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マーク・オヴ・ジャスティス

Mark of Justice/正義の印
系統:死霊術;呪文レベル:クレリック5、パラディン4
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:永続;本文参照
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 術者は対象に印を描き、その印が起動する原因となる対象の行為を宣言する。起動すると、印は対象に呪いをかける。普通は印を起動する望ましくない行為の種類を術者が指定するのだが、術者は自分の好きなようにどんな行為でも選ぶことができる。印の効果はビストウ・カースの効果とまったく同一である。
 この呪文を発動するには10分かかり、目標に印を描くことが必要なので、術者はこの呪文を同意する者か拘束した者にしかかけることができない。
 ビストウ・カースと同様に、マーク・オヴ・ジャスティスは解呪することができないが、ウィッシュブレイク・エンチャントメントミラクルリミテッド・ウィッシュリムーヴ・カースの呪文で取り除くことができる。ただし、リムーヴ・カースの場合、その呪文の使い手の術者レベルが、マーク・オヴ・ジャスティスを発動した者の(発動時点での)術者レベル以上でなければならない。この制限は印が起動しているか否かに拘らず適用される。


マイナー・イメージ

Minor Image/初級幻像
系統:幻術(虚像);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード2
持続時間:精神集中+2ラウンド
 サイレント・イメージと同様だが、この呪文にはちょっとした音を含めることができる。ただし、他人が理解できるようなセリフをしゃべらせることはできない。


マイナー・クリエイション

Minor Creation/初級創造術
系統:召喚術(創造);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー4
発動時間:1分
構成要素:音声、動作、物質(マイナー・クリエイションで作り出そうとしているアイテムと同じ材質ひとかけら。たとえば、ロープを作るならよじれた麻の切れ端など)
距離:0フィート
効果:1立方フィート/レベルまでの、生命のない植物性の材質でできた、装備中でなく魔法の力もない物体
持続時間:1時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は、生命を持たない植物性の材質でできた、魔法の力もなく装備中でもない物体を1つ作り出す。亜麻布、麻のロープ、木製の梯子などである。作り出すアイテムの体積は、術者レベルごとに1立方フィートまでである。複雑なアイテムを作るには、術者は適切な〈製作〉技能判定に成功しなければならない。
 こうして作り出した物体を呪文の物質要素として使用した場合、その呪文は失敗する。


マインド・フォッグ

Mind Fog/心の霧
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、バード5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果:高さ20フィート、半径20フィートに拡散する霧
持続時間:30分および2d6ラウンド;本文参照
セーヴィング・スロー:意志・無効;呪文抵抗:
 マインド・フォッグは霧の塊を生み出し、その中に入ってしまったものの精神抵抗を弱める。マインド・フォッグ内のクリーチャーはすべての【判断力】判定と意志セーヴに-10のペナルティを被る(この霧に対するセーヴに成功したクリーチャーは作用を受けず、霧の中に留まった場合でもさらなるセーヴを行なう必要はない)。作用を受けたクリーチャーはこの霧の中にいる間と、その後2d6ラウンドの間、このペナルティを被る。霧自体は動かすことはできず、30分間(あるいは風によって吹き払われるまで)持続する。
 軟風(毎時11マイル以上)はこの霧を4ラウンドで、疾風(毎時21マイル以上)はこの霧を1ラウンドで吹き散らしてしまう。
 この霧は薄い霧であり、視覚をひどく妨げるということはない。


マインド・ブランク

Mind Blank/空白の心
系統:防御術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:クリーチャー1体
持続時間:24時間
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害);呪文抵抗:可(無害)
 対象は占術魔法(ディテクト・イーヴルロケート・クリーチャースクライングシー・インヴィジビリティなど)を通して対象の情報を得ようとするありとあらゆる種類の装置と呪文から守られる。さらに、すべての[精神作用]呪文と効果に対するセーヴィング・スローに+8の抵抗ボーナスを与える。マインド・ブランクウィッシュミラクルリミテッド・ウィッシュですら、対象についての情報を得ようとして使用された場合は妨害してしまう。アーケイン・アイのように、クリーチャーのいるエリアを調査する念視の場合、呪文は働くが、対象のクリーチャーが単に感知されなくなる。この呪文の対象を特定して目標にしようとする念視はまったく働かない。


マウント

Mount/乗馬
系統:召喚術(招来);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1
発動時間:1ラウンド
構成要素:音声、動作、物質(少量の馬の毛)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:乗馬1体
持続時間:2時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者に乗馬として役立つライト・ホースかポニー(術者の選択)を招来する。この乗馬は自発的かつ申し分なく役に立ってくれる。この乗馬ははみ、手綱、そして乗用鞍を着けて現れる。


マジック・ヴェストメント

Magic Vestment/魔法の装束
系統:変成術;呪文レベル:クレリック3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触した鎧あるいは盾
持続時間:1時間/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);呪文抵抗:可(無害、物体)
 術者は接触した鎧一式か盾に、術者レベル4レベルごとに+1(20レベルで最大+5)の強化ボーナスを与える。この呪文を使用する上では、普通の服はまったくACボーナスを与えない鎧一式と見なされる。


マジック・ウェポン

Magic Weapon/魔法の武器
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、クレリック1、パラディン1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触した武器
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);呪文抵抗:可(無害、物体)
 マジック・ウェポンは武器に対して、攻撃およびダメージのロールに+1の強化ボーナスを与える。この強化ボーナスは高品質の武器による攻撃ロールへの+1のボーナスと累積しない。
 この呪文を素手打撃のような肉体武器に対して発動することはできない(その代わりとしてはマジック・ファングを参照せよ)。モンクの素手打撃は武器とみなすため、この呪文によって強化できる。

グレーター・マジック・ウェポン

Magic Weapon, Greater/上級魔法の武器
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、クレリック4、パラディン3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質/信仰(石灰と炭の粉)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:武器1つ、あるいは射出武器の矢弾50本(発動時には矢弾全部がひとつになっていること)
持続時間:1時間/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);呪文抵抗:可(無害、物体)
 この呪文はマジック・ウェポンと同様に働くが、武器の攻撃ロールとダメージ・ロールに、術者レベル4レベルごとに+1(最大+5)の強化ボーナスを与える。このボーナスでは魔法以外のダメージ減少を無視することはできない。
 この呪文は、武器1つではなく、50本までのアロー、ボルト、あるいはブリットに作用を及ぼすこともできる。この時矢弾はすべて同じ種類のものでなければならず、ひとまとめになっていないといけない(同じ矢筒に入れるなど)。矢弾は一旦使ってしまうとこの変成術の効果が切れるが、投擲武器の場合には切れない。シュリケンはこの呪文に関して投擲武器ではなく矢弾として扱う。


