UM > 呪文発動クラス・オプション > ウィザード

ウィザード Wizard

 ウィザードには世界中からの様々な歴史があり、伝説には彼らの多くの不思議な力がつきものである。このセクションでは秘術の発見(ウィザードの学べる魔法の秘密)、1つの新しいアーキタイプ(巻物使い)、そして2つの新しい魔術系統(金の元素と木の元素)を紹介する。

秘術の発見 Arcane Discoveries

 ウィザードはその人生の多くを深き真実の発見に費やし、それが生きることそのものであるかのように知識を集める。ウィザードの力は行使する呪文とは限らない。呪文は単にその力が外に発露される最もわかりやすい例に過ぎない。ウィザードの本当の力はその透徹した知性であり、工芸への専念であり、存在を支える根源を理解して実存の真実の表層を剥ぎとる能力である。ウィザードは呪文の研究に多くの時間を費やし、黄金で満たされた部屋よりも未知の図書館を見つけたがる。ウィザードは隠遁した本の虫になる必要はないが、未知に対して激しい好奇心を抱かねばならない。秘術の発見はこの魔法への妄執の結果である。ウィザードは通常の特技あるいはウィザードのボーナス特技の代わりに秘術の発見を学ぶことができる。

 ゴーレム制作者/Golem Constructor:ウィザードは(ストーン・ゴーレムあるいはアイアン・ゴーレムなど)1種類のゴーレムの製法と技術を学んだ。この種類のゴーレムを作成するとき、ウィザードは《その他の魔法のアイテム作成》、《魔法の武器鎧作成》、および《人造クリーチャー作成》特技を持っているものと見なす。ウィザードはそのゴーレムを通常作成するための、他のすべての前提条件を満たさねばならない。 ウィザードはこの発見を複数回選択できる。ウィザードがこの発見を選択するたびに、この発見は異なる種類のゴーレムに適用される。ウィザードは最低9レベルなければこの発見を選択できない。

 真名(擬呪)/True Name:古書物の研究と精神的束縛の探求は、ウィザードを多元宇宙の秘中の秘の1つ、クリーチャーの本質を定義し、口にするものに存在を支配する力を与える、来訪者の真名に導いた。この来訪者は12ヒット・ダイス以下でなければならない。ウィザードは1日に1回、来訪者の知られている一般名を唱えることができ、その来訪者に対してプレイナー・バインディングを発動させたかのように、来訪者はウィザードの元を訪れる。来訪者はウィザードが真名を広く世界に公開するかもしれないという、最も反抗的な来訪者にさえ忍耐させるに十分な恐怖により、奉仕への報酬も交渉もなしに、可能なかぎりウィザードに従わねばならない。
 クリーチャーが100フィート以内にいる場合、ウィザードは移動アクションにより意図的に名前の発音を間違えることで、その本質を歪めて罰し、1ラウンドの間、不調状態かつよろめき状態にすることができる(クリーチャーが通常のこれらの状態に対する完全耐性を持っていてさえ)。ウィザードはサイレンスの範囲内では真名を使用できないが、クリーチャーがこの能力から害を受けるにあたり、ウィザードの声を聞ける必要はない。
 クリーチャーを呼ぶことを控えて、憤りをいくばくか和らげるために報酬をときどき与えてやることで、ウィザードは最善の利害関係を得る。来訪者の種別と気風に応じた適切な報酬を提供することなく繰り返し酷使するなら、クリーチャーは事故を起こして真名の記憶を破壊するなり、二度と呼ばないと誓うまで妨害や危険にウィザードを悩ませるなり、あるいはこうした仕組みやその手下にも関わらず積極的にウィザードを殺そうとするなどして、ウィザードとの絆を破棄する方法を企み出すかもしれない。クリーチャーが秩序でウィザードがその性質に反するなら、ウィザードが従者を堕落させることを許すよりも先に、その上位者がクリーチャーかウィザードを滅ぼすかもしれない。よりひどい場合には、彼らは物質界への足がかりを得るために、地獄あるいは天界の干渉で門を開き、ウィザードがこの来訪者を招来する必要が生じるような状況を作り出そうとするかもしれない。
 ウィザードはこの発見を複数回選択できる。この発見を選択するたびに異なる特定の来訪者に適用する。ウィザードは最低11レベルでなければこの発見を選択できない。15レベル以上の時点でこの発見を選択したなら、クリーチャーは最大18ヒット・ダイスを持つことができ、招請はプレイナー・バインディングの代わりにグレーター・プレイナー・バインディングのように働く。

