊音声編集 (WAV)
preLIFE 3.0 マルチ音声エンコーダフロントエンド
動画関係 説明
真空波動研Lite ビットレートなど動画/音声の情報取得ツール、H.264 判別精度高
GSpot ビットレートなど動画/音声の情報取得ツール、H.264 判別精度高
MMname2 ビットレートなど動画/音声の情報取得ツール、VP6 判別精度高
AVIcodec ビットレートなど動画/音声の情報取得ツール、VP6 判別精度高
MP4Box H.264 動画と AAC 音声、チャプターなどを使った MP4 コンテナの手動 MUX (合成) & DeMUX (分離)
Yamb MP4Box フロントエンド
あると便利関係 説明
ffdshow tryouts マルチエンコーダ/デコーダ、WMP や MPC などでの H.264 動画再生に使用
Haali Media Splitter MP4 や MKV、OGG といったファイル用の多機能スプリッタ、WMP や MPC などでのコンテナ動画再生に利用
CoreAVC Codec v1.5 H.264 / AVC 専用軽量デコーダ
Media Player Classic (MPC) 軽量動画再生プレイヤ、clsid 版日本語バイナリ
ジャンプウィンドウ AviUtl プラグイン、編集補助
アニメーション編集 AviUtl プラグイン、様々な処理を付加
チャプター編集 AviUtl プラグイン、動画にチャプターを付ける
MP4Plugin AviUtl プラグイン、MP4 ファイルの入力とエクスポート
Aspect アスペクト比 picker、1 度 multipliers 1x1 で resolution の show perfect rate only をチェックして見て、その後外して multipliers を絞り込んでいくと分かりやすい
Huffyuv_mt 可逆ロスレスコーデック Huffyuv のマルチスレッド対応版、中間ファイル向き、劣化無しで容量半減
Huffyuvs ページ下部のリンクから入手、Huffyuv の改良版、解説

以上、有益なソフトを公開して下さったすべての制作者さんに感謝します。

インストールと設定

AviUtl を解凍する
例 C:\AviUtl
トラブル防止の為に、全角やスペースを含まない場所がよい。

拡張 x264 出力 (GUI) を AviUtl のフォルダに解凍する
 必要なファイルは x264.xxx.rar に含まれる x264gui.auo と x264gui.ini のみ。この 2 つを aviutl.exe と同じ場所に置きます。(plugin フォルダ不可)

使用するプラグインを AviUtl の フォルダに解凍する
 DirectShow File Reader と Lanczos 3-lobed 拡大縮小、黒ベタ追加、などそれぞれ同梱 txt ファイルを一通り読んで aviutl.exe と同じ場所に各 auf ファイルを置きます。これら以外にもジャンプウィンドウなど便利なプラグインが多数あるので、慣れてきたら調べて導入してみるのもいいでしょう。ただ、最終的には必要なものだけに絞らないとプラグインが多くなるほど重くなります。

Nero AAC コーデックを解凍する
 必要なファイルは neroAacEnc.exe のみ、これを aviutl.exe と同じ場所に置きます。

MP4Box と Yamb を任意の場所に解凍する
 MP4Box 解凍して同じフォルダに Yamb も解凍し、両方を同一フォルダに置きます。

TIPS
.NET Framework 3.0 以降が未導入なら
Microsoft .NET Framework 2.0 SP1 (x86)
Microsoft .NET Framework 2.0 SP1 (x86) 日本語 Language Pack

Visual C++ 2008 ランタイムが未導入なら
Microsoft Visual C++ 2008 SP1 再頒布可能パッケージ (x86)

必要に応じてこれら 3 つもインストールします。導入しておかないと 拡張 x264 出力が使えません。

関連リンク

AviUtl の設定

プラグインの優先度
ファイル → 環境設定 → 入力プラグイン優先度の設定
一部環境で DirectShow File Reader の優先度が低いと、Fraps 録画ファイルなどが正常に読み込めないことがあるようです。他の AVI 系よりも上で MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In を入れているならそれよりも下、に移動させておきます。もし他の形式を読み込んでおかしくなったら DirectShow File Reader を外すか優先度を下げてみて下さい。

