モンスター作成の例 Monster Creation Examples
最後に、本章で述べた単純モンスター作成ルールの流れを詳細に示すため、本項では既存のパスファインダーRPGのモンスターをこのルールを用いて再作成しよう。
この長めの例により、モンスター作成の最初から終わりまでを詳細に書き、新しいメドゥサの射手を作成する。作成の流れの各ステップを記載し、この選択ルールを使ってモンスターを作成する際にどのように考えればよいかを示す。その後、Bestiaryに掲載されたものと新しいメドゥサを比較する。
モンスターのコンセプト Monster Concept
GMは伝統的なメドゥサ――蛇の髪を持つ人に似たクリーチャーで、敵を石に変える能力を持つ――に似たモンスターを作りたい。GMはまた、このメドゥサを熟達した射手とし、それらの能力に注力しているようにしたいと考えている。GMはメドゥサを通常登場するものと同じレベル向けに使用したいと考え、CR7とした(また、メドゥサのヒット・ダイスも同様に7として扱う)。GMはいくつかの基本的な情報を知っている。メドゥサは秩序にして悪の人型怪物で、サイズは中型、基本移動速度は30フィートだ。
ステップ1:配役 Step 1: Array
このメドゥサは手強い敵であるべきだ。そこでGMは
戦闘員を選択した。GMは『表:戦闘員の主要データ』のCR7の値でメドゥサのデータを埋める。メドゥサはAC22、接触AC13、立ちすくみAC16だ。セーヴィング・スローのボーナスは頑健+8、反応+8、意志+6。CMDは24で、ヒット・ポイントは93だ。GMはこれら全てのデータのメモを取る。補正や選択能力で変更されない限りこれらを変更する必要はない。
次に、GMは後で決める値をのメモをとる。モンスターの特殊能力はDC15を持つ。呪文を与える予定はないため、呪文DCは飛ばす。既に再編成したいメドゥサの能力値修正がかなり定まっていたため、GMは【敏捷力】修正値+6、【耐久力】修正値+4、【魅力】修正値+2を与えた。イニシアチブ値は【敏捷力】修正値に合わせて、+6となった。GMは+15の修正値を持つ“達人”技能を1つ、+12の修正値を持つ“良好”技能を1つあとで選ぶことにする。
ステップ7でGMは戦闘系選択能力1つと任意の分野の選択能力を1つ選択する。
配役から記録する最後の項目はメドゥサの攻撃ボーナスだ。GMは遠隔攻撃が最も得意なメドゥサにしたかったので、ロングボウの攻撃として“高い”武器攻撃を用いる。攻撃ボーナスとして+13/+8を記し、22ポイントまでのダメージをあとで選ぶことにする。近接攻撃では、髪の蛇を使うことにする。メドゥサが最も得意なのは遠隔攻撃なので、GMは“低い”武器攻撃を使用することにした。+10/+5の攻撃ボーナス、16ポイントのダメージを与えることを記録しておく。
攻撃ボーナスとダメージはBestiaryのモンスターよりも劇的に強力だ。GMは後のステップで他の能力を弱めることで補う事を考え、現状はこのままにすることにした。
ステップ2:クリーチャー種別補正あるいはクラス補正 Step 2: Creature Type or Class Graft
メドゥサは人型怪物なので、GMはクリーチャー種別補正から自動取得特性をメドゥサに適用し、
暗視60フィートを得る。あとでレンジャーのクラス補正の使用を検討した後で、GMはモンスターのコンセプトとうまく合わないと判断した。代わりに、GMは人型怪物補正を使用し、メドゥサの反応セーヴを+10に、意志セーヴを+8に、頭部の蛇の攻撃ボーナスを+12/+7に、ロングボウによる攻撃ボーナスを+15/+10に増加させた。追加で選択できる“良好”技能1つを見たが、追加の“良好”技能を与えないことにした。
ステップ3~6:無視するステップ Steps 3~6: Skipped Steps
メドゥサは副種別を持たず、テンプレートに基づかず、サイズが中型で、呪文も持たない。そのためGMはステップ3~6を飛ばす。このルールで作られたモンスターのほとんどは、モンスターの作成処理で1~2ステップを飛ばすことになる。
ステップ7:モンスターの選択能力 Step 7: Monster Options
GMはメドゥサに石化の凝視攻撃を与えたいと決めている。
凝視攻撃選択能力は既存のモンスターの共通ルールと同じルールを用いるため、GMは30フィートの間合いを持ち目標を永続的に
石化状態にする凝視攻撃を記した。GMは
戦闘員の配役の能力DCである15を使用する。この能力はメドゥサの戦闘系選択能力を1つ使用し、メドゥサには任意の分類から1つ選べる選択能力が残っている。
GMは蛇の噛みつき攻撃に
毒を追加する。また、メドゥサはその毒を屋にも塗布できることにした。
毒の選択能力に記載の基本データに、2+(メドゥサのCRが7であることから来る)2個の効果を追加する。GMは最終的にメドゥサの毒を
種別―致傷、
頻度―1/ラウンド(6ラウンド)、
効果――1d3【筋】、
治癒―2連続セーヴ成功、とした。これはBestiaryに掲載された毒に非常に近いが、DCは低い。これはGMの希望に沿ったものだ。
全周囲視覚のような能力は追加のモンスターの選択能力としてメドゥサに
挟撃不可を与えることで真似られるものの、GMはメドゥサの強力な攻撃能力を考慮してそのままとした。
ステップ8:技能 Step 8: Skills
メドゥサは“達人”技能1つと“良好”技能2つを持つ。GMは射手向きという理由から、最初から“良好”技能である
〈知覚〉を“達人”技能とした。現在、メドゥサの
〈知覚〉は+15である。“良好”技能として、GMは社交系技能1つと【敏捷力】を用いる肉体系技能1つを割り当てようと考え、
〈威圧〉+12と
〈隠密〉+12を与えた。
ステップ9:ダメージ Step 9: Damage
