夢幻の司(ムゲンノツカサ)/東国人+理力使い+ドラッカー+幻影使い


(絵:ジンジャーさん)
(クリックすると大きくなります)

要点

東洋風の服装・東洋風の人材・黒い髪・長い杖・病的・薬を静脈に入れるための管・指輪・シルクハット

周辺環境

四季・入り組んだ地形・稲作・紙と木で出来た家・火山・魔法陣・廃墟・飛び交うハト

評価

体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運 装甲 白兵 近距離 中距離 遠距離
0 -2 -3 -1 -2 5 6 2 -1 -2 -1 -2 4 2

リアルデータ

体格 筋力 耐久力 外見 敏捷 器用 感覚 知識 幸運 装甲 白兵 近距離 中距離 遠距離
1.00 0.44 0.30 0.67 0.44 7.59 11.39 2.25 0.67 0.44 0.67 0.44 5.06 2.25

特殊

  • 東国人は一人につきターン開始時に燃料1万tが増加する代わりに資源1万tを消費する。
  • 東国人は一般行為判定を伴うイベントに出るたびに食料1万tを消費する。
  • 理力使いは詠唱戦行為ができ、この時、詠唱戦((知識+器用)÷2)の攻撃判定は×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • ドラッガーはドラックによる強化行為により、任意の評価を×1.50(評価1)補正することができ、この時燃料2万tを必ず消費する。
  • ドラッガーは予知夢行為(判定:幸運)ができ、この時燃料1万tを消費する。
  • 幻影使いは詠唱戦行為ができ、この時、詠唱戦((知識+器用)÷2)の攻撃判定は×2.25(評価2)され、燃料は必ず-1万tされる。
  • 幻影使いは詠唱戦行為の対象1人の感覚力を÷3.38(評価3)低下させることが出来る。この選択をした場合燃料は必ず-2万tされる。

次のアイドレス

  • 職業
魔法使い・幻影使い・理力建築士・入院患者・ウォードレスダンサー・ドラッグマジシャン・映画監督・優しい死神・舞踏師



夢幻の司についての記述

 古来より、人の意識は現し(うつし)と幻の認識、その錯覚から認識を編み込んでいる。新たなる価値観を自分に植え付ける際、人は無意識のうちに仮想し、その結果のシミュレートを行う。ある意味、これは人間がもつ特異な演算能力がもたらした、人が人たる由縁として上げられる未来予知のプロセスに最も近い技能といえるであろう。この処理にフィードバックされるのは、個人が自ら学習してきた経験としての客観的論理法。最も関連性があり、かつ最も新しいものとして記憶に書き改められた情報。そして、自らが望む意志の強弱であり、これが最も重要視されるものだとここでは記述しておく。成功を強固に望むがゆえに自分の置かれている状態を過大評価するものもいれば、失敗を自他に咎められたくないがために意図的に過小評価するものもいる。これらは全て妄想であり、前記2つがいかに優れ、正確性を保有していたとしても、その薄弱な意志の前に未来への筋道を眼前に捉えることもできず、簡単に像は屈折してしまう。しまいにはありもしない幻影に心奪われ、取り込まれ、その先の結末は語るまでもなく、人が見るべき夢、未来に文字通り食われてしまう――それがおうおうにして世界ではまかり通り、人が背け続けているという理法を探求し、台頭してきた流派がある。現実と幻の境を恣意的に操作し、不可視のその境界に決して陥ることなく、我らが国のために未来を見通そう――その唱え、その試みを都築藩国で始めた彼らを、世間一般では『夢幻の司』と呼ぶ。
 『夢幻の司』は同藩国内に存在する理使い、非時の司から生まれ出た分派だという見解が強い。その所見は様々であるが、彼らが非時の司が用いるトキジクの実とおぼしき薬物を同様の処方で用いるため、という意見が今のところ主流をなしている(トキジクの実についての詳しい概要は、「非時の司についての記述」(著:都築藩国文族らうーる)を参照していただくのをお勧めする)。軍部においてもなお知るものが少ないとされる、トキジクの実の加工方法を知る彼らを、その関係者と見るのは自然なことであろう。だが、なぜ彼らは非時の司という立場を捨て、新しくその身分を立てることにしたのだろうか?トキジクの実は、通常は八百屋でも売られている安全な食用製品である。政府はこれらが持つ真の効果の漏洩を恐れ、自らのその精製法を管理。ある筋によれば、非人道的な手段の公示さえなして、堅牢なバリケードを張っているという。『夢幻の司』が、少しでも道を誤れば自らの命すら絶ちかねないその積極的手段をとった理由とは、どんなものなのであろうか。
 彼ら『夢幻の司』は、非時の司と比較しても歌を奏でることが多い。それは純粋な戦闘舞踏ではなく、幻想思わせる詩を口から紡ぎだしているのを私は耳にしたことがある。よく聞いてみればその詩には文体として怪しいところもあり、選び出した語に統一感もない。少し時間をかけて集中してみれば、なんのことはない、即興の詠唱歌ということを理解した。しかし、それも一瞬だ。次の瞬間に私が認識できたのは、そのつぎはぎだらけの幻想歌に私自身が魅せられているということ。目の前には蒼然とした景色が広がり、不可視の風に色がついていくのを脳裏で見た。緑黄の草原、黄昏に染まる海原、澄み切った青空――何より誰もが笑いあっているその情景に、あぁ、これは彼らが夢見る世界なのだな――そう私は悟った。それを確認しようにも私は余韻に酔いしれ、意識おぼろな状態にあったために、その歌声の主を直接目にかけることができなかった。ただ、彼らが好んでつけるという銀色の指輪が月明かりに反射するのと、その周囲に従わせる――いささか時代錯誤ではあるが――平和の象徴であるハトの姿に、私は彼らが『夢幻の司』であることを連想せざるをえなかった。
 軍部における『夢幻の司』は、現実と幻想の境界を自らの脳裏を通して伝達する役目を果たしている。混乱した状況下にある際の彼らは、どんな伝説的な司令官よりも正しく未来を見通し、戦況を逆転さえ優位に運んでいく勝利の要だといっても過言ではないであろう。それ以上に、彼らの見るそれは戦いに疲弊した戦士たちに安息を与えるのだ。夜明けは近いと。時に彼らが奏でる歌は、友や恋人、家族を思う歌であり、その無事を祈る祝詞である。ひどく旧時代的な構成に加え、アバンチュールに溢れる詩歌は戦士たちの心のうちを鏡のように浮かび上がらせ、士気を再び燃え上がらせる。『夢幻の司』に戦う力をもたないが、誰もが見誤る現実と幻想の境界から正しい未来――誰もが望むそこから、最も確実な未来を見てとる力があるのだ。それは戦場における参謀たちがなすように、客観的に物事を判断することとはまた別のことであろう。未来とは、自分たちの望みと今そこにある世界をすりあわせてなしていくもの。『夢幻の司』は、その役目を自分たちが担うべきことをその心うちに見たからこそ、その居場所についたのかもしれない。それをなすのが自分たちでなくてもよい、見定めるだけでよいと。彼らは我々の見通せぬ深遠へ心を向け、自分の祈りを強い指針にし、今日もその役割を果たしている。
(文:浮椎吾さん)

設定文音声データ
(声:えるむさん)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2017年07月23日 14:17
添付ファイル