念能 > 上級クラス > サイオン・アンカーネイト

サイオン・アンカーネイト Psion Uncarnate

 肉体のないプロセスがアンボディードの種族が生み出したものなのか、アンボディードが肉体のない存在に影響を与えたは不明である。いずれにせよ、これら2種は多くの点で結びついており、サイオン・アンカーネイトの目標は物理的な実体のある肉体の足かせを離れ、純粋なエネルギーの存在へと変換することである。時間が経つにつれて、サイオン・アンカーネイトは物理的な領域の保持を解き放ち、永続的に非実体となる。したがって物理的な姿の負担や弱点から開放される。一部の人によって、この未知につながるのは永遠の命の探求である;他の人にとっては本当に自由になりたいという願いである――社会的、物理的な身体、さらには物理的な世界自体によって生じる制約から開放される。
 純粋な発現者は必要な念能の習熟のために、サイオン・アンカーネイトになるように導かれる可能性が最も高い。肉体と精神の両方を使用することに焦点を合わせたサイキック・ウォリアーは、サイオン・アンカーネイトの未知を歩むことはほとんどない。

役割:サイオン・アンカーネイトは一人で行動する傾向があり、多くの時間を非実体のクリーチャーになろうとしている。ただし、他のクリーチャーの周囲にいることを選択肢た場合、障壁を通過して検出を回避することに取り到達できない場所へとたどり着くことに優れる。

属性:どれでも

ヒット・ダイス:d6

必要条件

 サイオン・アンカーネイトになるためには、キャラクターは以下の基準すべてを満たさなければならない。

 技能〈知識:念能〉5ランク、〈呪文学〉5ランク

 特技《念能の身体》

 念能:3レベル念力の発現能力

 特殊:他のサイオン・アンカーネイトあるいはアンボディードのいずれかから何らかの教育を受けていなければならない。

クラス技能

 サイオン・アンカーネイトのクラス技能(と各技能の主要能力値)は次の通り:〈自己催眠〉【判】、〈はったり〉【魅】、〈変装〉【魅】、〈知識:次元界〉【知】、〈真意看破〉【判】、〈呪文学〉【知】。

レベル毎の技能ランク:2+【知】修正値。

表:サイオン・アンカーネイト
レベル 基本攻撃ボーナス 頑健セーヴ 反応セーヴ 意志セーヴ 特殊 修得済み念力
1 +0 +0 +0 +1 物質結合脱肉体
2 +1 +1 +1 +1 非実体の接触(1d6、3回/日)、アンカーネイトの鎧 既存のクラスに+1レベル
3 +1 +1 +1 +2 想定の装備 既存のクラスに+1レベル
4 +2 +1 +1 +2 類似点の想定非実体の接触(4回/日)
5 +2 +2 +2 +3 非実体の接触(2d6)、ベールを分ける 既存のクラスに+1レベル
6 +3 +2 +2 +3 精神隠し非実体の接触(5回/日) 既存のクラスに+1レベル
7 +3 +2 +2 +4 《念能の素質》テレキネティック・フォース
8 +4 +3 +3 +4 非実体の接触(3d6、6回/日)、ベールのかきむしり 既存のクラスに+1レベル
9 +4 +3 +3 +5 アンカーネイトへの架け橋 既存のクラスに+1レベル
10 +5 +3 +3 +5 非実体の接触(7回/日)、アンカーネイト

クラス特徴

 サイオン・アンカーネイトのクラスの特徴は以下の通り。

 武器と防具の習熟 サイオン・アンカーネイトは武器や鎧への習熟を得ない。

 修得済み念力/Powers Known サイオン・アンカーネイトはそのキャラクターはこの上級クラスに就く前に属していた念力発現クラスのレベルが上がったかのように、新しい念力の使用権と1日毎の追加の念力ポイントを得る。しかし、そのクラスのキャラクターが得たであろう他の利益(ボーナス特技、念能修正特技、アイテム作成特技など)を得ることはできない。これは本質的に、キャラクターが持っている念力発現クラスを表現するレベルにサイオン・アンカーネイトを加え、それに応じて、1日ごとの念力ポイント、修得済み念力、発現者レベルを決定することを意味する。
 キャラクターがサイオン・アンカーネイトになる前に複数の念力発現クラスをとっていたなら、レベルの上昇があるたび、その新たなレベルをどのクラスに、1日ごとの念力ポイント、修得済み念力、発現者レベルを決定するために適用するか決めなければならない。