ロングボウの攻撃は合計で22ポイントのダメージを与え、(ロングボウなので)ダメージ・ダイスにd8を用いるGMは『表:ダメージ・ダイスの値』の“21~23”行と“1d8”列を参照し、攻撃が1d8+18ポイントのダメージを与えるべきだということを理解した。少し考えた後、GMはより多くダメージ・ダイスを振り、モンスターがよりダメージがばらけ、《連射》特技のような能力を持つものとしたいと考えた。そこで、代わりに2d8+12を使用する。近接攻撃はd4を用いて16ポイントのダメージを与えるため、1d4+14となった。
現実性の確認 Reality Check
モンスターを見直して、GMは石化の凝視と強力な攻撃を兼ね備えたメドゥサはあまりに強力すぎると考えた。GMはここでダメージが噛み合っていないのだと判断した。とりわけ、メドゥサがロングボウを使用し、すべての攻撃に毒を使用できる部分に着目する。GMはメドゥサのダメージをCRが2低いかのように削る。ロングボウは2d8+6ポイントのダメージを、蛇の噛みつき攻撃は1d4+8ポイントのダメージを与える。
メドゥサ CR/HD 7 Medusa
イニシアチブ +6;
〈知覚〉 +15(
暗視60フィート)
サイズ 中型;
移動速度 30フィート
防御
AC 22(接触13、立ちすくみ16);頑健 +8、反応 +10、意志 +10;CMD 24
HP 93
攻撃
近接 蛇の噛みつき=+12/+7(1d4+8、加えて“毒”)
遠隔 ロングボウ(距離100フィート)=+15/+10(2d8+6/×3、加えて“毒”)
攻撃系選択能力(DC15) 毒(
種別 致傷型、
頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間)、
効果 1d3【筋】、
治癒 2回連続のセーヴ成功)、石化の
凝視(永続的な
石化状態、30フィート、頑健・無効);
CMB +13
一般データ
以下に示すのは、Bestiaryに掲載されたモンスターを再作成したものだ。それらの多くは元のクリーチャーの修正版、つまりクラス・レベルや能力の組み合わせを変更した類似のクリーチャーだ。各項目にはモンスターに対する重要な選択を書き記し、配役の値と一致しない攻撃ボーナスやダメージをモンスターに選択するといったかんたんな処理をまとめている。それぞれの説明の後、後述のサイドバーにまとめた、本書独自の新しい形式でモンスターのデータを示している。
モンスターは単純なものから複雑な者の順に並んでいる。早めに登場するモンスター――特に
戦闘員――の中には高いCRを持つが単純な能力しか持たないものもおり、そのようなモンスターは作成しやすい。
単純なモンスターなので、ウォーグは作成しやすい。
配役:ウォーグは
戦闘員だ。恐ろしく残忍なクリーチャーなので、高い【筋力】を持つ。GMはウォーグの【知力】修正値を0未満にはしないことにした。
クリーチャー種別:
魔獣のウォーグは、
暗視と
夜目を自動取得特性として得る。クラス補正を持たないため、データ調整も獲得し、頑健セーヴを+3から+5に、反応セーヴを+3から+5に、攻撃ボーナスを+4から+6に増加する。
選択能力:ウォーグは戦闘系選択能力を1つ得る。ここでは
戦技強化(足払い)を得た。
技能:さほど知性的なクリーチャーではないため、ウォーグの“良好”技能2つはいずれも肉体的なものとする。しかし“達人”技能として
〈知覚〉を得た。
ウォーグ CR/HD2 Worg
イニシアチブ +2;
〈知覚〉 +10(
暗視60フィート、
夜目)
サイズ 中型;
移動速度 50フィート
防御
AC 16(接触12、立ちすくみ12);頑健 +5、反応 +5、意志 +1;CMD 16(対足払い20)
HP 22
攻撃
近接 噛みつき=+6(1d6+7、加えて
戦技強化[足払い])
CMB +4(+8足払い)
一般データ
【筋】+3、
【敏】+2、
【耐】+1、
【知】-2;
〈隠密〉+7、
〈生存〉+7
XP 600;中立にして悪/
魔獣
大きく全てをなぎ倒すクリーチャー、マストドンは高いCRにも拘わらずちょっとした調整だけですむ。
配役:マストドンは
戦闘員の配役を用いる。GMはマストドンの圧倒的な【筋力】と貧弱な【敏捷力】を反映し、能力値修正を+7、+4、+3から+9、+4、-1に変更した。
クリーチャー種別:
動物であるマストドンは
夜目と-4の【知力】修正値を得る。また、頑健セーヴと意志セーヴは+10から+12に増加する。
サイズ:マストドンは
超大型なので、接触ACを13に減少させ、立ちすくみACを21に増加させる。CMBは+21に、CMDは30に増加する。
選択能力:マストドンは戦闘系選択能力として
戦技強化(突き飛ばし)を得る。これにより突き飛ばしにおけるCMBと突き飛ばしに対するCMDが調整される。他の選択能力全てを
追加ヒット・ポイントに使用し、HPを126から151に増加させる。
技能:マストドンはさほど賢くないため、“達人”技能として
〈知覚〉を持つが、他の技能を持たない。
ダメージ:マストドンは攻撃とダメージに肉体攻撃2回の列を用いる。2回の攻撃は同じ平均ダメージ値を持つが、異なるダメージ・ダイスを使用する。
マストドン CR/HD9 Mastodon
イニシアチブ -1;
〈知覚〉 +17(
夜目)
サイズ 超大型(15フィート);
移動速度 40フィート
防御
AC 25(接触13、立ちすくみ21);頑健 +12、反応 +12、意志 +8;CMD 30(対突き飛ばし33)
HP 151
攻撃
近接 突き刺し(間合い15フィート)=+17(2d8+12)、叩きつけ(間合い15フィート)=+17(2d6+15)
攻撃系選択能力 戦技強化(突き飛ばし);
CMB +21(突き飛ばし+25)
一般データ
【筋】+9、
【敏】-1、