 スタッフの如きワンド/Staff-Like Wand:ウィザードの研究は使用しているワンドに新たな力の結合を解き放つ。魔法のスタッフを使うのと同様に、ウィザードはワンドから呪文を発動するときに自分の【知力】値と呪文に対するセーヴDCの決定に関する特技を使用し、ワンドの力を起動するときに、ワンドの術者レベルより高いなら自分の術者レベルを使用できる。ウィザードは最低11レベルで《スタッフ作成》特技を持っていなければこの発見を選択できない。

 速習/Fast Study:通常、ウィザードはその日のすべての呪文を準備するのに1時間、いくつかの呪文だけを準備するときはそれに比例して短く、最低15分を費やす。精神修養と巧妙な記憶術によって、ウィザードはわずか15分ですべての呪文を準備でき、最低準備時間は1分となる。ウィザードは最低5レベルなければこの発見を選択できない。

 対立研究/Opposition Research:精力的な研究を完成させることにより、ウィザードは対立系統から呪文を準備するときに生じる精神的障壁を突破した。ウィザードの対立系統を1つ選択する。今やこの系統の呪文を準備するとき、適切なレベルの呪文スロットを2ではなく1しか必要とせず、その系統からアイテムを作成するための〈呪文学〉への-4ペナルティももはや被らない。ウィザードは最低9レベルでなければこの発見を選択できない。

 多重変身(超常)/Multimorph:ウィザードの変身に関する学習により、ウィザードは変身呪文の限界を超えた制御能力を得た。(ポリモーフ)の副系統を持つ呪文を自身に発動する際、ウィザードは標準アクションとして持続時間を1分消費することで、その呪文で変身できる別の姿を取ることができる。呪文の持続時間が続く限り、ウィザードは回数無制限でこの変身を繰り返すことができる。最低5レベルでなければこの発見を選択できない。

 秘術構築家/Arcane Builder:ウィザードは魔法のアイテムを作成する方法に並外れた造詣を得ている。魔法のアイテムから1種類を選択する(ポーション、その他の魔法のアイテム、など)。ウィザードはこの種のアイテムを通常より25%はやく作成でき、この種のアイテムを作成する〈呪文学〉判定(または他の適切な技能判定)に+4ボーナスを得る。ウィザードはこの発見を複数回選択できるが、その効果は累積しない。この発見を選択するたびに異なる種類の魔法のアイテムに適用される。

 不死性(変則)/Immortality:ウィザードは加齢の回復法を発見し、以降は年齢効果による肉体能力値へのペナルティを受けなくなる。すでにこれらのペナルティを受けていた場合には即座に取り除かれる。ウィザードは最低20レベルなければこの発見を選択できない。

 分割スロット/Split Slot:1日に1回、ウィザードが呪文を準備するとき、いずれか1つの空いている呪文スロットを、それより2レベル低い2つのスロットとして扱える。例えば、9レベル・ウィザードは5レベル呪文スロットを2つの3レベル呪文スロットに分割し、これらのスロットにファイアーボールライトニング・ボルトを準備できる。
 分割したスロットは、どのような目的においても低くしたレベルで扱う(したがって、5レベル・スロットを分割したファイアーボールは通常の3レベル・スロットを使用しているかのようなDCを持つ)。2レベル・スロットを分割した場合は2つの0レベル呪文を追加する(通常通りに準備された0レベル呪文のように、何度でも発動できる)。この発見は0レベルあるいは1レベル・スロットには何の効果もない。ウィザードはこの発見を複数回選択でき、選択するたびに、呪文を準備するとき別のスロットを分割できる。ウィザードは高レベルのスロットを分割して作ったスロットを、さらに分割することはできない。ウィザードは最低5レベルなければこの発見を選択できない。

 野生の言葉(超常)/Feral Speech:ウィザードはスピーク・ウィズ・アニマルズを使っているかのように、動物と対話する能力を得るが、動物と会話するのと同時に、両生類、鳥類、魚類、哺乳類、または爬虫類の中から意思疎通の相手を選択せねばならず、その種別としか意思疎通できない。ウィザードはその声が届く限り、自分の発言を理解させることができる。この発見は何らかの方法で動物がウィザードに対して話しかけるよう仕向けるわけではない。12レベルに達した時点で、ウィザードはこの能力を使用して蟲とも意思疎通できる。ウィザードは最低5レベルなければこの発見を選択できない。

元素魔術系統 Elemental Wizard Schools

 幾人かの哲学者は実存を構成する四大元素──地水火風──は誤った考えであるとして異議を唱えている。これらの学者は四つの元素ではなく五つ──木火土金水──を主張している。こうした主張に賛同するウィザードは金属と木から根源要素を引き出し、通常は他の呪文の使い手が制限されている魔法の力を得る能力を発見した。