マジック・オーラ

Magic Aura/魔法のオーラ
系統:幻術(幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1、バード1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(小さな四角い絹布。オーラを与えようとする物体の上を通らせる)
距離:接触
目標:接触した、重量5ポンド/レベルまでの物体1つ
持続時間:1日/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;本文参照;呪文抵抗:不可
 術者はディテクト系呪文(やそれに類する呪文)が、アイテムのオーラを、それが魔法のアイテムでないか、術者が指定したタイプの魔法のアイテムであるか、または術者が指定した呪文の対象であるかのように感知してしまうようしむけることができる。マジック・オーラを帯びた物体にアイデンティファイがかけられたり、あるいはそれに類する方法で調べられた場合、識別した者は意志セーヴに成功すればそのオーラが偽物であると気付き、その物体の本当の性質を知ることができる。失敗した場合、識別した者はこのオーラを信じ込み、どれだけテストをしても真の魔法が何なのか知ることはない。
 目標となったアイテムの本来のオーラが極めて強力なもの(たとえば、アーティファクト)であった場合、マジック・オーラは効果がない。
 :魔法の武器、盾、鎧は高品質のアイテムでなければならない。従って、たとえば、平凡な剣が魔法のオーラを帯びていたら、疑ってしかるべきである。


マジック・サークル・アゲンスト・イーヴル

Magic Circle against Evil/対悪防御円
系統:防御術[善];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、クレリック3、パラディン3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質/信仰(銀粉で描いた直径3フィートの円)
距離:接触
効果範囲:接触したクリーチャーから半径10フィートに放射
持続時間:10分/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害);呪文抵抗:不可;本文参照
 効果範囲内のクリーチャーは皆、プロテクション・フロム・イーヴルの効果を受け、さらに悪属性の招来されたクリーチャーはこの範囲の中に侵入することができない。範囲内のクリーチャー、または範囲内に進入したクリーチャーは、一度だけこのコントロールする効果への抵抗を試みられる。成功したなら、範囲内にとどまる限りその効果は抑制される。一度範囲を出て、戻ってきたクリーチャーは保護されない。クリーチャーを寄せ付けぬためには、(プロテクション・フロム・イーヴルの3番目の機能と同様に)術者はそのクリーチャーの呪文抵抗を克服しなければならないが、反発ボーナス、抵抗ボーナス、精神制御からの防護は敵の呪文抵抗に関係なく適用される。
 この呪文には、術者が発動時に選ぶことのできる特別の機能がある。マジック・サークル・アゲンスト・イーヴルは外向きではなく、内向きの効果を持たせることができる。そうした場合、招請されたクリーチャー(グレーター・プレイナー・バインディングプレイナー・バインディングレッサー・プレイナー・バインディングなどの呪文によって招請されたものなど)を術者レベルにつき最大24時間の間、拘束する。ただし、術者はクリーチャーを招請する呪文をマジック・サークルの発動から1ラウンド以内に発動しなければならない。このクリーチャーは防御円の境界を横切ることができない。大きすぎてこの呪文の効果範囲内に収まらないクリーチャーがこの呪文の対象となった場合、この呪文はそのクリーチャーに対してのみ通常のプロテクション・フロム・イーヴルとして働く。
 しかし、マジック・サークルは望ましい罠というにはほど遠い。呪文発動の過程でまかれた銀粉の輪が破られれば、効果は即座に終了してしまう。捕われたクリーチャーは直接間接を問わず、この輪を乱すことはできないが、他のクリーチャーがそうすることはできる。招請されたクリーチャーに呪文抵抗があれば、そのクリーチャーは毎日1回ずつ、罠に挑むことができる。術者がその呪文抵抗を克服できなければ、そのクリーチャーは輪を破り、自由となる。何らかの手段で次元移動のできるクリーチャーは、その手段を使って輪を離れることができる(次元移動とは、アストラル・プロジェクションイセリアルネスゲートシャドウ・ウォークディメンジョン・ドアテレポートブリンクプレイン・シフトおよびそれに類する能力である)。術者はディメンジョナル・アンカーの呪文を発動することで、そのクリーチャーの次元移動による脱出を妨げることができるが、そのクリーチャーが行動する前にこの呪文を発動しなければならない。成功すれば、アンカー効果はマジック・サークルが持続する限り持続する。クリーチャーはマジック・サークルを横切ることはできないが、そのクリーチャーの遠隔攻撃(遠隔武器、呪文、魔法能力など)は横切ることができる。クリーチャーは輪そのものを除けば、遠隔攻撃が届くものならどんな目標でも攻撃できる。
 術者は特別な魔法陣(ある地点を囲む2次元図形で、切れ目がなく、さまざまな魔法の紋章で強化されている)を用いることで、罠をさらに厳重なものにできる。この魔法陣を手で描くのに10分かかり、〈呪文学〉判定(DC20)が必要である。術者はこの判定の成否は分からない。この判定が失敗であれば、魔法陣は効果がない。この作業を完成させるのに時間的なプレッシャーがなければ、この魔法陣を描く際に“出目10”にできる。この作業には丸々10分かかる。時間がまったく関係なければ、術者はこの作業に3時間と20分をかけて“出目20”にできる。
 魔法陣が成功であれば、術者は召喚呪文を発動する前のラウンドの間に、マジック・サークルディメンジョナル・アンカー呪文をかけることができる。アンカーは術者レベルごとに24時間の間、招来されたクリーチャーをマジック・サークルに捕らえることができる。クリーチャーは魔法陣と共に準備されたマジック・サークルに対しては自分の呪文抵抗を使用することはできず、クリーチャーの能力や攻撃が魔法陣を横切ることもできない。クリーチャーが罠から自由になろうと【魅力】判定を試みた場合(レッサー・プレイナー・バインディング呪文を参照)、DCは5上がる。魔法陣が乱された場合(魔法陣を横切るように藁を1本置くだけでもそうなる)、クリーチャーは即座に解放される。クリーチャーは上記のように直接間接を問わず自分自身で魔法陣を乱すことはできない。
 この呪文はプロテクション・フロム・イーヴルとは累積せず、その逆も同様である。


マジック・サークル・アゲンスト・グッド

Magic Circle against Good/対善防御円
系統:防御術[悪];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、クレリック3
 マジック・サークル・アゲンスト・イーヴルと同様だが、プロテクション・フロム・イーヴルではなく、プロテクション・フロム・グッドの効果があり、悪属性でない招請されたクリーチャーを閉じ込めることができる。


マジック・サークル・アゲンスト・ケイオス

Magic Circle against Chaos/対混沌防御円
系統:防御術[秩序];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、クレリック3、パラディン3
 マジック・サークル・アゲンスト・イーヴルと同様だが、プロテクション・フロム・イーヴルではなく、プロテクション・フロム・ケイオスの効果があり、秩序属性でない招請されたクリーチャーを閉じ込めることができる。


マジック・サークル・アゲンスト・ロー

Magic Circle against Law/対秩序防御円
系統:防御術[混沌];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、クレリック3
 マジック・サークル・アゲンスト・イーヴルと同様だが、プロテクション・フロム・イーヴルではなく、プロテクション・フロム・ローの効果があり、混沌属性でない招請されたクリーチャーを閉じ込めることができる。


