ここには本編にまだ組み込まれていない続きです。
話が進めば本編に書き加えられるかもしれません。


854 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 04:47:37 ID:bfwkcQZ7
深夜のテンションで悪乗りしすぎた感が。多分寝ておきたら恥ずかしさで死ねる。色々壊れててごめんなさい。
それと、TIPSを一つ書きました。
時間的には綿流しの直後を希望ですが、その辺はスクリプトの方の裁量に任せます。


「これが研究の全データのコピーですんね。よろしくお願いします。」
「ご苦労様です。」
県下では上等なホテルの一室で、鷲鼻の男がスーツの女が面をつき合わせている。少し離れたところで、別の男が二人に背を向ける格好でベッドに腰掛けている。男は彼らの声が耳に入っていないかのように身じろぎもせず、じっと閉め切られたカーテンを見つめていた。
「これであれの開発はほぼ完成でしょう。……山狗に伝達を出しておきますか?」
「焦ることはありません。一応のテストを経てから、という予定に変更はありません。」
「へぇ。……しかし、随分その予定は早まったみたいじゃないですか。確か事前の見積もりでは8月まではということっしたが……」
「それだけ三佐が優秀だということです。彼女がそれまでの研究で持っていたノウハウは十分すぎるほどに役立ってくれました。間違いなく鷹野女史はこの『メタルギア』の最大功労者でしょう。本社も彼女に最大限の栄誉を惜しまないと約束しています。」
「へっ……へははははは! あんたも大した狐ですんね。それとも作戦名でお呼びしたほうがいいですかい?」
「どちらでも構いません。あなたも鳳と呼ばれるほうがよいですか?」
「いえ、遠慮しときます。俺はもっとしみったれたのが性に合ってますんね。」
鷲鼻の男……小此木は笑いながら、密かに思った。
……相変わらず何考えてるわかんねえ女だ。三佐といい、こっち来てからそっちの収穫はありやしねえ。
不意に、カチャカチャと耳障りな音がする。
「……あん? おめえ、何してんだ」
腰掛けていた男が、何やら手元のものをいじり始めたらしい。
「ルービックキューブです。どうもこの頃あれにはまっているようなので」
「……けっ、気味が悪ぃ。」
女が連れてきた「兵隊」――男はそういう肩書きだった。酷く口数が少なく、小此木はいまだに慣れることができないでいる。恐らくこれからもそうだろう。
最近は、むしろ面倒のかかる方が多い。先日も、往来でいきなり一般人に絡んだので、ことを丸く収めるのに一苦労した。
……頭いかれちまってんじゃねえか?こんなの糞の役にも立ちやしねえのに、やっぱりよく分からん女だ。
「……そろそろ帰らんと怪しまれますわ。あんまり診療所あけるとうるさいんでね。」
「ええ。……それでは、小此木二尉。」
「失礼します。…………野村さん。」
軽く会釈を交わして、小此木は部屋を出た。
野村はそれを確認すると、カーテンの前に進み男の傍らに立つ。
奇妙な出で立ちの男だった。全身を甲殻類のような鎧で包み、顔は仮面に覆われていて表情は伺えない。
「聞きましたね。あなたの御友人にも挨拶の準備をしておきなさい。」
「…………ああ」
聞き取れないような小さいものだったが、野村は彼が一瞬だけ感情に声を震わせるのを聞いた。こんなことは珍しい。
「……そろそろ、お祭りです」


413 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 19:07:35 ID:Fir7yTWW
明けて、今日は7月1日。眩しい夏休みを目前に踊るはずの心が、何故か今日の曇り空のように重い。
どうやら、私達を亡き者にしようとした終末作戦は達せられないまま、7月を向かえられたようだ。
少し記憶しているカケラが足りないが、前の世界で7月を乗り越えることに成功したらしい。
しかし、手放しでは喜べない。沙都子が見た夢に出た、蛇と巨大な火炎竜。ホントは杞憂で済んで欲
しいのだが…しかし、心に引っかかって離れないことがある。それは、

       東京は何故終末作戦を実行しなかった?

