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念力 Psionic Powers


念力とは? What are Psionic Powers?

 各念力は特殊な効果を持つ。念能のキャラクターが修得している念力は、念力ポイントを費やすとき使用することができる。
全ての念力は分野と呼ばれる6種類の異なるカテゴリに分類され、それぞれ6種類の念力のテーマがある。この章では各分野の違いについて説明する。加えて、念力がどのように機能するのか、念力の記述のフォーマットの概要、念能の存在と非念能の対象の関係性、念能の効果が他の念能や魔法とどのように結びつくかについて説明する。この章の第2部では、念能を君のゲーム世界に統合するための方法と念能のキャンペーンのトピックについて説明する。

念力の発現 Manifesting Powers

 念能のキャラクターとクリーチャーは念力を発現する。念能のクリーチャーによって発現されたときに念力ポイントをコストとするか、擬似念能力として発現するかにかかわらず、念力の効果は同じものである。
 念力を発現するプロセスは、呪文を発動することと似ているが、大きな差がある。
 念力を発現することは、機会攻撃を決定するための呪文を発動するのと同じルールに従う。

念力の選択 Choosing A Power

 まず初めに、発現する念力を選択する。そのレベルの念力を発現することができるかよりも高いレベルであるならば、君は修得済みの念力を選択することができる。念力を発現するために、君の一日ごとの合計に当たる念力ポイントを費やさなければならない。費やした後に残った念力ポイントがあるならば、複数回同じ念力も発現することができる。

精神集中 Concentration

 念力を発現するために君は精神集中をしなければならない。君が念力を発現している間に君の精神集中を中断されるように脅かされるならば、君は精神集中判定に成功するか、念力を発現することなく念力ポイントを失われる。妨害が気の散るものであればあるほど、発現しようとしている念力が高いレベルのものであればあるほど、DCは上がる(より高いレベルの念力はより精神的な努力を必要とする)。精神集中判定を行うとき、d20ロールをし、その出目に発現者レベルと、そのクラスのボーナス念力ポイントを決定するために使用した能力値修正を加える。
 負傷/Injury:念力の発現中に、敵対的な念能の存在によって負傷したり、影響を受けたりすると、精神集中力を失い、念力を失う場合がある。念力の発現中に負傷すると、発現者は精神集中判定を行わなければならない(DC 10+受けたダメージ・ポイント+発現しようとしている念力のレベル)。妨害は念力を開始してから念力を発現するまでの間に発生する場合(1ラウンド以上の発言時間を持つ念力の場合)、あるいは念力の発現に対応して発生する場合(念力の発現によって誘発された機会攻撃や、待機アクションからの条件攻撃など)がある。
 継続的ダメージを受けている場合、ダメージの半分は念力を発現している間に発生するとみなされる。精神集中判定を置く必要がある(DC 10+継続的ダメージの源が最後に与えたダメージの半分+発現する念力のレベル)。最後に与えられたダメージが効果を与えることができる最後のダメージであった場合、ダメージは終わり、君の気はそらされない。
 繰り返されるダメージは継続的ダメージとしてカウントされない。
 念力/Power:自分の念力を発現中の発現者が、別の念力の作用を受けた場合、発現者は精神集中判定を行わなければならず、失敗すると発現しようとしていた念力は失われる。術者に作用する念力がダメージを与えるものであれば、精神集中DCは(10+ダメージ・ポイント+発現者が発現中の念力のレベル)である。念力がその他の何らかの方法で発現者を妨害したり、気を散らしたりするものであれば、精神集中DCは(その念力のセーヴィング・スローDC+発現者が発現中の念力のレベル)である。セーヴィング・スローを行うことのできない念力の場合、その念力にセーヴィング・スローがあったとした場合のセーヴィング・スローDC(10+念力レベル+発現者の能力修正値)を用いる。
 組みつきや押さえ込まれた状態で念力を発現するためには、精神集中判定を行うか、念力を失う(DC 10+組みついているもののCMB+発現する念力のレベル)。
 移動する乗騎に騎乗している、ワゴンなど弾む乗り物に乗っている、荒れた水上を小さなボートに乗っている、嵐に曝されている船のデッキにいる、同様に人波に揉まれている場合、精神集中判定を行うか、念力を失わなければならない(DC 10+発現しようとしている念力のレベル)。
 目がくらむ用な雨や霙を運ぶ強風の場合、DCは5+発現している念力のレベルである。風が運ぶ霰、埃、破片の場合、DCは10+発現している念力のレベルである。どちらの場合でも精神集中判定に失敗すると念力は失われる。天候が念力によって引き起こされている場合、上記の「念力」のサブセクションのルールを使用する。
 機会攻撃を誘発することなく念力を発現したい場合、防御的発現する必要がある。成功するためには、精神集中判定(DC 15+発現する念力のレベルの2倍)を行わなければならない。失敗した場合、発現に成功することなく念力ポイントを失う。ネットで絡みつかれた状態されたとき、あるいは同様の効果を持つ念力をの影響を受けている時に念力を発現する場合、DC 15の精神集中判定をこない念力を発現する必要がある。失敗すると念力は失われる。

発現者レベル Manifester Level

 念力の効果の変数は、多くの場合発現者レベルに依存する。発現者レベルはほとんどの発現能力を持つキャラクターによって、自身の念能のクラス・レベルに等しい。追加の効果のために増強できる念力は、発現者レベルによって制限される(発現者レベルよりも多くの念力ポイントを念力に費やすことはできない)。以下の説明のテキストの増強を参照せよ。
 通常よりも低い発現者レベルで念力を発現することはできるが、発現者レベルは該当の念力を発現するのに十分高くなければならず、レベルに依存する全ての特徴は同じ発現者レベルに基づいている必要がある。
 クラス特徴やその他特殊能力は君の発現者レベルを調整する場合、この調整は発現者レベルに基づくすべての効果だけでなく(距離、持続時間、増強の内容など)、対象の念力抵抗を克服するための発現者レベル判定や解呪判定に用いる発現者レベル(解呪判定と判定のためのDCの両方に)にも適用される。

念力の発現の失敗 Power Failure

 念力の特性(距離や範囲など)を適合させることができない状態で念力を発現しようとすると発現者失敗し、念力ポイントは失われる。精神集中が破られても念力は失敗する(上記、精神集中を参照)。

念力の結果 The Power’s Result

 どのクリーチャーが(あるいは物体や範囲)が影響を受け、そのクリーチャーがセーヴィング・スローに成功したか(ある場合は)がわかった場合、念力にともなる結果を適用できる。

特殊な念力の効果 Special Power Effects

 特定の特殊な特徴はすべての念力に適用される。
 一部の念力は攻撃を行う。全ての攻撃的なアクションは、武器落としや突き飛ばしなど敵にダメージを与えないアクションであっても、攻撃とみなされる。エネルギー放出は範囲内のクリーチャーを害する場合、攻撃とみなされる。相手が受けるダメージをセーヴィング・スローで抵抗できる、その他の方法で対象を害する、対象を妨害する念力は全て攻撃と見なされる。アストラル・コンストラクトや同様の念力は念力自体が誰にも害を与えないため、攻撃とは見なされない。多くの念力はクリーチャーに、能力値、AC、攻撃、その他の特性にボーナスを与える。各ボーナスには念力がボーナスを与える方法を示す種類がある。ボーナスの種類の重要な側面は、同じ種類の2つのボーナスが通常は累積しないことである。回避ボーナス、ほとんどの状況ボーナス、種族ボーナスを除きより高いボーナスのみが機能する(下記の「念能の効果と魔法の効果の組み合わせ」を参照)。同じ原則がペナルティにも適用される――同じ種類のペナルティを2つ以上得る場合、最も悪いペナルティのみを適用する。同じ源からのものでない限り、種類のないボーナスは常に累積する。
 すべての念力のうち、リアリティ・リヴィジョンのみが殺されたキャラクターを生き返らせる能力を持つ(ただし、サイオニック・リヴィヴィファイは即実行すると、同様の機能を実行できる)。クリーチャーが死ぬと、魂が身体と別れ、物質界を離れ、アストラル界を通り、そのクリーチャーの神が住む次元界にとどまる。クリーチャーが神格を崇拝していない場合、その魂はその属性に対応する次元界へと向かう。誰かを死から引き戻すことは、その人の魂を取り戻し、身体に戻すことを意味する。