フィルタ順序の設定
設定 → フィルタ順序の設定 → ビデオフィルタ順序の設定
と進み、まず Lanczos 3-lobed 拡大縮小をサイズ変更の前後辺りへ。次に追加した黒ベタに他の処理が掛からないよう、黒ベタ追加を一番下にします。

時間とキーフレームを表示する
表示 → 時間の表示
表示 → ソースファイルのキーフレーム表示
と進み、編集時に確認できるようにそれぞれをチェックしておきます。

動画の編集

 ここでは実際に動画を編集します。とは言っても今回は特に凝った処理は入れず、単に 「要らないシーンをカットして新たな動画にする部分だけの状態」 にします。実際の録画ソースを直接削除しているわけではないので、安心して編集を。

 まず 「ファイル→開く」 から選択するか、本体ウィンドウにファイルをドロップしてソースを AviUtl で開きましょう。開くメニューからは他に連番読み込みや、FPS の変換も行えます。複数のソースを読み込みたい時は 「ファイル→追加読み込み」 を行うことで最初のソース末尾に追加されていきます。


ソースファイル名 (現横サイズ,現縦サイズ) [現フレーム/総フレーム] * [現時間]
といった情報がウィンドウタイトルに表示されていますから、参考にしながら進めます。読み込んだ当初は全選択状態なので、下部のフレームバーがすべて青くなっています。

  • 基本操作キー (デフォルト時)

キーボード右矢印キー: 次フレームへ進む
キーボード左矢印キー: 前フレームへ戻る
Page Down キー: 任意フレーム進む (デフォルト 5 フレーム)
Page Up キー: 任意フレーム戻る (デフォルト 5 フレーム)
Home キー: 最初のフレームに移動する
End キー: 最後のフレームに移動する
---- 上記すべてのキー、SHIFT を押しながらで範囲選択移動
[ キー: 現在のフレームを選択開始フレームにする
] キー: 現在のフレームを選択終了フレームにする
CTRL + G: 指定フレームに移動
CTRL + Z: 元に戻す
----
環境設定 → ショートカットキーの設定、でその他も自由に設定可能

これらのショートカットを使い*1動画を見ながらフレームを選択し、その削除か切り出しを繰り返して編集していきましょう。その際シーン特定にウィンドウタイトル上の [現フレーム/総フレーム] や [現時間] も参考にすると便利です。


 FG 戦にせよ中~大規模戦にせよ HDD 容量節約の為に 「戦闘開始から録画→切りの良いところで終了」 を繰り返すのが一般的で、結局簡単なリプレイ動画用の編集とは 「録画した動画の始点と終点で要るフレームと要らないフレームの境目を選別すること」 なので、慣れればテキパキとできます。必要な部分だけを抜き出すなら、必要な部分の開始フレームと終了フレームを設定した状態で右クリックメニューか編集から 「選択範囲の切り出し」 を実行。逆に要らないところを切り落としていくなら、不要な部分の開始フレームと終了フレームを設定した状態で右クリックメニューか編集から 「選択範囲の削除」、という動作を不要な箇所分実行します。

 作業中に 「ファイル→編集プロジェクトの保存」 で経過を一旦保存しておくと、いつでもその時点まで戻れます。中断して後で続ける時や不意のクラッシュ対策に活用して下さい。

TIPS
 初めてで編集からエンコードまでの練習をするなら、まずは割り切ってエンコード (圧縮) にほとんど時間が掛からない範囲 (10秒~30秒など) で試してみるのがお勧めです。手順を把握したり作成できるとわかってから、長時間に挑戦してみましょう。

フィルタ処理 (クロップ・リサイズ)

 ここでは必要に応じて編集したソース動画にフィルタを掛けて、必要な黒帯を付けたり不必要な端をクロップ (カット) したり、画面サイズを変更 (リサイズ、基本的に縮小) したりします。

クロップの設定方法 (リサイズは Lanczos 3 で)
 「設定→クリッピング&リサイズの設定」 から設定ウィンドウを呼び出します。上下左右がそれぞれ動画の上下左右に対応していて、指定した数値分だけカットされます。サイズ変更のドロップダウンメニューは 別途 Lanczos 3 を使うので 「なし」 に。設定ウィンドウ右上のチェックボックスをチェックすると実際に処理が掛かり、外せば解除されます。