こんな最中、また転校生が来た。前に遭ったことのある、あいつだ、スネーク。
この間は、上辺だけ親しげに話をしたが蛇とスネーク、出来すぎている!
あいつがどれ程のことを知っているかしらないが、まさか生徒として村に探りを入れてくるとは!?
こいつの上官も指揮能力を疑ってしまう、胡散臭いことこの上ない。

仲間達とも、放課後沙都子の夢について語り合ったが、如何せん情報が無さ過ぎて想像に頼るのが
みんな精一杯。圭一が、「火遊びしたから、そんな夢見て、起きたら寝小便してたんだろ?」を沙都子
をからかうものだから、おかんむりの沙都子は金ダライのトラップを発動して復讐。いつもの光景だ。

       さっきからこちらを睨みつけている、熱ーい視線☆を除いては……

しばらくして、その視線は感じられなくなり、すっと職員室の方に向かった気がした。誰だったのだろう。
知恵か。それとも……
「羽入、シュークリーム3つでお願い」「あぅあぅ、もう2つ足さないと何も聞こえないのです♪」全く……
これが雛見沢の神様と知ったら、誰も賽銭を入れなくなるぞ!「分かった分かった、あんたと喧嘩する
時間が惜しい!だから見てきて。」「梨花も大人になったものです☆サービスしますです!」
羽入が情報持ってきてから、考え直すか…


414 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/09(木) 02:17:35 ID:iTc447NK
あぅあぅ、梨花はうっかりさんなのです。
冷蔵庫の下段奥にしまい込まれた「死刑執行用キムチ」か、沙都子が買い置き
してある「ハバネロ兄貴」を持ち出されたらどうしようかと思いましたのです。
それに思い至らないとは、梨花もまだまだなのです。
伊達に雛見沢の歴史とともに存在し続けた「オヤシロさま」の叡知をなめてはい
けないのです。あぅあぅ。

 しかし… ふと我は思案にくれるのだ。
 果たしてあのスネークという異人の男は、本当に災いを呼ぶべくこの世界に
紛れ込んだカケラなのであろうか?
 彼が多くの隠し事を抱えている事だけは確かだが…
 彼には鷹野に感じられたような、かすかな邪気すらも感じられなかった。
 先月の綿流しの夜、射的屋のあの大きな熊のぬいぐるみをただの一発で撃ち
落とせる、針の穴をくぐるが如き隙を見抜き、それを圭一に耳打ちし、レナを喜ば
せたのはあのスネークという異人だ。
 その時の彼は、本当に純粋に梨花たちを喜ばせようとしていた。
 まだ見落としている事、まだ見えていない事、あまりにも多過ぎる…
 私も梨花も、あの最後の滅びの日の記憶をいまだに紡げていない…
 なんともどかしい事か?
 記憶に残っている断片がないわけではない。
 「めたるぎあ」…
 あいにくとその言葉があの滅びの世界でどんな意味を持っていたのか、我の
理解の外にあるのだが…

 …と、いつの間にか職員室の前に来たのですよ!
 あぅあぅ! 今日はおうちに帰ったらシュークリーム5つなのですよ! 

416 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/09(木) 22:52:32 ID:YclQ4zFh
TIPS 蛇と教会

