APG > 魔法のアイテム > アーティファクト > 上級アーティファクト

上級アーティファクト Major Artifacts

 上級アーティファクトは唯一無二のアイテムである――ここに挙げるどのアイテムも、それぞれ1つしか存在しない。そしてこれらを作り出すというのはいかなる定命のものの考えの外にある。

クラウド・キャッスル・オヴ・ザ・ストーム・キング

        (Cloud Castle Of The Storm King/嵐の王の雲城)
オーラ 強力(全ての系統);術者レベル 20
装備部位 なし;重量
解説
 この城はかつて“嵐の王”としてのみ知られた伝説的な暴君の要塞であった。時には主人の気まぐれに従うが、ほとんどの場合は漂流する目的のない強力なモンスターの怨霊のように、その幻想的な力に気付くことも入りこむこともできずに、現在この世界をさまよっている。
 この雄大で華麗な城は、定期的にごろごろと雷鳴が響く嵐の雲とパチパチ音を立てる雷雲の基盤により空高く飛んだまま推進力を得ている。巨大な嵐の雲の上にこの城がほぼ四角形の形で建っている。それぞれの角には80フィートの見張り塔がある。また、その角は7階層で30以上の部屋がある140フィートの塔である。中央の塔には設備のよい多くの広間、命を持つ部屋、特別室、個室、台所(2週間ごとに魔法によりいっぱいになる食料庫が付属している)、秘術や錬金術の学習に適した実験室が準備されている。それぞれの見張りの塔には命を持つ部屋と25人まで使用できる兵舎があり、1つの塔には1ダースのグリフィン、ヒポグリフ、ペガサス、地上に住む乗騎でさえ保持している厩舎が隣接している。全体で、この塔は300体の中型クリーチャーを快適に過ごさせることができる。
 伝説の“嵐の王”により何千年も前に作られたものの、このクラウド・キャッスルは1,000年以上前の奇妙な消滅から何人もの主人を得てきた。“嵐の王”が善なるものに昇格したと信じるものは多いが、その一方で宿敵、デーモン・ロード、あるいはこの脅威を取り除くことを望んだ神格によって捕縛され幽閉されたため、ひょっとしたらいつか“嵐の王”が自身の城を取り戻すために帰ってくると信じるものもいる。
 この城の制御を完全に得るためには、そのクリーチャーは少なくとも17レベルでなければならず、《統率力》特技と〈知識:神秘学〉17ランクとを修得していなければならない。この城にすでに主人がいるのなら、その主人は自らの居場所を他人に明け渡すためにそのものに敗北しなければならない。この城の移動は心臓部(この城の4階にある中央の間)の制御室における所作により制御することができる。そこには城の主人が念視する装置として提供される純粋な元素の水が置かれているが、これを使用してもこの城の内側か100フィート以内の場所しか見通すことはできない。主人(ないし主人に指定された人物)はこの部屋の中で城の移動方向を指定することができる。この城は飛行移動速度250フィート(劣悪)であり、〈飛行〉技能の修正値はこの移動を制御した人物の値を使用する。この城は〈飛行〉判定の必要なくホバリングすることができ、判定に失敗することがないため決して落下する危険はない。制御されていない場合、この城は無作為に移動する。1分毎に移動方向が変わることもあれば何日もの間方向を変えないこともあるが、地面やその他の危険は常に避ける。他の次元界へ移動することも知られているが、“嵐の王”を除いてその能力を起動させたものは知られていない。この城の主人は以下のような擬似呪文能力を獲得する。
  • 1/日―コール・ライトニング・ストーム。この能力を使用するには、主人は制御室にいるか塔の1つにいなければならない。
  • 1/日―中央の塔に対するガーズ・アンド・ウォーズ
  • 1/日―ストーム・オヴ・ヴェンジャンス。この能力を使用するには、主人は制御室にいなければならない。嵐はこの城の雲でできた基盤から下方向に向けて範囲内(2,200フィート)ならどこにでも振りまかれる。
  • 回数無制限―ウィンド・ウォール。この効果はこの城全体から100フィートの距離を覆い、制御室ないしいずれかの塔にいる主人(ないし主人に指示されたクリーチャー)は標準アクションとして、その高度を上げたり下げたりすることができる。
破壊方法
 クラウド・キャッスル・オヴ・ザ・ストーム・キングは相応に強力な風によって吹き散らかされることによってのみ破壊することができる。吹き散らかすことのできる唯一の風は最も荒れ狂う風の次元界の区域でのみ見られる(もちろん、誰も次元界を超えてこの城を移動させる方法を知らないのだから、風の次元界でこの城を破壊しようという願いはほとんど叶えられそうにない)。その他のいかなる攻撃も壁を破壊したり塔を損じさせたりさえすることができるかもしれないが、中央の間とその真下の床はこの城が破壊状態にならない限りより小さい嵐の雲として存在し続ける。