五つの元素 Five Elements

 いくつかの地においては、魔法の学者は万物の根源要素は4つではなく木火土金水の5つであると主張している。これらの5元素は互いに直接に対立しあうのではなく、木は土に克ち、土は水に克ち、水は火に克ち、火は金に克ち、金は木に克つという輪のような構成で相克し相生する。四大元素の魔術系統と同様に、金または木に基づく魔法の系統に特化したウィザードもいる。通常の秘術系統のように、元素の系統はいくつかの系統の力と、ウィザードに発動可能な1レベル以上の各レベルに1つずつのボーナス呪文スロットを与える。このボーナス呪文スロットには元素の系統の呪文リスト(以下参照)にある呪文を準備せねばならない。通常の秘術系統と異なり、五つの元素システムにおいてはそれぞれの元素の系統に対立系統のように対立する元素をウィザードが選択する必要がある。ウィザードは対立エレメントのように相克エレメントを選ばねばならない(よって火克金により、金の元素術士は火を選ばねばならない)。ウィザードは2つ目の対立系統を選択する必要はない。ウィザードは通常通り、対立する元素系統からの呪文を準備するときに2つの呪文スロットを費やさねばならない。


金(元素系統)Metal

 金は堅固、厳格、根気、強さ、決断、および電気を表す。鉄と鋼に関係する低級の魔法も金の系統の一部だが、一般に最も純粋な形態として金と銀によって表される。

 金の魔法/Metal Magic:1レベルの時点で、以下の呪文をウィザード呪文リストの記載の呪文レベルに加える:3レベル―チル・メタルヒート・メタル、5レベル―ラスティング・グラスプ、9レベル―リペル・メタル・オア・ストーン

 金かきむしり(超常):ウィザードがヒット・ポイントにダメージを与える呪文を発動するとき、金属製のクリーチャー、あるいは金属製の中装か重装鎧を着用しているクリーチャーに対して追加ダメージを与える。影響を受けたクリーチャーはウィザード・レベルの1/2に等しい追加ダメージを受ける。このボーナス・ダメージは《呪文威力強化》や同種の効果によって増加しない。このボーナスは矢弾や光線ごとに1つではなく、1つ呪文に対して1度しか適用されず、複数の矢弾や光線に分割することはできない。ダメージは呪文と同じ種類になる。

 20レベルの時点で、ウィザードは金属製のクリーチャー、あるいは金属製の中装か重装鎧を着用しているクリーチャーに対して呪文を発動するときに、クリーチャーの呪文抵抗を突破するためのロールを2回行い、よい結果を使用できる。

 鉄の肌(超常)/Iron Skin:ウィザードは10分間アーマー・クラスに+2鎧ボーナスを得る。このボーナスは術者レベル5ごとに+1増加する(最大20レベル時に+6)。ウィザードはこの能力を1日に3+【知力】ボーナスに等しい回数まで使用できる。

 榴弾爆発(超常)/Shrapnel Burst:8レベルの時点で、ウィザードは即行アクションにより、自分の肉体から外側に向けギザギザの金の欠片を炸裂させることができる。これらの破片は半径10フィートの爆発内のすべてのクリーチャーに2ウィザード・レベルにつき1d6ポイント(最小1d6)の刺突ダメージを与える。反応セーヴに成功するとこのダメージを半減する。加えて、ねじれた金属片が次のウィザードのターン(そのときに消滅する)まで範囲内を移動困難な地形にする。ウィザードはこの能力を1日に1回に加え、13レベル時と18レベルの時点で追加で1回使うことができる。10レベルの時点で、榴弾は マジック・ウェポンをかけられたかのようにダメージ減少を貫通する。

金の元素術士のウィザード呪文
 0レベル―メンディング
 1レベル―グラヴィティ・ボウショッキング・グラスプマジック・ウェポン
 2レベル―グリッターダストシャターシルク・トゥ・スティールディフェンシヴ・ショックメイク・ホウル
 3レベル―ヴァーサトル・ウェポンキーン・エッジチル・メタルグレーター・マジック・ウェポンヒート・メタルライトニング・ボルト
 4レベル―シャウトストーンスキンマルファンクション
 5レベル―アンブレイカブル・コンストラクトスーズ・コンストラクトメジャー・クリエイションライトニング・アークラスティング・グラスプラピッド・リペア
 6レベル―ウォール・オヴ・アイアンチェイン・ライトニングディスインテグレイト
 7レベル―コントロール・コンストラクトスタチューlightning rod(訳注:存在せず)。
 8レベル―アイアン・ボディコール・コンストラクトグレーター・シャウトストームボルツ
 9レベル―メテオ・スウォームライド・ザ・ライトニングリペル・メタル・オア・ストーン

