冠雪した山脈や冬の終わることのない古来の大陸の住人であるフロスト・ジャイアントは、自身らを世界の極寒の地の正当な継承者とみなしている。彼らは、残忍なやり方で略奪し、征服し、奴隷を得る。彼らにとって、冷気を避けたり、震えているような種族は、奴隷、慰み者、時には食料として利用されるだけの存在である。
フロスト・ジャイアントは巨人の中でも大きな種族であり、男性は身長15フィート、体重がおおよそ2,800ポンド。女性は男性よりほんの少し小さい。多くのジャイアントは、氷河の色である薄青色の皮膚を持つが、その色合いは新雪の白色から深い青色まで様々である。髪は、薄暗い青、白、または薄汚れた黄色でありぼさぼさの長髪を髭とともに編みこんで縛るのが一般的だ。また一般に眼は髪と同じ色だが、より原色に近い色をしている。フロスト・ジャイアントが住む極寒の地では、その色は迷彩として働き、氷嵐の中で略奪するような場合にも役立つ。
フロスト・ジャイアントは人間とほぼ同じ体格をしているが、平均して筋肉質で肩幅が広い。他の人型種族同様、彼らも温血ではあるが、身体は皮膚や呼吸を通して熱をほとんど失わないように適応しており、血液はどんな冷気の中でさえ決して凍らない。温暖な気候の中でさえ、彼らは耐えられないほどの暑さを感じる。
フロスト・ジャイアントのような大型生物は、生命を維持するために非常に多くの食料を必要とする。フロスト・ジャイアントは、ほとんどの食料を狩りや略奪によって得ている。トナカイ、ヘラジカなどの寒冷地の大型動物は、彼らの日常的な食料源である。こういったクリーチャーの皮や革は、衣服やベッド、テントなどに利用される。フロスト・ジャイアントは農耕、採鉱、畜産に従事する理由を見出さない。というのは、その身体的能力から、食料などを得るために狩りや略奪を行ったほうがたやすいからだ。フロスト・ジャイアントが用いる物品のほとんどは、略奪か奴隷となった種族によって作られたものである。チーズとバターは、非常に珍重される。
フロスト・ジャイアントの氏族の半分ほどは遊牧民だ。彼らは獲物や略奪するものが尽き始めると、野営地を移動しながら過ごす。残りの半分は強奪した城や、石や氷から作られた要塞を恒久的な居住地としている。しかしフロスト・ジャイアントの農業拒否により、ひとつところに定住するこの巨人たちは比較的多くの略奪対象を要求し、つまり下位のフロスト・ジャイアントの氏族にさえ頼り、その下位の者らは更に遠くまで活動圏を広げ上位に貢納するかもしれない。
フロスト・ジャイアントの略奪好きは有名であり、世界中の山岳都市で非常に恐れられている。彼らは余りに完成された略奪手法を持ち、町を再建させるのに十分なほど住人を生かしたまま残し、それによって略奪に値するだけ町に財産を蓄積させた後に再度略奪できるようにしている。一般的に、フロスト・ジャイアントは自分たちの為の戦闘を楽しみ、占有している土地では手早い略奪を好む。比較的安全に血の渇きを満たすことができるため、彼らは特に小さな人型種族との戦いを好む。
彼らは何より力に価値を置く。そのためフロスト・ジャイアントはより邪悪な存在の軍門に下ることもある。このような場合、彼らは栄誉ある傭兵であり、食料、武器、富が与えられる限り協力する。それらは支払われるか略奪によって与えられる。巨人でないものがフロスト・ジャイアントの氏族を服従させることはほとんどない――ホワイト・ドラゴンでさえ最後にはフロスト・ジャイアントの氏族の奴隷になる。
フロスト・ジャイアントの氏族の支配者は、一般的にヤール(首長)の称号で呼ばれる。この称号が民主的に選ばれたり世襲で獲得されたりすることは決してない。力を示す個人的な挑戦によって与えられる。2人のヤールが会ったときは、どちらかはヤールの称号を譲らなければならず、すぐに力尽くの戦いによって決められる。譲った側は単なる“族長”か“将軍”となる。このやり方で、力あるヤールは多くの下位の氏族に命令を出すことができる。ただし、こうした命令は一時的なものにならざるをえず、隷属したものにわだかまりを残す。多くの族長はいつも、ヤールの指導力に後付けで不平を言い、そこからの離脱や自分に権力を取り戻す機会を探している。
