鉄道 (平井喜久松,岩波書店,1936年 第1刷,1949年 第7刷) > 第二編 停車場 第一章 総説

鉄道』は平井喜久松さんの著書で,岩波書店から1936年(昭和11年)に第1刷が,1949年(昭和24年)に第7刷が発行されました。
このページには「第二編 停車場 第一章 総説」を収録。

目次


第二編 停車場 (p. 111)

第一章 総説 (p. 111)

§1. 停車場の意義 (p. 111)

乗客の乗降,荷物の積卸,機関車およべ車輛の点検,修理,給炭水,列車の編成,車輛の入換あるいは列車の行違および追越をなさしむる等運輸運転上必要なる取扱をなす場所を停車場(station)と言う。
国有鉄道においては停車場を別つて次の如く定めている。
  1. 駅:列車を停止し,旅客または荷物を取扱うため設けられた場所
  2. 操車場:専ら列車の組成または車輛の入換をなすため設けられた場所
  3. 信号場:駅にあらずして列車の行違または待合をなすため設けられた場所
普通言う停車場はこの分類の中の駅の事である*1

§2. 停車場の種類 (p. 111)

1. 設置目的による分類 (p. 111)

  1. 普通停車場
  2. 旅客停車場(passenger station):旅客のみ取扱う停車場
  3. 貨物停車場(freight station):貨物のみ取扱う停車場
  4. 客車操車場(coach yard):旅客列車の組成解放,客車の洗浄,駐留,検車等をなす停車場
  5. 貨物操車場(sorting yard):貨物列車の組成解放および入換等をなす停車場

(平井喜久松『鉄道』1949,pp. 111,112)

2. 線路上の位置による分類 (p. 112)

(第130図)
  1. 終端停車場(terminal station)(a)
  2. 中間停車場(internal station)(b)及び(c)
  3. 連絡停車場(junction station)(d)

(2)の中間停車場の形には2つある。
  • スルー停車場(through station)(b)
  • スイッチバック停車場(switch back station)(c)

(平井喜久松『鉄道』1949,p. 112)

§3. 停車場の位置 (p. 112)

停車場の位置の良否は貨客輸送上なみに列車運転上またその地方の発展上重大なる影響があるから慎重に考慮する必要があり,大体次の条件を考えねばならない。
  1. 旅客貨物集散地に近き地点
  2. 将来拡張の余地充分なる地点
  3. 都市発展の障害とならざる地点
  4. 列車運転上有利なる地点(到著*2に上り勾配,出発に下り勾配となる地点)
この他操車場では特に運転系統および旅客貨物移動の趨勢(すうせい)に適合せしむるよう考慮する必要がある*3

参考文献

(著者・編者の五十音順)

書籍
  • 平井喜久松『鉄道』岩波書店,1936年5月15日 第1刷発行,1949年7月15日 第7刷発行

辞典
  • 石井忠久,他『福武漢和辞典』福武書店,1991年11月1日 発行,初版
  • 岩波書店『広辞苑』〈シャープ電子辞書 PW-9600 収録〉岩波書店,1998-2001年,第5版

(書名の五十音順)



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更新日:2010年12月10日

最終更新:2010年12月10日 07:17
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*1 ) 平井喜久松『鉄道』1949,p. 111

*2 ) 「到著」の読みは〔トウチャク〕。意味は「到着」と同じで「目的地に行き着く」--【到】/【到着・到著】『福武漢和辞典』p136

*3 ) 平井喜久松『鉄道』1949,pp. 112,113