発現と増強 Manifesting and Augmenting

 この書籍から他のルールを取り除いていない場合、発現者は発現者レベルよりも多くの念力ポイントを念力に費やしてはならないことに注意することは重要である。これには、念力の増強、念力修正特技、あるいは念力を発言するための念力ポイントのコストの増加に支払う必要のある効果が含まれている。例えば、5レベルの発現者は1つの念力で合計5ポイントまでの念力ポイントしか費やすことができないが、19レベルでは、1つの念力で攻撃19ポイントの念力ポイントを費やすことができる。
 《過剰伝導》特技やワイルダーの野生の活性など、発現者がこの効果を増加させることができる効果は、発現者の有効発現者レベルが増加することによって行われる――これらは依然としてこのルールに拘束される。
 負のレベル:生き返ったクリーチャーは通常1レベル以上の永続的な負のレベルを得る。これらの負のレベルはレストレーションなどの呪文によって取り除かれるまで、ほとんどのロールにペナルティを与える。キャラクターが死んだときに1レベルだった場合、負のレベルを得る代わりに2ポイントの【耐久力】を失う。
 復活を防ぐ:敵は、キャラクターが死から呼び戻されることをより困難にするための措置をとることができる。死体を保つことで、他の人がリアリティ・リヴィジョンの1回の発現で、殺されたキャラクターを生き返らせることを防ぐことができる。
 意志に反する復活:魂は望んでいないならば、生き返られせることはできない。魂は復活させろうとしているキャラクターの名前、属性、神格を知っており、それが元で戻ることを拒否するかもしれない。

念能の効果と魔法の効果の組み合わせ Combining Psionic and Magical Effects

 念能と魔法の作用のデフォルトのルールは単純である:呪文や通常の擬似呪文能力が他の呪文や擬似呪文能力に作用するのと同じ方法で、念力が呪文に作用し呪文が念力に作用する。これは念能と魔法の透明性として知られる。
 念能と魔法の透明性/Psionics–Magic Transparency:呪文の説明や魔法のアイテムの説明では明言されていないが、念能的に影響を与える可能性のある呪文、擬似呪文能力、魔法のアイテムは念能に影響する。念能と魔法の透明性に関するルールが有効である場合は次のような影響がある。
 呪文抵抗は同じメカニズムを使用して念力に対しても効果がある。同様に、念力抵抗と同じメカニズムで呪文に対して念力抵抗が有効である。クリーチャーが1種類の抵抗を持つ場合、もう一方の抵抗を持っていると想定される(効果は異なる手段によってもたらされたにもかかわらず同様の目的を持つ)。
 魔法を解呪する、全ての呪文は同じメカニズムを使用して同じレベルの念力に対しても同じ効果を持ち、逆も同じである。
 ディテクト・サイオニクス呪文は念力、数、強度、場所を3ラウンド以内に検知する(ただし、念能のオーラの副分野を特定するには〈呪文学〉判定が必要である)。一方でディテクト・サイオニクスは呪文、数、強度、場所を3ラウンド以内に検知する(ただし、魔法の系統を特定するには〈呪文学〉判定が必要である)。
 ディテクト・マジックの範囲はディテクト・サイオニクスの範囲でもある。
 念力の説明で特に言及されていない限り、念力が発現されている時に念力を打ち消すことはできない。また呪文が発動している時に、念力を相殺することもできない。特に明記されていない限り、呪文に影響を与える呪文修正特技などの特技は念力に影響を与えず、念力に影響を与える念能修正特技などの特技は呪文に影響を与えない。
 念力や念能の効果は通常、同じ範囲あるいは同じ対象に他の念力、念能の効果、呪文、魔法の効果が何回作動していても、説明どおりに機能する。特別な場合を除き、念力は別の念力や呪文の動作に影響しない。念力が他の念力や呪文に特定の効果を持つ時は、念力の説明はその効果を説明する(念力に影響する呪文の場合はその逆)。他のいくつかの一般的なルールは、念力、呪文、魔法の効果、念能の効果が同じ場所に作用する場合に適用される。攻撃ロール、ダメージ・ロール、セーヴィング・スロー、その他の属性にボーナスあるいはペナルティを与える念力は通常それ自体を累積しない。より一般的には、同じ種類の2つのボーナスは、異なる念力や、1つの念力と1つの呪文からでも累積しない。より高い結果を与えられるボーナスを使用する。
 異なるボーナスの種類:効果の種類が異なる場合、2つの異なる念力や、念力と呪文からのボーナスあるいはペナルティは累積する。無名ボーナスはあらゆるボーナスと累積する(「+2の洞察ボーナス」ではなく「+2のボーナス」など)。
 異なる強度で同じ効果を複数回:2つの類似あるいは同一の効果が同じ範囲または同じ目標で動作しているが、強度が異なる場合、良い方の効果のみが適用される。一方の念力や呪文が解呪されるか、その持続時間がきれた場合、もう片方の念力や呪文は有効のままである(また持続時間が切れていないと仮定している)。
 違う結果をもたらす同じ効果:同じ念力あるいは呪文は同じ対象に複数回適用されると様々な効果を生み出すことがある。一連の最後の効果は他の効果に勝る。これまでの呪文や念力が実際に取り除かれたり解呪されることはないが、一連の最後の呪文や念力が持続している間は、その効果は無視される。
 他の効果を無視する効果:時々、念力は他の念力を無視することができる。
 複数の精神制御の効果:時々、精神的な制御を確立する念能効果あるいは魔法の効果はお互いを無視する。対象の能力を損なわない精神的な制御は通常干渉しないが、他の人が修正する場合はある。クリーチャーが2体以上のクリーチャーの制御下にある場合、それぞれの能力を最大限に発揮し、各降下が許可する制御の範囲内でクリーチャーに従う。制御されているクリーチャーが矛盾する命令を同時に受け取った場合、競合する制御者はどちらのクリーチャーに従うかを決定するために、【魅力】の対抗判定を行わなければならない。
 反対の効果を持つ念力と呪文は通常適用され、全てのボーナス、ペナルティ、あるいは変更は適用された順に発生する。一部の念力と呪文は互いに打ち消し合う。これは念力や呪文の説明に記載されている特殊効果である
 瞬時の効果:同じ物体、場所、クリーチャーに影響を与える場合、瞬時の持続時間を持つ2つ以上の魔法あるいは念能の効果は累積する

念力の詳細 Power Descriptions

 各念力の説明は標準的なフォーマットで示される。情報の各カテゴリについて以下で説明と定義をする。

名称 Name

 すべての念力の説明の最初の行は念力が一般的に知られている名称を示す。一部では念力は他の名称で知られている可能性があり、特定の発現者はその念力に対して独自の名称を持っている場合がある。

分野(副分野) Discipline (Subdiscipline)

 念力の名称の下には念力が属する分野(および、必要に応じて括弧内の副分野)を示している。
 全ての念力は6つの分野のいずれかに関連付けられる。分野とは同様の方法で機能する関連する念力のグループである。各分野について以下で説明する。

超感覚 Clairsentience
 超感覚の念力により長い間忘れられていた秘密を学び、直近の未来を垣間見、遠い未来を予測し、隠れたものを見つけ、通常走ることがないことを知ることができる。
 念能と魔法の透明性の目的のために、超感覚は占術呪文の系統と同等である(したがって、占術呪文に完全耐性を持つクリーチャーは超感覚念力にも完全耐性を持つ)。多くの超感覚念力は円錐形の範囲を持つ。これは君と一緒に動き、見ている方向に伸びる。円錐形は各ラウンドで一掃できる範囲を定義する。複数のラウンドで同じ範囲を学習する場合、念力の説明の文章に記載されているように、多くの場合は追加の情報を得られる。
 念視:念視の副分野の念力は情報を送信する不可視のセンサーを作成する。特記ない限り、センサーは君が持っているものと同じ感覚を持つ。これには、君を目標とする念力や効果が含まれるが、君から発せされる念力や効果は含まない。ただし、センサーは分離し独立した感覚器官として扱われるため、盲目状態聴覚喪失状態、その他感覚に障害をきたす状態であっても正常に機能する。【知力】が12以上のクリーチャーはDC 20の【知力】判定を行うことによりセンサーに気がつくことができる。センサーは起動している念力であるかのように解呪できる。鉛や念能を防護するものは念視念力を妨害し、君は妨害されていると感知できる。

具象化 Metacreativity
 具象化の念力は物体、クリーチャー。または何らかの形の物質を作成する。作成するクリーチャーは常にではないが、通常は命令に従う。
 具象化念力はアストラル界から生のエクトプラズムを引き出し、念能のキャラクターが指定する場所に物体やクリーチャーを作成する(上記の制限には従う)。この方法で作成された物体は、元々は透明な物質であるにも関わらず、通常の物体と同様に堅牢で耐久性がある。具象化念力で作成された念能のクリーチャーは来訪者ではなく人造と見なされる。
 存在するようになったクリーチャーや物体は、別のクリーチャーや物体の内部に現れることも何もない空間に浮かんでいるように現れることもできない。支えることができる表面の開いた場所に到着しなければならない。クリーチャーや物体は念力の距離内に現れなければならないが、距離内に留まる必要はない。
 念能と魔法の透明性の目的のために、具象化念力は召喚術呪文の系統と同等である(したがって、召喚術呪文に完全耐性を持つクリーチャーは具象化念力にも完全耐性を持つ)。
 創造:創造の副分野を持つ念力は発現者が指定する場所に物体やクリーチャーを作成する(上記の制限には従う)。念力が瞬間以外の持続時間である場合、念能のエネルギーは創造物と一緒に保持し、念力が終了すると作成されたクリーチャーや物体は跡形もなく消える。ただし輝くエクトプラズムの薄膜は急速に蒸発する。念力が瞬時の持続時間である場合、作成されたクリーチャーや物体は単に念能で組み立てられている。無制限に持続し、その存在は念能の依存しない。