フロスト・ジャイアントは退屈な仕事より戦闘の栄誉を好む。そのため、彼らは食事の用意や皮や革のなめし作業の手伝い用に奴隷(スレール)を持つ。フロスト・ジャイアントはよい主人ではないので、時々スレールを過労やひどい虐待のために殺してしまう。また、収穫が不足な時やスレールが必要以上に長生きしたときには、フロスト・ジャイアントはスレールを平気で食べてしまう。より成功したフロスト・ジャイアントの氏族は、
アイス・トロルや
オーガのような頑丈な生物を捕らえる――これらはフロスト・ジャイアントの軍団において、突撃兵として重用される。
ジャイアントの誇る少ない仕事の一つに、武器と鎧の製造がある。彼らは素晴らしいチェイン・アーマーを作り出す。彼らは連結部が凍り付き音を出すプレート・アーマーよりも、チェイン・アーマーを好む。彼らが好む武器は武器は巨大なグレートアックスであり、一本の木を全て柄にしたようなものであることもある。
フロスト・ジャイアントのほとんどは、古代のジャイアントが奉じていた血と氷と戦争の神を崇拝している。フロスト・ジャイアントは神に敬意を評して戦闘に専念し、奴隷の生贄と財宝を捧げて神への恐怖を和らげる。最近、残忍と復讐と極寒を司るデーモン・ロード崇拝に転向した氏族が現れた。これにより、フロスト・ジャイアントは分裂しようとしている。伝統を重んじる者は、そうしたデーモン・ロード崇拝者を、祖先に背を向け、崇めるに値しない主のスレールになったと非難している。実際には、ほとんどのフロスト・ジャイアントは彼らの望みを満たす神への崇拝を続けるだろう。
フロスト・ジャイアントの多くの能力は、彼らの過酷な極寒の居住地に基づいたものだ。その他の能力は、既存の呪文や戦術に彼らの巨大さを付加して作られている。
フロスト・ジャイアントは以下の特技を使用できる。
君は、巨人に抵抗する種族の特殊な防御術に対抗できる。
前提条件:(
巨人)の副種別。
利益:君はドワーフとノームに対する近接攻撃ロールに+2のボーナスを得る。
特殊:君はこの特技を2回まで修得できる。効果は累積する。
君は、乾いた大地であるかのように氷上や雪面上を移動できる。
前提条件:フロスト・ジャイアント。
利益:君は氷や雪の面の上をペナルティ無く通過することができ、氷上を疾走したり突撃したりする際にも
〈軽業〉判定を試みる必要はない。君は氷を登る際、
〈登攀〉判定に+4のボーナスを得る。
君は、投げつける岩石に冷気を付与できる。
前提条件:
《氷雪の生まれ》、フロスト・ジャイアント。
利益:君が
岩投げ能力で投擲したものは、君が触れたことで凍り付く。それによりそのアイテムは、追加で1d6ポイントの[氷雪]ダメージを与える。
君は斧の一振りによって、地面にいる複数の敵を薙ぎ払える。
前提条件:【筋】15、
《足払い強化》、
《薙ぎ払い》、
《武器熟練:グレートアックス》、基本攻撃ボーナス+11。
利益:両手武器で全力攻撃アクションを行う際、君は通常の攻撃を諦めることで、間合い内にいる敵それぞれに対して、最も高い基本攻撃ボーナスを用いて足払い戦技を試みることができる。君はそれぞれの目標に対して、ばらばらに戦技判定を行わなければならない。
君の氷のような眼は、一瞥で敵を氷結し弱体化させる。
前提条件:
《氷雪の生まれ》、フロスト・ジャイアント。
利益:標準アクションとして、君は凍えるような睨みを、10フィート以内のクリーチャー1体もしくは物体1つに向けることができる。目標となったクリーチャーは頑健セーヴ(DC=10+君のヒット・ダイスの半分+君の【魅力】修正値)を行わねばならず、失敗すると1d6ポイントの[氷雪]ダメージを受ける。誰にも触れられていない物体はセーヴィング・スローを試みることができない。この呪文でダメージを受けたクリーチャーは頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1ポイントの【筋力】ダメージを受ける。