マジック・ジャー

Magic Jar/魔法の壷
系統:死霊術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(100GPの価値のある宝石や水晶)
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標:クリーチャー1体
持続時間:1時間/レベル、あるいは術者が自分の肉体に戻るまで
セーヴィング・スロー:意志・無効;本文参照;呪文抵抗
 マジック・ジャーを使用することで、術者は自分の魂を宝石か大きな水晶(これをマジック・ジャー、すなわち“魔法の壷”と呼ぶ)の中に入れ、己の肉体を魂の抜けた状態にする。次に、術者は近くにいるクリーチャーの魂をマジック・ジャーの中に閉じ込め、その肉体のコントロールを奪おうとすることができる。術者は壷の中へと戻り(壷に捕らわれていた魂は元の肉体へと戻る)、また別の肉体に憑依しようとすることができる。術者の魂が術者本来の肉体に戻れば(壷は空っぽになる)、呪文は終了する。この呪文を使用するには、マジック・ジャーが呪文の距離内にあり、術者がその在処を知っていなければならないが、視線や効果線が通っている必要はない。発動時に術者の魂がマジック・ジャーに入ると、術者の肉体は誰が見ても死亡状態同然となる。
 マジック・ジャーの中にいる間、術者は(同じ次元界内の)術者レベルごとに10フィート以内の生命力を感知し、攻撃できる。壷からそのクリーチャーへの効果線が通っている必要がある。しかし、術者はそのクリーチャーの正確なクリーチャー種別や位置を知ることはできない。一団の生命力の中では、術者はその一団の中でHDに4以上の差があるものがいるならそれを感知し、どの生命力が正あるいは負のエネルギーを持っているか知ることができる(アンデッド・クリーチャーは負のエネルギーによって動いている。知性あるアンデッド・クリーチャーのみが魂を持っているか、それ自体が魂であるかする)。
 術者は強い方のクリーチャーでも弱い方のクリーチャーでも乗っ取ることができるが、強い方あるいは弱い方のどのクリーチャーに憑依するかはランダムに決定される。
 肉体に憑依する試みは全ラウンド・アクションである。この試みはプロテクション・フロム・イーヴルやそれに類する防御によって防がれてしまう。術者は対象が意志セーヴに成功しない限り、その肉体に憑依し、そのクリーチャーの魂をマジック・ジャーに閉じ込める。宿主への憑依に失敗すると、術者の生命力はマジック・ジャーの中に留まり、目標はそれ以降、術者が再びその肉体に憑依しようとした場合のセーヴィング・スローに自動的に成功する。
 憑依に成功すると、術者の生命力は宿主の肉体を占領し、宿主の生命力はマジック・ジャーの中に閉じ込められる。術者の【知力】、【判断力】、【魅力】、レベル、クラス、基本攻撃ボーナス、基本セーヴ・ボーナス、属性、精神能力は保たれる。肉体には【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、ヒット・ポイント、通常能力と自動的に働く能力が残る。たとえば、魚の肉体はエラ呼吸をし、トロルの肉体は再生する。肉体に余分な手足があっても、術者が通常より多くの攻撃(あるいは、より効果的な2つの武器での攻撃)ができるようになるわけではない。術者はその肉体の変則的能力や超常能力を起動させようとすることはできない。そのクリーチャーの呪文や擬似呪文能力は肉体には残らない。
 術者はマジック・ジャーが距離内にあれば、標準アクションとして自由に宿主からマジック・ジャーへと移動できる。そうした場合、閉じ込められていた魂は元の肉体へと戻される。術者が壷から自分自身の肉体へと移動すると、呪文は終了する。
 宿主の肉体が殺されると、術者はマジック・ジャーが距離内にあればそこに戻り、宿主の生命力は逝去する(つまり、死亡状態となる)。宿主の肉体が呪文の距離外で殺された場合、術者と宿主の両方が死ぬ。行くべき場所のない生命力はどれも殺されたものとして扱う。
 術者がマジック・ジャーの中にいる間に呪文が終了した場合、術者は自分の肉体に戻る(あるいは、術者の肉体が距離外にあったり、破壊された場合は死ぬ)。術者が宿主の中にいる間に呪文が終了した場合、術者は自分の肉体に戻り(あるいは、術者の肉体がその時点での宿主の肉体の位置から距離外にあった場合は死ぬ)、マジック・ジャーの中に閉じ込められていた魂はその肉体に戻る(距離外にあった場合は死ぬ)。壷を壊せば呪文は終了し、また、マジック・ジャーか宿主のどちらに対して解呪を行なっても、この呪文を解呪できる。


マジック・ストーン

Magic Stone/魔法の石
系統:変成術;呪文レベル:クレリック1、ドルイド1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触した3個までの小石
持続時間:30分あるいはチャージ消費(効果発揮)するまで
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);呪文抵抗:可(無害、物体)
 術者はスリング・ブリットまでの大きさの石最大3個を変成させ、投擲したりスリングで射出した時に強力な打撃を与えるようにすることができる。投擲した場合、この石の射程単位は20フィートとなる。スリングで射出した場合はスリング・ブリットと同様に扱うこと(射程単位は50フィート)。呪文によって、この石には攻撃とダメージのロールに+1の強化ボーナスが与えられる。この石を使用する者は通常の遠隔攻撃を行なう。命中した1個1個のマジック・ストーンは(強化ボーナスも含めて)1d6+1ポイントのダメージを与える。アンデッド・クリーチャーに対しては、2d6+2ポイントのダメージを与える。


マジック・ファング

Magic Fang/魔法の牙
系統:変成術;呪文レベル:ドルイド1、レンジャー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:接触
目標:接触した生きているクリーチャー
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害);呪文抵抗:可(無害)
 マジック・ファングは対象の肉体武器1つ、または素手打撃による攻撃ロールとダメージ・ロールに+1の強化ボーナスを与える。この呪文は、叩きつけ攻撃、拳、噛みつき、その他の肉体武器に効果がある。この呪文によって、素手打撃のダメージが非致傷ダメージから致傷ダメージに変わることはない。
 マジック・ファングパーマネンシイの呪文によって、効果を永続化させることができる。

グレーター・マジック・ファング

Magic Fang, Greater/上級魔法の牙
系統:変成術;呪文レベル:ドルイド3、レンジャー3
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:生きているクリーチャー1体
持続時間:1時間/レベル
 マジック・ファングと同様だが、攻撃ロールとダメージ・ロールへの強化ボーナスは、術者レベル4レベルごとに+1(最大+5)である。このボーナスでは魔法以外のダメージ減少を無視することはできない。
 また別の用法として、術者は対象となるクリーチャーのすべての肉体武器に(術者レベルに関係なく)+1の強化ボーナスを付与することもできる。
 グレーター・マジック・ファングパーマネンシイの呪文によって、効果を永続化させることができる。