念動 Psychokinesis
 念動の念力はエネルギーを操作したり、精神の力を利用して目的を達成する。これらの念力の多くは、目標の移動、融解、変化、爆破など、念力の通常の付随現象(下記付随現象を参照)を超える壮観な降下を生み出す。念動の念力は大きなダメージを与えることができる。
 念能と魔法の透明性の目的のために、念動念力は力術呪文の系統と同等である(したがって、血記述呪文に完全耐性を持つクリーチャーは念動念力にも完全耐性を持つ)。

超代謝 Psychometabolism
 超代謝念力は一部のクリーチャー、物体、状態の物理的な特性を変化させる。
 念能と魔法の透明性の目的のために、超代謝念力は変成術呪文の系統と同等である(したがって、変成術呪文に完全耐性を持つクリーチャーは超代謝念力にも完全耐性を持つ)。
 治癒:治癒の副分野を持つ超代謝念力はクリーチャーからダメージを取り除くことができる。しかし、直接比較すると、通常念能的な治癒は信仰魔法の治癒には及ばない。

観念移動 Psychoportation
 観念移動念力は発現者、物体、別のクリーチャーを時空を通じて移動させる。
 念能と魔法の透明性の目的として、観念移動念力には同様の系統がない。瞬間移動の副分野の念力は1体以上のクリーチャーや物体を長距離間運ぶ。これらの念力の中で最も強力なものは、次元界の境界を超えることができる。通常瞬間移動は片道だけであり(特記ない限り)追放はできない。瞬間移動はアストラル界に瞬時に移動する。アストラル界への移動を防ぐものは、瞬間移動も防ぐ。

精神感応 Telepathy
 精神感応念力は人の心をスパイし、他人の行動に影響を与えたり制御したりする。
 ほとんどの精神感応念力は精神作用である。
 念能と魔法の透明性の目的のために、精神感応念力は心術呪文の系統と同等である(したがって、心術呪文に完全耐性を持つクリーチャーは精神感応念力にも完全耐性を持つ)。
 魅了:魅了の副分野の念力は、対象が君を見る目を変え、通常は親友として見るようにする。
 強制:強制の副分野の念力は対象をなんからの方法で行動させたり、精神の機能の仕方を変えたりする。対象の行動や大砲への降下を決定する、発現した時に対象の行動を決定できる、対象に対する鶏尾↑兎的な制御を与える強制の念力がある。

[補足説明] [Descriptor]
 分野及び副分野と同じ行に示されるのは、何らかの方法で念力をさらに分類する補足説明である。一部の念力には複数の補足説明がある。
 念力に適用される補足説明は、強酸、氷雪、即死、雷撃、悪、火炎、力場、善、言語依存、光、精神作用、音波である。
 これらの補足説明のほとんどは、それ自体ではゲーム的な効果を持たないが、念力が他の念力、呪文、特殊能力、珍しいクリーチャーは、属性などと作用する方法を与える。
 言語依存の念力は理解できる言語を媒体として使用する。精神作用念力は【知力】が1以上のクリーチャーに対してのみ機能する。

レベル Level

 念力の説明の次の行には念力のレベルを示している。1から9までの数字は念力の相対的な強さを定義している。この数字の前には念力が発現できるクラスの名前がある。念力がサイオンの一般的な念力リストではなく、分野のリストの一部である場合、その分野のスペシャリストの名前で示される。念力が関連付けられるスペシャリストには、エゴイスト(超代謝)、キネティシスト(念動)、ノーマッド(観念移動)、シアー(超感覚)、シェイパー(具象化)、テレパス(精神感応)が含まれる。

付随現象 Display

 念力が発現されると、主要な効果に現象が付随する場合がある。この二次的な効果は聴覚的、物質的、精神的、嗅覚的、視覚的なものである。戦闘中に、念能のキャラクター、味方、敵に結果をもたらすほどの念力の付随現象はない。念力の2次的な効果は念力の説明に示されている場合にのみ発生する。同様の付随現象を持つ複数の念力が同時に起動している場合、付随現象は必ずしも強くなるとは限らない。代わりに、全体の付随現象は同じままであるが、強度にわずかなくさびがある。〈呪文学〉判定はプレイ中の同時に発現されている念力の正確な数を明らかにする(DC 10+使用中の追加の念力ごとに1)。以下に示す付随現象は例であり、ゲームのテーマにあわせて必要に応じて調整する。
 付随現象なし:ほとんどすべての念力が付随現象を持つにもかかわらず、念能のキャラクターは常に派手な付属物なしで念力を発現することを選択することができる。付随現象なしで念力を発現するために(付随現象の数に関係なく)、発現者は精神集中判定(DC 15+念力レベル)を行う必要がある。この判定は念力を発現するためのアクションの一部である。判定に失敗した場合、念力は通常通りその付随現象を現す。
 発現者が付随現象なく念力を発現したとしても、適切な状況では機会攻撃の対象となる(もちろん別の精神集中判定を通常通り行い防御的発現を行うか、攻撃された場合に念力を維持することができる)。
 聴覚/Auditory:低音の唸り音が発現者の近くや念力の対象の近く(発現者の選択次第)から発せられ、多くの深い唸り声に不気味と似ている。音はほとんど目立たないものから100フィート以内で聞こえるほどの大声まで、すぐさま大きくなる。発現者のオプションで、瞬間的な音は非常に柔らかく、DC 10の〈知覚〉判定に成功すると、15フィート以内でしか聞こえない。一部の念力は独自の聴覚の付随現象について説明している。
 物質/Material:対象や範囲は半透明のきらめく物質で軽く塗られる。輝く物質は念力の持続時間に関係なく1ラウンド後に蒸発する。洗練されたサイオンは物質をアストラル界からのエクトプラズムの浸透物として認識する。この物質は完全に不活性である。
 精神/Mental:微妙なチャイムが発現者あるいは対象の15フィート以内にいるクリーチャーの心に一度鳴り渡る(発現者の選択で)。発現者の選択次第では、チャイムは念力の持続時間の間連続的にならすことができる。一部の念力は独特の精神の付随現象について説明している。

純粋に精神的なアクション Purely Mental Actions

 一部の効果は、念力の発現など「純粋に精神的なアクション」を行う能力を扱う。発現することに加えて、純粋に精神的なアクションは音声要素あるいは動作要素を満たない呪文を発動することである。物質要素の操作を必要としない呪文も、純粋に精神的なアクションのカテゴリに分類されるかもしれない。
 嗅覚/Olfactory:奇妙だが身近な匂いが長く埋もれていた記憶の短い精神的な閃光を思い出させる。香りを特定するのは難しく、二人が同じことを説明することはない。匂いは発現者から発生し、20フィートの距離まで広がり、その後1秒未満で消えていく(または、発現者の選択で持続する)。
 視覚/Visual:発現者の目は銀の火の点のように見え、効果中念力は起動している。虹色の閃光は発現者から5フィートの距離まで一掃し、その後固有の視覚的付随現象が記述されていない限り消散する。これは付随現象の欄に「本文参照」が含まれている場合である。つまり、視覚効果は念力のテキストのどこかに記述されている。

発現時間 Manifesting Time

 ほとんどの念力は1標準アクションの発現時間がある。他の者は1ラウンド以上かかるが、一部にはフリー・アクションのものもある。
 発現に1ラウンドかかる念力は全ラウンド・アクションが必要である。これは君が念力を発現し始めた後、ラウンドの君のターンが始まる直前に効果が現れる。念力が完了した後、通常通りに行動する。発現に1分かかる念力は、1分後の君のターン直前に効果が現れる(これらの10ラウンドのそれぞれで、1ラウンドの発現時間についての上記のように、全ラウンド・アクションとして念力を発現している)。これらのアクションは連続的で中断されていない必要がある。そうでない場合、念力ポイントは失われ、念力は失敗する。
 発現に1ラウンド以上かかる念力を使用する場合、現在のラウンドから次のラウンドのターン直前まで、精神集中を維持する必要がある。発現時間が完了する前に精神集中を失うと、念力ポイントは失われ、念力は失敗する。
 念力が起動されたとき、念力に関する全ての適切な決定を行う(距離、目標、範囲、効果、バージョンなど)。