この特技は実際の
凝視攻撃を与えるものではない――敵も仲間も、単に君と目が合っただけではなんの危険もない。
君は他の生物を傷つける冷気を付与できる。
前提条件:フロスト・ジャイアント。
利益:君の肉体武器と素手打撃は、追加で1d6ポイントの[氷雪]ダメージを与える。君に肉体武器や素手打撃を命中させたクリーチャーは、1ポイントの[氷雪]ダメージを受ける。
フロスト・ジャイアントは以下の呪文を使い、凍り付いた故郷での狩りと襲撃に役立てる。
アイス・スリック
Ice Slick/滑る氷
系統:力術[氷雪];
レベル:ウィッチ2、ウィザード/ソーサラー2、ドルイド2、メイガス2、レンジャー2
発動時間:1標準アクション
構成要素:音声、動作
距離:近距離(25フィート+5フィート/2レベル)
効果範囲:半径5フィートの爆発
持続時間:瞬間(本文参照)
セーヴ:反応・不完全(本文参照);
呪文抵抗:本文参照
術者は強烈な冷気の噴射を作り出し、効果範囲内の固い面を薄い氷で覆う。発動時に効果範囲内にいた全てのクリーチャーは1d6+術者レベル毎に1(最大+10)ポイントの[氷雪]ダメージを受け、倒れて
伏せ状態となる。反応セーヴに成功したクリーチャーはダメージを半減し、
伏せ状態にならない。
SRは最初の効果にのみ作用する。
クリーチャーはDC10の
〈軽業〉判定に成功すれば、通常の移動速度の半分でこの氷の範囲の中を歩き、あるいは通過することができる。4以内の差で失敗したクリーチャーは、そのラウンド移動できない(そして反応セーヴに成功しなければ転んで
伏せ状態となる)。5以上の差で失敗すると転んで
伏せ状態となる。自分のターンで移動しなかったクリーチャーはこの判定を行う必要はない。
氷の5フィート四方は硬度0で3ヒット・ポイントを持つ。氷は瞬間効果だが、魔法のものでない氷として残される。温暖な状況であれば、氷は術者レベル毎に1分間持続する。熱帯気候では、半分しか持続しない。氷と雪が溶けずに残る寒冷気候では、氷は永続的に持続する。
マジック・ボウルダー
この呪文は
マジック・ストーンと同様に機能するが、3つまでの巨礫(最大で術者よりも2サイズ段階小さい岩)を
岩投げ能力か攻城兵器の矢弾として使用できるようにする点が異なる。巨礫のダメージは1段階増加し、巨礫は攻撃ロールとダメージ・ロールに+1の強化ボーナスを得る。
フロスト・ジャイアントは魔法のアイテムを初期に作ったことで名高く、ほとんどの見本が彼らの種の手の中にある。多くの剛胆な英雄は、険しい山頂にある城や氷河の宮殿に向けて、危険な登山を決行するなどして、こういった魔法の財宝を求めてフロスト・ジャイアントの要塞に侵入する術を探した。その中で最もうまくいった者でさえ、なんとか四肢を全て備えたまま家に帰れた程度だが。
アイアングリップ・ガントレッツ
この篭手は重い鉄片で補強された山羊の革で作られている。このアイテムは大きく持ちにくい形をした物品を掴む力を強化し、確かなものとしてくれる。使用者が代用近接武器か適切でない大きさの武器を手にする場合、ペナルティが2だけ減少する(最低0)。この篭手は武器を使用するために必要となる手の数を変えることはない。
ウィンター・ウルフ・ルーントゥース
フォッグカッティング・レンジズ
この眼鏡は磨かれた水晶でできており、フレームは磨かれた真鍮と、単純な革製の紐と留め金が付いている。この眼鏡は巨人の頭に合う大きさだが、より小さい者に合わせた大きさに簡単に調整することができる。この眼鏡を身につけると、使用者は通常のものでも魔法のものでも、濃霧や霧といった視界を妨げるものを通してものを見ることができる。このアイテムは
暗視や
夜目を与えない。この眼鏡は視界を奇妙に歪めねじれさせるため、
〈知覚〉判定に-4のペナルティを受ける。
フロストブラッド・アックス
(
Frostblood Axe/霜血の斧)
市価 40,310GP;
装備部位 なし;
術者レベル 10;
重量 6ポンド;