ザ・モーニング・ダイヤモンド

        (The Moaning Diamond/嘆きのダイヤモンド)
オーラ 圧倒的・変成術;術者レベル 20
装備部位 なし;重量 4ポンド
解説
 ザ・モーニング・ダイヤモンドは人間のこぶし大のカットされていないダイヤモンドのように見える。いかなる時であれ、このアイテムはまるで痛みに泣くように恐ろしい嘆きを上げている。この耳障りな騒音にも関わらず、ザ・モーニング・ダイヤモンドは悪ではない。1日に3回、着用者はストーン・シェイプ呪文のように土や石の形を変える力を呼び出すことができる。この効果は5,000立方フィートまでの物体に効果がある。1日に1回、ザ・モーニング・ダイヤモンドは最大のヒット・ポイントを持ち破壊されるまで召喚者に仕えるエルダー・アース・エレメンタルを呼び出すこともできる。このエレメンタルは一度に1体まで呼び出すことができる。
破壊方法
 ザ・モーニング・ダイヤモンドは風の次元界、火の次元界、水の次元界の3人のエレメンタル・プリンスの力を組み合わせることで打ち砕くことができる。そうしてさえ、その粉はその上に石が決して落ちてくることのない場所に流し込まれなければならない。

ザ・シールド・オヴ・ザ・サン

        (The Shield of the Sun/太陽の盾)
オーラ 強力・防御術;術者レベル 20
装備部位 なし;重量 2ポンド
解説
 この+5大型用シールドには太陽のシンボルが刻まれており、着用者に【魅力】20の20レベル・パラディンであるかのように呪文発動能力を与える。この獲得した呪文は既にキャラクターが持っている1日の呪文数に(例えパラディンのクラス・レベルによるものでさえ)累積される。ザ・シールド・オヴ・ザ・サンは着用者に呪文抵抗15も与える。このアイテムはエネルギー攻撃([音波]、[酸]、[電気]、[火]、[冷気]のいずれか)による最初の10ポイントのダメージを無効にする。これら全ての見返りとして、この盾の所持者は1年に1回、秩序にして善の神格の命令に従い、クエストをこなさなければならない(セーヴィング・スローにより回避することはできない)。
 混沌ないし悪のキャラクターはザ・シールド・オヴ・ザ・サンを装備した際に負のレベル4を獲得する。この負のレベルはこの盾を手に持っている限り持続し、(レストレーション呪文を含む)いかなる方法をもってしても取り除くことはできない。この負のレベルはこの盾が打ち捨てられたり、着用者の所持品から取り除かれたりすると失われる。
破壊方法
 ザ・シールド・オヴ・ザ・サンは善属性のキャラクターがこの盾をザ・ウェル・オヴ・エターナル・ナイトの中に投げ込むことで破壊される。このアイテムの光は最後に見えなくなる前に深淵の中に溶け込んでしまう。善でないキャラクターがこのようにしたとしても、この盾は破壊されることはないが失われてしまい、影界へのクエストによって復元することが可能である。

