障害地域

障害地域Hazards

 冒険の世界は竜や荒らしまわるフィーンドを越える危険で満ちている。障害地域は罠と共通するところが多い場所を基とする脅威だが、通常は人工的なものというよりもその地帯に固有のものである。

 障害地域は3種の主な種別に分けられる。環境、生物、魔法である。環境的障害地域は洞窟の中のような地下の脅威や森林火災のような野外の危険を含む。生物的障害地域は、ダンジョンのカビ、スライム、菌類のような一般にモンスターとみなされるには受動的過ぎるクリーチャーを指すが、注意力に欠ける冒険者には十分な脅威である。魔法的障害地域は最も予想しがたく、魔法的実験の遺物、奇妙な地下の放射光、古代の魔法が歪曲したものなどがありうる。

 障害地域は罠やモンスターのように脅威度を有する。典型的な障害地域はクリーチャーが近接したり中に入った場合に発動し、ヒット・ポイントへのダメージ、能力値ダメージまたは吸収、その他の有害な効果をもたらす。ほとんどは注意力や知識のあるPCによって探知することができる。各障害地域には脱出方法や除去する手段の双方ないし一方が用意されているべきである。

障害地域の例

 ここにはいくつかの通常ではない障害地域が示されている。

呪われた沼(脅威度3) Accursed Pool

 古代の呪いの残存効果や沈んでいる呪われた魔法のアイテムから漏れる有害なエネルギーによってただの水の沼が危険な魔法的障害地域に変化することがある。呪われた沼は通りかかった者を、水深10フィートに沈んでいる輝く財宝のサイレント・イメージ(DC16の意志セーヴで見破れる)でその深みに誘う。クリーチャーがその財宝に触れると呪いが発動する。沼の中にいるクリーチャーはDC16の意志セーヴに成功しなければ呪いの効果を受け、沼に対する知覚を歪められる。水は有害な粘液に濃縮されたように感じられ、沼は水深40フィートになったように見えるようになる。沼の中での〈水泳〉判定は-10のペナルティを被り、これらの効果の結果として通常の半分の移動速度となる。沼の中での呪文の使用は15+使用しようとする呪文のレベルに等しいDCの精神集中判定が必要となる。呪われた沼は強力な魔法のオーラを放ち、ディスペル・マジックまたはリムーヴ・カース(術者レベル判定DC15)で破壊される。

悪い空気(脅威度1または4) Bad Air

 低酸素大気のポケットという不可視の障害地域に、鉱夫や洞窟探検家、洞窟を探査する冒険者が直面する。二酸化炭素や窒素のような非燃焼性ガスは脅威度1であり、気づくのにはDC25の〈生存〉判定が必要である。この空気を呼吸したクリーチャーは1時間に1回頑健セーヴ(DC15+以前行った判定1回につき+1)を行わなければならず、失敗した場合は疲労状態となる。クリーチャーが疲労状態になった後は、緩慢な窒息が始まる( Pathfinder RPG Core Rulebook 445 )。息を止めているクリーチャーはこの効果を避けることができる。

 天然ガスのような可燃性ガスははるかに危険である(脅威度4)。このガスが呼吸可能な空気の代わりに肺に入ると、上記のように疲労状態をもたらす。それに加えて、むき出しの炎や火花は6d6ポイントのダメージ(DC15の反応セーヴで半減)を洞窟の中や入り口から5フィート以内にいる者全員にもたらす爆発を起こす。炎は空気中の酸素を燃やしつくし、2d4分の間呼吸不可能にする。爆発の後は、可燃性ガスが再び危険な水準になるには通常数日かかる。