距離 Range

 念力の距離は、念力の説明の距離の項目で定義されているように、到達可能な距離を示す。念力の距離は、念力の効果が発生する可能性のある君からの最大距離と、念力の原点を指定できる最大距離である。範囲の一部が距離を超える場合、その範囲は無駄となる。標準的な距離は以下のようなものがある。
 自身/Personal:念力は発現者にのみ影響する。
 接触/Touch:発現者は影響を与えるためにクリーチャーか物体に接触しなければならない。ダメージを与える接触念力は武器と同じようにクリティカル・ヒットとなる。接触念力は出目が20のロールでクリティカル・ヒットの可能性があり、クリティカル・ヒットが確定すると2倍のダメージを与える。一部の接触念力は複数の目標に接触できる。間合い内である限り複数の同意する目標に接触することができるが、念力の全ての目標は念力を発現するのと同じラウンドで接触する必要がある。
 近距離/Close:念力は発現者から25フィートまで届く。最大距離は2発現者レベルごとに5フィート増加する。
 中距離/Medium:念力は100フィート+10フィート/発現者レベルまで届く。
 遠距離/Long:念力は400フィート+40フィート/発現者レベルまで届く。
 フィート表記の距離:一部の念力には、標準的な距離のカテゴリがなく、距離がフィート単位で表されている。

念力の狙いをつける Aiming A Power

 念力の種類に応じて、念力が誰に影響を与えるか、念力の効果がどこから生じるかについて、何らかの選択を行う必要がある。念力の説明の次の項目は、必要に応じて念力の目標を定義する。
 目標:一部の念力には1体以上の目標がある。念力自体によって定義されているクリーチャーや物体にこれらの念力を発現する。目標を視ることができるあるいは接触できる必要があり、目標を明確に選択する必要がある。ただし、念力を発現するまで目標を選択する必要はない。
 間違った種別の目標に、目標の念力を発現した場合、その念力は効果がない。念力の目標が自身の場合(念力の説明に「目標:自身」と書かれている場合)、セーヴィング・スローはできず、念力抵抗を適用できない。セーヴィング・スローと念力抵抗の行にはそのような念力では省かれている。
 一部の念力は同意する目標にのみ発現することができる。自身を同意する目標として宣言することはいつでも行える(君が立ちすくみ状態であったり、自身のターンでない場合でも)。気絶状態のクリーチャーは自動的に同意しているものとみなされるが、意識はあるが動けないあるいは無防備状態のキャラクター(縛られている、戦慄状態組みつき状態麻痺状態押さえ込まれた状態朦朧状態など)は自動的に同意してはいない。セーヴィング・スローと念力抵抗の行は通常このような念力からは除外される。これは同意する対象のみを目標にできるからである。
 効果:ほとんど具象化の念力など、一部の念力は既に存在している者に影響を与えるのではなく、物を作成する。念力の説明で特に明記されていない限り、これらを表すあるいは定義する事により、これらのものが現れる場所を指定する必要がある。距離は効果が現れる距離を決定するが、効果が動ける場合、作成された念力の距離に関係なく移動できる。
 光線:一部の効果は光線である。通常は、通常の遠隔攻撃ではなく遠隔接触攻撃を行うが、光線は遠隔武器を使用するように照準を合わせる。遠隔武器と同様に、暗闇や不可視のクリーチャーに対して発射し、なにかに当てることができる。目標型の念力のように、攻撃しようとしているクリーチャーを見る必要はない。ただし、介在するクリーチャーや障害物は視線を遮ったり、狙っているクリーチャーに遮蔽を提供する可能性がある。
 光線の念力に持続時間がある場合、それは光線自体が持続する時間の長さではなく、光線が引き起こす効果の持続時間である。
 光線の念力がダメージを与える場合、武器であるかのようにクリティカル・ヒットとなる倍がある。光線念力は20の出目でクリティカル・ヒットの可能性があり、クリティカル・ヒットが成功すると2倍のダメージを与える。
 拡散/Spread:いくつかの効果は起点(グリッドの交差点か発現者自身)から念力で記述されている距離まで広がる。効果は角を曲がり、見えない範囲に広がることもある。実際の移動距離を計算し、効果が発生する可能性のあるターンを考慮する。拡散効果の距離を決定するとき、壁を通過するのではなく壁に沿って数える。移動と同様に、角を横切る対角線を数えない。このような効果の原点を指定する必要がある(効果が中央に配置される場合を除く)が、効果のすべての部分に効果線(下記参照)を設定する必要はない。
 (S)自在:効果の行が「(自在)」(原文表記では(S))で終わる場合、念力を自在に変化させることができる。自在効果の寸法は10フィートより小さくすることはできない。
 範囲:一部の念力は範囲に影響を与える。念力の説明では、特別に定義された範囲を指定することもあるが、通常範囲は以下で定義されるカテゴリのいずれかに分類される。範囲の形状に関係なく、念力が発生する地点を選択するが、そうでない場合は通常どのクリーチャーや物体が念力に影響するかを制御はしない。範囲に影響する念力の起点は常にグリッドの交差点である。特定のクリーチャーが念力の範囲内にいるかどうかを判断するときは、キャラクターを移動するときや遠隔攻撃の距離を決定するときと同じように、原点からの距離をマスで数える。唯一の違いは1つのマスの中心から次のマスの中心までを数える代わりに、交差点から交差点までで数えることである。
 マスを斜めに数えることもできるが。1マスの対角線は2の平方として数える。マスの遠端が念力の範囲内にある場合、そのマス内全てのものは念力の範囲内にある。ただし、念力の範囲がマスの近い側の頂点にのみ接触している場合、そのマス内の全てのものは念力の影響を受けない。
 爆発、放射、拡散/Burst, Emanation, Spread:範囲に影響を与えるほとんどの念力は、爆発、放射、拡散として機能する。いずれの場合も、念力の起点を選択し、その地点からの効果を測定する。爆発の念力はその範囲で捕らえられる全てに影響する。これには君が見ることができないクリーチャーも含まれる。起点から完全遮蔽を有しているクリーチャーは影響を受けない(言い換えれば、その効果は角を超えて広がらない)。爆発の効果の標準の形状は球形であるが、一部の爆発の念力は特に円錐形として記述されている。
 爆発の範囲は、起点から念力の効果がどれだけ広がるかを定義する。
 放射の念力は爆発の念力のように機能するが、効果は念力の持続時間の間起点から放射し続ける。
 拡散の念力は爆発のように広がるが、角を曲がることができる。起点を選択すると、念力はすべての方向に1艇の距離で広がる。効果がかかる回転を考慮して念力の効果が占める範囲を計算する。
 円錐形、直線、球形/Cone, Line, Sphere:範囲に影響を与えるほとんどの念力は、円錐形、直線、球形などの特定の形状を持っている。円錐形の念力は指定した咆哮に1/4の円形で君から発射される。念力は君のマスの角から始まり、進むにつれて広がる。ほとんどの円錐形は爆発か放射のいずれかであり(常勤参照)、角を曲がらない。
 直線の念力は君が指定した方向に一直線に君から発射される。君のマスの端から始まり、その距離の限界まであるいは、効果線を遮る障壁にぶつかるまで伸びる。直線の念力は直線が通り抜けるあるいは接触するマスの全てのクリーチャーに影響を及ぼす。
 球形の念力はその起点から広がり、球形の範囲を満たす。球形は、爆発、放射、拡散の範囲である。
 その他:念力はその説明で定義されているようにユニークな範囲を持つことがある。
 効果線/Line of Effect:効果線は念力が何に影響を与えることができるかを示す、直線のブロックされていない経路である。固体の障壁は効果線を遮るが、霧、暗闇、通常の視界を制限する他の要因によってブロックされない。念力を発現する目標あるいは効果を作成したいマスに対して、明確な効果線が必要である。君は、君が発現する念力の原点の地点までの明確な効果線を持たなければならない。
 爆発、円錐形、放射の念力は起点から効果線のある範囲、クリーチャー、物体のみに影響する(球形の爆発の中心点、円錐形の爆発の開始地点、放射の起点から)。それ以外の場合は、少なくとも1平方フィートの穴のある固体の障壁は、念力の効果線をブロックしない。このような開口部は穴を含む5フィートの長さの壁が念力の効果線を決定するための障壁とみなされなくなったことを意味する。