【耐】+4、
【知】-4
XP 6,400;真なる中立/
動物
俊敏な天空の狩人グリフィンは、その種別とサイズによる主な調整のみで構築される。
配役:グリフィンは
戦闘員を用いる。速度と頑丈さのバランスを反映し、グリフィンは能力値修正を+4、+3、+2ではなく+4、+2、+2に変更した。
クリーチャー種別:グリフィンは
魔獣であり、
暗視60フィートと
夜目を得る。頑健セーヴと反応セーヴはいずれも+5から+7に、攻撃ボーナスは噛みつき用を+8から+10に、鉤爪用を+3から+5に増加する。
サイズ:
大型なので、グリフィンは接触ACを12から11に、接触ACを14から15に変更する。CMBは+10から+12に、CMDは20から21に増加する。
技能:鋭い視覚を反映し、グリフィンの“達人”技能は
〈知覚〉とした。また
〈軽業〉と
〈飛行〉を“良好”技能とし、飛行中の俊敏さを与える。
グリフィン CR/HD4 Griffon
イニシアチブ +2;
〈知覚〉 +12(
暗視60フィート、
鋭敏嗅覚、
夜目)
サイズ 大型(10フィート);
移動速度 30フィート、飛行80フィート(標準)
防御
AC 19(接触11、立ちすくみ15);頑健 +7、反応 +7、意志 +3;CMD 21
HP 44
攻撃
近接 噛みつき=+10(1d6+10)、鉤爪(×2)=+5(1d6+4)
攻撃系選択能力(DC13) 飛びかかり、
引っかき;
CMB +12
一般データ
【筋】+4、
【敏】+2、
【耐】+2、
【知】-3;
〈軽業〉+9、
〈飛行〉+9
XP 1,200;真なる中立/
魔獣
砦を全焼させたくないなら、ゴブリンのファイターはどんな専制君主にも適した軍勢だ。
クリーチャー種別:
ファイタークラス補正を持つため、ゴブリンは
人型生物種別から何も獲得しない。
クラス:
ファイターとして、ゴブリンは頑健セーヴと反応セーヴのボーナスを+1から+2に増加させる。また、ゴブリンは
ファイタークラス補正から戦闘系選択能力1つを得る。
サイズ:ゴブリンの
小型サイズにより、接触ACと立ちすくみACが1だけ増加し、CMBが2だけ減少し、CMDが1だけ減少する。“良好”技能に
〈隠密〉を得る(再び;後述)。
選択能力:このCRのファイターは通常戦闘系選択能力を1つ持つが、このゴブリンは俊敏な戦闘手法を反映して追加で2つの選択能力を持つ。
イニシアチブ強化、
回避円熟、
正確性の全てがゴブリンのファイターのデータに計算されている。
回避円熟による立ちすくみACの調整を行っても、ゴブリンの立ちすくみACはこのCRのモンスターにしては低すぎる。そのため、ゴブリンは接触ACに+1のボーナスのみを得、立ちすくみACにはペナルティを受けない。ゴブリンは闇の中を見通すことができる。そのためゴブリンは
暗視の選択能力を得る。通常通り、感覚を与えてもゴブリンの選択能力数には数えない。
ゴブリンのファイター CR/HD1/2 Goblin Fighter
イニシアチブ +7;
〈知覚〉 +5(
暗視60フィート)
サイズ 小型;
移動速度 30フィート
防御
AC 15(接触14、立ちすくみ13);頑健 +2、反応 +2、意志 +0;CMD 12
HP 11
攻撃
近接 ショート・ソード=+3(1d4+2/19~20)
遠隔 ショートボウ(有効距離60フィート)=+3(1d4+2/×3)
CMB +1
一般データ
クリーチャー種別:
アンデッド補正はこのクリーチャーに
暗視60フィートと
アンデッドの種別特性を得、【耐久力】を“―”に設定する。また、ミノタウロスの意志セーヴを+1から+3に増加させる。精神を持たないアンデッドを選択した調整は、テンプレート補正でなされる。
サイズ:
大型クリーチャーであるミノタウロスは、接触ACを12から11に、立ちすくみACを12から13に変更する。CMBは+2から+4に、CMDは14から15に増加する。
ミノタウロスのゾンビ CR/HD1 Zombie Minotaur
イニシアチブ +0;
〈知覚〉 +6(
暗視60フィート)
サイズ 大型(10フィート);
移動速度 30フィート
防御
攻撃
近接 突き刺し(間合い10フィート)=+2(1d6+4)または叩きつけ(間合い10フィート)=+2(1d8+3)
攻撃系選択能力 強力突撃;
CMB +4
一般データ
【筋】+3、
【耐】 ―、
【知】 ―、
【判】+1、
【魅】+2
XP 400;中立にして悪/
アンデッド
バット・スウォームは作成は容易だが、
(スウォーム)の副種別は複雑で、作成にあたり他のモンスターとは異なる要素を追加で与える。
配役:バット・スウォームは
動物の知性しか持たないクリーチャーで構成されているため、
戦闘員の配役が妥当な唯一の選択肢だ。
クリーチャー種別:
動物種別はバット・スウォームの頑健セーヴと反応セーヴのボーナスをそれぞれ+3から+5に増加させ、
夜目を与える。しかし【知力】修正値は-4~-5となる。バットは他の
動物よりはるかに知性的であるため、-4の修正値とした。
サイズ:バット・スウォームは無数の微小サイズのクリーチャーで構成されている。そのため接触ACと立ちすくみACに+4のボーナスを得る。スウォームのため、CMBとCMDをもたない。そのため、これらの値に対する調整は無視される。また、“達人”技能として
〈隠密〉と
〈飛行〉を得る。
選択能力:バット・スウォームの選択能力は
出血攻撃の選択能力の弱体化版だ。
技能:サイズによる“達人”技能を除き、バット・スウォームの反響定位は周囲に気づく能力を強化する。そのため“達人”技能に
〈知覚〉を割り当てる。
動物にしてはすでに多くの技能を持つため、バット・スウォームは“良好”技能を一切持たない。
バット・スウォーム CR/HD2 Bat Swarm
イニシアチブ +3;