リサイズの設定方法
 「設定→Lanczos 3-lobed 拡大縮小」 から設定ウィンドウを呼び出します。X が横サイズ Y が縦サイズを表し、指定した値にリサイズされます。直接数値で指定する場合は右下のボックスに入力して、左の指定ボタンを押せば反映されます。SIMD は SSE2 整数が推奨値。設定ウィンドウ右上のチェックボックスをチェックすると実際に処理が掛かり、外せば解除されます。

どちらも処理を掛けると、ウィンドウタイトルの (現横サイズ,現縦サイズ) に反映されますから、意図した状態になっているかをチェックしましょう。


関連リンク

ニコニコ動画向け処理

 ソースが 4:3 であればそのまま 「512 x 384」 へリサイズ。ソースが 16:9 であればそのまま 「512 x 288」 にリサイズ。

 3:2 (720 x 480) の場合は、左右それぞれ 8 ドットをクロップ、「704 x 480」 にしてから 「512 x 384」 にリサイズ。16:9 (720 x 480・スクイーズ) の場合は、左右それぞれ 8 ドットをクロップ、「704 x 480」 にしてから 「512 x 288」 にリサイズ。

zoome 向け処理

 zoome の埋め込みプレイヤは 「640 x 480」 までで、それ以上はフルスクリーンボタンを使うことになります。ダウンロード前提でなければアスペクト比が崩れない内での 「640 x 480」 以下でよいでしょう。

アップローダ・受け渡し向け処理

 ベタにいくならソースのアスペクト比を見て 「640 x 480」 (4:3) や 「704 x 396」 (16:9) 辺り、必要なら黒ベタ追加やクロップを使って 4:3 か 16:9 で適度に縮小する。エンコード設定が同じなら、解像度が小さいほど容量も小さくなります。

エンコード

 さて、ここまで出来たならあとは単に「公開場所に合わせて設定しエンコード (圧縮) する」だけです。動画を編集してフィルタを掛けた状態で 「ファイル→プラグイン出力→拡張x264出力(GUI)」 と進みます。名前を付けて保存のウィンドウが出るのでファイルの種類で MP4 を選択してから、分かりやすい名前を付けて下さい。

TIPS
 動画作成に慣れてきたら、エンコードまでする時間が無いときはおおまかに必要なシーンのみに編集、絶対にやり直す予定のない任意のフィルタ処理も加えて 「ファイル→AVI出力」 でビデオ圧縮にロスレスな可逆圧縮コーデック (Huffyuv_mt など) を選び、中間ファイルとして保存。確認後、ソースを削除し HDD の圧迫を回避*2して後日改めて残りの処理とエンコードをする、という手もあります。

映像エンコードの設定

 ビデオ圧縮ボタンを押すと、x264 エンコーダの設定画面が出ます。初回起動時は 「neroAacEnc.exe の指定」 から、その設置場所を選択しておきましょう。肝心のエンコード設定は色々と項目があるものの、ここでは「次の手順で 4 カ所だけ」を弄ります。

  1. 上部プリセットで niconico バランスを選択 (これで各項目が最適化される)
  2. nul 出力にチェック (マルチパスの 1pass 目を出力しない)
  3. ビットレート (kbps) のボックスで目標ビットレートを指定する (画質に関わる、高いほど精細)
  4. 拡張設定タブ内の「初期 delay カット」と「TimeScale 4倍精度」にチェックが付いていたら外す (可変ビットレートにしない為)


 プリセット 「niconico バランス」 はデフォルトがマルチパス 512 kbps なので、投稿サイトなど低ビットレート向けに仕上げる設定、という認識でこれをベースにします。 (「niconico 高画質」 を選んでも構いませんが、エンコード時間は延びます)

 指定する映像ビットレートはあくまでも目標で、実際にエンコードされたファイルではソースによって プラスマイナス 50 kbps くらいの範囲で変動します。例えば動画サイトの制限が 600 kbps で音声に 64 kbps 使う場合は、 480 (kbps) と入力するなど余裕を持って設定しましょう。何度かやり直して高画質化を狙うなら 1 度エンコードして様子を見てから、上限を超えないように徐々に上げていきます。