 脱肉体(超常)/Shed Body 1レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは移動アクションとして、非実体(あるいは「アンカーネイト状態」)となることができる。各日、キャラクターは最大10ラウンドまでアンカーネイト状態を維持することができ、1レベル以降の各レベルで、追加の1ラウンドの間アンカーネイト状態を維持することができる。ただし、他の非実体のクリーチャーとは異なり、サイオン・アンカーネイトは【魅力】修正力のACへの反発ボーナスを得ない。この間、キャラクターの身体はキャラクターの基本的な似姿を保持する無形の姿に溶け込んでいく。アンカーネイト状態である間、キャラクターは地上移動速度に等しい飛行移動速度を持つ(完璧の機動性で)。物理的な姿を失うことで、キャラクターはより簡単に自身の精神的能力を使用できるようになり、また、アンカーネイト状態で発現される念力の全てのセーヴDCに+1のボーナスを得る。サイオン・アンカーネイトは移動アクションとして実体のある状態となり、1日に利用可能なラウンド数だけ選んだ方法に分割できる。

 物質結合(変則)/Matter-bound サイオン・アンカーネイトになると、サイオン・アンカーネイトは自身の装備を不活性となる(下記の想定の装備参照)が非実体の姿に組み込むか、機能をしているが物質的なままであるかを選択できる。装備は物質的であるが、通常は使用することはでき、自分の能力を強化するアイテムから利益を得られる。
 多くの場合、サイオン・アンカーネイトは物質界のアイテムを身に着けているゴーストのように見える。これにより、装備は攻撃を受けやすくはならないが(着用している物体の通常のルールが適用される)、固体の装備を着用している間、固体の物体に侵入したり通過したりすることはできない。物質的な装備を落とすか即行アクションとしてそれを包み込んだ場合、再び自由に固体の物体を通過することができる。

 非実体の接触(超常)/Incorporeal Touch 2レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトはヒットすると1d6ポイントのダメージを与える近接接触攻撃を行うことができる。キャラクターの【筋力】修正値はこの攻撃に適用されないが、非実体のクリーチャーに対しても有効である(およびサイオン・アンカーネイトが非実体状態の間に実体のあるクリーチャーに対しても有効である)。キャラクターの手と腕はこの攻撃を行うとわずかに半透明になるように見える。物質的である間、サイオン・アンカーネイトはこの能力を1日3回使用でき、アンカーネイト状態である間サイオン・アンカーネイトはこの能力の使用回数に数えずに回数無制限に近接接触攻撃を行うことができる。2レベルごとに物質的である間にこの能力の追加の1回の使用回数を得る。2レベル以降の3レベルごとに、この攻撃のダメージは1d6ポイント増加する。

 アンカーネイトの鎧(超常)/Uncarnate Armor 2レベルの時点で、鎧を着ているサイオン・アンカーネイト(あるいはイナーシャル・アーマーなどの類似の効果を使用している)は、非実体になった場合でもフォーティフィケイションやクリティカル・ヒットに対する利益を得るなどの鎧が伝えることができる特殊能力とともに、ACに鎧ボーナスを得ることができる。この能力は脱肉体のように鎧が非実体で溶け込んでいる場合でも機能する。

 想定の装備(超常)/Assume Equipment 3レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは着用している自身のクラスレベルの等しい数の装備のいくつかの部分を指定し(武器は含むが、アンカーネイトの鎧の能力として常に起動している鎧は除く)、脱肉体能力を使用するとき、これらの機能を保持させることができる。これは、装備の機能には影響を与えないが、サイオン・アンカーネイトが非実体であるとき、指定された武器以外を着用していない間、固体の物体に侵入したり通過したりできる。一度指定すると、キャラクターが脱肉体するとき装備は自動的に非実体となり、キャラクターが脱肉体して実体のある状態にも戻る時に装備も戻る。キャラクターはフリー・アクションとして望むように指定できる。