木(元素系統)Wood

 木は柔軟さ、温暖、風、寛容、協調、そして理想主義を表す。この元素の魔法の修行者は、しばしば性格と使う魔法がドルイドと似通う。

 木の魔法/Wood Magic:1レベルの時点で、以下の呪文をウィザード呪文リストの記載の呪文レベルに加える:2レベル―エンタングル、3レベル―ツリー・シェイプ、4レベル―プラント・グロウス、5レベル―コマンド・プランツ、6レベル―ツリー・ストライド、7レベル―ライヴオーク、8レベル―トランスミュート・メタル・トゥ・ウッド、9レベル―コントロール・プランツ

 弾力的強化(超常)/Flexible Enhancement:木の元素の支配者は負荷をかけて急に曲がるとき、竹のようにしなることができる。ウィザードは【敏捷力】、【耐久力】あるいは【判断力】の1つに+1強化ボーナスを得る。このボーナスは5レベルごとに+1増加し、20レベルの時点で最大+5となる。ウィザードは呪文を準備するときにこのボーナスを別の能力値に変更できる。20レベルの時点で、このボーナスをこれらの能力値のうち任意の2つに適用する。

 分裂する投槍(超常)/Splintered Spear:ウィザードは標準アクションにより、【敏捷力】あるいは【筋力】修正値の代わりに【知力】修正値を攻撃ボーナスとして使用し、100フィート以内(射程ペナルティは適用される)の目標1体に対する遠隔攻撃として自ら飛びかかる、自身のサイズに適合した木製のショートスピアを作成できる。スピアはそのサイズに応じた通常のダメージにくわえ、ウィザードの【知力】修正値分のダメージを与えた後、壊れて無数に分裂し、目標は毎ラウンドの自身のターンに1ポイントの出血ダメージを受ける。6レベルの時点および以降の6レベルごとに、スピアは+1強化ボーナスを得て、出血ダメージを+1増加する。ウィザードはこの能力を1日に3+【知力】修正値に等しい回数まで使用できる。

 協調防御(超常)/Cooperative Defense:8レベルの時点で、ウィザードは自身と30フィート以内の1体以上の味方が呪文か効果の目標になったときに、この能力を使用してその味方のいる場所への効果に対する自身のセーヴィング・スローを味方に使用させることができる。それぞれの味方はロールを行う前にこの結果を用いるか個別に選択する。この能力の使用は割り込みアクションである。ウィザードはこの能力を8レベルの時点で1日に1回、さらに8レベルを超える4レベルごとに1日に追加で1回使用できる。

木の元素術士のウィザード呪文
 0レベル―ライト
 1レベル―アニメイト・ロープオルター・ウィンズチャーム・パースン
 2レベル―ウィスパリング・ウィンドウェブエンタングルキャッツ・グレイスプロテクション・フロム・アローズ
 3レベル―ウィンド・ウォールクローク・オヴ・ウィンズタンズツリー・シェイプ
 4レベル―シロッコセキュアー・シェルターチャーム・モンスターハリューサナトリ・テレインプラント・グロウスマイナー・クリエイションリヴァー・オヴ・ウィンド
 5レベル―コマンド・プランツセンディングテレパシック・ボンドファブリケイトフィクル・ウィンズミラージュ・アーケイナ
 6レベル―ツリー・ストライドバトルマインド・リンクマス・キャッツ・グレイス
 7レベル―コントロール・ウェザースコーリング・ウィンズライヴオーク
 8レベル―トランスミュート・メタル・トゥ・ウッドマス・チャーム・モンスターユーフォリック・トランクィリティ
 9レベル―ウィンズ・オヴ・ヴェンジャンスコントロール・プランツレフュージ

巻物使い(アーキタイプ) Scrollmaster

 ある種のウィザードにとっては、巻物は単に書き留められた呪文の一形態というだけでなく、剣や盾のように戦闘に使える物理的な武器でもある。この奇妙なウィザードはしばしばそれぞれの手に1つずつの巻物で武装して戦闘に参加し、モンクの格闘術に似た戦闘技術を練習する。