オーラ 中程度・死霊術[悪]
この
+1ウーンディング・フロスト・バトルアックスは殺した相手の魂をフロスト・ジャイアントの不浄な神々に捧げる。ヒット・ダイスが1以上のクリーチャーをこの武器で殺したなら(これには、この武器で与えた出血ダメージで殺した場合も含まれる)、割り込みアクションとして、使用者は
ディヴァイン・フェイヴァーを自分に発動するか、
ブレスを自分と仲間に発動するかのいずれかを行うことができる。
フロスト・ジャイアントの襲撃者は北方の脅威である。戦いと征服による純粋な喜悦を求めて引き裂き虐殺するため、彼らは雪上を駆けまわる。
フロスト・ジャイアントの襲撃者 CR11 Frost Giant Raider
防御
AC 23、接触8、立ちすくみ23(+10外皮、-2激怒、-1サイズ、+1反発、+5鎧)
HP 227(16HD;14d8+2d12+146)
頑健 +22、
反応 +5、
意志 +10。
防御能力 岩つかみ、
直感回避;
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 50フィート
近接 +1グレートアックス=+27/+22/+17(3d6+22/×3)
遠隔 岩=+11(1d8+21)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、
激怒(13ラウンド/日)、
激怒パワー(跳ね返し)
戦術
戦闘中 襲撃者は戦闘の開始時に
《威圧演舞》を使用し、それから防御的な目標の士気をくじき続けるために
《防御崩し》を使用する。
基本データ 激怒していない場合、このバーバリアンのデータは以下の通り。
AC 25、接触10、立ちすくみ25;
HP 195;
頑健 +20、
意志 +8;
+1グレートアックス=+25/+20/+15(3d6+19/×3);岩=+11(1d8+18);
【筋】35、
【耐】 24;
CMB +25、
CMD 36;
技能 〈威圧〉+30、
〈登攀〉+18。
一般データ
襲撃者はフロスト・ジャイアント氏族の突撃部隊であり、通常はその部族で最も頑丈で、最も威圧的な戦士で構成されている。襲撃の際、彼らはその並外れた外見がもたらす恐怖に喜び、大声を上げながら、一直線上の敵を突撃で薙ぎ払う。
フロスト・ジャイアントの野戦士とは異なり、フロスト・ジャイアントの襲撃者は隠れたり戦術を立てるよりも劇的な技で互いを強く印象づけることに気を払うため、賢い首長はフロスト・ジャイアント特有の強がりの行動を抑えるべき時と、フロスト・ジャイアントから戦いを奪う権利を自慢する欲を知っている――知っていなければ、価値ある奴隷や財宝を必要もなく破壊してしまう場合の方が多い。
大きな部族は通常、首長や他の強力な存在によって支配されている。しかし小さい部族では、襲撃者が指導者となることもある。より大きな氏族の強力な首長に忠義を誓った族長となった襲撃者もいる。ただの襲撃者に支配されたフロスト・ジャイアントの部族は、保有人員を増やそうとするもっと恐ろしい部族にすぐに狙われることもある。そこで襲撃者が率いた部族は伝統的な故郷を離れ、より安全な国に逃れようとすることも多い。そのような場合、彼らはしばしばより小さい人型生物と衝突することになる。
フロスト・ジャイアントの野戦士 Frost Giant Rangers
フロスト・ジャイアントの野戦士は大物を狩って部族に食糧をもたらすとともに、襲撃の最前線に立つ。
防御
AC 27、接触12、立ちすくみ25(+10外皮、-1サイズ、+1反発、+2【敏】、+5鎧)
HP 170(16HD;14d8+2d10+96)
頑健 +18、
反応 +9、
意志 +9
防御能力 岩つかみ;
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1スピア=+23/+18/+13(2d6+17/×3)
遠隔 岩=+13(1d8+16.5)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、