〈知覚〉 +10(
非視覚的感知20フィート、
夜目)
サイズ 微小(10フィート);
移動速度 5フィート、飛行40フィート(良好)
防御
AC 16(接触16、立ちすくみ16);
頑健 +5、
反応 +5、
意志 +1
HP 22;
完全耐性 足払い、クリティカル・ヒット、挟撃、組みつき、突き飛ばし、特定の数のクリーチャーを目標とする呪文、武器ダメージ
弱点 範囲に効果のあるダメージ+50%
防御系選択能力 スウォームの種別特性
攻撃
近接 群がり攻撃 (スウォームの接敵面にいる全ての目標)=常に命中(1d6、加えて“
出血”1)
攻撃系選択能力(DC11) わずらわす
一般データ
このインプは厄介な敵役で、相手を当惑させる様々な追加の選択能力を持つ。
配役:インプは
専門家を使用するが、反応セーヴと意志セーヴを入れ替える。インプはサイズに加え肉体的に脆弱なので、【筋力】修正値を-4とした。
クリーチャー種別:
来訪者補正により、インプは
暗視60フィートを得る。加えて、意志セーヴィング・スローを+1から+3に、攻撃ボーナスを+4から+6に増加させる。以下に示す選択調整により、インプは追加で“達人”技能を得る。
サイズ:インプは
超小型なので、接触ACと立ちすくみACは10から12に増加する。
呪文:
副次魔法選択能力により、インプはいくつか擬似呪文能力を持つ。
選択能力:このCRの
専門家が通常持つモンスターの選択能力は1つだが、インプは合計で選択能力を5つ持つ。
回避円熟、
毒、
変身、変更版の
常時不可視と
副次魔法。
回避円熟によりインプのACは14(接触12、立ちすくみ12)から16(接触16、立ちすくみ10)に変更される。計算上はインプの立ちすくみACは6に落ちるべきだが、GMは現実性の確認の段階で10に設定した。
毒にインプは能力2つを得る。潜伏期間を除去し、頻度を1/ラウンド(6ラウンド)に変更した。
常時不可視の通常の効果の代わりに、インプは回数無制限で自分にのみ効果を及ぼす
インヴィジビリティを使用できる能力を得る。変更版の
副次魔法選択能力により、インプは1日に1回使用できる呪文を2つ得る代わりに、1日に1回使用できる呪文を1つと、常時効果を発揮している呪文2つを得る。
ダメージ:
毒を持つ低いCRのクリーチャーなので、インプは針に“低い”ダメージ値を用いる。
インプ CR/HD2 Imp
イニシアチブ +3;
〈知覚〉 +7(
暗視60フィート、
暗闇を見通す)
サイズ 超小型(2.5フィート);
移動速度 20フィート、飛行50フィート(完璧)
防御
AC 16(接触16、立ちすくみ6);
頑健 +1、
反応 +5、
意志 +3;
CMD 14;
精神集中 +4
HP 20;
完全耐性 [火炎]、[毒];
抵抗 [強酸]10、[氷雪]10
攻撃
近接 針(間合い0フィート)=+6(1d4+5、加えて“毒”)
攻撃系擬似呪文能力(DC13+呪文レベル) 1/日―
サジェスチョン
攻撃系選択能力(DC13) 毒(
種別 致傷型、
頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間)、
効果 1d2【敏】ダメージ、
治癒 1回のセーヴ成功);
CMB +2
一般データ
クリーチャー種別:
人型生物なので、ファイアー・ジャイアントは頑健セーヴを+11から+13に増加させる。
副種別:
(巨人)補正により、ファイアー・ジャイアントは
夜目を獲得し、“良好”技能に
〈威圧〉を加える。
サイズ:
大型であることから、ファイアー・ジャイアントの接触ACは15から14に、立ちすくみACは19から120に変化する。ファイアー・ジャイアントのCMBは+18から+20に増加する。
選択能力:モンスターは戦闘系選択能力1つと任意の種別の選択能力を1つ持つ。
防具追加により、ファイアー・ジャイアントのACは28(接触8、立ちすくみ24)にへんかし、移動速度は40フィートから30フィートになる。
魔法の武器(ベイン)選択能力により、ファイアー・ジャイアントのグレートアックスはドワーフに追加ダメージを与える。モンスターはボーナス選択能力として
岩投げを得、ファイアー・ジャイアントは岩を熱するため、この攻撃の殴打ダメージ3ポイント分を、1d6ポイントの[火炎]ダメージと置き換えている。
技能:この巨人は第一に暴力的なので、“達人”技能は
〈登攀〉とし、
(巨人)から得られる“良好”技能はこの技能を満たせば十分である。GMは
戦闘員から得られる“良好”技能2つが残っているが、使用しないことにした。
ダメージ:ファイアー・ジャイアントは遠隔攻撃にさほど熟達していないため、
岩投げによる攻撃は“低い”攻撃とダメージ値を用いる。
ファイアー・ジャイアント CR/HD10 Fire Giant
イニシアチブ +0;
〈知覚〉 +14(夜目)
サイズ 大型(10フィート);
移動速度 30フィート
防御
AC 28(接触8、立ちすくみ24);
頑健 +13、
反応 +11、
意志 +9;
CMD 30
HP 143;
完全耐性 [火炎]
弱点 [氷雪]に対する脆弱性
防御系選択能力 岩投げ
攻撃
近接 ドワーフ・ベイン・グレートアックス(間合い10フィート)=+18/+13/+8(3d6+19/×3[ドワーフに対して+2d6])または叩きつけ(間合い10フィート)(×2)=+18(1d8+21)
遠隔 岩(有効距離120フィート)=+13(1d8+15、加えて1d6[火炎])
CMB +20
一般データ
独特なパン・パイプを持つサテュロスは、モンスターの選択能力に含まれない独自の能力を必要とする。
配役:魔法の才を絡めた、巧みで社交的なクリーチャーであるサテュロスは、魔法能力をカバーする選択能力を持つ
専門家を用いる。
クリーチャー種別:
フェイ補正により、サテュロスは