「スネーク君、雛見沢の生活には慣れましたか?
「ああ、今までの人生で一番いい所だと思う、子供達と戯れるなんて初めての経験だ。」
「そうですか、しかし最初はこっちが驚きましたねー、まさか生徒としてここに転入してくるなんて。」
「ああ、全くだ。大佐もこの国の書類審査がザルだという事を知っててこう判断したみたいだが、
 わざわざ証拠の残る書類偽装をするなんて。」
「ああ、多分その判断は正しいですね。雛見沢については別なんですよ、雛見沢を調べている方が結構多くて。
興宮署の刑事の大石さんとかは書類に穴が開きそうなくらいこの辺の住民の事を調べているでしょうね。」
「それに東京……か、確かに警察はまだ可愛い方だろうな。」
「!!……知っていたのですか、東京の事を。」
「アルファベットプロジェクトの存在まではな。大佐が上に掛け合って東京に圧力を掛けさせている。」
「……そうでしたか、滅菌作戦が展開されなかったのもそれが原因ですか?」
「ああ、資金を流していくつかのプロジェクトを延命でなく復活させる事で食い止めたみたいだが。」
「なんて事を……!なら合点がいきますね。……その再開されたプロジェクトの中にとんでもない物があるのです。」
「何?どういうことだ、それにそのプロジェクトってのは。」
「Z……ゾンビ・ソルジャー・プロジェクト……死んでしまった兵士を蘇生させる悪魔のプロジェクトです。
 しかし、プロジェクトが復活したと言ってもそれだけでは何も出来ません。」
「じゃあ、他にも何かマズいものがあるって言うのか……」
「資金だけでなく、技術も提供されたとしたら?それと、FOX HOUND隊員のDNAデータを東京に売り渡していたとしたら。」
「馬鹿な!それが本当だとしたら……でも何故、それにどこでそんな情報を……」
「大方、お金に目が眩んだお偉方が、日本のABCプロジェクトを利用しようとしたんでしょうねー。
 それと、アメリカには日本に比べて教会が多いですから。子羊達の懺悔の心を代行者さん達が汲み取って、という訳です。」
「で、アンタが来たと?それだと順番が違うんじゃないか。」
「私がここに居るのは別件です。この地で第二魔法の痕跡が……と、それは置いておいてですね。」
「第二魔法?それは一体。」
「ごめんなさい、これは聞かなかった事にしてください、 この件については全然関係無い上に機密ですので……。」
「なるほど、教会のオカルト絡みか。なら次だ、最初に俺と結んだ協定は?そっちの上は何て言ってる。」
「それについてはこのまま継続です。そもそもあなたを呼んだのは教会の別の機関ですし。
 ずいぶんと凄腕のを送り込まれましたので何か厄介事が増えたのかと。」
「何?別の機関とはどういう事だ。アンタが俺達にサポートを依頼したんじゃないのか。」
「それは私も聞いてないですね。私は雛見沢にあなたが来るから任務のついでに手に入りにくい火器の手配や
サポートをして欲しいと言われているだけです。」
「じゃあ、俺は何のために雛見沢へ……?」
「それはわかりません。……しかし、何だかすごくキナ臭い話になってきましたね。」
「全くだ。……ところでこれは俺の予想だが、雛見沢一帯は東京の実験場扱いなのなのかもしれん、
 今後、ここにFOX HOUNDのクローン部隊が送りこまれてくる。俺と戦わせる為にだ。
 それが終了した時点で滅菌作戦が発動、雛見沢ごと証拠隠滅という流れになるだろうなう。」
「嫌な予想ですね。いえ、恐らくその予想は当たる。何故でしょうね、経験はないのに私はそうなると確信しています。」
「……そうか、やっぱりアンタもそうなのか。」
「ええ。……で、そこで盗み聞きしているのは誰?出てきなさい。」
「……誰も居ない?いや、気配だけ……2つ?……2人単位の光学迷彩か?」
「だとしたら、東京の放った刺客でしょうか。」
「いや、偵察だろう。俺達は実験台なんだ、嫌でも近いうちに仕掛けてくる。」
「……でしょうね。しかし、嫌な予感がします。月末に、私達が確実に敗北する嫌な予感が……」
「あの子達が言っていた火炎竜か、俺にも心当たりが……いや、全部潰したはずだ……まさかな。」
「いえ、一応確認しておきましょう。それは一体何ですか?」
「メタルギア……もしくは対メタルギア兵器のメタルギアRAYだ。」

417 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[TIPSにした意味無かったねsage] 投稿日:2006/11/10(金) 00:09:09 ID:FvDZwe8p
「あぅあぅ、あぅあぅあぅあぅあぅあぅ!あぅ。」