戦闘スタイル(“弓術”)、
得意な敵(動物+2)
一般データ
防御
AC 30、接触14、立ちすくみ26(+1回避、+10外皮、-1サイズ、+1反発、+3【敏】、+6鎧)
HP 197(18HD;14d8+4d10+112)
頑健 +19、
反応 +11、
意志 +10
防御能力 岩つかみ
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1スピア=+24/+19/+14(2d6+16/×3)
遠隔 岩=+16(1d8+15)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、
戦闘スタイル(“弓術”)、
得意な敵(人間+2)
準備済みのレンジャー呪文 (術者レベル1;精神集中+4)
一般データ
フロスト・ジャイアントのソーサラーは元素の力を利用する術や、戦闘で襲撃者を強化する術に長けた存在だ。
フロスト・ジャイアントの氷河魔術師 CR12 Frost Giant Ice Mage
防御
AC 26、接触10、立ちすくみ26(+10外皮、-1サイズ、+4盾、+1反発、+2鎧)
HP 204(20HD;14d8+6d6+120)
頑健 +17、
反応 +8、
意志 +11
防御能力 岩つかみ;
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 高品質のモーニングスター=+21/+16/+11(2d6+12)または
叩きつけ(×2)=+20(1d8+8、加えて1d6[氷雪])
遠隔 岩=+12(1d8+12、加えて1d6[氷雪])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)
血脈の擬似呪文能力 (術者レベル6;精神集中+9)
7回/日―
凍てつく鋼(武器または50発の矢弾に、3ラウンドの間、
フロストの武器特殊能力を与える)
修得ソーサラー呪文 (術者レベル6;精神集中+9)
戦術
一般データ
氷河魔術師は氷に閉ざされた北方の魔法を受け継ぐ。他人を欺き意のままに操る者もいる――
エンラージ・パースンで超大型サイズにしたり、旅人に自分達が
クラウド・ジャイアントだと思わせたり――が、多くの者は部族の襲撃者を支援し砲兵として行動する。遠くから嵐の力で敵を殺し、仲間のサイズや凶暴性を高めるのだ。ソーサラーとして強力であるとはいえ、フロスト・ジャイアントの社会では肉体的な力や近接戦闘能力がずっと価値があると見なされる。そのためソーサラーは指導者よりも助言者として振る舞うことが多い。
フロスト・ジャイアントの神官は暴力的なだけでなく狡猾でもある。他人を恐怖と伝統で操るのだ。
フロスト・ジャイアントの神官戦士 CR13 Frost Giant Battle Priest
防御
AC 27、接触9、立ちすくみ27(+10外皮、-1サイズ、+1反発、-1【敏】、+8鎧)
HP 195(22d8+96)
頑健 +19、
反応 +7、
意志 +16。
防御能力 岩つかみ;
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1バトルアックス=+28/+23/+18/+13(2d6+13/×3)
遠隔 岩=+14(1d8+18)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、神々の力(+8、8ラウンド/日)、武器の達人(8ラウンド/日)、負のエネルギー放出5回/日(DC16、4d6)
領域の擬似呪文能力 (術者レベル8;精神集中+14)
9回/日―筋力招来(+4)
9回/日―戦の激怒(+4)
準備済みのクレリック呪文 (術者レベル8;精神集中+14)
戦術
一般データ
フロスト・ジャイアントの神官戦士はその力を用いて偵察し、心を操り、部族の他の者を脅しながら、自分や族長の権威を落とそうとする者を探し当てる。必要とあれば、神官戦士はバトルアックスを手にして2~3の頭を切り飛ばすこともためらわない。
