奨学金滞納、2000億円超す・06年度
政府が大学生などに貸し出す奨学金事業で、返済が滞っている債権が2006年度末は
前年度末より11%増え、初めて2000億円を超えたことがわかった。
この7年で滞納額は倍増。滞納額の一部は一般会計から税金で穴埋めする。
政府は回収強化策や事業そのものの見直しに向け、年内に有識者会議を設ける方針だ。
奨学金は親の年収などを審査した上で、無利子もしくは有利子で貸す仕組み。申し込みは年々
増えており、利用者は昨年度末で約114万人。貸出総額は4兆7243億円に上る。
このような報道がされていますが、滞納額だけを前面に押し出して現在奨学金(学生ローン)
を借りている方たちの印象を悪くし、滞納者にこんなに困っているのだと国民に理解して
貰い奨学金事業予算を削減しようとしている魂胆が見え見えです。
二〇〇三年五月八日の参院文部科学委員会で遠山敦子文科相の答弁
日本育英会の平成十三年度単年度の要回収率は、千七百三億円、このうち千三百四十七億円を
回収して、回収率は七九・一%となっています。しかし、これは返還期日を一日でも過ぎた場合
に滞納額が出てまいるわけでございまして、すべての額が回収不能となるわけでないわけでございます。
一方、昭和十八年の奨学金制度創設以来、平成十三年度末までの要回収額累計は
一兆七千六百三十一億円で、このうち一兆七千二百七十五億円を回収しておりまして
回収率は九八%であります。
以上
財務省 文教予算編成で奨学金事業を削減方針
文部科学省は来年度予算の概算要求で、奨学金関係予算として前年度を約210億円
上回る1439億円を計上した。
奨学生数は、平成19年度で全国の大学・短大生の3分の1に当たる114万人に膨
らんでおり、奨学生数の拡大を背景に奨学金関係予算は年々増加している。
ただ、財務省は奨学金が「必ずしも苦学生でない人も対象に入っている」と指摘。
無利子奨学金に比べて審査基準が緩い有利子奨学金まで含めると、年間所得が1344万円以下
の世帯が対象で、大学生などの子供を抱える世帯の約8割が条件に当てはまる。
審査の学力基準も緩く「手を挙げた人はだいたい奨学金がもらえる」(主計局)のが現状だという。
財務省によると、奨学金を電話代や海外旅行費など勉学以外の目的に費やす奨学生が増加
傾向にある。これに対して勉学費や書籍購入費は大幅に減少しており、財務省は奨学金が勉学よりも
娯楽に振り向けられているとみている。
一方、貸し出した奨学金が回収不能に陥るケースも急増している。
18年度には延滞債権総額が2000億円を超え、15年ほどで約3倍に膨らんだ。
旧日本育英会の奨学金事業を引き継いだ日本学生支援機構が回収を進めているが、18年度
に回収を行った1万件のうち、約半数の4395件は居所不明などの理由で未回収のままだ。
このため、財務省は奨学生に対する機関保証の義務化などを検討している。
奨学生が毎月一定額の保証料を日本国際教育支援協会などの保証機関に支払うことで、返済
が滞った場合、保証機関が本人に代わって返済する制度を導入することによって、財務省で
は未回収リスクを回避できるとみている。
文科省は「事業費の不足で、貸与の条件を満たしていても奨学金を受けられない学生が
毎年いるのが現状」として予算増額の必要性を強調するが、財務省は
「納税者に説明できるとは思えない」として削減方針を固めている。
※下線部の勉学以外の目的に費やした金額についての調査方法はどうやってしたんでしょうか?
態々各学生宅に行き調査したのでしょうか?
知っている方補足お願いします。
日本育英会奨学金の回収率は97.9%
日本育英会は廃止 銀行ローンへ
最終更新:2008年05月02日 18:07