マジック・マウス

Magic Mouth/魔法の口
系統:幻術(幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(ハチの巣の小さなかけらと10GPの価値があるジェイド(翡翠)の粉末)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:クリーチャー1体あるいは物体1つ
持続時間:チャージ消費(作動)するまで永続
セーヴィング・スロー:意志・無効(物体);呪文抵抗:可(物体)
 この呪文は選んだ物体やクリーチャーに、次に特定のできごとが起こった時に突然出現し、伝言を話す魔法の口を作り出す。この伝言は長さが日本語にして75文字以内でなければならず、術者の知っているどの言語でもよく、10分間の長さにわたって届けることができる。この口は音声要素を担当したり、合言葉を使ったり、魔法の効果を起動させることはできない。ただし、この口は発音される言葉にしたがって動く。たとえば、像に設置したのならば、像の口が実際に動き、しゃべっているように見えることだろう。マジック・マウスは木や岩や、その他どんな物体やクリーチャーにも設置できる。
 この呪文は、呪文に設定された術者の指示に従って、特定の条件が満たされた時に機能する。この指示は術者の望むように漠然としたものにも限定されたものにもできるが、視覚的・聴覚的な作動条件しか使うことができない。たとえば、以下のようなものである:「1フィート以内で、袋を待った70歳以上の人間の女性があぐらをかいて座った時にだけ話せ」その条件が満たされたようだとなれば作動する。変装や幻術でこれを欺くことができる。通常の暗闇では視覚的な条件が作動しなくなることはないが、魔法のダークネスインヴィジビリティに隠されていれば作動しない。音のしない移動や魔法のサイレンスを使ったりすれば、聴覚的な条件の作動を防ぐことができる。聴覚的な作動条件は一般的なタイプの音(足音、金属のカチャカチャいう音)や特定の音や話された言葉(ピンが落ちた時、誰かが「ブー」と言った時)で作動するようにできる。視覚的あるいは聴覚的な行動なら、それを作動条件とすることができることに注意。たとえば、「何らかのクリーチャーが像に触れたら話せ」という指示は、そのクリーチャーが視認できるならば可能である。マジック・マウスは服装で識別できるのでもない限り、属性、レベル、HD、クラスを識別することはできない。
 作動条件の距離制限は術者レベルごとに15フィートであり、従って、6レベルの術者は90フィートまで先の作動条件に反応するようマジック・マウスに指示できる。距離に関係なく、マジック・マウスは視覚的・聴覚的な作動条件と視線が通っていたり、聞こえる範囲内の行動にしか反応しない。
 マジック・マウスパーマネンシイの呪文によって、効果を永続化させることができる。


マジック・ミサイル

Magic Missile/魔法の矢
系統:力術[力場];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標:5体までのクリーチャー、ただしそのうちのどの2体をとっても15フィート以内の距離に収まっていなければならない
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 魔法エネルギーでできた矢が術者の指先から飛び出し、外れることなく目標に当たる。この矢は1d4+1ポイントの[力場]ダメージを与える。
 この矢は、たとえ目標が接近戦闘中であったり、遮蔽や視認困難を得ていても(完全遮蔽や完全視認困難でない限り)、外れることなく命中する。クリーチャーの特定部位を選んで命中させることはできない。この呪文によって物体にダメージを与えることはできない。
 術者レベルが1レベルを超えるレベル2レベルごとに、術者は追加の矢を1本得る。術者は3レベルで2本、5レベルで3本、7レベルで4本、そして9レベル以上で最大5本の矢を得る。複数の矢を発射した場合、術者は1体のクリーチャーでも複数体のクリーチャーでも攻撃できる。1本の矢は1体のクリーチャーにしか命中させることはできない。術者は呪文抵抗の判定やダメージ・ロールを行なう前に目標を指定しなければならない。


マス(呪文名)

 呪文名がマスで始まる呪文は、すべてその呪文名のアイウエオ順で並べられている。従って呪文名にマスの付く呪文の解説は、その呪文の元になった呪文の近くで探し出せる。呪文系列の中に基本となる呪文のマス版がある呪文は、アウルズ・ウィズダムイーグルズ・スプレンダーインヴィジビリティインフリクト・クリティカル・ウーンズインフリクト・シリアス・ウーンズインフリクト・モデレット・ウーンズインフリクト・ライト・ウーンズエンラージ・パースンキャッツ・グレイスキュア・クリティカル・ウーンズキュア・シリアス・ウーンズキュア・モデレット・ウーンズキュア・ライト・ウーンズサジェスチョンチャーム・モンスターヒールフォクセス・カニングブルズ・ストレンクスベアズ・エンデュアランスホールド・パースンホールド・モンスターリデュース・パースンである。


ミスディレクション

Misdirection/偽の情報
系統:幻術(幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:大きさが一辺10フィートの立方体までのクリーチャー1体か物体1つ
持続時間:1時間/レベル
セーヴィング・スロー:不可または意志・無効;本文参照;呪文抵抗:不可
 この呪文によって、術者はオーラを見ることのできる占術呪文(ディサーン・ライズディテクト・イーヴルディテクト・マジックなどを含む)に、間違った情報を与えることができる。呪文を発動する際に、術者は距離内の別の物体を選ぶ。この呪文の持続時間の間、ミスディレクションの対象はその“別の物体”であるかのように探知される。この効果に対しては対象も、別の物体もセーヴィング・スローを行なうことができない。占術呪文は、その感知魔法の使い手が意志セーヴに成功しない限り、感知魔法の実際の目標ではなく、第2の物体に基づいて情報を与える。たとえば、術者は発動時に距離内に木があれば、自分が木であると感知されるようにすることができる。悪ではなく、嘘をついてもおらず、魔法の力を帯びておらず、属性は真なる中立などなどとなる。この呪文は他の種類の占術呪文(オーギュリイクレアオーディエンス/クレアヴォイアンスディテクト・ソウツなど)には効果がない。


ミスリード

Mislead/誤導
系統:幻術(虚像、幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、バード5
発動時間:1標準アクション
構成要素:動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標/効果:術者/幻の分身1体
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)および精神集中+3ラウンド;本文参照
セーヴィング・スロー:不可あるいは意志・看破(やりとりがあった場合);本文参照;呪文抵抗:不可
 術者の分身(メジャー・イメージと同様、こちらは(虚像))が現れ、それと同時に術者は不可視となる(グレーター・インヴィジビリティと同様、こちらは(幻覚)である)。その後、術者は分身から離れてどこへでも自由に移動することができる。分身は呪文の距離内に出現するが、その後は術者の意図に従って移動するには呪文を発動したラウンドの直後のラウンドからの精神集中を必要とする)。術者は分身を自分の身体に完全に重なって出現するようにし、見ている者には分身が現れて術者が不可視になったことが判らぬようにすることもできる。その後、術者と分身は別々の方向に移動できる。分身は術者の移動速度で移動し、まるで本物であるかのように話したり身振りをすることができる。分身は攻撃したり呪文を発動したりすることはできないが、そうするふりをすることはできる。
 分身は術者が精神集中を続けている間に加えて、精神集中を解いた後に3ラウンドの間存続する。術者が精神集中を解いたあとも、分身は持続時間が終わるまで同様の行動を取り続ける(たとえば、回廊を逃げ続けたりする)。グレーター・インヴィジビリティの効果は精神集中の有無に拘らずレベルにつき1ラウンド持続する。