持続時間 Duration

 念力の持続時間の行は念力の念能のエネルギーが残る時間を示す。
 時間のある持続時間:多くの持続時間は、ラウンド、分、時間、あるいはその他の増分で表される。時間が経過すると効果を維持している念能のエネルギーは減衰し、念力は終了する。念力の持続時間が可変の場合、秘密裏にロールされる。
 瞬時:結果は長続きするかもしれないが、念能のエネルギーは念力が発現された瞬間にやってきて消え去る。
 永続:エネルギーは効果が続く限り残る。これは念力がディスペル・サイオニクスをしやすいことを意味する。
 精神集中:君が精神集中している限り念力は持続する。念力を持することに精神集中することは機会攻撃を誘発しない標準アクションである。念力を発現する時に精神集中を損なう可能性のあるものは、精神集中を維持している時に精神集中を損なう可能性があり、その結果念力が終了する。別の念力に精神集中しながら、念力を発現することはできない。精神集中をやめた後でも、一部の念力は短時間持続している場合がある。このような場合、精神集中をやめた後一定時間は念力が継続するが、もはや念力はない。それ以外の場合は念力を維持するために精神集中をする必要があるが、いかなる場合でも一定時間以上念力を維持することはできない。目標が距離外に移動すると、念力は精神集中が失われたかのように反応する。
 対象、効果、範囲:念力がクリーチャーに直接影響する場合、結果は念力の持続時間の間対象とともに移動する。念力が効果を作成する場合、効果は持続時間の間持続する。効果が移動したり静止したままとなる場合がある。そのような効果はその持続時間が終了する前に破壊される場合がある。念力が範囲に影響を与える場合、念力は持続時間の間その範囲に留まる。クリーチャーは範囲に入ると念力の対象となり、範囲を出ると念力の対象ではなくなる。
 接触念力とチャージの保持/Touch powers and Holding the Charge:ほとんどの場合、発現するラウンドで接触念力をチャージしなければ、チャージを無期限に保持できる(念力の再チャージを延期する)。ラウンドごとに接触攻撃を行うことができる。チャージ中に手で何かに接触すると、念力がディスチャージされる。別の念力を発現すると接触念力は消散する。
 一部の接触念力は念力の一部として複数の目標に接触することができる。そのような念力のチャージを保持することはできない;君は念力を発現し終えた同じラウンドで念力の全ての目標に触れていなければならない。1体の友人(あるいは自分)を表示んアクションとして、または最大6体までの友人を全ラウンド・アクションとして接触できる。
 再チャージ:念力は設定された持続時間あるいは、トリガー、再チャージされるまで継続される。
解除化/(D):持続時間の行が「(D)」で終わる場合は自由に念力を解除できる。君は念力の効果の距離内にいなければならず、精神的に解除しなければならない。これにより、最初に念力を発現したときと同じ付随現象が発生する。念力を解除することは機会攻撃を誘発しない標準アクションである。精神集中に依存する念力はその性質上解除可能であり、念力を終了するために君がしなければならないことは君のターンに精神集中を辞めることだけのため、解除してもアクションを費やさず、付随現象を発生させない。

セーヴィング・スロー Saving Throw

 通常有害な念力により、目標はセーヴィング・スローを行い、効果の一部あるいはすべてを回避できる。念力の説明のセーヴィング・スローの行は念力が許可するセーヴィング・スローの種別を定義し、念力の動作に対するセーヴィング・スローの方法を説明する。
 無効/Negates:セーヴィング・スローを成功した対象に念力は効果を与えない。
 部分的/Partial:この念力は即死効果などで、対象に影響を与える、セーヴィング・スローに成功することは、発生する効果が少なくなることを意味する(殺されるのではなくダメージを与えるなど)。
 半減/Half:念力はダメージを与え、セーヴィング・スローが成功すると受けるダメージが半分となる(切り捨て)。
 なし/None:セーヴィング・スローを行えない。
 (物体)/(object):念力は物体に発現することができ、物体が年の腕ある場合あるいは念力に抵抗するクリーチャーが参加している場合(保持、着用、掴んでいるなど)のみセーヴィング・スローを行える。この場合、独自のセーヴィング・スローが大きくない場合、物体はクリーチャーのセーヴィング・スローを使用する。(この表記は念力が物体にのみ発現されることを意味するものではない。この種類の念力はクリーチャーあるいは物体に発現することができる。)念能のアイテムのセーヴィング・スローのボーナスは2+アイテムの発現者レベルに等しい。
 (無害)/(harmless):通常念力は有益であり、有害ではないが、目標のクリーチャーは必要に応じてセーヴィング・スローを試みることができる。
 セーヴィング・スロー難易度:君の念力に対するセーヴィング・スローはDC 10+念力のレベル+君の主要能力修正値(サイオンならば【知力】、サイキック・ウォリアーならば【判断力】、ワイルダーならば【魅力】)を持つ。念力のレベルはクラスによって異なる。クラスに適した念力レベルを常に使用せよ。
 セーヴィング・スローに成功した場合/Succeeding on a Saving Throw:明らかな物理的効果を保たない念力に対してセーヴに成功したクリーチャーは敵対的な力や疼きを感じるが、攻撃の正確な性質を推測することは出来ない。同様にクリーチャーのセーヴィング・スローが目標の念力に対して成功した場合、念力が失敗したと感じる。クリーチャーが効果と範囲念力に対するセーヴに成功したときは何も感じない。
 精神作用念力に対してセーヴィング・スローに失敗した場合/Failing a Saving Throw against Mind-Affecting Powers:セーヴに失敗した場合、念力の影響を受けている事に気が付かない。
 自動成功と自動失敗/Automatic Failures and Successes:セーヴィング・スローで出目が1の場合(d20の出目が1となる)は常に失敗であり、露出しているアイテムにダメージを与える可能性がある(以下のセーヴィング・スロー後のアイテムの生存を参照)。出目が20の場合(d20の出目が20となる)は常に成功である。
 自発的にセーヴィング・スローを放棄する/Voluntarily Giving up a Saving Throw:クリーチャーはセーヴィング・スローを自発的に放棄し、念力の結果を同意して受け入れることができる。念脳に対して特殊な抵抗をもつキャラクターでさえ、この性質を抑えることができる。
 セーヴィング・スロー後のアイテムの生存/Items Surviving after a Saving Throw:念力の説明文で特に明記されていない限り、クリーチャーが携帯あるいは着用している全てのアイテムは念能の攻撃から生存すると想定されている。ただし、クリーチャーが効果に対するセーヴィング・スローで1の目をロールした場合、露出しているアイテムはダメージを受ける(攻撃が物体にダメージを与える可能性がある場合)。表:念能攻撃で影響を受けるアイテムを参照せよ。
 クリーチャーが携帯あるいは着用している4つの物体が最も影響を受ける可能性が高いかを判断しそれらの間でランダムにロールする。ランダムに決定したアイテムは、攻撃に対してセーヴィング・スローを行うか、攻撃が与えるダメージを受けなければならない。
 影響を受ける可能性が高い順番に並べられている。

表:念能攻撃で影響を受けるアイテム
順番 アイテム
1
2
3 念能あるいは魔法のヘルメット、ハット、ヘッドバンド、サイクラウン
4 手にあるアイテム(武器、ドルジェなどを含む)
5 念能あるいは魔法のクローク
6 収納または隠している武器
7 念能あるいは魔法のブレイサー
8 念能あるいは魔法のクロージング
9 念能あるいは魔法の宝石(リングを含む)
10 どれか

念力抵抗 Power Resistance

 念力抵抗は特殊な防御能力である。君の念力が念力抵抗を持つクリーチャーによって抵抗される場合、念力をそのクリーチャーに影響を与えるために、少なくともクリーチャーの念力抵抗に等しいDCの発現者レベル判定(d20+発現者レベル)を行わなければならない。防御側の念力抵抗は念能の攻撃に対するACのように機能する。呪文抵抗は、「念能とは異なる」オプションを使用していない限り、念力抵抗と同様である。この発現者レベル判定で、発現者レベルの調整を含める。
 念力抵抗の行と念力の説明文は念力抵抗がクリーチャーを念力から守るかどうかを示す。多くの場合、念力抵抗を持つクリーチャーが既に配置されている念力に遭遇した場合ではなく、念力抵抗を持つクリーチャーが念力の目標になったときのみ念力抵抗が適用される。
 「物体」および「無害」という用語は、セーヴィング・スローを行う場合と同様に、念力抵抗についても同じことを意味する。念力抵抗を持つクリーチャーは無害であると記述されている念力の影響を受けるために、念力抵抗を自発的に放棄する必要がある(標準アクションで)。そのような場合、上記の発現者レベル判定を行う必要はない。

念力ポイント Power Points

 全ての念力には、念力のコストを示す念力ポイントの行がある。
 念能のキャラクターのクラスのテーブルはレベルに応じてキャラクター1日に使用できる念力ポイントの数を示している。
 以下に示すように、念力のコストはそのレベルによって決める。参照しやすいように各年力のコストは説明欄に記載されている。

表:念力のレベルによる念力ポイント
念力レベル 1 2 3 4 5 6 7 8 9
念力ポイントのコスト 1 3 5 7 9 11 13 15 17

 一部の念力では、基本コスト以上を費やして効果を改善したり、念力を増強したりできる。(何らかの理由で)念力に費やすことができるポイントの最大数は発現者レベルと同じである。