魔法抑制地帯(脅威度6) Dweomersinks

 呪文を阻害する魔法的エントロピーの領域である魔法抑制地帯は、魔法の大闘争の地、強力なアーティファクトの破壊、アンティマジック地帯の周縁での魔法的エネルギーの真空によって時折発生する。サイズ的には差し渡し数フィートの小さな泡状から1つの街ほどの大きさまでさまざまである。DC20の〈呪文学〉判定に成功すれば近くにある魔法抑制地帯の存在を知らせる空気の疼きを感知することができる。発動中の呪文が魔法抑制地帯に持ち込まれた場合は解呪されるだろうし、魔法抑制地帯の中で発動された呪文は即座に呪文相殺の対象となる(どちらも術者レベル8のディスペル・マジックと同様)。魔法のエネルギーを放った結果として、その地帯に入った呪文のかかっている者または新たに呪文を発動した者を中心とした半径5フィートの爆発の中の者は呪文レベル毎に1d6ポイントのダメージ(反応セーヴ DC15で半減)を受ける。同一の目標に複数の爆発が重なった場合は、最大のダメージのみが適用される。呪文の効果がひとたび解呪の試みに耐えた後は、魔法抑制地帯から離れて入り直さない限り再び効果を受けることはない。より強力な魔法抑制地帯はより妨害力が大きい。脅威度が1上昇するごとに解呪判定の術者レベルが2ずつ、爆発ダメージのセーヴDCが1ずつ上昇する。

穿耳蟲(脅威度5) Ear Seekers

 穿耳蟲は腐木やその他の有機物の破片の中に住む小さな青白い線虫である。DC15の〈知覚〉判定によって気づくことができる。気づくことができず、不注意にそのねぐらに突っ込んで行った生きているクリーチャーは、1体ないしそれ以上の穿耳蟲に身体に入り込まれることになる。そして蟲はそのクリーチャーの暖かい場所を探し出すが、特に耳の穴を好む。そこに入った後、死ぬ前に2d8個の卵を産む。卵は4d6時間後に孵化し、幼虫は周囲の肉を貪り食う。宿主が死亡すると新しい穿耳蟲が這い出し、新たな宿主を探す。リムーヴ・ディジーズによって宿主の体表や体内にいる穿耳蟲や未孵化の卵を全て殺すことができる。一部の穿耳蟲は完全な木の中で生活することを好み、しばしばダンジョンのドアの中に隠れている。この変種の残す小さな孔は特に見分けるのが難しい(〈知覚〉DC20)。

穿耳蟲 Ear Seekers
種別 寄生虫;セーヴ 頑健 DC15
潜伏期間 4d6時間;頻度 1/時間
効果 1d6【耐久力】ダメージ

磁性鉱(脅威度2) Magnetized Ore

 地下の奇妙なエネルギーによって岩や鉱脈が強力な磁界を持つようになり、鉄製の金属品を持ち歩いたり着たりしている者にとっての障害地域となることがある。この鉱石から20フィート以内に持ち込まれた鋼や鉄はそれに向かって引き寄せられる。30ポンド以上の鉄を持ち歩いている中型サイズのキャラクターは引き寄せの特殊能力(Pathfinder RPG Bestiary 303)と同様に鉱石に向かって引き寄せられる。鉱石は有効的なCMBを+7とCMD17を有する。小型サイズのクリーチャーは15ポンドの鉄を持っている場合、大型サイズは最低60ポンドを持っている場合に引き寄せられる。その他のサイズのクリーチャーは重量を運搬能力のルール( Pathfinder RPG Core Rulebook 170 )に準じて修正する。金属鎧を着ているクリーチャーは引き寄せに対抗するためのCMDにペナルティを被る(中装鎧は-2、重装鎧は-4)。効果を受けたクリーチャーは20フィートまで引き寄せられ、岩に叩きつけられると2d6ポイントのダメージを受け組みつき状態となる。大量の金属を運搬していないが手に持っているクリーチャーはアイテムがもぎ取られるように武器落としの戦技の効果を受ける。張り付いたアイテムを取り戻すには鉱石のCMDに対する組みつき判定に成功しなければならない。

記憶水晶(脅威度3) Mnemonic Crystals

 記憶水晶は大きな(高さ2~4フィート)の強力な防御術のオーラを放つ紫水晶の集合体である。これはDC25の〈知識:神秘学〉で識別することができる。呪文を紡ぐ独特なエネルギーに適応した記憶水晶は成長と防御のために魔法のエネルギーを吸収する。30フィート以内に入った術者は、水晶の領域にいる間は毎ラウンドDC22の意志セーヴに成功しない限り、準備している呪文を水晶に吸収される。セーヴに失敗するとランダムに選択した準備している呪文1つを失う。ソーサラーのような呪文を準備しない術者には効果はない。