ミラー・イメージ

Mirror Image/鏡像
系統:幻術(虚像);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、バード2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:1分/レベル
 この呪文は術者のいるマスに、幻影でできた術者の複製をいくつか作り出す。この複製は、敵が術者を正確に狙い、攻撃するのを困難にする。
 ミラー・イメージの発動時、1d4+1/3術者レベル(最大で合計8体)の幻像を作り出す。この幻像は術者と同じスペースに移動し、移動、音、行動を正確に模倣する。術者が攻撃されたり攻撃ロールを必要とする呪文の目標になったときは常に、代わりに術者の幻像を目標にする可能性がある。攻撃が命中したなら、選ばれた目標が本物か幻かをランダムにロールする。それが幻像であった場合、幻像は破壊される。その攻撃が5以下の差で失敗したときも、幻像はニアミスによって破壊される。範囲呪文は通常通り術者に影響し、幻像は破壊されない。攻撃ロールを必要としない呪文や効果も、通常通り術者に影響し、幻像は破壊されない。接触攻撃を要求する呪文は、幻影が破壊されたなら無害に放出される。
 攻撃者は、幻像が見える限りだまされる。術者が不可視状態である、または攻撃者が盲目であった場合、呪文は何も影響しない(通常の失敗確率は存在する)。


ミラージュ・アーケイナ

Mirage Arcana/蜃気楼奥義
系統:幻術(幻覚);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5、バード5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
効果範囲:一辺20フィートの立方体の区画1個ぶん/レベル(自在)
持続時間:精神集中+1時間/レベル(解除可)
 ハリューサナトリ・テレインと同様だが、術者はこの呪文によってどんな範囲内でもまったく別の地形であるかのように見せかけることができる。この幻術には聴覚、視覚、触覚、嗅覚の要素が含まれる。ハリューサナトリ・テレインとは異なり、この呪文は建物の外見を変えることができる(あるいは、何もないところに建物を加えることができる)。この呪文でもクリーチャーを変装させたり、隠したり、追加することはできない(ただし、効果範囲内にいるクリーチャーは現実の地形の中で隠れるように、幻の中に隠れることができる)。


ミラクル

Miracle/奇跡
系統:力術;呪文レベル:クレリック9
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作;本文参照
距離:本文参照
目標、効果あるいは効果範囲:本文参照
持続時間:本文参照
セーヴィング・スロー:本文参照;呪文抵抗:
 術者はミラクルを発動するのではなく、祈り願うのである。術者は何が起こって欲しいかを宣言し、術者の信ずる神格(あるいは呪文を授かるために祈りを捧げる対象)が介入してくれるよう願う。
 ミラクルは以下のいずれかを行なうことができる:
  • 8レベルまでのいかなるクレリック呪文でも再現できる。
  • 7レベルまでのいかなる呪文でも再現できる。
  • フィーブルマインドインサニティのような、特定の呪文の有害な効果を元に戻す。
  • 上に挙げた効果と同じ程度まで強力なものならば、いかなる効果でも持たせることができる。
 あるいは、クレリックは非常に強力な奇跡を願うこともできる。そうしたミラクルは強力な信仰のエネルギーが関わるため、25,000GP相当のダイアモンド粉末が必要となる。この種の特に強力なミラクルの例としては、以下のようなものが挙げられる。
  • 死んだ仲間たちを立ち上がらせ、戦い続けさせることで、戦闘を自軍の優勢に変える。
  • 術者とその味方(およびその全員の装備品)を、次元界間の障壁を抜けて、ある次元界から特定の場所へと、失敗する可能性なしに移動させる。
  • 都市1つを、地震や火山の噴火、洪水、その他の自然災害から守る。
 再現した呪文に対しては、セーヴィング・スローと呪文抵抗を通常通り行なうことができる(ただし、セーヴDCは9レベル呪文のものとなる)。100GPを超える価格の物質要素のある呪文を再現する場合、術者はその要素も消費しなければならない。


ムーヴ・アース

Move Earth/大地鳴動
系統:変成術[地];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー6、ドルイド6
発動時間:本文参照
構成要素:音声、動作、物質(粘土、ローム、砂、鉄製の刃)
距離:長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果範囲:一辺750フィートの正方形の範囲までで深さ10フィートまでの土(自在)
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 ムーヴ・アースは土(粘土、ローム土、砂、土壌)を動かし、堤防を崩し、塚を移動させ、砂丘を移したりできる。
 どのような場合でも、岩でできたものを崩したり動かしたりすることはできない。作用を及ぼす範囲によって、発動時間が決まる。発動時間は一辺150フィートの正方形(深さ10フィートまで)につき10分を要する。最大効果範囲は750フィート×750フィートで、これを動かすには4時間と10分かかる。
 この呪文は地面を激しく破壊するものではなく、地面に波のような山と谷を生み出し、地面は望んだ形になるまで氷河のように液状化して反応する。木々や建造物、岩の塊などにはほとんど作用しないが、高度や互いの位置は変わることがある。
 この呪文をトンネルを掘るのに使用することはできず、また、クリーチャーを捕らえたり生き埋めにしたりするには概して遅すぎる。この呪文の主な使い道は、戦闘の前に堀を掘ったり埋めたり、地形の傾斜を修正したりすることにある。
 この呪文は(地)の副種別のクリーチャーには効果を持たない。


メイク・ホウル

Make Whole/完全修理
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー2、クレリック2
発動時間:10分
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:10立方フィート/レベルまでの物体1つ、あるいはあらゆるサイズの人造クリーチャー1体
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);呪文抵抗:可(無害、物体)
 この呪文はメンディングと同様に働くが、物体や人造クリーチャーに対して発動したときに1d6/術者レベル(最大5d6)ポイントのダメージを回復する。
 また、破壊された(ヒット・ポイントが0以下)魔法のアイテムの2倍以上の術者レベルを持っているなら、メイク・ホウルで修理したり、魔法の能力を回復したりできる。アイテムのチャージ(ワンドなど)や使い捨てのアイテム(ポーションや巻物)は回復させることはできない。メイク・ホウルが人造クリーチャーに対して使われたとき、まるで呪文抵抗不可の呪文であるかのように、魔法に対するあらゆる完全耐性を無視する。

※訳注:発動時間、持続時間、セーヴィング・スロー、呪文抵抗の項は原文に記載がないが、本文中の表現に従いメンディングと同じものを記載している。


メイジ・アーマー

Mage Armor/魔道師の鎧
系統:召喚術(創造)[力場];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー1
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(保存処置を施した革一切れ)
距離:接触
目標:接触したクリーチャー
持続時間:1時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害);呪文抵抗:不可
 不可視だが実体のある力場がメイジ・アーマーの対象を取り巻き、ACに+4の鎧ボーナスを与える。
 魔法によらない鎧とは異なり、メイジ・アーマーには防具による判定ペナルティも秘術呪文失敗確率もなく、移動速度も低下しない。メイジ・アーマーは力場でできているため、非実体クリーチャーは通常の鎧の場合のように素通りすることはできない。