夜目を得る。サテュロスは反応セーヴを+3から+5に、意志セーヴを+7から+9に増加させる。攻撃ボーナスは+8から+6に低下する。選択補正から、追加の“達人”技能を1つ得る。
呪文:サテュロスは
パン・パイプにより魔法効果を放つことができる。そのためサテュロスは擬似呪文能力として呪文を得る。これらは呪文リストを使用するのではなく、状況に合わせて選択したものだ。
選択能力:サテュロスは
説得力に社交系選択能力を1つ使用し、
ダメージ減少に任意選択能力を1つ使用する。さらにボーナス能力として
パン・パイプ能力を持つ。
パン・パイプはサテュロス独自の能力であり、モンスターの選択能力に該当するものはない。これはBestiaryの
サテュロスが持つパン・パイプ能力を元に作成した専用能力ではあるが、単純化した上、サテュロスのCRの標準的な能力DCを用いている。
技能:
専門家の配役を持つ
フェイなので、サテュロスは“達人”技能4つと“良好”技能2つを持つ。
ダメージ:Bestiaryの
サテュロスが持つダガーによる攻撃の代わりに、このサテュロスは近接攻撃に角による攻撃だけを用いる。サテュロスの遠隔攻撃には“低い”ダメージ値(だが“高い”攻撃値)を用いる。
サテュロス CR/HD4 Satyr
イニシアチブ +3;
〈知覚〉 +12(夜目)
サイズ 中型;
移動速度 40フィート
防御
AC 17(接触10、立ちすくみ12);
頑健 +3、
反応 +5、
意志 +9;
CMD 18
HP 40;
DR 5/冷たい鉄
攻撃
一般データ
特殊能力 Special Abilities
パン・パイプ(超常)/Pipe サテュロスはパン・パイプを用いて半径60フィート内にいる全てのクリーチャーに、呪文の効果をもたらす恐るべき曲を演奏できる(意志・無効、DC15)。この能力を使用するたび、サテュロスは
サジェスチョン、
スリープ、
チャーム・パースン、
フィアーのいずれかを選択する。セーヴに成功したクリーチャーは、以降24時間、同じパン・パイプから効果を受けない。
ちょうどドルイドのように、このクリーチャーは自然の魔法を扱える。しかし、
術者にするのは、頑丈なフロスト・ジャイアントにそぐわない。その代わりに、このデータでは
戦闘員で作成を始め、
ドルイドのクラス補正の選択能力を材料に調整する。このモンスターはCR13の遭遇で
マストドン(244ページを参照)のそばで戦うことを想定している。
配役:フロスト・ジャイアントは
戦闘員の配役を使用し、魔法系選択能力から呪文発動能力を得る。反応セーヴと意志セーヴのボーナスを入れ替える。
クリーチャー種別:このモンスターのセーヴィング・スローは不釣り合いに高いため、
人型生物補正でセーヴを増やす代わりに反応セーヴに-2のペナルティを与える。
クラス:この巨人は
ドルイド補正は使用しないが、その選択能力の多くをこの補正から選ぶ。
サイズ:
大型なので、フロスト・ジャイアントは接触ACを17から16に低下させ、立ちすくみACを21から22に増加する。CMBは+21から+23に、CMDは32から33に変化する。
呪文:フロスト・ジャイアントは
副次魔法選択能力から、
動物呪文リストからいくつか呪文を得る。この選択能力は呪文リストから主要呪文を得ることになっているが、モンスターのCR帯の主要呪文と副次呪文の両方から取捨選択してもよいようになっており、ここではそのように対処した。
選択能力:戦闘系選択能力1つを得る代わりに、フロスト・ジャイアントは
強力招来魔法系選択能力を得る。もう一つの戦闘系選択能力で
岩投げを、任意選択能力で
副次魔法を得た。
技能:
(巨人)副種別による“良好”技能を持つこの探検家は“達人”技能を1つしか持たないが、“良好”技能を一揃い持ち多方面に備えられる。
ダメージ:フロスト・ジャイアントの
岩投げ攻撃は“低い”攻撃値とダメージ値を用いる。
フロスト・ジャイアントの探検家 CR/HD12 Frost Giant Explorer
イニシアチブ +0;
〈知覚〉 +16(夜目)
サイズ 大型(10フィート);
移動速度 40フィート;
特殊移動 地形渡り(氷)
防御
AC 29(接触16、立ちすくみ22);
頑健 +13、
反応 +9、
意志 +13;
CMD 33;
精神集中 +17
HP 176;
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する脆弱性
防御系選択能力 岩投げ
攻撃
近接 スピア(間合い10フィート)=+21/+16/+11(2d6+27/×3)または叩きつけ(間合い10フィート)(×2)=+21(1d8+27)
遠隔 岩(有効距離120フィート)=+15(1d8+21)
CMB +23
一般データ
配役:このクリーチャーは
術者の配役で、
クレリッククラス補正を取得できる。
副種別:ヴァンパイアは
人型生物の
変性種の副種別を持つが、能力は変更しない。
呪文:暴力的で狂える本質のため、このクレリックは呪文リスト1つを取得するのではなく、
悪と
戦の領域呪文リストを混ぜたものを用いる。このモンスターは
戦の呪文リストの特殊能力のみを獲得し、攻撃ボーナスを1増加させる。
選択能力:
クレリックとして、個々に記載されているものの他に、このモンスターは追加で1つ(任意の)選択能力を得るはずだ。しかしこのモンスターは
ヴァンパイアであることによる多くの能力を得ている。そのため、この選択能力は不要だと判断した。
ダメージ:負のレベルを与えヴァンパイアを回復させる叩きつけ攻撃には、“低い”ダメージ値を用いる。ヴァンパイアの遠隔攻撃には“低い”攻撃値とダメージ値を用いる。
ヴァンパイアのクレリック CR/HD11 Vampire Cleric
防御
攻撃
一般データ
