リノーム諸王の地

リノーム諸王の地(Lands of the Linnorm Kings)


リノーム諸王の地 は、アヴィスタン亜大陸最西北に位置する、ウールフェン人の故地である。

歴史


-473AR、リノーム王ウルヴァス Ulvass、アルカディア大陸に到達し、植民都市ヴァレンホール Valenhallを建てる。
この頃から、戴冠の時代 the Age of Enthronement(1ARのアブサロム建設から4606ARのエイローデン死亡までの期間)を通じて、リノーム諸王の地のウールフェン人たちは、厳しい生活を補うため、夏の間はロングシップにのって内海地域沿岸諸国に交易に赴き、機会があれば略奪を行っていた。今日ではそのような襲撃は減少しているが、4704ARにアブサロムが襲われているように、なくなったわけではない。
3313 AR、魔女王バーバ・ヤーガによってリノーム諸王の地東部が制圧され、イリセンが建てられた。彼らに対する遺恨は未だに続いているが、リノーム諸王の地が分裂状態にある限り、イリセンを取り戻せる見込みはない。

政治

リノーム諸王の地には中央政府はなく、数個の居住地をまとめるいくつかの小王国が存在する。このような王国どうしの争いは、通常は仲裁、賠償金の支払い、代表戦士による冒険の試練などで決着が付けられる。リノーム王は、王のみがリノームの首を持って城門を通る権利を有することからそう呼ばれている。首は通常は武勇と権力を示すため。玉座の上に飾られる。リノームを狩ることの困難さから、リノーム王の数は時期によって変動する。 

地理

リノーム諸王の地は北に世界の冠、南にヴァリシアと接し、Steaming Sea に面した寒冷な土地である。通年降水があり、冬季は激しく雪が降る。地形はタイガや湿地がほとんどで、氷河による侵食が見られる。フェイの住む First World への通路がいくつかあり、そのためこの地には、リノームなどフェイと繋がりのあるさまざまなクリーチャーが多い。

カルスガルド Kalsgard:ライムフロー河 the Rimeflow River の北岸にある、リノーム諸王の地で最大最古の王国。ウールフェン人の他にノーム、ドワーフ、交易に来たヴァリシア人ティエン人の居留地がある。この地で最も開放的な都市で、世界の冠を通ってティエン・シアに向うルートの中継地でもある。現在の王の中で最も高齢で強力な王であるスヴェイン・ブラッドイーグル Sveinn Blood-Eagle は、スカルド(吟遊詩人)の言うところによれば、いずれ退位してアルカディアに向おうと考えており、適切な後継者がリノームの首を持って城門をくぐる日を待っているのだという。王子たちはこの捉え難い獲物を狩るための仲間を探している。
ビルド Bildt:アイスマークの西に浮かぶイーゴス島 Aegos にあるリノーム諸王の地で第2の王国。ここの造船所から多くのウールフェン人が南へ襲撃に赴く。支配者は南に住む同胞の軟弱さを公然と非難する Ingimundr the Unruly。カルスガルドと違い、ウールフェン人以外の来訪者は歓迎されない。
ハルグリム Halgrim:アイアンバウンド諸島(the Ironbound Archipelago)にある王国。リノームを従えるアルビノの女性リノーム王 White Estrid が統治する。彼女は大地の精霊に授かったという奇妙な武器を持ち、15隻の船団を率いてニダルを荒らし、シェリアックスの守る Arch of Aroden を突破してアブサロムを襲った。他の国とは違い、リノームを狩ってその首を飾っているのではなく、生きているリノームを従えている。
ジョル Jol:the Grungir Forest グルンギール森の南の高地にある街。王であるオピール・エイトフィンガー Opir Eightfingers はリノームの首を背に結わえ付けてこの町にやってきた若い男だが、その首の腐り具合から、英雄ではなく死体漁りではないかと疑われており、その権力は弱体である。
トロルヘイム Trollheim:イリセンとの国境地帯のパトロール隊である黒鴉隊 Blackravens の本拠 Blackraven Hall がある。 現在は玉座は空位であり、黒鴉隊隊長フレイア・ダークウィン Freyr Darkwine が支配者。
コパーバーゲット Kopparberget:コダール山脈 Kodar Mountains 最西の峰にある銅の大鉱脈。ジョルの近隣にあるが、現在はカルスガルドが支配権を奪い取り、その富の最大の源泉となっている。
ロストホーム Losthome:イリセンからの難民が建てたグルンギール森の町。今でもしばしば国境を越えて避難民たちが逃れてくる。カルスガルドに木材を供給する。

アイスマーク Icemark:アヴィスタン亜大陸最北西の地。ヴァリシア人ティエン人の混血と信じられている半遊牧部族ヴァーキ族 the Varki が住む。彼らは漁撈、毛皮猟、トナカイの遊牧で生計を立てており、トナカイの赴くまま、イリセンやマンモス諸侯領にまで移動することがある。
アイススパイア Ice Spire:この地の北の境界近くにある塔の遺跡。かつては古代のリノームのねぐらとなっていた。地下には広大なダンジョンが広がり、そのそこにまで到達した冒険者はいない。
カルヴァ Kalva:アイスマークの南に浮かぶ島。伝説では神がその住人を分離するため、本土との間に水路を切り開いたのだと言う。乳白色の眼をした人食いの狂戦士たちが、絆を結んだ未知の獣と共に住む。
ファフニールのねぐら Lair of Fafnheir:グルンギール森 Grungir Forest の中にある最強最古のリノームの巣。彼を殺した者こそが全ウールフェン人の王になると伝えられている。

参考文献

[1] Erik Mona et al. (2008). Campaign Setting, p. 92. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-112-1
[2] James Jacobs et al. (2011). The Inner Sea World Guide, p. 102. Paizo Publishing, LLC. ISBN 978-1-60125-169-2
カテゴリー:内海地域
最終更新:2013年02月20日 05:05