音声エンコードの設定

 次に音声については、ゲーム音をそのまま使用するならここで設定してしまうのが簡単です。映像ビットレートとの兼ね合いを考慮しつつ、AAC-LC 64kbps~96kbps 辺りを選んでおくと、エンコード後に自動的に映像と MUX (合成) されます。

 ゲーム音を使わずに後から用意した音声と映像を合成するつもりなら、保存ウィンドウの右下の「音声無し」にチェックしてからエンコードして下さい。オーディオ無しの動画が作成されるので、それと別途エンコードした音声を MP4Box などで MUX することになります。→手動での音声処理

 もし、録音されたサウンドを加工してから処理したいなら保存ウィンドウの左下の「音声を WAV 出力」にチェックしておくと、エンコード時に 音声のみ WAV で出力されますのでそれを Audacity などで編集し、あとは先ほどと同じく手動で 2 行程の音声処理をします。音量の調整や音声の位置調整くらいであれば AviUtl のフィルタでも行えます。

TIPS
 音声と映像を手動で合成する方法では、動画投稿サイトの仕様上限をちょっとだけオーバーした時に、映像のエンコード済みファイルはそのままに音声 AAC ファイルだけビットレートを下げてエンコードし直して合成したり、音声そのものをカットして無音 AAC と合成し、制限内に収めてやり直し時間を短縮できる、というメリットもあります。

エンコード処理の開始

 ここまですべての設定が終わったら OK を押して、保存ウィンドウに戻ります。保存ボタンを押せばそのままエンコードが開始されますから、あとは処理が終わるのを待つだけです。あるいは、バッチ登録ボタンを押すと「ファイル→バッチ出力」のキューに予約登録されます。ここでは登録された処理を一括して実行できる他、エンコード終了時の振る舞い (OS のシャットダウンやスリープ) も設定できるので、いくつもの動画エンコードを寝る前に仕込む時などに便利です。


実際にエンコードする前に
 このあとの対象別のエンコード注意点で ニコニコ向け、zoome 向け、アップローダ・受け渡し向けの情報も参照して下さい。その際に目安になる作成動画のビットレート情報は、真空波動研 Lite など登場するソフト一覧にある情報取得ツールを使って調べるのが簡単です。ただしツールによって得手不得手が (誤表示も) あり、複数を使い分けるのがいいでしょう。

対象別のエンコード注意点

TIPS
  • なぜエンコード時に動画のビットレートを細かく考える必要があるのか
 動画投稿サイトの多くはサーバ維持の為にサイズやビットレートに上限が設定されていて、そこを超えた場合や仕様から外れた動画はアップロード時にサーバサイドで自動的に再エンコードが掛かります。

Fraps など元ソース → エンコード → 作成動画

から更に

作成動画 → アップロード → (再エンコード) → 掲載動画

と一律設定の強制再エンコードになるので、手元でいくら綺麗にエンコードしても画質などが劣化します。意図した通りに見せるにはこれを起こさないでそのまま掲載されるように、その動画サイトの制限ギリギリを想定してエンコードする必要があるわけです。

関連リンク

ニコニコ動画の仕様

大まかな再エンコードの回避条件 (080918 時点)
  1. 一般会員は映像 + 音声で 600 kbps 以下、ファイルサイズ 40 M まで
  2. プレミアム会員は映像 + 音声で 800 kbps 以下、ファイルサイズ 40 M まで
  3. 無音動画にして画質を稼ぐなら自前で無音の音声ファイルと合成する
  4. 固定フレームレートが望ましい
  5. 音声は AAC

 1, 2 は自分の環境に合わせて考慮して下さい。3 は音声部の情報が無いと再エンコード対象になるので、それに引っ掛からない為の処置です。4 は VFR (可変フレームレート) だとサーバから弾かれることがあり 「初期 delay カット」や「TimeScale 4倍精度」を切るのはこの為。5 については、AAC 44.1 kHz / 48.0 kHz の 32 kbps~64 kbps までと AAC-LC 44.1 kHz / 48.0 kHz の 32 kbps~96 kbps くらいまでが推奨。基本的に標準的な AAC-LC でよいが Nero AAC エンコーダなら、指定しなくても自動で最適なものに判定されます。