 類似点の想定(超常)/Assume Likeness 4レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは非実体状態である間、機会攻撃を誘発しない標準アクションとして、小型、中型、大型いずれかのクリーチャーの類似点を想定できる。キャラクターの能力は変化しないが、似ていると思われるクリーチャーであるように見せるため、効率的に自身を変装し、本質を疑問に思うかもしれない人に〈はったり〉を行う能力を与える。これを行うとき、ゴーストのようではなく、かなり物質的に見える。クリーチャーとの物理的な相互作用は、サイオン・アンカーネイトの新しい外見をクリーチャーに納得させるために〈はったり〉判定に成功しなければならない(クリーチャーの〈真意看破〉判定との対抗)。サイオン・アンカーネイトは〈はったり〉を成功させるために、真の(非実体の)性質を与えるようなことを何もしてはいけない;例えば、他のクリーチャーからアイテムを受け取って、物質的でない手を通って落ちる場合、〈はったり〉判定は自動的に失敗する。ただし、サイオン・アンカーネイトが受け取ったアイテムを保持するためにテレキネティック・フォース能力(下記参照)を使用した場合は〈はったり〉判定を行うことはできる。類似点の想定能力を使用する場合、サイオン・アンカーネイトは〈変装〉判定に+10の追加の状況ボーナスを得る。相手の心を読むことができれば、〈はったり〉〈変装〉判定にさらに+4の状況ボーナスを得る。

 ベールを分ける(超常)/Parting the Veil 5レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは非実体の接触能力を使用して、5分間の間|ゴースト・タッチの特殊能力を接触した武器や鎧に与えることができる。

 精神隠し(超常)/Hide Mind サイオン・アンカーネイトがより高い存在へと進化し続けるにつれて、他人から自身の本質を隠す能力を得る。6レベルの時点で、それが呪文であるいか念力であるかに関係なく、サイオン・アンカーネイトは念能の存在と識別できない。

 《念能の素質》/Psionic Talent 7レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトはボーナス特技として《念能の素質》を得る。

 テレキネティック・フォース(超常)/Telekinetic Force 7レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは、非実体状態である間、機会攻撃を誘発しない標準クションとしてテレキネティック・フォースを使用できる。セーヴDCは10+クラス・レベル+サイオン・アンカーネイトの主要能力修正値(【知力】、【判断力】、【魅力】のいずれか)である。キャラクターの発現者レベルは効果の発現者レベルである。
 実体がある間でも、サイオン・アンカーネイトはこの能力を使用できるが、1日3回しか使用できない(アンカーネイト状態である場合はこの使用数の制限に数えない)。

 ベールのかきむしり(超常)/Rend the Veil 8レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトはアセンションのピークにあり、非実体から物質を分離するためにベールを引き裂くことができる。非実体である間、サイオン・アンカーネイトは別の非実体のクリーチャーに対して近接接触攻撃を行いながら念能収束を拡張することができる。攻撃が当たると、目標は最大1分間の間物質状態となる。実体のある状態である間、サイオン・アンカーネイトは非実体の接触能力を使用して、同様の近接接触攻撃を行うことができ、攻撃が当たると最大1分間の間目標は非物質状態となる。両方を使用すると、クリーチャーと装備の両方に影響を与える。サイオン・アンカーネイトはこの効果を即行アクションとして終了できる。

 アンカーネイトへの架け橋(超常)/Uncarnate Bridge 9レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは他の人の精神を輸送の踏み台として使うことができる。非実体の間、生きているクリーチャーの体の中に入り、視界内の他の生きているクリーチャーに移動アクションとして即座に瞬間移動することができる。多くの場合、これの対象となった者にとって不安であり、選択した場合、サイオン・アンカーネイトは影響を受けた者の心と部分的に溶け合うことで、サイオン・アンカーネイトの出入りをより不安にさせる。選択した場合、出る側のクリーチャーと入る側のクリーチャーの両方が10+クラス・レベルの半分+サイオン・アンカーネイトの主要能力修正値(【知力】、【判断力】、【魅力】のいずれか)に等しいセーヴDCの頑健セーヴを行わなければならない。目標がセーヴに失敗すると、1ラウンドの間吐き気がする状態となる。

 アンカーネイト(変則)/Uncarnate 10レベルの時点で、サイオン・アンカーネイトは純粋な念能の意識の存在となる。キャラクターは永続的にアンカーネイト状態となり、発現した念力の全てのセーヴDCに追加の+1のボーナスを得、ボーナス念力ポイントの目的で主要能力値を4ポイント高いものとして扱い、ACに自身の【魅力】修正値に等しい反発ボーナスを得(最小+1)、脱肉体のクラス能力を使用して物質状態となるために使用できる。

Section 15: Copyright Notice
Psionics Unleashed. Copyright 2010, Dreamscarred Press.
最終更新:2022年05月12日 21:40