フロスト・ジャイアントはウルフのような支配下に置いた肉食動物を使って、獲物を追い回す助けとする。
フロスト・ジャイアントの猟犬使い CR14 Frost Giant Houndmaster
防御
AC 28、接触10、立ちすくみ28(+11外皮、-1サイズ、+1反発、+7鎧)
HP 262(24d8+154)
頑健 +22、
反応 +10、
意志 +18
防御能力 岩つかみ;
完全耐性 [氷雪]、
目がくらんだ状態
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1グレートアックス=+27/+22/+17/+12(3d6+14/×3)
遠隔 岩=+16(1d8+13)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、
自然の化身3回/日、
雪の術者
準備済みのドルイド呪文 (術者レベル10;精神集中+16)
戦術
一般データ
猟犬使いは部族のペットの世話を任される。ペットは
ポーラー・ベア、
ウルフ、
ウィンター・ウルフであることが多い。猟犬使いはペットを互いに戦わせることを好む。これにより群れに機能的な階層構造が確立し、最も強力な生存者だけが子を残すことができるのだ。猟犬使いはペットの長を動物の相棒に選ぶこともある。
フロスト・ジャイアントの暴力的な王、首長(ヤール)は自分の部下の反対意見を許さない。
フロスト・ジャイアントの首長 CR18 Frost Giant Jarl
防御
AC 35、接触15、立ちすくみ31(+11外皮、-1サイズ、+2反発、+4【敏】、+9鎧)
HP 328(23HD;14d8+9d10+216)
頑健 +26、
反応 +17、
意志 +13。
防御能力 岩つかみ、
身かわし;
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1ウォーハンマー=+27/+22/+17/+12(2d6+12/×3)、
+1ウォーハンマー=+27/+22/+17(2d6+12/×3)
遠隔 岩=+22(1d8+16)または
+1ウォーハンマー=+24/+19(2d6+1/×3)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 岩投げ(120フィート)、
戦闘スタイル(“二刀流”)、
得意な敵(巨人+2、人間+4)
準備済みのレンジャー呪文 (術者レベル6;精神集中+7)
戦術
一般データ
首長は鉄拳――もしくはハンマーを頭蓋骨に叩き込むことで部族と部下をまとめあげる。従えている首長は力で自分の地位を獲得し、護り続けている。多くの者がその地位を子孫に受け継ぎたいと考えているが、フロスト・ジャイアントの社会では世襲はほとんど重視されない。そのため首長は、自分の子供は暴力的に権力を掌握する事によってのみ権力を引き継げると理解している。その結果、フロスト・ジャイアントの首長は子供に厳しくあたる。子供が支配できるほどに力を確かなものとすることを願って、子供達を競わせるのだ。
このがっしりとしたクリーチャーの下半身は八本脚の馬で、上半身は角の生えたフロスト・ジャイアントだ。
スヴァスリム CR11 Svathurim
XP 12,800
混沌にして悪/超大型サイズの
人型怪物(
冷気)
イニシアチブ +3;
感覚 暗視60フィート;
〈知覚〉+19
防御
AC 26、接触11、立ちすくみ23(+10外皮、-2サイズ、+1盾、+3【敏】、+4鎧)
HP 147(14d10+70)
頑健 +11、
反応 +12、
意志 +11
完全耐性 [氷雪]
弱点 [火炎]に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 50フィート
近接 高品質のランス=+22/+17/+12(3d6+13/×3)、
突き刺し=+21(2d6+9)、
蹄(×2)=+16(1d8+4)