メイジズ・ソード

Mage's Sword/メイジの剣
系統:力術[力場];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー7
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(250GPの価値のある白金製のミニチュアの剣)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:剣一振り
持続時間:1ラウンド/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 剣のような形の、きらめく力場の板が出現する。この剣は術者がこの呪文を発動したラウンドから攻撃を開始し、術者の望む通り、距離内の敵ならとれでも攻撃する。剣は毎ラウンド1回、術者のターンに、指定された目標を攻撃する。この剣の攻撃ボーナスは術者レベル+術者の【知力】修正値(ウィザードの場合)か【魅力】修正値(ソーサラーの場合)+3強化ボーナスである。[力場]効果であるため、エーテル界のクリーチャーや非実体クリーチャーを攻撃することもできる。この剣は4d6+3ポイントの[力場]ダメージを与え、クリティカル可能域は19~20、クリティカル倍率は×2である。
 この剣は常に術者のいる方向から攻撃する。剣が挟撃ボーナスを得ることはなく、他の戦闘参加者に挟撃ボーナスを与えることもない。剣が呪文の距離外へと行ってしまったり、術者の視界の外へ出たり、術者が指示を出さない場合、剣は術者の元へ戻り、その場に浮遊する。
 2ラウンド目以降、術者は標準アクションを用いて、剣の目標を新しいものに変えることができる。そうしない場合、剣は以前のラウンドの目標を攻撃し続ける。
 剣を物理的な攻撃手段によって攻撃したり、害を与えることはできないが、ディスインテグレイトディスペル・マジックスフィアー・オヴ・アニヒレイションロッド・オヴ・キャンセレイションは作用を及ぼす。剣のACは13(10、中型サイズの物体ゆえ±0、+3反発ボーナス)である。
 攻撃されたクリーチャーが呪文抵抗を持っているなら、メイジズ・ソードが初めて敵に打撃を与えた時点で抵抗判定を行なう。剣への抵抗が成功すれば、呪文は解呪される。そうでない場合、剣はそのクリーチャーに対して、呪文の持続時間の間、通常の完全な効果を発揮する。


メイジズ・ディスジャンクション

Mage's Disjunction/メイジの魔法解体
系統:防御術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー9
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果範囲:半径40フィート爆発内のすべての魔法効果と魔法のアイテム、あるいは魔法のアイテムひとつ(本文参照)
持続時間:1分/レベル
セーヴィング・スロー:意志・無効(物体);呪文抵抗:不可
 術者が身に着用していたり接触しているものを除いて、呪文の半径内のすべての魔法効果と魔法のアイテムは解体する。すなわち、呪文と擬似呪文効果は解明されて完全に破壊され(ディスペル・マジック呪文によるもののように効果が終了する)、永続的な魔法のアイテムは意志セーヴを行わねばならず、失敗すると呪文の持続時間の間、普通のアイテムになってしまう。クリーチャーが所持しているアイテムは、アイテム自身の意志セーヴ・ボーナスか、持ち主の意志セーヴ・ボーナスのうち、どちらか高い方を使用する。アイテムのセーヴィング・スローの出目が1だった場合、そのアイテムは効果が抑制される代わりに破壊される。
 また、術者は術者レベルごとに1%の確率でアンティマジック・フィールドを破壊する可能性がある。アンティマジック・フィールド解体に耐えた場合、その範囲内にある魔法のアイテムは解体されない。
 この呪文を1つの物体を対象として発動することもできる。こうした時、そのアイテムは-5ペナルティで意志セーヴを行ない、失敗したならば永遠に破壊される。アーティファクトですら解体の対象となり得るが、そのような強力なアイテムが実際に作用を受ける確率は術者レベルごとに1%しかない。成功したなら、アーティファクトの力は失われ、セーヴなしで破壊される。アーティファクトが破壊された場合、術者は意志セーヴ(DC25)に成功しなければならず、失敗するとすべての呪文発動能力を永久に失ってしまう。こうして失った能力は定命の存在の魔法では、たとえウィッシュミラクルでも回復させることはできない。アーティファクトを破壊しようとするのは危険な行為であり、95%の確率で、そのアーティファクトに興味や関係のある何らかの強力な存在の注意を惹いてしまう。


メイジズ・フェイスフル・ハウンド

Mage's Faithful Hound/メイジの忠実な番犬
系統:召喚術(創造);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、物質(小さな銀のホイッスル、骨ひとかけら、糸)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:幻の番犬
持続時間:1時間/術者レベル、あるいはチャージ消費(作動)するまで、その後は1ラウンド/術者レベル;本文参照
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は自分以外のすべての者に対して不可視の、幻の番大を召喚する。その後、番大は召喚された場所の番をする(番犬はそこを動かない)。サイズ分類が小型以上のクリーチャーが30フィート以内に近づいて来ると、幻の番大は大声で吠え始める(召喚された時点ですでにこの番犬から30フィート以内にいた者は範囲内を動き回ることができるが、一度離れてから戻れば、吠えられることになる)。番犬は不可視のクリーチャーやエーテル状態のクリーチャーを見ることができる。(虚像)には反応しないが、(操影)の幻術には反応する。
 侵入者が5フィート以内に近づいたら、番犬は吠えるのを止め、毎ラウンド1回強力な噛みつきを行なう(+10攻撃ボーナス、2d6+3ポイントの剌突ダメージ)。番大は不可視のクリーチャーとしてのボーナスも得る(インヴィジビリティを参照)。
 番犬は侵入者に対して噛みつきを待機しているものと見なされ、そのため、侵入者のターンに最初の噛みつきを行なう。番犬の噛みつきは、ダメージ減少に対しては魔法の武器相当である。この番犬を攻撃することはできないが、解呪することはできる。
 呪文は術者レベルにつき1時間持続するが、一度吠え始めると、術者レベルにつき1ラウンドしか持続しない。術者が番大から100フィートの距離を超えて離れるようなことがあれば、呪文は終了する。


メイジズ・プライヴェイト・サンクタム

Mage's Private Sanctum/メイジの秘密の部屋
系統:防御術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5
発動時間:10分
構成要素:音声、動作、物質(一枚の薄い鉛、ガラス片一つ、綿布の切れ端、粉末にしたクリソライト(橄欖石))
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:一辺30フィートの立方体の区画1個ぶん/レベル(自在)
持続時間:24時間(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 この呪文により秘密が守られる。この呪文の効果範囲を外から誰が覗いても、そこには闇がかった霧しか見ることができないのである。暗視によってもこの中を見ることはできない。どれだけ大きな騒音もこの範囲から漏れ出ることはなく、従って何者も盗み聞きすることはできない。範囲の中にいるものは中から外を普通に見ることができる。
 占術(念視)呪文ではこの範囲の中を知覚することはできない。さらに、この範囲の中にいるものはみなディテクト・ソウツに対して完全耐性を有する。この守りは、中にいるものと外にいるものの間での会話をできなくする(音を遮るからである)が、センディング呪文やメッセージ呪文、さらにはウィザードとその使い魔との間でのテレパシーによる意思疎通など、他の意思疎通手段を妨げはしない。
 この呪文はクリーチャーや物体の効果範囲への出入りを妨げはしない。
 メイジズ・プライヴェイト・サンクタムパーマネンシイの呪文によって、効果を永続化させることができる。


