キャラクターはそれぞれ、武器や鎧その他の装備を揃えるための金貨を持ってゲームを始める。冒険を通して得た富を使って、より上質の装備や魔法のアイテムを手に入れることができる。表『キャラクターの開始時財産』は、開始時に持っている金貨の枚数をクラスごとに示したものである。加えて、キャラクターはそれぞれ、10gp以下の衣服を一着持った状態でゲームを始める。1レベル以上のキャラクターについては、ゲームマスターの章の表『レベルに応じたキャラクターの財産』を参照のこと。
表:キャラクターの開始時財産
クラス |
開始時所持金 |
平均 |
ウィザード |
2d6×10gp |
70gp |
クレリック |
4d6×10gp |
140gp |
ソーサラー |
2d6×10gp |
70gp |
ドルイド |
2d6×10gp |
70gp |
バード |
3d6×10gp |
105gp |
バーバリアン |
3d6×10gp |
105gp |
パラディン |
5d6×10gp |
175gp |
ファイター |
5d6×10gp |
175gp |
モンク |
1d6×10gp |
35gp |
レンジャー |
5d6×10gp |
175gp |
ローグ |
4d6×10gp |
140gp |
貨幣
もっとも一般的な貨幣は金貨(gp)である。金貨1枚が銀貨(sp)10枚に相当する。銀貨1枚は銅貨(cp)10枚に相当する。銅貨、銀貨、金貨に加えて、白金貨(pp)もあり、これは1枚が金貨10枚に相当する。
標準的な硬貨の重さは1枚で1/3オンス(1/50ポンド、9グラム)ほど。
表:貨幣
交換価値 |
cp |
sp |
gp |
pp |
銅貨(cp) |
1 |
1/10 |
1/100 |
1/1,000 |
銀貨(sp) |
10 |
1 |
1/10 |
1/100 |
金貨(gp) |
100 |
10 |
1 |
1/10 |
白金貨(pp) |
1,000 |
100 |
10 |
1 |
その他の財産
商人たちは普通、通貨を使わず交易品どうしを交換して取引する。交易品の一部を表『交易品』に詳述する。
表:交易品
値段 |
品物 |
1cp |
大麦1ポンド |
2cp |
小麦粉1ポンド、またはニワトリ1羽 |
1sp |
鉄1ポンド |
5sp |
タバコ1ポンド、または銅1ポンド |
1gp |
シナモン1ポンド、または山羊1頭 |
2gp |
ショウガ1ポンド、またはコショウ1ポンド、または羊1頭 |
3gp |
豚1頭 |
4gp |
亜麻布1平方ヤード |
5gp |
塩1ポンド、または銀1ポンド |
10gp |
絹1平方ヤード、または雌牛1頭 |
15gp |
サフラン1ポンド、またはクローブ(丁子)1ポンド、または去勢牛1頭 |
50gp |
金1ポンド |
500gp |
白金1ポンド |
宝物を売る
武器や鎧、装備や魔法のアイテムも含め、概して、何か物を売るときは、リストにある値段の半値で売れる。キャラクターが製作したアイテムもこれに含まれる。
交易品は半値ルールの例外である。ここでいう交易品とは、たやすく現金同様に取引できる品である。
ごく普通のロングソードからドワーヴン・アーグロシュといった風変わりな物まで、武器はその形状や大きさの点で変化に富んでいる。
武器はみなヒット・ポイントへのダメージを与える。このダメージは、武器の命中を受けたクリーチャーの現在ヒット・ポイントから差し引かれる。ダイス・ロールが修正前に20であった(つまり、ダイスの目が実際に20であった)場合、クリティカル可能状態となる。なお、武器の中には20より小さい出目でクリティカル可能状態となるものもある。クリティカル可能状態となった場合には、元の攻撃ロールのものと同じ修正値を用いて再度攻撃ロールを行なう。この2度目の攻撃ロールが目標のAC以上であった場合、攻撃はクリティカル・ヒットとなり、追加のダメージを与える。
武器は、複数の分類方法を組み合わせてグループ分けされている。分類には次のようなものがある……使用に熟練するのにどんな技術が必要とされるか(単純、軍用、特殊)。白兵戦に役立つか(近接)それとも遠距離戦に役立つか(遠隔。これには投擲武器と射出武器がある)。持ち主と比べて相対的に見てどれだけかさばるか(軽い、片手、両手)。そしてサイズはどうか(小型用、中型用、大型用など)である。