フォーク・オヴ・ザ・フォーゴトン・ワン

        (Fork of the Forgotten One/忘れられたものの鋤)
オーラ 強力・変成術;術者レベル 20
装備部位 なし;重量 12 ポンド
解説
 この+5フレイミングウーンディングアンホーリィ・ランサーはかつて地獄の層全てを支配していたと言われる強力なアークデヴィルの武器であった。そのアークデヴィルが“闇の皇子”に反抗しようとしたとき、彼は撃退されて多次元世界の縁から遠く冷たい牢獄へ追放された。この忘れられたフィーンドの力の地獄の痕跡を依然として獲得しているために、この鋤は〈交渉〉〈威圧〉に+10ボーナスと1日に3回スコーチング・レイを使用する能力を着用者に与える。
 悪でないクリーチャーがフォーク・オヴ・ザ・フォーゴトン・ワンに触れたなら、以下の選択肢の内いずれかが与えられる。ただちに秩序にして悪となるか、死ぬかである。死を選択した者は直ちに打ち倒される(頑健セーヴDC30により無効)。秩序にして悪になることを選択した者はただちに属性を変更し(セーヴィング・スローは行なえない)、“忘れられたもの”を見つけ出して封じ込められた冷たい牢獄から解き放ち、その上で彼を幽閉した存在に対する報復策を手助けすることを要求するディマンド呪文の対象となる(意志セーヴDC25)。
破壊方法
 フォーク・オヴ・ザ・フォーゴトン・ワンは19レベル以上のパラディンが接触し、秩序にして悪になることよりも死を選択することにより破壊される。この自己犠牲によりパラディンは死亡するが、死から蘇生されることは可能である。

ボトル・オヴ・ザ・バウンド

        (Bottle of the Bound/束縛の瓶)
オーラ 強力・防御術;術者レベル 20
装備部位 なし;重量 4ポンド
解説
 ボトル・オヴ・ザ・バウンドは細い首と丸みを帯びた胴体を持つ、古びた真鍮製の瓶である。机の上に置いた際に直立するように、その底は平らになっている。この瓶に付けられたしっかり噛み合った封には束縛の印が刻まれており、鉛で封がされている。伝説によれば驚異的な力と英知を持ったウィザードが悪魔の軍団に魔法をかけ、永遠にこの瓶の中に封じ込めたのだという。使用者はこの束縛の軍隊をこの瓶から呼び出し、助力を強制させることもできる。長い時の間に積もった埃に埋もれてしまった幻想的な古代の都市を作り出す、という命令をかつて受けたこともある。この瓶が持ちこたえていたが、その住民はまだ束縛されたままである。
 ボトル・オヴ・ザ・バウンドの所有者になろうとするものは3つの秘密の合言葉を知っていなければならない。この瓶の封を取り外し瓶の封印を取り除くための“解放の言葉”、中に住まうものを外に呼び出し命令をするための“束縛の言葉”、束縛された存在を瓶の中に戻すための“消散の言葉”である。これらの言葉を知っている所持者であれば、この瓶をサモン・モンスターIXとして回数無制限で使用することができる。ただしこの瓶で呼び出すことができるのは、(悪)の副種別を持つクリーチャーのみである。召喚されたクリーチャーは次の日の出か日没まで存在し続け、初めに召喚されたクリーチャーが破壊されるか帰還した後で、この瓶から新しいクリーチャーを呼び出すことができる。
 “解放の言葉”を使用せずにこの瓶を開ける力は知られていない。もしこの瓶が“束縛の言葉”を使用することなく開かれたなら、瓶の中にいる666の住人が全て脱出するまで1分ごとに1体、1レベルのクリーチャーから順に解放され、だんだんそのレベルは高くなっていく。もし“束縛の言葉”は唱えられたが“消散の言葉”が唱えられないまま命令が達成されたなら、召喚された命令をこなした後でそのクリーチャーは自由になる。ボトル・オヴ・ザ・バウンドを使用するための3つの言葉は数えられないほどの時の中で失われてしまったが、賢者の中には彼らはそれらのうち少なくとも1つか2つを知っているだろうと信じるものもいる。
破壊方法
 ボトル・オヴ・ザ・バウンドはその中に束縛されたクリーチャーを全て殺害するか消散させることでのみ破壊することができる。からになった容器はホーリィ武器によって打ち砕くことができる。
最終更新:2015年02月20日 06:02