撃殺しtips#1「過ちと今。」

なぜ俺は逃げている?
決まっている。あいつが追いかけてくるからだ。
なぜ追いかけられているんだ?
わかっている。友達を殺したからだ。
なぜ殺した?
わからない。最初は事故だった。
なぜまた撃つ?
自分が捕まると思うと、怖くて。助かるために、殺した。
でもなぜそれを持つ?
わからない。でもたぶん、俺は怖がっているからだ。
何を怖がっている?
これを持っていた、あいつだ。
あいつがいなければ、俺は。
人を殺すなんて事はしなかったはずだ・・・!

「待て!待つんだ!止まれぇ!」
後ろから声が聞こえた。
でも、今止まったら、絶対つかまる。
怖い。
つかまるのが怖い。
怒られるのが怖い。
―殺されるのが、怖い。
だから止まらない。
たとえ友達を殺しても、
俺は生きたいんだ。
だから走る。
死から逃げるために。

もう、あいつの声は聞こえない。
完全に撒けたようだ。
木の根元に座り込む。
手にはまだ銃を持っている。
二人も、殺した、凶器を。
―――後悔、している。
たった一度だけの間違いで、二人も殺してしまった。
二人の、かけがえのない、友達を。
―――でも、何で。
これが本物だってわかっていたはずだ。
モデルガンならここまで重くはならない。
そして、たとえモデルガンだとしても、人に向けて撃ってはいけない。
これは常識。
誰でも知っているはずの、常識。
俺はそれを知っているはずだ。
俺の犯した、過去の過ちから。
―――でも。
なぜ撃ったんだ。
              ・・・ワカラナイノカ?
理由がない。
              リユウナンテイラナイ。
俺は怖かったんだ。
              コワイ?
あの過ちが。
              チガウ。
              チガウチガウチガウ。
              コワクナンテナイ。
              アレハチガウ。
              アレハ。
 タ ダ 、 オ モ シ ロ カ ッ タ。

そうだ。
面白かったんだ。
前のあれは何のためにやったんだ?
ストレス発散のため?
違う!
面白かったからやったんだ!
人が面白いと思うことを何でやってはいけない?
人一人が面白いと思うことをやってはいけないなんて、おかしい。
だから俺はやったんだ。
面白そうだったから、富田を撃ったんだ。
たったそれだけ。
他に意味はない。

―――そうだ。
今日もまた獲物を探しに行こう。
さぁて、今日は何人やれるかな?





撃殺し編tips#2「次の世界。」

私は今、敵から走っている。
敵は、あの山狗部隊だ。
鷹野は私を裏切って、私たち部活メンバーは裏山に逃げ込んだ。
しかし、山狗は執拗に追っかけてくるため、私たちは散開した。
      • 私はまだ、スネークに会えていない。
やっぱり、奇跡は起きなかった。
だから今回も捕まって死んでしまう。
私は何もできないまま、また殺されてしまう。
そんな自分がとても悔しくて、腹立たしくて・・・
次の瞬間、
私の体は宙に舞っていた。
つまずいてしまったようだ。
しかも、山狗はかなり近くに居る。
「こちら鳳、ターゲットを確認。捕獲する」
走りよる敵。
もう駄目だ・・・!

瞬間。
叫び声と、爆風。
「梨花ちゃん、大丈夫か?」
圭一の声。
「いたい所はない?」
魅音の声。
「梨花、早く起き上がってくださいまし!」
沙都子の声。
「あぅあぅあぅ、梨花ぁ・・・」
羽入の声。
そして、
「早く立ち上がった方が良いぞ、梨花」
ずっと待ち望んでいた声が、聞こえた。
「スネーク・・・?」
「待たせたな!」
それは紛れもなく、奇跡と言うべき物だった。
「言っただろ、俺を信じろって。だから俺は覚えていられた。とにかく、走るぞ!俺についてこい!」
そうして、私たちは走り出した。

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最終更新:2008年02月20日 22:35