オーガ・メイジ・オニは腹黒い変身生物であり、武威と魔法の脅威を使いこなす。
配役:オーガ・メイジの確実な予備の戦術は強力なグレートソードだ。そこで
戦闘員を用いる。オニは状況に応じて様々な役割を果たすため、オーガ・メイジは通常より高い能力修正値を持つ。オーガ・メイジの精神は反応より強力なため、意志セーヴと反応セーヴのボーナスを置き換える。
クリーチャー種別:
来訪者であるオーガ・メイジは
暗視を獲得し、攻撃ロールと頑健セーヴに+2を得る。
副種別:オーガ・メイジは副種別補正を2つ持ち、両方から選択能力を得る。
(オニ)の副種別からは
変身と
再生の選択能力を得る。
(巨人)の副種別は
夜目と、“良好”技能として
〈威圧〉を与える。
サイズ:このオーガ・メイジは
大型なので、接触ACに-1、立ちすくみACに+1、CMBに+2、およびCMDに+1を得る。
技能:オーガ・メイジは一点突破というよりは多才な存在で、様々な状況を同レベルに対応できる。“達人”技能1つと“良好”技能2つの代わりに、多彩なオーガ・メイジは
(巨人)の副種別から得た2つより多い、5つの“良好”技能を得る。
ダメージ:オーガ・メイジはコンポジット・ロングボウに“低い”攻撃値とダメージ値を用いる。
オーガ・メイジ CR/HD8 Ogre Mage
イニシアチブ +6;
〈知覚〉 +13(
暗視60フィート、
夜目)
サイズ 大型(10フィート);
移動速度 40フィート、飛行60フィート(良好)
防御
AC 23(接触12、立ちすくみ18);
頑健 +11、
反応 +7、
意志 +9;
CMD 27;
SR 19;
精神集中 +12
HP 110;
再生5([強酸]、[火炎])
攻撃
近接 グレートソード(間合い10フィート)=+17/+12(3d6+15/19~20)
遠隔 コンポジット・ロングボウ(有効距離110フィート)=+13/+8(2d6+12/×3)
攻撃系擬似呪文能力(DC13+呪文レベル) 1/日―
コーン・オヴ・コールド、
チャーム・モンスター、
ディープ・スランバー
CMB +19
一般データ
ナイト・ハグの魂収集家は危険な敵というだけではない。彼女は危険なことに優れたつながりを持っている。彼女は囚えた魂を従わせ、戦場で有利に働くように使役する。このような能力は
サモナークラス補正により与えられる。
配役:このナイト・ハグは実用上すべての意味で
サモナーだ。そのため彼女は
術者を用いる。しかし、ナイト・ハグが
術者にしては肉体的に優れている事実を反映し、高い能力修正値を割り当てている。
クリーチャー種別:
来訪者なので、ナイト・ハグは
暗視と攻撃ロールに+2のボーナスを得る。彼女は
来訪者によるセーヴィング・スローへの調整を、
サモナーによるものと置き換えた。
クラス:ナイト・ハグの魂蒐集家は
サモナークラス補正により、頑健セーヴと反応セーヴを1増加させ、“達人”技能として
〈知識:次元界〉を得る。魂の抜け殻は幻獣として扱う。ナイト・ハグはテーマ上
サモナーに似ているが、実際には
サモナーのクラス・レベルは持たないものとする。
選択能力:
サモナー補正により、ナイト・ハグは
任意発動(
サモン・モンスターI)と、魔法系選択能力1つと任意の選択能力1つを得る。彼女は
変身と、敵を安全に痛めつけることのできる変更版の選択能力、
夢中憑依を選択する。悪の来訪者と交易を繰り返すために必要な防御能力を表現するため、このナイト・ハグはCRに比して特に強力な
呪文抵抗と
ダメージ減少の選択能力を持つ。
技能:ナイト・ハグとの遭遇は社交的なものや詐術によるものにもなり得る。そのため、このモンスターは追加で“達人”技能と“良好”技能を持つ。
変身による+10のボーナスには
〈変装〉技能が含まれている。
ダメージ:主要攻撃3種のダメージには、主要攻撃2回のダメージ(18)を2倍にして36とし、それを(彼女の攻撃数の合計である)3つに分配した。それぞれの攻撃は大まかに12ポイントのダメージを与える。
魂の抜け殻/Lost Soul:これはナイト・ハグが自分を守るために使役する魂の抜け殻のねじれた姿を表している。実質的には幻獣であり、彼女が
サモナー補正を用いる理由だ。この魂のねじれた姿には長い触手の先に叫ぶ口があり動くと噛みついてくる。これにより魂の抜け殻は
飛びかかりを得る。
クリーチャー種別:
来訪者種別補正により、魂の抜け殻は攻撃ロールと反応セーヴィング・スローに+2のボーナスを得る。
サイズ:魂の抜け殻は
大型サイズであり、接触ACに-1、立ちすくみACに+1、CMBに+2、CMDに+1となる。
選択能力:
戦闘員である魂の抜け殻は、戦闘系選択能力1つと任意の選択能力1つを持つ。これらの選択能力を用いて、
飛びかかりと
ダメージ減少を得る。
技能:
戦闘員は通常“達人”技能1つと“良好”技能2つを得るが、魂の抜け殻は単純な存在なので、GMは“達人”技能として
〈威圧〉を、“良好”技能として
〈飛行〉のみを与えることにした。
ダメージ:主要攻撃4つのダメージを決定するため、魂の抜け殻は主要攻撃2回のダメージ値(22)を2倍にして44ポイントのダメージを算出し、4で割った。それぞれの攻撃は11ポイントのダメージを与えるため、表5-9を参照して1d8+6とした。
ナイト・ハグの魂蒐集家 CR/HD9 Night Hag Soul Collector
イニシアチブ +4;
〈知覚〉 +14(暗視60フィート)
サイズ 中型;
移動速度 30フィート;
特殊移動 イセリアルネス(回数無制限)
防御
AC 21(接触12、立ちすくみ15);
頑健 +9、
反応 +9、
意志 +12;
CMD 24;
SR 24;
精神集中 +12
HP 103;
DR 10/冷たい鉄および魔法;
完全耐性 [恐怖]、睡眠、[火炎]、(魅惑)、[氷雪]
攻撃
一般データ