説明文 Descriptive Text

 念力の説明のこの部分では、念力の機能と仕組みについて詳しく説明する。説明の前の行の1つに「本文参照」と合った場合、ここに説明がある。読んでいる念力が別の念力に基づいている場合、「本文参照」の情報については別の念力を参照する必要がある。
 増強/Augment:多くの念力は発現するときに費やす念力ポイントの数にも基づいて様々な効果を持つ。より多くの念力ポイントが費やされるほど、発現はより強力なものとなる。この追加の支出が念力にどのように影響するかは念力に固有なものである。増強によってダメージ・ダイスの数を増やすことができるが、他には念力の持続時間を延長したりユニークな方法で念力を変更したりできる。増強できる各念力には増強に必要な念力ポイントの数とその効果を示す項目がある。ただし、発現者レベルに等しい数の合計念力ポイントしか費やすことができない。
 念力の増強は別のアクションの一部(念力の発現)として行われる。個々の念力の説明欄の「増強」欄に特記ない限り、念力を発現するときのみに念力を増強できる。

念力と念力ポイント Powers and Power Points

 念能のキャラクターは、個人の精神的エネルギーの直接操作を伴う念力を発現する。これらの操作には生来の才能と個人的な瞑想が必要である。念能のキャラクターのレベルは念力を発現するために使用できる念力ポイントの数を制限する。念能のキャラクターの主要能力値により、追加の念力ポイントを得られる場合がある。同じ念力を複数回発現することができるが、それぞれの発現は一日の制限から念力ポイントを引いていく。念力の発現は骨の折れる精神的なタスクである。そのため念能のキャラクターは少なくとも10+念力レベルの主要能力値を持っている必要がある。使用した一日の念力ポイントを取り戻すためには、念能のキャラクターには明瞭な精神が必要である。精神を明瞭にするために、8時間寝なければならない。キャラクターは終始眠りに落ちる必要はないが、休憩時間中は、動いたり、戦闘したり、念力を発現したり、技能を使用したり、会話したり、その他激しい肉体的あるいは精神的な作業を控えなければならない。休息が中断されると、中断するたびに精神を休めるために休息しなければならない合計時間が1時間増加し、失われた念r木ポイントを回復する直前に少なくとも1時間休憩する必要がある。キャラクターが何らかの理由で眠る必要がない場合でも、念力ポイントを回復するまで8時間の間休憩していなければならない。念能のキャラクターが最近念力を発現した場合、リソースの消耗は、念力ポイントを回復する能力を低下させる。翌日に念力ポイントを回復すると、過去8時間以内に使用した全ての念力ポイントが1日の制限に数えられる。
 平和的な環境:念力ポイントを回復するために、念能のキャラクターは適切な精神集中を可能にするのに十分な平和、静寂、快適さがなければならない。念能のキャラクターの周囲が豪華である必要はないが、近くで激怒するような戦闘や他の大きな音などの明白な注意散漫するようなものがあってはならない。悪天候に晒されると。必要な精神集中が妨げられる。また念力ポイントの回復中に精神集中間に怪我やセーヴィング・スローに失敗するとなどすると、キャラクターはそれを被る場合がある。
 キャラクターが適切な環境で休息したら、1ラウンドに及ぶ精神集中の行為だけで、念能のキャラクターの1日の制限全ての念力ポイントを取り戻す。
 死と念力ポイント:キャラクターが死んだ場合、精神に保存されている全ての1日の念力ポイントは消去される。強力な効果(リアリティ・リヴィジョンなど)はキャラクターを回復する時に失われた念力ポイントを回復できる。
 エネルギーの念力/Energy Powers:多くの念力は特定の種類のエネルギー・ダメージを与える。最も一般的なのは、冷気、電撃、火、音波である。冷気、電撃、火、音波の選択肢を持つ念力の場合、発現者はこれらの4つのエネルギー種別のうち、どれが自身の起動しているエネルギーであるか、その日の念力ポイントを取り戻した後に選択する必要がある。発現者は、念能収束を得ることにより、どのエネルギーが自身の起動しているエネルギーであるかを変更することを選択できる。現在念能収束を維持している場合、フリー・アクションとして消費し、通常は念能収束を得て新しいエネルギーの種別を選択する。発現者は起動しているエネルギー種別を保つために念能収束を維持する必要はない。ワイルダーは、野生の活性を行うとき起動するエネルギー種別を変更できる。キネティシストはこの制限から外されており、念力によって許可された選択しの範囲内である限り、念力が発現される時点で自由にエネルギー種別を選択できる。例えば、エネルギー種別を選択できないので、コンカッション・ブラストを発現するとき、エネルギー種別として火を選択できない。

ダメージ減少と念力 Damage Reduction and Powers

 呪文と同じように、念力と擬似念力はダメージ減少の対象ではない。
 ただし、物理的なダメージ種別(殴打、刺突、斬撃)を与える念力は、物理種別のダメージに対してダメージ軽減の対象となるという公式の裁定が下されている。
 ゲームバランスの理由からどちらの状況でもルールを一定に適用することが重要である:物理種別のダメージを与える呪文と念力はダメージ減少の影響を受けるか、物理種別のダメージを与える呪文と念力はダメージ減少の影響を受けないか。片方のみに適用し、もう片方には適用しないなどはすべきでない。
 この裁定の影響を受ける念力はクリスタル・シャードヘイル・オヴ・クリスタルズスウォーム・オヴ・クリスタルズが含まれる。
 この裁定の影響を受ける呪文はアイス・ストームストーム・オヴ・ヴェンジャンスが含まれる。

Adding Powers

 念能のキャラクターは新しいレベルを得ると、新しい念力を修得することができる。サイオンはサイオン/ワイルダーの念力リストと、選択した分野のリストから念力を修得できる。ワイルダーはサイオン/ワイルダーのリストからあらゆる念力を修得できる。サイキック・ウォリアーはサイキック・ウォリアーのリストからあらゆる念力を修得できる。サイオンと念能のキャラクターは、潜在的な精神能力を解き放つために、冒険と冒険の間に一定量の個人的な瞑想を行う。念能のキャラクターが新しいレベルを得るたび、自身のクラスの説明に従って追加の念力を修得する。サイオン、サイキック・ウォリアー、ワイルダーははこの方法で自身の選択した新しい念力を修得する。これらの能力は潜んでいた物が開放された能力を表している。念力はキャラクターが発現できるレベルでなければならない。
 独自の調査/Independent Research:サイオンは独立して念力を調査し、既存の念力を複製したり、まったく新しい念力を作成したりできる。キャラクターが新しい念力を開発することを許可されている場合、これらのガイドラインを使用して状況を処理する。
 あらゆる種類の発現者が新しい念力を作成することができる。関連する研究には中断のない瞑想に役立つ隠居場所への使用権が必要である。調査には、1週間辺り1,000gpのコストが必要であり、念力レベル毎に1週間かかる。その時間の終わりに〈呪文学〉判定を行う(DC 10+呪文レベル)。(訳注:念力レベルではないか)。判定に成功した場合、調査が実行可能な念力を生み出したならば、キャラクターは新しい念力を修得する。判定に失敗し、キャラクターが思考を続けたい場合、再度調査プロセスを行わなければならない。独自の調査を通じて修得した念力は、発現者の修得済み念力として依然として数えられる。

他人の修得済みから未知の念力を発現する Manifest an Unknown Power from Another’s powers Known

 念能のキャラクターは自身の知識以外の源(通常はほかの同意する念能のキャラクター)から念力を発現しようと試みることができる。そのために、まずキャラクターはコンタクトする必要がある(パワー・ストーンに取り組むのと同様のプロセスでDC 20の〈呪文学〉判定が必要である)。念能のクリーチャーは同意する念能のキャラクターあるいはクリーチャーとのみコンタクトすることができる(気絶状態のキャラクターは同意しているものとみなされるが、他の行動不能の効果下の念能のキャラクターはみなさない)。何らかの理由でパワー・ストーンを使用できないキャラクターは他の念能のキャラクターの知識から念力を発現しようとすることもできない。精神的なコンタクトは1全ラウンド・アクションの身体的なコンタクトを必要とし、機会攻撃を誘発する。コンタクトが達成すると、キャラクターは他のキャラクターが修得しているすべての念力を、接触した者の自身の修得済みの最も高いレベルの念力までを認識する。次に念能のキャラクターは念力の1つを選択し、2回目の〈呪文学〉判定(DC 15+念力のレベル)を行い、理解できるかどうかを確認する。クラスのリストに念力がない場合、この判定に自動的に失敗する。
 他の同意する念能のキャラクターやクリーチャーとのコンタクトに成功し、特に念力1つについてできることを学ぶと、キャラクターは修得していなくとも念力を発現することを直ちに試みることができる(ただし、その日の念力ポイントのが残っているものと仮定する)。次のターンに念力を正常に発言しようとすることができ、さらに追加の1回の〈呪文学〉判定(DC 15+念力のレベル)を行うと、成功する。選択した念力を1ラウンドだけ発現できる能力を保持する。念力を発現しない、〈呪文学〉判定に失敗する、あるいは別の念力を発現すると、念力の発現に成功しない限り念力ポイントは消費しないが、その念力を発現する機会を失う。
 このプロセスが念力の発現に成功するかどうかに関係なく、キャラクターが他人が修得している念力から念力を発現しようと試みるたびにプロセス全体を行う必要がある。