 映像に 400~500kbps 音声に 32~64kbps ほどあれば視聴には十分ですが、無音にして出来るだけ映像側に割り当てるのもありです。

関連リンク

zoome の仕様

大まかな再エンコードの回避条件 (080918 時点)
  1. 映像 + 音声で 1500 kbps 以下、ファイルサイズ 200 M まで
  2. 音声は AAC

 映像に 1000~1200 kbps ほどあれば 2 倍表示くらいまでは十分。AAC についてはニコニコ向けと同様。折角ニコニコより制限が緩いので、プリセット 「niconico 高画質」 でも可。余裕が出てきて更に高画質化を目指してもそこそこ耐えうる仕様。

関連リンク

GameVee の仕様

アップロードされたファイルは必ず再エンコードされる模様 (080918 時点)
  1. H.264 + AAC、baseline@3
  2. 映像 1000 kbps 前後、音声 AAC 96 ~ 128 kbps 辺りで再エンコード
  3. 16:9 は 「640 x 360」へ、4:3 は「640 x 480」 へリサイズされる
  4. 1 アカウントにつきトータルで容量 500 MB まで使える
  5. アップロード時 web 上で動画タグの入力が必須
  6. 海外のさっぱり系サービスなのでニコニコや zoome が苦手でも気楽に使える

 投げっぱなしでそこそこのクオリティになり拘らなければ便利。仕様が変わらない限り再エンコードは回避できないので、こういうサービスもありますよ的な紹介に留まる。

関連リンク

アップローダ・受け渡し篇

 再エンコードは気にする必要がなく、可変フレームレート使用などすべてお好みのままに。プリセットの 「バランス」 などを試して、品質基準 VBR で品質 (デフォルト --crf 21) を 19~23 辺りへ弄ってみても良し。上げすぎるとサイズが膨らみまくるので注意。

 大抵のアップローダは 1 ファイル辺りのサイズ制限がありますし、直接転送するにしてもサイズは小さい方が速く済みますから、5~15 分前後で 100~200 M 未満がひとつの目安になるかと思います。H.264 は他のコーデックよりもより小さな容量で綺麗に仕上がりますが、あまりにも詰めた設定の高解像度高ビットレートだと再生負荷がとんでもないことになるので、低スペック PC での再生も考慮するならほどほどに。

 最終的には 「許せるサイズ」 と 「好みの画質」 と 「エンコードに費やせる時間」 を天秤にかけて判断することになります。

TIPS
 プリセット変更の際、「niconico系」 で nul 出力 をチェックした状態から 「PSP系」 や 通常の「高速」「バランス」「高画質」 にプリセット変更すると、チェックが外れないままグレーアウトして適用されてしまうので (x264auo.967.release01で確認)、外してからプリセットを変更するか、下部のコマンドラインオプション引数を右端までなぞって末尾を確認し (--output nul があれば nul 出力処理)、もしあれば戻って外すといいでしょう。シングルパス時に nul 出力がオンになっていると、エンコード処理後の映像ファイルが出力されず、音声も同時に処理している場合は MUX に失敗して AAC ファイルだけが出力される為、それを回避します。

手動での音声処理

 AviUtl で自動で音声を処理しなかった時などの処理方法です。

音声ファイルの作成

※ゲーム音をそのまま使う場合は必要ない作業です。

 1 つのサウンドデバイスで Voice Chat を使っていて録音されたサウンドがそのままでは使えない場合や好きな音楽を動画に使いたいなら、音声ファイルを別途用意しておく必要があります。AAC へエンコード出来るツールであれば foobar2000BonkEncswitch と何でも構いませんが、ここでは、


を使って解説します。

 本体を入手したら任意の場所に解凍し、そのフォルダに neroAacEnc.exe を置きます。次にメモ帳やテキストエディタで同じフォルダにある prelife3.ini を開き、

[AAC - Nero AAC-LC 1pass]
exename = neroAacEnc.exe
switch = -br %Slider:ビットレート (bps)[32000, 64000, 96000, 128000]% -lc -if "%In putFile%" -of "%OutputFile%"
input = wav
output = aac