特殊能力
夢中憑依(超常)/Dream Haunting ナイト・ハグはエーテル界の住居からクリーチャーの夢に憑依できる。憑依されたクリーチャーは、目覚めたときに1ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。
魂仲介(超常)/Soul Broker 標準アクションとして、ナイト・ハグは傍らで戦わせるために囚えた魂1つを開放させることができる。後述のナイト・ハグの魂の抜け殻を参照。
ナイト・ハグの魂の抜け殻 CR/HD9 Night Hag's Lost Soul
イニシアチブ +4;
〈知覚〉 +14(
暗視60フィート)
サイズ 大型(10フィート);
移動速度 30フィート、飛行60フィート(良好)
防御
AC 25(接触15、立ちすくみ18);
頑健 +10、
反応 +12、
意志 +8;
CMD 28
HP 126;
DR 10/冷たい鉄および魔法
攻撃
近接 噛みつき(間合い15フィート)(×4)=+19(1d8+6)
攻撃系選択能力 飛びかかり;
CMB +19
一般データ
マリリスは奈落の軍勢を率いる6本腕の将軍であり、圧倒的な攻撃回数の象徴だ。このマリリスは一般的なその技術をよりよく反映した変更版の選択能力を用いる。
配役:奈落の将軍であるマリリスは
戦闘員を使用し、強力な能力値修正を追加する。
クリーチャー種別:マリリスは
来訪者なので、
暗視に加え、攻撃ロールと頑健セーヴに+2のボーナスを得る。さらに、マリリスは選択調整にある呪文を、修正した呪文リストから獲得する。
サイズ:このマリリスは
大型サイズなので、接触ACに-1、立ちすくみACに+1、CMBに+2、およびCMDに+1を得る。
呪文:マリリスは無数の刃で的に直接対処することを好む。そのため、変更版の呪文リストは敵を直接魔法で攻撃するよりも、欺き、動き回り、戦場を操るものにした。
技能:指揮所を維持するため、マリリスの将軍は狡猾で社交的な技能が必要となる。そのため、マリリスは通常より多くの“達人”技能が必要となったが、代償に“良好”技能を1つ失う。
ダメージ:マリリスの複数の腕による攻撃は、ダメージの計算を複雑にする。2回の肉体攻撃のダメージ(50)を2倍にし、100ポイントのダメージを与えることにする。その後これを50%増しにする――マリリスは何度も攻撃するし、尾の打撃は命中しにくいため――。その結果、合計値は150となる。150を攻撃10回で割ると15だ。241ページの表5-9に従えば2d6+9となる。尾の打撃は弱い攻撃であり、この配役における肉体攻撃3回の二次的攻撃用の低い攻撃値とダメージ値を用いる。これによりマリリスのダメージ総量は減少するが、他のダメージを増強する必要はないだろう。
マリリスの将軍 CR/HD17 Marilith General
防御
AC 34(接触20、立ちすくみ25);
頑健 +20、
反応 +18、
意志 +15;
CMD 39(対組みつき43、足払いされない);
SR 28;
精神集中 +25
HP 297;
DR 10/冷たい鉄および善;
完全耐性 [雷撃]、[毒];
抵抗 [強酸]10、[火炎]10、[氷雪]10;
アンホーリィ・オーラ
防御擬似呪文能力 回数無制限―
プロジェクト・イメージ
攻撃
近接 +1ロングソード(間合い10フィート)=+29/+24/+19/+14(2d6+9/17~20)、
+1ロングソード(間合い10フィート)(×5)=+29(2d6+9/17~20)、尾の打撃=+24(2d6+3加えて
戦技強化[組みつき])
攻撃系擬似呪文能力(DC18+呪文レベル) 3/日―
ブレード・バリアー;回数無制限―
テレキネシス
攻撃系選択能力 クリティカルの手練れ;
CMB +31(組みつき+35)
一般データ
このエインシャント・ブルー・ドラゴンはCR18の肉体攻撃から推定されるダメージの追加攻撃を持つ。
戦闘員であるにも拘わらず、限定的な呪文発動能力(CR12~15の
術者相当)を持つ。これは竜の生来の呪文発動能力を表現するためで、
戦闘員と
術者の中間のDCを持つ。呪文はこの竜専用のものだが、選んだリストから追加の恩恵を受けることはない。
その多くの才能を表現するため、この竜は選択能力を4つではなく7つ得る。ここには基本データに組み込み済みのもの(
呪文抵抗、
ダメージ減少、
防御追加)も含まれている。能力のありのままの力を反映するため、
ブレス攻撃のDCに+4を加える。この竜は追加で【判断力】と【魅力】の修正値に+5を与えている。
専門家の配役の技能数を用い、データに
鋭敏飛行を組み込んだ。
配役:この竜は強力で、けだものの象徴だ。
戦闘員の配役を用いるが、限定的な呪文発動能力を持ち、加齢によって卓抜した精神的能力値を備える。
クリーチャー種別:
竜種別により、エインシャント・ブルー・ドラゴンは
暗視、
夜目、睡眠と
麻痺状態への
完全耐性、攻撃ロールと意志セーヴに対する+2のボーナスを得る。圧倒的なサイズを強調するため、エインシャント・ブルー・ドラゴンは頑健セーヴに+2のボーナスを得る。
サイズ:このドラゴンは
巨大サイズにより、接触ACに-4、立ちすくみACに+5、CMBに+8、およびCMDに+4を得る。
呪文:同じCRの本当の
術者より比較的弱い術者としての本質を表現するため、この竜はCR12~15の
術者として呪文を獲得し、DCは
戦闘員と
術者の中間とした。変更した呪文リストを持つため、この竜は選択した既存の呪文リストから得られる追加の恩恵を獲得しない。
技能:長い年月をかけて語られない知識を収集した結果、エインシャント・ブルー・ドラゴンは
専門家の技能数を用い、
鋭敏飛行により、
巨大サイズ補正の
〈飛行〉を“達人”技能にできないという制限を打ち消している。