 水晶にダメージを与えたり破壊したりすることは、吸収した呪文の解放によって半径10フィート以内にいる全てのクリーチャーに1d6ポイントの【判断力】ダメージを与える精神エネルギーの爆発をもたらす。記憶水晶は極めて壊れやすい(硬度0、1ヒット・ポイント)。水晶が多く存在する地帯では、通過しようとするクリーチャーは水晶を踏みつけたり蹴飛ばしたりして破壊することを避けるためにDC10の〈軽業〉判定を行わなければならない。

ウルシ(脅威度1または3) Poison Oak

 ウルシ(脅威度1)に触れることによって痛い吹き出物ができ、不運な犠牲者はダメージが回復するまで残された痒みによって不調状態になる。ウルシに体全体が接触したりウルシを燃やした煙を吸引することは特に危険であり、致命的になりうる(脅威度3)。DC15の〈知識:自然〉判定によりこの一見無害な植物が何なのかを知ることができる。また、この障害地域はツタウルシ、イラクサのような同様の有毒植物にも使用することができるが、これらは燃やしても有害ではない。

ウルシ Poison Oak
種別 毒、接触;セーヴ 頑健 DC13
潜伏期間 1時間
効果 1d4【敏捷力】ダメージ、ダメージが回復するまで不調状態;治癒 セーヴ1回

ウルシ(重度の曝露) Poison Oak (Severe Exposure)
種別 毒、接触または吸引;セーヴ 頑健 DC16
潜伏期間 1時間;頻度 1/時間
初期効果 2d4【敏捷力】ダメージ+1d4【耐久力】ダメージ、ダメージが回復するまで不調状態;副次効果 1【耐久力】ダメージ;治癒 セーヴ1回

腐り蛆(脅威度4) Rot Grubs

 穿耳蟲や腐り蛆のような寄生虫は病気と類似したタイプの災厄である寄生を引き起こす。寄生は特定の手段によってのみ治癒しうる。どれほどセーヴィング・スローに成功しても寄生は目標に害を与え続ける。リムーヴ・ディジーズ呪文や類似の効果は即座に寄生を終わらせるが、寄生自体は寄生虫によって引き起こされる物であるため、病気への完全耐性は何の防護にもならない。

 腐り蛆は生きている肉体を喰らい死体に巣食う不快な寄生虫である。一般に、一体の死体に同時に数匹の蛆が巣食っており、DC15の〈知覚〉判定によって蛆に気づいて避けることができる。失敗すれば、1d6匹の蛆が死体から飛び出てクリーチャーの体内に潜り込もうとする。蛆を避けるためにDC15の反応セーヴを行うことができる(しかしクリーチャーが蛆の存在に気づいている場合のみである)。いかなる値でもダメージ減少があれば、寄生に対する完全耐性を得ることができる。

 腐り蛆が生体に寄生した場合、それらは宿主の心臓、脳、その他の重要器官を目指して掘り進み、いつかは死をもたらす。寄生の最初のラウンドは、入り込まれた点に火を押し付けることによって蛆を殺し宿主を救うことができるが、犠牲者は1d6ポイントの[火]ダメージを受ける。蛆を切除することも有効であるが、蛆が宿主の中に残っていなくても、この方法によってさらに大きなダメージを受ける。切除には斬撃武器とDC20の〈治療〉判定が必要であり、宿主が寄生されているラウンドごとに1d6ポイントのダメージを受ける。〈治療〉判定が成功した場合、1匹の蛆が取り除かれる。リムーヴ・ディジーズは宿主の体表または体内にいる全ての蛆を殺すことができる。

腐り蛆 Rot Grubs
種別 寄生;セーヴ 頑健 DC17
潜伏期間 即時;頻度 1/ラウンド
効果 蛆1体につき1d2【耐久力】ダメージ