「何てこと……そう、わかったわ、羽入。スネークは完全にシロ、
それに知恵が協力してるけれど二人とも背後が黒に近いグレーね。」

「あぅあぅ、それだけじゃないのです、知恵は僕に気がついたみたいなのです。」

「まさか、知恵が?発症していて羽入の声が聞こえるとかじゃなくて?」

「あぅあぅ、それに職員室から追いかけようとしたスネークが僕の他にももう一人隠れているとも言っていたのです。
でも、もう一人の方は逃げるのがとっても早くて知恵があぅあぅした時にはもう逃げ始めていたのです、あぅあぅ!」

「じゃあ、知恵が察知したのはそっちの逃げた方で、スネークだけがアンタに気付いた可能性もあるのね。」

「あぅあぅ……あ、あとスネークが最後にメタルギアと対メタルギア兵器があぅあぅと言ってたのです、あぅあぅ。」

「なんですって、それじゃあ……スネークが竜を連れて来るっていうのは利用されたスネークごと雛見沢を消すっていう意味?!
 っく……それじゃあ、まるで滅菌作戦と同じじゃないの……!」

「あぅあぅ!でも、諦めちゃだめです梨花!蛇という毒のカケラを馴染ませる為に過ごしたループは絶対に無駄じゃないのです!
私達は皆で未来を見る為に食い縛ってきたのです!あぅあぅ!」

「ふふ……そうね……ここで諦めちゃ、わざわざ来てもらった蛇さんにも悪いしね。」

418 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 01:27:50 ID:vMFhR+Ka
東京のある一派閥の高官の会話

「雛見沢には、鷹野君に終末作戦を展開してもらおうと思ったのだが…
当の本人がL5に罹患してしまったのではしようがない。
野村は、割のいい話でもあったのだろう。何の音沙汰もない。

どうでもいいことだ。これから起きる、悪魔の降臨に比べれば…アレは
もう見つかったのか?今更、役に立つとは思えんが、まかり間違っても
大日本帝国があんな物製造段階まで進んでいたのがばれるのは、今
の国際情勢上好ましくないことだ。

もしもだが、雛見沢の地下奥にある戦前の新型兵器開発工場、8月末
までに見つからなければ、国籍不明機墜落による炭疽菌の拡散という
ことにしろ。あれを落とせば、ホルマリン漬けにして40年は人の出入り
は不可能だからな。その間、じっくり調べることが出来る。
…大日本帝国製弐拾式原子新型爆弾の設計図と、試作品をな!

この国の平和ボケぶりを見ろ、こんなものが見つかったと分かっただけで
大騒ぎは必至だ。非核三原則を謳うわが国のの国際的信用にも影響する。
東京の、一派閥にも旨い汁を吸わせることになるかもなっ!」

「しかし、先走りすぎではないか?日本も、核など原子力発電の技術を流用
すれば、短時間で実装可能な時代だ。そんな、戦前の原爆技術など……」

「情報によれば、スネークとかいう奴が雛見沢に潜入しているらしい。何を
考えているのやら…しかし、万一この事なら生かしておくわけにはいくまい。」


「ありがとう羽入。結局どこも情報が交錯して、何が正しくて何が誤りなのか、
把握しかねているのね。まっ、共通しているのは物騒な話ばかりってことね。
原爆なんか、雛見沢の地下で開発していたかしら?ガセっぽいけど…」
長考モードの梨花「あぅあぅ…シュークリームは、梨花?」
「気が散るわ!羽入ちょっと黙ってて!!」「………」

