第三部   予告編

 

 

「盗れるなら盗っていいですよ。ええ・・・・・・盗れるなら、ね」

 

 それは、一冊のノートをめぐる物語。

 

「市街地で奴が見つかった・・・・・・そろそろ、野放しにしておくわけにもいかないな」

 

 それは、一人の人間を追う物語。

 

「皆さん、聞いてください。一つ、面白い提案があります」

 

 そして、彼の者の一言で、物語は動き出す。

 

「私たちの、一世一代の大勝負・・・・・・アカシャノートを、奪います」

 

 

 それは、昔のお話。神が天地を創り、人間が生まれ、まだ世界の支配者は人間ではなかった。そんな時代のお話だ。

二人の人間が、大いなる力を封じた箱を手に入れた。しかし、人間達は箱を開けようとはしなかった。

だが、人間とは欲望の元に成り立つ存在。更なる力を得る為に、それを求める者が居た。そして、それを防ぐ為に箱を迷宮に封じ、人間達は自らを番人とした。

それから、長き時が流れた。人間達は、段々箱のことを忘れていった。

しかし、求めし者は覚えていた。そして人間達の隙を狙い・・・・・・箱を、開けてしまった。

この話は、これで御終い。え?この後どうなったか・・・・・だって?

ああ、すまない。その後は長きに渡って人間と大いなる力を持ちし者の戦いが続き、結局持ちし者は人間により倒された・・・・・・それだけのことさ。面白くもない、血なまぐさい話だよ。

でもね、持ちし者は最後にこんなことを言ったんだ。世界は無限の輪の中に捕らわれている。ならば、私もいつか復活し、貴様らの前に現れるだろう、とね。

ふむ、その後復活したのかって?うーん、もしかしたら・・・・・・まだ、同じことを繰り返そうと狙っているんじゃないかな。すべてはループして、無限の輪の中に納まるもの。なら、いつかどこかに奴が現れるかもしれない。

 なあ、魔王よ・・・・・・

 そ う だ ろ う ? 

 

 

 

第三部       予告編 完

 

 

 おまけ

 

「ええい、触るな!来るな!寄るなぁ!」

「お願いだ、助けてくれ!待ってくれー!」

「ええい、やめんかぁ!」

「・・・・・・楽しそうだなあ、先生」

「見てないで助けんかー!」

 

 

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最終更新:2007年03月30日 22:35