単純武器、軍用武器、特殊武器:ウィザード、ドルイド、モンクを除いて、キャラクターはみな、すべての単純武器に習熟している。バーバリアン、パラディン、ファイター、レンジャーはすべての単純武器と軍用武器に習熟している。その他のクラスのキャラクターは単純武器と、場合によっては軍用武器の一部、それどころか特殊武器の一部にも習熟していることがある。習熟していない武器を使う場合、攻撃ロールに-4のペナルティを受ける。
近接武器と遠隔武器:近接武器は近接攻撃を行なうのに使うが、中には投げて使えるものもある。遠隔武器とは、近接戦闘にはうまく使えない投擲武器や射出武器のことである。
間合いの長い武器:ウィップ、ギザーム、グレイヴ、ランサー、ランス、ロングスピアは“間合いの長い武器”である。“間合いの長い武器”とは、使用者に隣接していない目標を攻撃できる近接武器のことをいう。“間合いの長い武器”のほとんどは、使用者の生来の間合いを2倍にする。つまり、典型的な小型または中型のクリーチャーがこうした武器を使用すれば、10フィート離れたクリーチャーを攻撃することができるが、隣接するマス目のクリーチャーを攻撃することはできない。典型的な大型クリーチャーが、自分のサイズ分類に合った“間合いの長い武器”を使用すれば、15フィート向こうや20フィート向こうのクリーチャーを攻撃することができるが、隣接するマス目や10フィート向こうのクリーチャーを攻撃することはできない。
双頭武器:オーク・ダブル・アックス、クオータースタッフ、ダイア・フレイル、ツーブレーデッド・ソード、ドワーヴン・アーグロシュ、ノーム・フックト・ハンマーは双頭武器である。これを使えば、ちょうど2本の武器を持って戦うのと同様に戦える。しかしそうする場合、2本の武器での戦闘に関する通常のペナルティもすべて受ける。ちょうど1本の片手武器と1本の軽い武器を持っているかのように扱う。
また、双頭武器を両手でもって、片方の先だけを攻撃に使うこともできる。また、双頭武器を片手で使用しているキャラクターは、それを双頭武器として使うことはできず、1ラウンドあたりどちらか片方の先しか使えない。
投擲武器:クラブ、ジャヴェリン、シュリケン、ショートスピア、スピア、スローイング・アックス、ダーツ、ダガー、トライデント、ネット、ライト・ハンマーは投擲武器である。投擲武器のダメージには、使用者の【筋力】修正値が足される。本来投擲用に設計されていない武器(=表『武器』の射程単位の欄に数字のない近接武器)を投げることも可能ではある。その場合は攻撃ロールに-4のペナルティが付く。“軽い武器”や片手武器1つを投げるのは1標準アクション、両手武器1つを投げるのは1全ラウンド・アクションである。武器の種別に関わらず、こうした攻撃はダイスの目が20でクリティカル可能状態になる。また、クリティカル・ヒットになったなら2倍のダメージを与える。こうした武器の射程単位は10フィートである。
射出武器:ライト・クロスボウ、スリング、ヘヴィ・クロスボウ、ショートボウ、コンポジット・ショートボウ、ロングボウ、コンポジット・ロングボウ、ハーフリング・スリング・スタッフ、ハンド・クロスボウ、ブロウガン、リピーティング・クロスボウは射出武器である。ほとんどの射出武器は使用に両手を必要とする(個々の武器の説明を参照)。射出武器のダメージには、使用者の【筋力】ボーナスは足されない(ただしスリング、特別に作られたコンポジット・ショートボウやコンポジット・ロングボウには足される)。一方、キャラクターに【筋力】ペナルティがあり、かつボウやスリングを使用している場合、ダメージ・ロールに【筋力】ペナルティが適用される。
矢弾:投射武器は何らかの矢弾を用いる。ボウならアロー、クロスボウならボルト、スリングやハーフリング・スリング・スタッフならスリング・ブリット、ブロウガンならダーツを。ボウを用いている場合、キャラクターは1フリー・アクションで矢弾を“抜く”ことができる。クロスボウやスリングは再装填に何らかのアクションを要する(武器の詳細に注記されている)。一般に、目標に命中した矢弾は壊れてしまうか、使い物にならなくなる。外れた矢弾は50%の確率で壊れるか失われる。