419 名前:ローカルルール変更議論中@詳細はLR議論スレにて[sage] 投稿日:2006/11/10(金) 03:37:48 ID:FvDZwe8p
「さてさて、そうと決まれば用意だけはしておかないと。一応聞いておきますがもしメタルギアが出てきたとして
 破壊するにはどれくらい火力が必要ですか?」
「古い型のはグレネードで足を破壊できたが最低でもスティンガーは欲しい。正直アレと生身でやり合うのは生きた心地がしない。」
「了解です、それくらいならなんとか用意できますね。それ以外の火器も教会謹製の特殊弾頭とセットで一揃え用意します。」
「教会謹製?もしかしてヴァンパイア狩りでもするのか?」
「ええ、ブラム・ストーカーも真っ青の職場ですよ。彼が存命中に私達を見てたらそれはもうホラー小説が3D冒険活劇になるくらい。」
「そいつは夢のある職場だ……。」
「それと、基本的には私は学校の業務が終わるまで……人目に付かない様に夜まで活動する事が出来ません。」
「つまり、人目のある日中はどうあっても戦えないわけだ。それは俺にも言える事だがな。」
「本当にどうしようもない時は私が人払いの結界を張りますから、なるべく人気の無い方へ誘導して下さい、人が居ると結界の意味がありませんから。
 竜宮さんが居なければダム方面が丁度いいですね。ダメなら裏山やここの校庭に被害を出さない様になんとか誘い出して下さい。」
「ああ。それについてだが……「ブカツ」の面々にこの件を話しておいた方が良いと思うんだが。」
「……!あなた、何を言ってるのか解かって言っているんですか?!」
「最初は正気の沙汰じゃないと思った。だが、俺の直感が彼等の協力無しではまた繰り返すと告げているんだ。先生、アンタも薄々は気付いているはずだ。」
「……生徒を巻き込むのに抵抗はあります。一つだけ聞かせてください、彼らはこの事態をどう受け止めるでしょうか。」
「彼らは先生が思っているよりずっと大人だ。彼らは仲間の居る雛見沢を守る為に立ち上がる。いや、もう彼らは彼らで動き始めている節がある。
 たとえ俺達が手を出さなくても、全員で幸せな未来を見る為にだ。子供達のそんな尊い夢を、子供達の純粋な夢を壊す大人を俺達大人は許しておけない。」
「……わかりました、そこまで言うのなら。でも、出来るだけ危険なことは私達2人で片付けますよ。」
「当然だ。じゃあ、子供達には俺から声を掛けておく。」
「いえ、その時は私も同席させていただきます。……これは、私の先生としてのケジメもありますので。」


870 名前:携帯からですまぬ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 21:25:26 ID:ywrMzYJH
「ハァ…ハァ、肺をやられたわ…もう助からないわね…」
「そんな…いますぐ病院に運べば何とか!」入江が今にも泣きだしそうな顔で叫ぶ
「フフフ…これでも医者の端くれよ、自分の体の事くらい分かるわ…」死の間際だというのに鷹野の顔は不思議と穏やかだ

871 名前:携帯からですまぬ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 21:26:49 ID:ywrMzYJH
「止めが欲しいか?」無表情でスネークが言う
「ええ…お願いするわ…」
「一発だ…安心しろ痛みを感じる暇もない…」
「そう…それは…嬉しいわね」
「二郎さん…居る…?」
「あぁ、ここに居るよ」
鷹野の手を握り涙ながら富竹は言う。

872 名前:携帯からですまぬ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 21:27:31 ID:ywrMzYJH
「二郎さん…ごめんなさい……たくさん…たくさん酷い事をして」
「そんな事ない!そんな事……ないさ…」
「さぁ…スネーク…私を…お祖父ちゃんの所に送って…」
スネークは静かに頷き拳銃を鷹野の額に向ける

873 名前:携帯からですまぬ[sage] 投稿日:2007/03/16(金) 21:28:25 ID:ywrMzYJH
「さよなら……鷹野さん……」
富竹は涙を流しながら絞り出すように言った
「さぁ、君達は見ない方がいい…」
入江が圭一達に促す
「………」
少しの静寂の後、雛見沢の空に一発の銃声が鳴り響いた……

875 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:38:28 ID:56gEXdBR
「そんな…いくら悪い奴だからって、こんなの…こんなの無いよぉ!」
泣きじゃくる魅音
皆に背を向けるスネーク
「これから俺は黒幕を叩きに行く…」
「鷹野さんの仇を…とってくれると言うのかい?」
顔を上げた富竹が言う


876 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:39:22 ID:56gEXdBR
「いや…俺は自分の為にしか戦わない…
」「あんたらに手伝えとは言わない。あんたらの人生、あんたらの好きに生きろ…」
「いや、僕も行くよ…」
富竹の目は真剣だった
「……死ぬかもしれんぞ…」
「決めたんだ…もう逃げないって」
決意の表情を浮かべる富竹