保存されている念力ポイントを使用する Using Stored Power Points

 後で使用するために、念力ポイントを保存するための様々な念能のアイテム、特にコグニザンス・クリスタルと呼ばれる保存用のデバイスが存在する、どの種類のアイテムが念力ポイントを保存するかに関係なく、全ての念能のキャラクターは保存された念力ポイントを利用する際に厳しいルールに従う必要がある。
 保存アイテムの念力ポイントを使用して念力を発現する場合、複数の源からの念力ポイントで念力のコストを支払うことはできない。アイテム、自身の念力ポイント・リザーヴ、他の個別の念力ポイントの源のいずれかを使用して発現のコストを支払わなければならない。ほとんどの念力ポイントの保存用デバイスは、念能のキャラクターが自分の念力ポイントをアイテムに「再チャージ」することができる。これを行うと、キャラクターの念力ポイント・リザーヴが1対1で消耗する。ただし、これらの念力ポイントは無期限に保存される。反対は真ではない――念能のキャラクターは自身の念力ポイント・リザーヴを補充するために、保存用アイテムに保存されている念力ポイントを使用できない。

特殊能力 Special Abilities

 念能のクリーチャーは念能のクラスのレベルを持たずに、念能効果を作成できる(ただし、能力をさらに高めるために念能のクラスを採ることができる)。そのようなクリーチャーは念能の副種別を持つ。
 ドルジェ、コグニザンス・クリスタル、その他念能のアイテムを使用するキャラクターも念能の効果を作成できる。既存の擬似呪文能力や超常能力に加えて、クリーチャーは擬似念能力を持つこともできる(念能のキャラクターはまた変則能力や生来の能力を持っているかもしれない)。
 念能のキャラクターによる念力の発現は、念能のクラスを持たないクリーチャー(念能の副種別を持つクリーチャー、単に念能のクリーチャーと呼ばれる)による念力の発現と同様擬似念能力とみなされる。通常、念能のクリーチャーの擬似念能力は、その名前の念力のように機能する。いくつかの擬似念能力はユニークなものである;それらはテキストで説明される。
 擬似念能力には、動作、音声、物質構成要素はなく、念能収束も必要ない。使用者は精神的に起動する。鎧は擬似念能力の使用に決して影響しない。擬似念能力は、能力の説明で明記されていない限り、1標準アクションの発現時間を持つ。他のすべての点で、擬似念能力はその念力のように機能する。ただし、念能のクリーチャーは擬似念能力の念力ポイントのコストを費やす必要はない。
 擬似念能力は念力抵抗を受け、ディスペル・サイオニクスによって解呪される。念能が抑制か無効化されている範囲では機能しない。
 一部のクリーチャーは超常能力とみなされる念能能力を持っている。念能特技も超常能力である。これらの能力は、念力がそうであるように戦闘中に妨害されず、機会攻撃を誘発しない(説明で記載されている場合を除く)。超常能力は念力抵抗を受けず、無効化も解呪もされない;ただし、念能が抑制されている範囲では機能しない。
 バリアント:一部の異なるゲームでは、念能と魔法が全く異なるように機能するのを好むかもしれない。これを妨げるものはなにもないが、デフォルトでは、念能と魔法は同じように機能する。念能と魔法を異なるものとして実装すると、上記で説明したように念能のシステムが魔法と同様に機能するように設計されているため、さまざまなバランスの問題が発生する可能性がある。
 ただし、このバリアントを実装する場合、念能のメカニズムに以下の変更が発生する。
 念力抵抗を持つクリーチャーは通常通り呪文の影響を受け、呪文抵抗を持つクリーチャーは通常通り念力の影響を受ける。他の種類のエネルギーに対する抵抗からの保護は提供されない。
 ディスペル・サイオニクスは魔法の効果を解呪せず、ディスペル・マジックは念能の効果を解呪しない。
 ディテクト・サイオニクスは魔法の存在を検知できず、ディテクト・マジックは念能の存在を検知できない。
 念力に対するセーヴィング・スローにボーナスを得るクリーチャ―は、呪文に対して同じボーナスを得ない。また、呪文に対するセーヴィング・スローにボーナスを得るクリーチャーは念力に対して同じボーナスを得ない。
 これらの変更が実装したいもの以上である場合は、代わりに減少させる効果を使用できる。例えば、ディスペル・サイオニクスは魔法に抵抗する確率が50%であり、逆も然りである。ディスペル・マジックは念力に影響するが、念力抵抗を持つクリーチャーは念力抵抗の半分に等しい呪文抵抗を持つものとして扱われる。
 さらにこの種類のバリアントでは、発現者の〈呪文学〉技能は〈念力学〉に変更され、一方の技能ポイントは他方の技能の修得を行わない。同様に念能のアイテムの〈魔法装置使用〉技能は〈念能装置使用〉であり、一方の技能ポイントは他方の技能の修得を行わない。

念能のキャンペーン Psionic Campaigns

 神の精神が登場した日に世界の力のバランスが永遠に変わった。突然、念力は複雑なより大きな存在の崇拝、肉体的な才能によってもたらされたのではなく、意志の純粋な力によってもたらされた。これは念能が生まれた日であった。
 ゲームマスターとして君が念脳を使用したことがない場合、導入するのは気が遠くなるか一時停止するかもしれない。以下に示すのは、新規のまたは既存のキャンペーンに念能を取り入れるのに役立つアイディア、ポイントと新しいルールである。

君のゲームに念能要素を加える Adding Psionics to your Game

 既存のキャンペーンで遊んでいる場合、修正の歴史を適用するときは、念能を組み込む最も簡単なソリューションを提供する可能性がある。この状況では、念能は常に世界に存在し、プレイヤーは単にそれを知らなかった、念能の才能は世界の遠く離れた場所にしか存在していないのかもしれない。一般人ほとんど忘れていた迫害の歴史のために隠されているのかもしれない。また、念能のクリーチャーやアイテム、人々が魔法であると考えられ誰もその仮定を試そうともしなかった可能性がある。

 プレイヤーが遭遇したクリーチャーや人々がずっと念能と結びついている可能性さえある。パーティが戦ったゴブリンの部隊は、今は彼の親類への復讐を求めるブルーに率いられていた部族の一部だったかもしれない。追放され腐敗した政治家は密かに支配者としての地位を確立するために働いていたスロールヘルドの支配下にあった可能性もある。これらの未知の関係により世界の没入感を壊すことなく、進行中のゲームに念能を導入することができる。

最初の念能の存在 The First Psionic Beings

 おそらく誰も念能について聞いたことがない理由は、それが今発見されたばかりであるからである。これは様々な理由で君の世界に当てはまるかもしれない。そのいくつかを以下に示す。
 君の世界で魔法が広く使用されている場合、メンタルアーツの開発はまだ始まったばかりかもしれない。強力なエネルギーを利用するための標準的な未知は、秘術と信仰の道であり、念能の未知は未開拓である。
 過去に、念能を持つ人々が莫大な力を持つ存在によって一掃され、念能のエネルギーがブロックとして置かれ、それが消え始めたばかりのときに念能のクリーチャーの出現が可能となったイベントがあったかもしれない。
 最近のイベントは非常に広範囲に影響を及ぼしており、存在の構造を変え、クリーチャーの潜在的な念能能力が現れ始める。このイベントは、キャラクター自身によって促されたイベントかもしれないし、最近になって起こったかもしれないし、ゲーム中のキャラクターの関与なしに前述の神の精神の出現などによって起こるかもしれない。
 これらの最初の念能のキャラクターは、自身の能力を発見し探求するだけでなく、そのテーマに関する指導、専門家、伝承がおそらく入手できない世界で、探求しなければならない。彼らは念能のアイテムやクリーチャーが希少な世界に存在している必要がある。あるいは、おそらく、大粛清の前に閉じ込められた、または神の精神が現れた時に現実に段階的に移行した念能の伝承の隠された隠匿物を発見する。