メイジズ・マグニフィシャント・マンション

Mage's Magnificent Mansion/メイジの豪勢な邸宅
系統:召喚術(創造);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー7
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(それぞれ5GPの価値がある、象牙製のミニチュアの扉、磨いた大理石の小片、銀のスプーン)
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果:一辺10フィートの立方体の区画3個ぶん/レベルまでの異次元邸宅(自在)
持続時間:2時間/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は異次元住宅を召喚する。この住宅には呪文を発動した次元界に入口が1つある。この入口は空中のかすかな輝きであり、幅が4フィート、高さが8フィートある。術者の指定した者のみがこの邸宅に入ることができ、術者が入れば、その背後で戸口は閉まり、不可視となる。術者は自分のいる側からは、回数無制限でこの戸□を開けることができる。入口を抜けると、そこには豪勢な玄関広間があり、その奥には幾多の部屋部屋が連なっている。そこの空気は綺麗かつ新鮮で、暖かい。
 術者は呪文の効果の制限内で、望み通りに間取りを作ることができる。邸宅内には家具調度が完備しており、術者レベルごとに12人の人々に9品コースの晩餐会を行なうに充分な食糧が備わっている。そこには言い付けをよくきく、お仕着せをまとったほとんど透明な召使いたちが揃っており、入ってくる者たちを待ち受けている。この召使いたちはアンシーン・サーヴァントと同じような働きをするが、目に見え、この邸宅内ならばどこにでも行けるところが違っている。このような召使いが術者レベルごとに2人いる。
 この場所へは特別の入口からしか入れぬため、外部の状況が邸宅に作用したり、内部の状況が外の次元界に影響を及ぼすことはない。


メイジズ・ルークブレーション

Mage's Lucubration/メイジの労作
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード6
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:瞬間
 術者は自分が過去24時間以内に使用した5レベルまでの呪文をとれでも1つ即座に準備する。その呪文はその期間内に実際に発動したものでなければならない。選択した呪文は、通常通りのやり方で準備したかのように、術者の精神の中に収められる。
 思い出した呪文に物質要素が必要なら、術者はそれを消費しなければならない。物質要素が使えるようになるまでは、その呪文は使用できない。


メイジ・ハンド

Mage Hand/魔道師の手
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、バード0
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:重量5ポンドまでの、魔法の力もなく装備中でもない物体
持続時間:精神集中
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は指先を物体に向け、その物体を遠くから意のままに持ち上げ、動かすことができる。術者は移動アクションとして物体をどの方向にも15フィート移動させることができる。ただし、術者と物体の間隔が呪文の距離を超えた場合、呪文は終了する。


メイズ

Maze/迷路
系統:召喚術(瞬間移動);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:クリーチャー1体
持続時間:本文参照
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:
 術者は異次元迷宮に対象を放逐する。対象は毎ラウンド自分のターン、全ラウンド・アクションとして迷宮から脱出するためにDC20の【知力】判定を行なうことができる。対象が脱出しなかった場合、迷路は10分後に消滅し、対象は解放される。
 迷路を離れる際、対象はメイズ呪文が発動された時にいた場所に現れる。その場所が固体に占領されていた場合、対象は最寄りの開けた場所に現れる。ディメンジョン・ドアテレポートのような同じ次元界の中で移動する呪文や能力はそのクリーチャーがメイズ呪文から逃れる助けにはならないが、プレイン・シフトの呪文を使えば、その呪文で指定したいずれかの次元界に出ることができる。この呪文はミノタウロスには作用しない。


メジャー・イメージ

Major Image/上級幻像
系統:幻術(虚像);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー3、バード3
持続時間:精神集中+3ラウンド
 サイレント・イメージと同様だが、この呪文の効果には音、匂い、温度の幻が含まれている。精神集中している間、術者は幻像を距離内で移動させることができる。
 敵の攻撃がこの幻像に当たった場合、術者がそれに対応して幻を反応させないかぎり、幻像は消えてしまう。


メジャー・クリエイション

Major Creation/上級創造術
系統:召喚術(創造);呪文レベル:ウィザード/ソーサラー5
発動時間:10分
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
持続時間:本文参照
 マイナー・クリエイションと同様だが、術者は(石、金属、水晶など)鉱物質の物体を作り出すことができる。作り出されたアイテムの持続時間は以下の表に示すとおりに、その硬度と希少性の高低によってさまざまである:
硬度と希少性の例 持続時間
植物性の物質 2時間/レベル
石、水晶、卑金属 1時間/レベル
貴金属 20分/レベル
宝石 10分/レベル
希少金属* 1ラウンド/レベル
* アダマンティン、錬金術銀、ミスラルを含む。“冷たい鉄”を作るためにメジャー・クリエイションを使うことはできない。


メッセージ

Message/伝言
系統:変成術[言語依存];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、バード0
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、焦点(銅線1本)
距離:中距離(100フィート+10フィート/レベル)
目標:クリーチャー1体/レベル
持続時間:10分/レベル
セーヴィング・スロー:不可;呪文抵抗:不可
 術者は伝言を囁いて伝え、また、受け取ることができる。近くにいるものはDC25の〈知覚〉判定により伝言を聞くことができる。術者はこの呪文の効果に含めようとするクリーチャー1体1体を指で指す。術者が囁くと、距離内にいる目標クリーチャーは全員、その伝言を聞くことができる。サイレンスの魔法、厚さ1フィートの石、厚さ1インチの金属(あるいは鉛の薄膜)、厚さ3フィートの木や土はこの呪文を遮る。しかし、この伝言は直線を通る必要はない。術者と対象の間に開口部があり、経路全体が呪文の距離内に入っているなら、伝言は障壁を迂回できる。伝言を受け取ったクリーチャーは、術者が聞き取ることのできる返事を囁き返すことができる。この呪文は意味ではなく、音を伝える。言葉の壁を乗り越えることはできないのだ。伝言を伝えるためには口で話すか囁かなければならない。


