ニアマサス

ニアマサス(Nirmathas)


ニアマサスは、アヴィスタン亜大陸中央部のエンカーサン湖 Lake Encarthan 西岸に位置する独立不羈の森の国である。

歴史

4632 AR、モルスーンシェリアックス帝国から独立を宣言する。しかし、北部の森林地帯 Fangwood に住む猟師や漁民、職人たちの境遇は変わらず、かつてシェリアックスがほとんど代償もなしに自分たちの資源を取っていたのが、単にモルスーンがそれに取って代わっただけだと不満に思う。少人数によるサボタージュはすぐに血みどろのゲリラ戦に発展し、ばらばらに戦っていた森の民の少人数の集団は、イルガル・ニルマス Irgal Nirmath という指導者を得て団結し、一大軍団に成長する。
4655 AR、7年間の独立戦争を経て、この地は勝利と独立を宣言した。まさにその夜、イルガルは暗殺者の刃に倒れ、彼の部下たちは彼を讃えるために新しい国の名をニアマサスとした。

政治

4年に一度、軍事的指導者である Forest Marshal が選出される。現在の Forest Marshal であるタムランのウェスレン・ガヴィーク Weslen Gavirk は、モルスーンの侵攻が始まる前に機先を制して国境の砦を落としたがっているが、独立心の強いニアマサス人は統一的な軍事行動に従うよりは自分の判断で動きたがり、作戦は難航している。
政治的には中央政府は存在せず、各村ごとに長老や最も豊かな者、雄弁な者、賢明な者などが指導を行っている。

地理

ファング森 Fangwood:ラストウォールとニアマサスにまたがる比較的大きな森林。ニアマサス経済は全面的にこの森の恵みに依存し、兵士たちの避難所として軍事上も重要である。最近森の奥深くにデーモン・ロード Cyth-V'sug に呪われたと言われる堕落したドライアド Arlantia とその一党が現れて木々を枯らせており、奇妙な枯野the Darkblight が広がりつつある。
この森の南西の一角は the Chernasardo と呼ばれる地域で、いかなる支配も受けたことのない独立不羈の森の民が住み、この国の最も献身的な防衛者の故郷となっている。この地のレンジャーはエンカーサン湖周辺にその名を轟かせている。
クリスタルハースト Crystalhurst:ファング森の奥にある小さな町。古くから森のドルイドたちが治めており、Darkblight の拡大を憂慮している。ニアマサスの民を仲間だと思っており、さらにモルスーン人の攻撃が Darkblight をさらに解き放ってしまうことを恐れ、この国の防衛には概ね手を貸す。
デッドアイ霊障地 Deadeye's Haunt:モルスーンとの国境近くにある、エラスティルを祀る神殿があった小さな谷。かつてモルスーンの訓練された軍隊はこの谷を通ってタムランを襲撃しようとしたが、高い機動力を持つレンジャーとドルイドの集団に阻まれた。戦いは1週間続き、ニアマサス軍は壊滅したが、モルスーン軍も大きな損害を受け撤退した。以後、この谷では死んだ兵士たちがアンデッドとなってさまよっている。
マーチング泉 Marching Springs:ファング森とマインドスピン山脈との間にある、水源が分からない水場。30平方マイルほどの地域に次々と水しぶきが上り、水のエレメンタルに関連のあるクリーチャーが通常ではありえないほど多い。この地域の地下にある水で満たされた洞窟網のどこかに水の元素界に通じる小さなポータルがあるのではないかといわれている。
スケルト Skelt:トーロンデル河 the River Tourondel のほとりにある居住地。ドワーフの作った水力を使って鉱石を運び上げ、砕く施設が点在している。ドワーフ居住地 Kraggodan(両国の戦争には中立)と長く交易していたが、近年ヴァリシアとの通商ルートが近隣の Bloodsworn Vale に開き、今後の繁栄が約束されている。
タムラン Tamran:エンカーサン湖に注ぐ the River Marideth の河口に位置する、湿地帯の上の多数の桟橋と杭の上に建てられている都市。かつて独立戦争のとき、ニアマサス人はモルスーン軍の攻城兵器に対しては無力なこの街の防御施設を取り払い、自由に出入りできるようにした。モルスーンは庫の街を5度占領したが、その度に河や湿地から自由に忍び込んでくるゲリラに奪還された。最後にモルスーン軍はこの街に火を放ったが、ニアマサス人は1年間で再建した。ニアマサス人にとってこの街は彼らの不屈、賢明さ、回復力の象徴である。

参考文献

[1] Erik Mona et al. (2008). Campaign Setting, p. 103. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al. (2011). The Inner Sea World Guide, p. 138. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域
最終更新:2015年04月08日 00:01
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