[AAC - Nero AAC-LC 2pass]
exename = neroAacEnc.exe
switch = -br %Slider:ビットレート (bps)[32000, 64000, 96000, 128000]% -lc -2pass -if "%InputFile%" -of "%OutputFile%"
input = wav
output = aac

これら 2 つの項目をテキスト末尾に追加して保存します。preLIFE3 を起動したら、出力形式に 「AAC - Nero AAC-LC 1pass」 と 「AAC - Nero AAC-LC 2pass」 が現れているのを確認して、どちらかをお好みで選択して下さい。

 最後にエンコードしたい WAV ファイルをメインウィンドウにドロップ、変換設定のスライダーで目標ビットレート (bps)*3を設定し 「選択した 1 曲を変換」 のボタンを押すと AAC へのエンコードが開始されます。


TIPS
  • 任意秒数の無音声ファイルを作るには
 WAVIパッケージを入手して silence.exe を任意の場所に解凍して下さい。コマンドラインツールですが使用法などもリンク先である AviSynth Wiki で分かりやすく解説されています。

 …これだけでは何なので、秒数を入力してエンター (リターン) キーを押すだけで無音 WAV を作成することができる bat ファイルを置いておきます。入力は 1.250 など細かく行えますから、MP4Box で MP4 ファイルを調べて、映像と音声の長さをできる限り揃えることも可能です。「音声チャンネルの数」 や 「サンプリング周波数」、「サンプルあたりのビット数」 を変更したい時は、default parameter の項目をそれぞれ書き換えて下さい。

無音 WAV 作成用簡易バッチ 詳細
Create_SILENCE_WAV_bat.zip 4KB

 ダウンロード後、silence.exe と同じ場所に解凍して 「.txt」 を削除してから実行すれば、そのフォルダに無音 WAV が生成されますので、あとはそれを AAC-LC にエンコードするだけです。

音声と映像の合成

※ゲーム音をそのまま使う場合は必要ない作業です。

 MP4Box のフォルダにある Yamb.exe を起動します。Creation タブの 「Click to Create an MP4 file with ~」 をダブルクリックすると作成画面が出るので、

  1. 映像ファイル MP4
  2. 音声ファイル AAC

この 2 つをドロップするか ADD ボタンから追加して下さい。その後 output ボックスで合成後の動画ファイル名を入力して、next ボタンを押せばそのファイルが作成されますので finish で閉じて完了です。


H.264 + AAC 動画の再生

 ニコニコ動画や zoome など動画投稿サイトの web プレイヤーでは必要ありませんが、Windows Media Player (WMP) や Media Player Classic (MPC) で MP4 コンテナ (H.264 + AAC) 動画を再生する環境が無い場合は、


以上 2 つをインストールすることで再生できるようになります。なお低スペック PC での H.264 再生向けには CoreAVC というものもあります。

ffdshow の設定
  1. インストール時に 「追加タスクの選択」 で 「H.264 / AVC」 と 「AAC - libfaad2」 にだけチェック
  2. ビデオデコーダーの設定で 「オーバーレイ」 にチェック、出力で 「ピクセルのアスペクト比を出力メディアタイプに設定する」 にチェックか半チェック

 他の形式の映像や音声の再生に ffdshow を 使う / 使わない を切り替えるなら、 「ビデオデコーダーの設定→コーデック」 を確認して下さい、自由に変更*4できます。

Haali Matroska Splitterの設定
  1. 「Enable MP4 Support」 にチェック
  2. 「Disable MPC internal Matroska Splitter」 にチェック

 2 は Media Player Classic では 内蔵 Matroska Splitter で MKV コンテナなどが再生できますが、こちらの機能を優先する為にチェックし内蔵フィルタを未使用にします。