シュリケンは投擲武器ではあるが、“抜く”際や、高品質そのほかの特殊なシュリケンを作成する際や、投げた後にどうなるかを決定する際には矢弾として扱う。
軽い近接武器、片手近接武器、両手近接武器:この分類は、その武器を戦闘で使用するのがどれだけ大変かを量る尺度である。この分類のあらわすのは、1個の近接武器を、その武器のサイズ分類に応じたキャラクターが使用する場合、それが“軽い武器”になるか、“片手武器”になるか、“両手武器”になるかということである。
軽い武器:軽い武器は片手で使える。“軽い武器”は利き腕でない手で使うのが(片手武器に比べて)簡単で、かつ組みつき状態でも使用できる。使用者に【筋力】ボーナスがあって、軽い武器を利き手で使っているなら、その武器の近接攻撃でのダメージ・ロールに【筋力】修正値を足すこと。使用者に【筋力】ボーナスがあって、軽い武器を利き手でない手で使っているなら、その武器の近接攻撃でのダメージ・ロールに【筋力】修正値の1/2を足すこと。軽い武器を両手で使ってもダメージは増えない。単に利き手だけで持っている場合と同様に【筋力】ボーナスが適用されるのである。
素手打撃は常に“軽い武器”と見なされる。
片手武器:片手武器は利き手でも、利き手でない手でも使える。使用者に【筋力】ボーナスがあって、片手武器を利き手で使っているなら、その武器の近接攻撃でのダメージ・ロールに【筋力】修正値を足すこと。使用者に【筋力】ボーナスがあって、片手武器を利き手でない手で使っているなら、その武器の近接攻撃でのダメージ・ロールに【筋力】修正値の1/2を足すこと。近接戦闘で片手武器を両手で使っているなら、ダメージ・ロールに【筋力】修正値の1.5倍を足すこと。
両手武器:両手近接武器をちゃんと使うには両手が要る。両手近接武器の近接攻撃のダメージ・ロールには、キャラクターの【筋力】ボーナスの1.5倍を足すこと。
武器のサイズ:あらゆる武器にはサイズがある。この分類は、その武器がどのサイズ分類のキャラクターのために作られているかを示すものである。
武器のサイズは、その武器の“物体としてのサイズ”とは一致しないことがあるので注意されたい。武器のサイズは、“その武器がどんなサイズの使用者のために作られたか”なのだ。大体において、軽い武器は、物体としてみた場合には、使用者よりもサイズ分類が2段階小さな物品である。片手武器は使用者よりもサイズ分類が1段階小さな物体である。両手武器は使用者とサイズ分類が同じ物品である。
サイズが合わない武器:自分とサイズが合わない武器はうまく使えない。“武器がどのサイズの使用者のために作られたか”と、“その武器を今どのサイズの使用者が使っているか”が、サイズ分類にして1段階違うごとに、攻撃ロールに-2のペナルティが付く。このペナルティは累積する。クリーチャーがその武器に習熟していない場合、これに加えてさらに-4の未習熟ペナルティがつく。
特定の武器を使うのがどれだけ大変かをあらわす尺度(つまりその武器が特定の使用者にとって軽い武器か、片手武器か、両手武器か)は“武器がどのサイズの使用者のために作られたか”と、“その武器を今どのサイズの使用者が使っているか”がサイズ分類にして1段階違うごとに、1段階変化する。この置き換えによって武器の分類が軽い武器、片手武器、両手武器の3つ以外の何物かになってしまうようなら、そのクリーチャーはその武器をまったく使用できない。
代用武器:時として、武器として作られたわけではない物を戦闘に使うこともある。これらの品々は武器として設計されたものではないので、代用武器を戦闘で使うクリーチャーは、未習熟であると見なされて、その物体による攻撃ロールに-4のペナルティを受ける。代用武器のサイズやダメージを決定する際には、武器リストの品々と比べて、サイズやダメージを与える力がどのくらいかを相対的に判断すること。
代用武器はダイスの目が20でクリティカル可能状態になる。また、クリティカル・ヒットになったなら2倍のダメージを与える。代用投擲武器の射程単位は10フィートである。
最終更新:2015年07月07日 00:00