 巻物の刃(超常)/Scroll Blade:巻物使いは紙、羊皮紙、または布の巻物を近接武器のように振るうことができる。巻物使いの手中にある巻物は、その巻物に記された最も高レベルのウィザード呪文の呪文レベルの1/2の強化ボーナスをもつショート・ソードとして働く。0レベルか1レベル呪文しか記されていない巻物は高品質のショート・ソードとして扱う。巻物使いはこの武器に習熟しており、(《武器熟練》のような)ショート・ソードに影響を与える特技と能力はこの武器にも影響を与える。巻物使いは同時に2つの巻物の刃を振るうことはできない。
 この能力の起動はフリー・アクションである。巻物の刃は巻物使いの手中にあるときだけ能力を保有する。巻物の刃は硬度0と最も高レベルのウィザード呪文の呪文レベルと同数のヒット・ポイントを有する。巻物の刃が命中するたび、巻物の刃のヒット・ポイントは1ポイント減少する。このダメージは修復できないが、巻物から呪文を発動するには何の影響もない。ヒット・ポイントが0になると巻物は破壊される。巻物が呪文修正特技によって修正された呪文を含んでいた場合、この能力はその呪文の本来の呪文レベルを使用する(《呪文威力強化》されたファイアーボールの巻物は3レベル呪文として扱う)。
 3レベルの時点で、巻物使いは4レベル以上のウィザード呪文の巻物を巻物の刃に使うとき、強化ボーナスを1減少させて(最小+1強化ボーナス)間合い武器として扱うことを選んでもよい。例えば、チャーム・モンスター(4レベル・ウィザード呪文)の巻物を使う場合、+2ショート・ソードか、間合いつきの+1ショート・ソードのどちらかとなる。
 5レベルの時点で、巻物使いは4レベル以上のウィザード呪文の巻物を巻物の刃に使うとき、強化ボーナスを減少させて(最小+1強化ボーナス)以下の特殊能力を与えることができる:ディフェンディングフロストアイシー・バーストキーンキ・フォーカスショックショッキング・バーストスピード。これらの特殊能力を加えることで消費される強化ボーナスは特殊能力のコストに等しい(Core Rulebookの表15-9:近接武器特殊能力を参照)。巻物使いは武器の特殊能力を与える前提となる呪文を修得していなければならない(例えば、巻物の刃にスピードの特殊能力を与えるにはヘイストを修得していなければならない)。この能力は秘術の絆と置き換える。

 巻物の盾(超常)/Scroll Shield:巻物使いは紙、羊皮紙、または布の巻物を木製ライト・シールドのように振るうことができる。巻物使いの手中にある巻物は、+1盾ボーナスと、その巻物に記された最も高レベルのウィザード呪文の呪文レベルの1/2の強化ボーナスをもつライト・シールドとして働く。0レベルか1レベル呪文しか記されていない巻物は高品質のライト・シールドとして扱う。巻物の盾は鎧による判定ペナルティ、秘術呪文失敗確率、【敏捷力】ボーナス上限をもたない。巻物使いはこの盾に習熟している。巻物使いは一方の手で巻物の刃を、もう一方の手で巻物の盾を使用できる。
 この能力の起動はフリー・アクションである。巻物の盾は巻物使いの手中にあるときだけ能力を保有する。巻物の盾は硬度0と最も高レベルのウィザード呪文の呪文レベルと同数のヒット・ポイントを有する。巻物使いに攻撃が命中するたび、巻物の盾のヒット・ポイントは1ポイント減少する。このダメージは修復できないが、巻物から呪文を発動するには何の影響もない。ヒット・ポイントが0になると巻物は破壊される。
 5レベルの時点で、巻物使いは3レベル以上のウィザード呪文の巻物を巻物の盾に使うとき、強化ボーナスを減少させて(最小+1強化ボーナス)以下の特殊能力を与えることができる:ゴースト・タッチライト・フォーティフィケイションモデレット・フォーティフィケイション。これらの特殊能力を加えることで消費される強化ボーナスは特殊能力のコストに等しい(Core Rulebookの表15-5:盾の特殊能力を参照)。巻物使いは盾の特殊能力を与える前提となる呪文を修得していなければならない(例えば、巻物の盾にフォーティフィケイションの特殊能力を与えるにはリミテッド・ウィッシュを修得していなければならない)。
 巻物が呪文修正特技によって修正された呪文を含んでいた場合、この能力はその呪文の本来の呪文レベルを使用する(《呪文威力強化》されたファイアーボールの巻物は3レベル呪文として扱う)。

 巻物発動強化(超常)/Improved Scroll Casting:10レベルの時点で、巻物使いは(スタッフを使う術者と同様に)自分の【知力】、呪文のDCに関連した特技、(巻物より高いなら)術者レベルを使用して、巻物からウィザード呪文を発動することができる。巻物使いはこの能力を使用するために巻物の記述をあらかじめ解読していなければならない。この能力は10レベルのボーナス特技と置き換える。
最終更新:2024年01月24日 00:42