877 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:41:21 ID:56gEXdBR
「それでは私も行きます!」
入江も決意の表情で言う
「いや、アンタは残れ。外からサポートする人間も必要だ」
「それに…」
スネークは圭一達を見る
「アンタがいなくなったらこの子達が悲しむ…」
「………分かりました。私は貴方がたを出来る限りサポートします」
878 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:43:33 ID:56gEXdBR
「じゃあ、頼んだぜ先生」
「違うのです!!」
突然梨花が叫んだ
「さっきスネークは入江がいなくなったらボク達が悲しむと言ったけどそれは違うのです」


879 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:45:10 ID:56gEXdBR
「ボクは…スネークも富竹もいなくなったら悲しいのです…」
「そうですわよ!私も次こそはスネークさんでも破れないトラップを作ってみせますわ」
「だから…だから…絶対に生きて帰って下さいまし」
沙都子は泣きはらした目を擦りながら言った

880 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:46:13 ID:56gEXdBR
「そうだ!俺たち部活メンバーはアンタに勝ち逃げを許すほど甘くはないぜ!」
「圭一くんの言うとおりだよ。部活メンバーを舐めちゃいけないよぉ」

881 名前:携帯からでゴメン[sage] 投稿日:2007/03/17(土) 00:47:28 ID:56gEXdBR
「まぁそんなこんなでさ、スネークにも富竹さんにも死んでもらっちゃあ困るわけ」
たった今あれだけのショックな出来事があったにも関わらず
無理に明るく振る舞う彼等にさすがのスネークも感慨深いものがこみあげてくる
「おまえら……あぁ…必ず帰ってくるさ…」
882 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[] 投稿日:2007/03/17(土) 02:53:22 ID:afe/v0Xo
日は完全に沈んだ。あたりが暗い。
鷹野に聞いた位置では、ダム工事現場跡地の地下にメタルギアは配置されているらしい。
研究は入江診療所で進められたものの、流石に巨大な兵器をしまえるスペースはなかったようだ。
「スネーク、健闘を祈るよ。」
「ああ、分かっている。」
「今回最後のミッションだ。メタルギアを破壊し、野望を打ち砕け。そして…必ず生還してくれ。」
「大佐…了解。これよりミッションを再開する!」

「スネーク、僕の武器は?」
「ちゃんと用意してある。」
RPG-7を取り出す。
「うわ、こんなものどこから?」
「詩音に借りたものだ。存分に使ってくれ。」
「わかった。ありがとう。」
「お礼は詩音に言うんだな。」

そんなやり取りをする内に、工事現場の跡地に着いた。
鷹野に言われた位置に地下への蓋があった。
誰もいないかどうかを確認しようとした時、
その時まで気配すら感じさせなかった一人の人影の姿が目に入った。
「やっと来ましたね。」
廃棄されたクレーンの首の頂点に佇む凍てついた影、
シスターの服装に身を包み、手に長い刃物を持っている、
しかしその人影は紛れもなく、知恵 留美子その人だった。