念能的遭遇 Psionic Encounters

 プレイヤーが念能のキャラクターを選択できるようにすることは、君が冒険に念能を含めなければならないと言うわけではなく、念能のモンスターを使用を通じてという直接的なものであったり、いくつかの隠された念能の課題があることを使って間接的に物事を動かすことによる、どちらでもあり得る。念能は魔法と同じくらい簡単にあらゆる冒険やキャンペーンに適合する。
 ただし、念能のクリーチャー、敵、味方、あるいはイベントをゲームに含めることで、念能のリアリズムを向上させることができる。術者をサイオンに置き換え、ファイターをソウルナイフに置き換え、バーバリアンをワイルダーに置き換えることで、念能は世界の真の部分に感じることができるだろう。また、念能に不慣れなプレイヤーがいる場合、ウィザード、クレリック、ローグに遭遇しても感じられないかもしれない謎を導入する。

念能の強いキャンペーン設定 The High Psionics Campaign

 念能が強いキャンペーンでは、念能は単に存在するだけでなく、念脳を含む標準出来なゲームで反映しているかもしれない。念能は一般的であり、強力な発現者は世界全体に対する真の脅威である。
 念能の強い世界では、発現能力を持つNPC、バザーで購入可能な念能のアイテム、旅人を挑発する念能のモンスターがいる可能性が高い。
 念能が強いキャンペーンでは、パラディンの代わりにソウルナイフ、ソーサラーの代わりにワイルダー、ウィザードの代わりにサイオンを使用する可能性が高い。本質的にゲームを念能のものとしたくない場合でも、念能クラスのレベルを持つNPCや念能能力を持つ敵を増やし、念能の世界を作成することもできる。

念能の病気 Psionic Maladies

 念脳の能力を持つ者は驚くべき偉業を成し遂げることができ、精神の力を楽しむことができるので、独特の苦しみにも敏感である。これらの病気のいくつかを以下に示す。
 能力値焼け/Ability Burn:これは特殊な形態の能力値ダメージであり、魔法的は念能的に治癒することができない。これは特定の念能の特技と念力によって引き起こされる。自然治癒によってのみ回復する。
 病気、流感の滝/Cascade Flu:ブレイン・モウルやその他の蟲によって広まる;負傷型;頑健DC 13; 発症 1日;ダメージ 念能の流感
 念能の流感は念能能力に対する制御の喪失である。潜伏期間が経過すると、流感の滝に感染したキャラクターにとって念力ポイントの仕様は危険なものとなる。影響を受けているキャラクターが念力を発現するたび、DC 16の精神集中判定を行わなければならない。判定に失敗すると、念能の流感がトリガーされる。念力は正常に動作するが、次のラウンド、キャラクターの意志とは関係なく、修得済みの2つの追加の念力がランダムに発現され、その念力のコストはキャラクターの念力ポイントリザーヴから引かれる。次のラウンドでは、念能のキャrカウターのすべての念力ポイントが無くなるまで3つの追加の念力が発現される。ただし、キャラクターはそのラウンドでの効果を無効化するために、影響を受けるラウンド毎に追加のDC 16の精神集中判定を試みることができる。自身あるいは接触の距離を持つ念力は常に病気のキャラクターに影響を与える。目標に影響を与える他の念力についてはd%をロールする:01〜50の結果では、念力は病気のキャラクターに影響を与え、51〜00は念力が近くの他のクリーチャーを目標とする。念能のクリーチャー(念力ポイントを費やさずに念力を発現するもの)は修得している全ての念力が少なくとも2回発現されるまで病状が発生する。
 他の病気と同様に、病気や寄生虫を持っているクリーチャーに傷つけられたり攻撃された場合、あるいは汚染された物質と接触する念能のキャラクターは、即座に頑健セーヴを試みなければならない。成功すると病気は踏み台を得られない。失敗すると、キャラクターは潜伏期間後にダメージを受ける(あるいは指定された効果が発生する)。1日1回、影響を受けているキャラクターはダメージを繰り返さないように頑健セーヴに成功する必要がある。2回連続で成功したキャラクターは病気と戦ったことを示す。
 病気、脳寄生虫/Cerebral Parasites:感染した念能のクリーチャーと接触することで広まる;接触型;頑健 DC 15;発症 1d4日;ダメージ 1d8念力ポイント。脳寄生虫は小さなクリーチャーであり、通常の視覚では検出できない。影響を受けるキャラクターは寄生虫がいることさえ知らないかもしれない――その日の念力ポイントが予想より少ないことを発見するまでは。脳寄生虫を持つ念能のキャラクターは、修得済みの各念力を1日に1回だけ使用できるように制限される(自由に発現するのではなく)。上記の流感の滝の下にある病気に関する注意点を参照せよ。
 負のレベル:念能のキャラクターは他のキャラクター・クラスと同様に負のレベルを得ることができる。同様のペナルティを受ける。念能のキャラクターは念力ポイントを失わず、発現する念力への使用権を失わず、通常の発現者レベルの制限で消費して念力を発現することができる。

念能とクリスタル Psionics and Crystals

 この本の多くの部分で、念能の目的でクリスタルを使用すること言及されている。これは主に、クリスタルを精神エネルギーに結びつける文体的な要素のために行われるが、ゲームで使用しなければならないルールではない。クリスタルはこの本に記載されているアイテムの種類に過ぎない。キャンペーンの設定にあったアイテムやコンセプトを使用できる。
 例えば、話す、這い進む、念力を発現するクリスタルの岩の小片であるサイクリスタルを採り上げる。クリスタルの断片ではなく、これはエーテル界から引き出され所有者の潜在意識の精神によって形を与えられたものであり、ホムンクルスと同様の姿をとったり、所有者のミニチュアのレプリカであったり、自律行動する人形でさえありうる。
 同様にコグニザンス・クリスタルは、特殊な金属で処理されたディスクに整形されると念能のエネルギーを保存することができる、ミネラルを含む特殊な液体から作成されている。
 これらはゲームの世界に合うように念能の物質の側面を実装する方法のほんの一部である。クリスタルはこの本で使用されているオプションであり、唯一の選択肢ではない。

念能のクリーチャーPsionic Creatures

 念能の力を持つクリーチャーは念能の副種別を持つ。念能のクリーチャーはその副種別を持って生まれるか、生涯の間に副種別を獲得できる。
 以下のいずれかの基準を満たすクリーチャーは念能の副種別を持つ:
 念力ポイント・リザーヴを与えるキャラクター・クラスのレベルを持つか、Wild Talent特技を持つクリーチャーを含む念力ポイント・リザーヴを持つクリーチャー
 種族擬似念能力を持つキャラクターを含む、擬似念能力を持つクリーチャー
 「念能」と呼ばれる擬似呪文能力を持つクリーチャー
 特徴:全ての念能のクリーチャーが、念力、念力ポイント、擬似念能力を持っているという事実を除き、念能のクリーチャーには特定の特徴はない。念能の副種別は、念能のクリーチャーを対象とする念力、呪文、効果に対して脆弱性をもつクリーチャーを識別するのに役立つ。
 この章には念能のクラスの念力リストが含まれている。念力リストの念力の名前の最後に表示されるAは増強可能な念力であることを示す。この章の残りの部分では念力名をアルファベット順に説明している。(訳注:原文中に記載されているだけで、Aという記載は本ページではしていない)。
 念力チェーン/Power Chains 一部の念力は、元となっている他の念力を参照しているものがある。念力チェーンの後半で元となっている念力とは異なる念力の情報のみが説明されている念力に記載されている。元となっている念力と同じ情報は繰り返されない。
 表記の順番:念力リストとそれに続く念力の説明では、念力は名前のアルファベット順に羅列している――特定の念力チェーンに属する者を除く。念力の名前が[レッサー」「グレーター」「マス」あるいは同様の種類の修飾子で始まる場合、念力の説明は、念力の説明の2番目の単語の下のアルファベット順になる。
 発現者レベル:念力の効果は多くの場合、発現者のレベルに依存する。発現者のレベルは発現者の念能クラスのレベルである。クラスを持たないクリーチャーの発現者レベルは特に指定がない限りヒット・ダイスと同じである。念力のリストの「レベル」という単語は常に発現者レベルを指す
 クリーチャーとキャラクター:「クリーチャー」と「キャラクター」は、念力の説明で同義的に使用される。
 増強:多くの念力は念力ポイントの数に応じて強さが異なる。費やす念力ポイントが多い人、発現はより強力なものとなる。ただし、有効発現者レベルを増やす能力がない限り、発現者レベルに等しい念力で使用できるのは合計ポイント数だけである。
 多くの念力は複数の方法で強化できる。増強の項目に段落が含まれている場合、その段落のオプションごとに個別に念力ポイントを使用する必要がある。増強の段落で、「加えて」で始まる場合、念力の発現に費やすことを既に決定した念力ポイントの数に応じて、示されている利益が得られる。

Section 15: Copyright Notice
Psionics Unleashed. Copyright 2010, Dreamscarred Press.
最終更新:2023年10月11日 19:49