メテオ・スウォーム

Meteor Swarm/流星雨
系統:力術[火炎];呪文レベル:ウィザード/ソーサラー9
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:長距離(400フィート+40フィート/レベル)
効果範囲:半径40フィートの拡散が4つ;本文参照
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:不可あるいは反応・半減;本文参照;呪文抵抗:
 メテオ・スウォームは多くの面でファイアーボールに似た、非常に強力かつ華々しい呪文である。この呪文を発動すると、4つの直径2フィートの火球が術者の広げた手から飛び出し、術者の選んだ場所へと直線を描いて飛んでいく。火球は炎の航跡を残していく。
 術者が特定のクリーチャーに対してこの火球を放つなら、術者は火球を目標に当てるために遠隔接触攻撃を行なう必要がある。これらの火球の命中を受けたクリーチャーは2d6ポイントの殴打ダメージをうけ(セーヴなし)、その火球の爆発による[火炎]ダメージ(以下参照)に対するセーヴィング・スローに-4のペナルティを被る。狙いをつけた火球が標的から外れたなら、火球は対象の占める接敵面の、一番近い角を中心として爆発する。術者は同一の目標に対して2つ以上の火球を放つことができる。
 目的地点に到達すると、火球は40フィート半径拡散の範囲に炸裂し、範囲内のクリーチャーすべてに対して6d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。複数の拡散範囲に巻き込まれたなら、クリーチャーはそれぞれの拡散範囲について別々にセーヴを行なう。別々の火球からダメージを受けても、[火炎]ダメージはセーヴの後に合計され、[火炎]への抵抗は一度だけしか適用されない。


メルド・イントゥ・ストーン

Meld into Stone/石への融合
系統:変成術[地];呪文レベル:クレリック3、ドルイド3
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作、信仰
距離:自身
目標:術者
持続時間:10分/レベル
 メルド・イントゥ・ストーンを使えば、術者は自分の身体と所持品を1個の石塊へと融け込ませることができる。その石塊は縦・横・奥行きとも術者の肉体を中に入れられるだけの大きさのものでなければならない。発動が完了したら、術者と100ポンド以下の命を持たぬ装備品がその石塊と融合する。石塊の大きさと装備品の重量のどちらの条件であっても違反した場合、呪文は失敗し、無駄になってしまう。
 石塊の中にいる間、術者は自分が融合した表面と(希薄ではあるが)コンタクトを保っている。石塊の中に隠れている間に、術者は時間の経過を知ることができ、自分自身に呪文をかけることもできる。その石塊の外で起こっていることを目にすることはできないが、それでも周囲で起こっていることを聞くことはできる。石塊へのわずかな物理的なダメージは術者に害を与えないが、部分的に破壊されて、もはや術者が中に入っていられなくなるほど小さくなってしまったなら、術者は排出され、5d6ポイントのダメージを被る。石塊が完全に破壊されてしまったなら、術者は排出され、頑健セーヴ(DC18)に成功しない限り即座に死んでしまう。セーヴに成功した場合でも、術者は5d6ポイントのダメージを負う。
 持続時間が切れる前なら、術者はいつでも、入った石塊の表面から出ることができる。術者が自発的に石の外に出る前に呪文の持続時間が過ぎたり、効果が解呪された場合、術者は乱暴に排出され、5d6ポイントのダメージを被る。
 以下の呪文が術者の入っている石塊に対して発動された場合、術者は害を被る。ストーン・シェイプの場合、術者は3d6ポイントのダメージを被るが、排出はされない。ストーン・トゥ・フレッシュの場合、術者は排出され、5d6ポイントのダメージを被る。トランスミュート・ロック・トゥ・マッドの場合、術者は排出され、頑健セーヴ(DC18)に成功しない限り即座に死んでしまう(成功した場合、単に排出されるだけである)。最後にパスウォールの場合、術者はダメージを被ることなく排出される。


メンディング

Mending/修理
系統:変成術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー0、クレリック0、ドルイド0、バード0
発動時間:10分
構成要素:音声、動作
距離:10フィート
目標:1ポンド/レベルまでの物体1つ
持続時間:瞬間
セーヴィング・スロー:意志・無効(無害、物体);呪文抵抗:可(無害、物体)
 この呪文はダメージを受けた物体を修理し、1d4のヒット・ポイントを回復する。物体が破損状態にあるならば、もとのヒット・ポイントの半分以上まで回復されたときに破損状態から直る。この呪文が機能するためには、全ての部品が揃っていなければならない。魔法のアイテムもこの呪文によって修理できるが、そのアイテム以上の術者レベルを持っていなければならない。破壊された(ヒット・ポイントが0以下)魔法のアイテムはこの呪文で修理できるが、魔法の能力は戻らない。この呪文はクリーチャーに対しては影響しない(人造クリーチャーを含む)。この呪文は曲げられたか変化させられた物体を元には戻せないが、依然としてダメージを回復することはできる。


モーメント・オヴ・プレシャンス

Moment of Prescience/機先の見切り
系統:占術;呪文レベル:ウィザード/ソーサラー8
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:自身
目標:術者
持続時間:1時間/レベルまたはチャージ消費(起動)するまで
 この呪文は術者に第六感を与える。術者は呪文の持続時間の間ならいつでも、1度だけその効果を使用できる。術者はこの呪文により、攻撃ロール、戦技判定、対抗能力値判定、対抗技能判定、セーヴィング・スローのいずれかに1回だけ、術者レベルに等しい洞察ボーナス(最大+25)を得ることができる。また、これらの効果ではなく、1回の攻撃に対する自分のACに同じ洞察ボーナスを(たとえ立ちすくみ状態であっても)適用することもできる。この効果を起動させるにはアクションを消費しない。術者は他のキャラクターのターンであってもこの効果を起動できる。術者は修正が適用されるロールを行なう前にモーメント・オヴ・プレシャンスを使用するかどうか選択しなければならない。1度使用したならこの呪文は終了する。術者は同時に2つ以上のモーメント・オヴ・プレシャンスを自分に対して稼動状態にしておくことはできない。


モディファイ・メモリー

Modify Memory/記憶修正
系統:心術(強制)[精神作用];呪文レベル:バード4
発動時間:1ラウンド;本文参照
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
目標:生きているクリーチャー1体
持続時間:永続
セーヴィング・スロー:意志・無効;呪文抵抗:
 術者は対象の精神に入り込み、その記憶を5分間ぶんまで、以下のいずれかの方法で修正できる。
  • 対象が実際に体験した1つのできごとの記憶をすべて抹消する。この呪文はギアス/クエストサジェスチョンチャーム、あるいはそれに類する呪文を無効化することはできない。
  • 対象が実際に体験した1つのできごとを完全にはっきりと思い出させる。たとえば、5分間の会話を一言一句思い出したり、本の一節を隅々まで思い出したりできる。
  • 対象が実際に体験した1つのできごとの細かい部分を変更する。
  • 対象が体験しなかった1つのできごとの記憶を植え付ける。
 この呪文の発動には1ラウンドかかる。対象がセーヴに失敗したなら、術者は続けて対象の記憶のうち修正したいと望む記憶を視覚化するのに5分まで(術者が修正したい記憶の時間量に等しい時間)を費やす。この視覚化が完了するまでに術者の精神集中が乱されたり、この間に対象が呪文の距離外に出るようなことがあれば、呪文は失われる。
 修正された記憶が必ずしも対象の行動に作用を及ぼすとは限らない。特に自分の本来の性向と相反する場合は。修正された記憶が道理に合わない場合、対象はそれを悪い夢であるとか、ワインを飲み過ぎて混乱したのだろう、など理由づけをして片づけてしまうこともある。


最終更新:2015年04月03日 17:27