932 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 21:27:59 ID:5+xIFCIm
凍て付いた空気の中、知恵の口が動いた。
「転生体は?」
「何?」
「転生体はと聞いているのです。」
「…富竹、少し下がっていろ。」
「わかった。」
富竹は少し遠めの木の陰のところへ歩いていく。
木の陰に入ったのを確認して俺は知恵に返答を返す。
「エレイシア。」
「…ありがとう。」
「なっ!?」
「何でもありません。今からあなた達と私は協力関係です。私は組織とは関係なく、個人的にあなた達に協力することにしました。」
俺は驚きを隠せない。岡村君に聞いた知恵先生と今俺の目の前にいる人物は違いすぎている。
「どういうことだ?」
「私的な感情から、あなた達に協力することにした、と言っているのです。もちろん、組織からの罰は覚悟の上で。」
「…条件は?」
「今回の作戦に関する情報で知っている事をなるべく教えてください。その代わり私からも情報を教えます。」
「わかった。富竹、戻ってきてくれ。」
俺たちは3人で情報を交換した。そしてフィランソロピーと埋葬機関の情報には齟齬があることがわかった。
「つまりフィランソロピーは魔術に関する情報は一切受けていない、ということですね?」
「ああ、その通りだ。」
「私はてっきりそこまで情報を持っているものだとばかり思っていました。」
「ふむ、それはそうとこれはメタルギアとは関係ない話なんだが…」
俺は部活のメンバー達がありえない記憶を思い出した話をした。
「馬鹿な…土地ではなく住民に対して魔法が働いている…?」
「俺達はそっちのアングラな世界のことはわからんがな。参考までに、と思っただけの話だ。」
「大変興味深い情報です。ありがとうございます。」
「ああ、こちらこそ役に立てて光栄だ、知恵先生。」
「そうそう、私のことは『シエル』と呼んでくださって結構です。私もあなたのことを『スネーク』と」呼びます。富竹さんは『富竹』と呼びます。それで構いませんよね?」
「ああ、問題ない。」
「僕も。それで構わないよ。」
「よし、行くぞ!」


922 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 10:22:29 ID:LFHmQPIs
「あのソリッド・スネークも意外と大した事はないものね」
笑みを浮かべ言う野村

スネークと富竹は突撃銃を構えた兵士達に囲まれていた
「クソッ!メタルギアが目の前にあるってのに僕はッッ!」
憤る富竹
「落ち着け…諦めるな…」
「で、でもスネーク…」


923 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 10:25:16 ID:LFHmQPIs
その二人のやりとりを見て笑う野村
「どこまでも余裕ねソリッド・スネーク。だけど、その余裕がいつまで続くかしら…」
拳銃を向ける野村


924 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 10:26:43 ID:LFHmQPIs
「さぁ、洗いざらい吐いてもらいましょうか」
「あなた方の態度次第では命だけは助けてあげてもよろしくてよ」
野村はいやらしい笑みを浮かべる
悔しげに野村を睨みつける富竹
そんな様子の富竹を横目にスネークは野村を見据え静かに口を開く


925 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 10:27:31 ID:LFHmQPIs
「……そんな決定権がおまえにあるのか?」
スネークの言葉に顔を歪める野村
‐その瞬間だった‐
野村達の後ろに鎮座していたメタルギアが突如動き出したのである
「な、なぜメタルギアが動いてる!」
慌てる野村
その隙をみてスネークらは包囲を突破する


926 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2007/03/25(日) 10:28:57 ID:LFHmQPIs
「すまない!スネーク、遅くなった!」メタルギアのスピーカーから若い男の声が響く
メタルギアを見上げるスネーク
「遅いぞ!雷電」


47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 02:20:16 ID:TWnwJlCq
TIPS:「泥の海」

殺してやる…

殺してやるんだ…!

あいつらの事さ! ぼくらを捕らえて閉じ込めて縛り上げたあの連中!
ぼくの“敵”!! 憎たらしいあいつらの事さ!!
君も知ってるだろう? ずっとこの部屋でぼくがされてきた事を見てたんだから!

許さない! 許さない! 許さない!

殺してやる! 殺してやる! 殺してやる!

あの時みたいに!
あの憎い中年女の頭をグシャッと叩き潰したあの時みたいに!

そこにいつもの注射。

強い眠気がぼくの思考をたちまち失わせ、泥の海の底に向かってどこまでも沈み込む…
これでも、前よりは注射の量も本数も減った…
以前は、ものすごい量の注射を打たれ、点滴に入れられる薬の量も多かった。
あれはいつだっけ…? 君、覚えてないかい?