ダメージ:この竜は主要攻撃3つと二次的攻撃2つを持つ。肉体攻撃2回のダメージ(55)を2倍して110にする。多くの攻撃が低いボーナスを使用するため、これを125%にする(合計137)。ダメージは特定の攻撃を強調するため、不均一に分割した。噛みつきと尾の打撃に32ポイント、爪に22ポイント、翼に13ポイントだ。
エインシャント・ブルー・ドラゴン CR/HD18 Ancient Blue Dragon
イニシアチブ +4;
〈知覚〉 +31(
暗視60フィート、
非視覚的感知60フィート、
夜目)
オーラ 畏怖すべき存在(300フィート、DC25)、[雷撃](10フィート、2d6[雷撃])
サイズ 巨大(20フィート);
移動速度 40フィート、穴掘り20フィート、飛行250フィート(劣悪、
ホバリング)
防御
AC 37(接触11、立ちすくみ35);
頑健 +20、
反応 +18、
意志 +18;
CMD 43;
SR 29;
精神集中 +23
HP 330;
DR 15/魔法;
完全耐性 睡眠、[雷撃]、麻痺
防御呪文 1回/日―
ミスリード
攻撃
近接 噛みつき(間合い20フィート)=+30(4d6+18/19~20)、爪(間合い15フィート)(×2)=+30(3d6+12)、翼(間合い15フィート)(×2)=+25(2d6+6)、尾の打撃(間合い15フィート)=+25(3d8+18)
攻撃呪文 (DC17+呪文レベル)1回/日―
フォースフル・ハンド;3回/日―
エナヴェイション、
ホールド・モンスター;回数無制限―
ヘイスト
攻撃系選択能力(DC27) ブレス攻撃(120フィートの直線状、19d6[雷撃])、
クリティカルの手練れ、
防御砕き;
CMB +36
一般データ
戦闘と呪文発動の両方に役立つ能力を多様に分散して持つピット・フィーンドは、単純なモンスター作成ルールを持ってしても作成がかなり複雑になる。100%の
戦闘員ではないため、特別なデータの調整を必要とする。
配役:このモンスターは
戦闘員の配役から多くの値を参照するが、大量の呪文を持ち、それゆえに
術者のヒット・ポイントを持つ。地獄界ヘルの強力な支配者、ピット・フィーンドの最初の能力修正値は+13、+13、+9、+9、+6、+6だ。
クリーチャー種別:
来訪者であるピット・フィーンドは
暗視60フィートを獲得し、頑健セーヴを+20から+22に増加させ、攻撃ボーナスを+30から+32に増加させる。選択調整として、追加で1つ“達人”技能を得る。
サイズ:
大型なので、ピット・フィーンドは接触ACを22から21に低下させ、立ちすくみACを28から29に増加させる。CMBは+32から+34に、CMDは42から43に増加する。
選択能力:配役から得られる戦闘系選択能力3つから、ピット・フィーンドは
締めつけ、
戦技強化(組みつき)――組みつきにおけるCMBと組みつき判定に対するCMDにボーナスを得る――、
ダメージ減少を得る。任意の選択能力1つから、効果8つ(2+ピット・フィーンドのCR20の1/3)を持つ
毒を得る。これらの利益は潜伏期間を除去、頻度を1/ラウンド(6ラウンド)に変更、能力ダメージを3回増加、治療に2回連続セーヴが必要とした。さらに効果2つにこのモンスター専用のものを考え割り当てる。頻度を1/ラウンド(10ラウンド)に増加、治療に3回連続セーヴが必要とした。古典的なピット・フィーンドに鑑みて、このモンスターは傷を
再生できる。しかしコストを支払っていないため、
再生量はレベルの割に低い。病気の噛みつきもコストなしに取得した。そのため、高レベルの戦闘に合ったものとは言えない。このデヴィルは
[恐怖]のオーラをボーナス選択能力として獲得し、呪文に一切の選択能力を消費していない。しかしこれらの追加はピット・フィーンドのような高レベルの適役には妥当なものだ。
Bestiaryのピット・フィーンドの悪魔合体は戦闘で使うことはないため、ここでは削除している。
技能:クリーチャー種別補正のため、ピット・フィーンドは“達人”技能を1つではなく2つ持つ。
ダメージ:ピット・フィーンドの攻撃回数はBestiaryよりも数が減っている。特に、攻撃にインパクトを与えたかったため、翼攻撃は削除した。この配役における肉体攻撃2回のダメージ(66)を2倍にして132、そして25%を加算して165を得る。その後攻撃4回にこれらを分割する。それぞれの爪に48ポイント、噛みつきに42ポイント、尾の打撃に27ポイントのダメージ値を割り当てる。
ピット・フィーンド CR/HD20 Pit Fiend
防御
AC 38(接触21、立ちすくみ29);
頑健 +22、
反応 +20、
意志 +17;
CMD 43(対組みつき47);
SR 31;
精神集中 +26
HP 333;
再生5([善]武器、[善]呪文);
DR 10/善および銀;
完全耐性 [火炎]、[毒];
抵抗 [強酸]10、[氷雪]10
攻撃
近接 爪(間合い10フィート)(×2)=+32(2d8+42)、噛みつき(間合い10フィート)=+32(4d6+30、加えて“毒”および“病気”)、尾の打撃(間合い10フィート)=+32(2d8+18、加えて
戦技強化[組みつき])
攻撃系擬似呪文能力 (DC17+呪文レベル)1/日―呪文高速化
ファイアーボール、
メテオ・スウォーム;回数無制限―
ウォール・オヴ・ファイアー、
マス・ホールド・モンスター
攻撃系選択能力(DC25) 締めつけ(2d8+60)、
毒(
種別 致傷型、
頻度 1回/ラウンド(10ラウンド間)、
効果 1d6【耐】ダメージ、
治癒 3回連続のセーヴ成功)、
病気(
潜伏期間 即座、
頻度 1回/日、
効果 1d4【筋】ダメージ、
治癒 2回連続のセーヴ成功);
CMB +34(組みつき+38)
一般データ
最終更新:2020年09月18日 22:44