MPC を使用している場合の設定
  1. オプション→内部フィルタ→「MP4/MOV」のチェックを外す

 この設定のメリットは MPC 内蔵のスプリッタを切ることで MP4 でも Haali 側の機能が使えるようになることと、チャプターが文字化けしなくなることです。


 準備ができたら、作成した動画を再生してみて出来上がりを確認しましょう。深刻な問題がなければ完成です。お疲れ様でした。

サンプル動画 (8s) 詳細
sample_550k.zip 626KB、x264 550 kbps、AAC 64 kbps → 586 kbps、4 kbps

関連リンク

MP4 動画にチャプターを付ける

 少し脱線気味ですが折角簡単にできることなので、動画コンテナへのチャプターの付け方を紹介しておきます。チャプターとはシーンの区切り (始点) のことで、それを動画に明示することで内容を把握しやすくなったりジャンプ機能が使えるようになります。WAR でなら複数の戦闘を収めた動画などで便利です。

チャプターの作成
 チャプターファイルは以下のような書式のテキストファイルで作成します。

チャプターテキストの書式 - hh = 時、mm = 分、ss = 秒、ms = ミリ秒
CHAPTERx=hh:mm:ss:ms or CHAPTERx=hh:mm:ss.ms
CHAPTERxNAME=name

例 sample_chapter.txt
CHAPTER01=00:00:00.000
CHAPTER01NAME=シーン1
CHAPTER02=00:02:00.000
CHAPTER02NAME=シーン2
2 行で 1 つのチャプターを表していて、この場合ならオープニングがシーン 1 で 2 分経過後からがシーン 2 という意味になるわけです。

 さてここまでをフォーマットの話として、実際には AviUtl のチャプター編集プラグインで作成するのがよいでしょう。プラグインを入れた後に対象の動画を読み込み、できるだけ他のフィルタ処理を外した状態で*5「表示→チャプター編集の表示」 と選んで編集画面を開きます。

 メイン画面でフレームを移動していき付けたい場面になったところで、チャプター編集の下部ボックスにチャプター名を入力し追加ボタンを押せばチャプターが付きます。付けたチャプターを選ぶとそのフレームにジャンプして確認できます。逆に削除したいときは行を選択して削除ボタン。この作業を繰り返してすべて付け終えたら、最後に右上の保存ボタンから txt ファイルを書き出せば作成完了です。

TIPS
 AviUtl で Directshow を経由して MP4 を読み込んだときに ffdshow のオーディオデコーダーや Haali が反応して邪魔な場合は、MP4Plugin を導入して 「ファイル→環境設定→入力プラグイン優先度の設定」 で 「Directshow File Reader」 よりも 「MP4 File Reader」 を上位にすれば抑止できます。

チャプターを合成する
 チャプターの MUX (合成) も前述の MP4Box と Yamb で行えます。方法も映像と音声の MUX とまったく同じで、MP4 File Creation 画面で合成したい MP4 動画 と チャプター txt を入力し、保存ファイルに名前を付けて next ボタンを押すだけです。

チャプターの利用
 動画再生時、チャプターの参照やシーンジャンプはタスクトレイ上の Haali Matroska Splitter アイコン、または MPC なら GUI の 「操作」 や Page Up と Page Down から利用できます。


最後に

 凝ったテロップを入れたり動画の繋ぎ目にトランジションを、といったより高度なエフェクト処理を行いたいなら、ステップアップして潰しが利く AviSynth を習得するのがお勧めです。もちろん本格的に市販の動画編集ソフトを購入してやるのもよいでしょう。

  1. ソースファイルの読み込み
  2. 動画の編集
  3. 必要なフィルタ処理
  4. 目的に合わせたエンコード

 などの一連の流れをきちんと理解できれば、AviSynth のスクリプトを書く時も、使用するツールやエンコーダを VirtualDub で DivX + MP3 などに変えても、すんなりと適応できるようになるので、めげずにチャレンジしてみて下さい。

 ということで、公開するにせよしないにせよ気が向いたらプレイ動画など作ってみたりしてはどうでしょうか。それでは良い WAR ライフをお過ごし下さい。




目安箱バナー
注釈

*1 もちろんフルマウスでもできます

*2 元ソースが非圧縮なら約半分に圧縮されますが、Fraps FPS1 コーデックは多少圧縮されているのでもう少し大きめになります

*3 bps表記なので32000が32kbps、64000が64kbps、96000が96kbps、128000が128kbps

*4 無効以外で対象コーデック再生時に使用

*5 プレビューを軽くする為