そうか、あの時だ…
奴らの一人が隙を見せた時、ぼくは思い切り首を伸ばして、そいつの顔の肉に齧りついてやったんだ。
まるで踏みつぶされる猫みたいな声を上げて、そいつは血まみれでうち回った。
ははは、いい気味だ。あんな傷口、ちょっとやそっと縫っても絶対に消えやしないぜ。
なにしろ頬の肉の大部分がぼくの口の中でクチャクチャ噛んでやったんだから。
別に美味くも何ともなかったけどね…
たちまち大柄な男たちが何人もぼくにのしかかり、ぼくをめちゃくちゃに殴りつけて喉を絞め、
口からあいつの顔の肉を引きずり出しにかかった…
ここのリーダーらしい、ひょろっとした眼鏡の男が叫びながら飛び込んで来なけりゃ、ぼくは絞め殺されて
いたかも知れないね。
眼鏡の男は注射器をぼくの腕に刺しながら、涙目でしきりにつぶやいてたっけ。

ゴメンナサイ。ゴメンナサイ。ゴメンナサイ…

誰に向かって謝っているのかは分からないけど、あいつが困るってんならそれは良い事に決まってるさ。
ぼくは負けない! 絶対にあいつらに負けたりしない!
必ずいつかここを君と一緒に脱けだして… あいつらを皆殺しにしてやる!
そして一緒に帰るんだ!

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/11(水) 02:22:36 ID:TWnwJlCq
帰る…?

何処へ…?

思い出せない… ぼくは何処に帰らなきゃならなかったんだっけ…?
ぼくを待っていた誰かがいたはずなんだ…
くそっ… 駄目だ… 思い出せない…
頭に詰まった泥が何もかもを覆い隠してしまってるんだ…
時々夢に見るあいつらだろうか?
暗いところでうずくまって泣いている小さな女の子…
もっと年上の、目に涙を溜めた髪の長い女の子…
誰だっけ…? 思い出せない…
君は知ってるんだろう? 教えてくれよ…!

君はずっとそこでぼくを見つめ続けて来たんだろう?
君だけはぼくの敵じゃない… この部屋に閉じ込められたぼくのたった一人の友達じゃないか!
どうして黙ってるんだ…? 前はよくぼくに話しかけてくれたじゃないか?!
また元のぬいぐるみの熊に戻ってしまったって言うのかい?
昨夜、この部屋に、鬼が立っていたのを君も見たろう?
ここの連中にはその鬼がちっとも見えてなかったみたいだけど、ぼくには見えた…
真っ赤に光る一つ目の鬼…
あれがオヤシロサマ…? ぼくの後をひたひたとつけ回していた鬼…?
不思議だ…
そいつの顔には一つ目の他には鼻も口もなくて表情なんか分からないのに…
ただじっとぼくを見つめているだけで言葉も発さず身じろぎ一つしないのに…
なぜか分かったんだ。
その鬼がぼくを見つめて泣いているのが…

なぜだろう?

なぜ泣いてたんだろう?

ねえ、君はどう思う?
教えてよ…

ぼくの帰るところは何処?
ぼくを待っているのは… 誰…?

むぅ…

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/04/16(月) 03:41:18 ID:MMNuN3oh
Tips 見えていた


「スネークはチョココロネの太いほうと細いほう、どっちが頭だと思いますか?」
梨花が段ボールの中で寝泊まりしているスネークに声をかけた。
「そうだな…太いほうじゃないか?沢山のチョコレートクリームを必死で抱えているように見える」
(あぅ…案外メルヘン野郎なのです)
スネークがこちら側を見た。
   、
 否、ボクを見た?
「おいおい、聞こえているぞ?」

い つ も 巫 女 服 の お 嬢 さ ん

え…
今なんて…

たっぷり三十秒ほど時間が止まった。
明らかに目線は羽入に向けられていて、
文脈から察するに大分前から見られていて、
ということは…
ということは?

…あうあう、思い出せないのです。
前例があった筈なのだ。梨花と出会うよりも、もっと昔。
ボクが神に成って間もない頃に。
(…思い出せないのです)
しばらく考えた末に、羽入は思い出すことを諦めた。
これは良い兆しだと直感が囁いていた。
我に返ると梨花とスネークが菓子パンに関する議論を繰り広げていた。
    、、、、、
「おう、戻って来たか」

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最終更新:2007年05月19日 18:54