遠隔 高品質のコンポジット・ロングボウ=+16/+11/+6(3d6+9/×3)
接敵面 15フィート;
間合い 10フィート(ランスは20フィート)
特殊攻撃 蹂躙(1d8+13、DC26)、つんざく蹴散らし、馬上の身
一般データ
生態
出現環境 寒冷/丘陵、山岳、または平地
編成 単体、2体、戦闘集団(3~6)、または氏族(1~4スヴァスリム、加えて2~12フロスト・ジャイアント)
宝物 標準(高品質のチェイン・シャツ、高品質の鋼鉄製ライト・シールド、高品質のコンポジット・ロングボウとアロー40本、高品質のランス、その他の宝物)
特殊能力
馬上の身(変則)/Natural Jouster スヴァスリムは騎乗しているかのようにランスを片手で装備することができ、突撃時にランスで与えるダメージは2倍になる。
空中疾駆(超常)/Skyrunner 突撃、疾走、2倍移動を行う際、スヴァスリムは
エア・ウォークを使用しているかのように空中を駆け抜けることができる。この移動は非常に大変だ。スヴァスリムはこの能力を使用するラウンドの終わり毎にDC14の【耐久力】判定を試みなければならず、失敗すると1分の間
疲労状態となる。このDCは最初のラウンドのもので、以降毎ラウンド2ずつ増加する。着地するとDCは14に戻るが、それにより継続している
疲労状態や
過労状態は回復しない。スヴァスリムはこの能力を使用して蹴散らしを行うことはできない。
つんざく蹴散らし(超常)/Thunderous Trample スヴァスリムの蹴散らし攻撃でダメージを受けた全てのクリーチャーはDC22の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると1分の間
聴覚喪失状態となる。セーヴDCは【耐久力】に基づいている。
スヴァスリムとフロスト・ジャイアントは互いに仲間で、遠い同族だと考えている。大人のスヴァスリムの後半身部の高さは10フィートで全長は16フィート。巨人の身体と頭部は高さ18フィートにもなる。彼らの重量は通常5米トン以上で、500年以上生きることもある。スヴァスリムは極地に住み、北海の岸や高い山の山頂の間を疾駆する。各個体は、最も強力な狩人に率いられた氏族に所属する。
フロスト・ジャイアントは略奪を好むため、ほとんどのフロスト・ジャイアントとの遭遇は、食事や略奪、奴隷を探している巨人とのものになる。
襲撃隊(CR14) Raiding Party
これはフロスト・ジャイアントの部族が近くの人間の居住区に貢ぎ物を要求する際に派遣される一般的な軍隊で、危険な抵抗はほとんど想定されていない。
XP 各12,800
HP 各227
XP 各6,400
HP 各133
奴隷隊商(CR15) Slave Caravan
猟犬使いは群れと共に行動することが多い。彼らは奴隷運搬の護衛や逃亡者の追跡、部族間の奴隷交易の監視を行うこともある。
XP 38,400
HP 262
ウィンター・ウルフ(8) CR5 Winter Wolves
XP 各1,600
HP 各57
巡察隊(CR16) Reconnaissance Patrol
こういった斥候は部族の敵を把握するための巡回として使われることもあるし、襲撃や略奪に適した新天地を偵察する斥候となることもある。
XP 25,600
HP 195
XP 各25,600
HP 各197
戦闘集団(CR17) War Band
この戦闘集団はこの地の首長が特別難しい問題――使用されていない要塞からモンスターを退去させたり、近くの居住区に脅威をもたらしうる冒険者集団を止めたり――を解決するために呼び掛け集められたものかもしれない。フロスト・ジャイアントの通常の軍隊は、敵に轟音で恐怖を叩き込む
スヴァスリムによって強化される。
XP 38,400
HP 262
XP 19,200
HP 204
XP 各12,800
HP 各227
スヴァスリム(2) CR11 Svathurims
XP 各12,800
HP 各147
ウィンター・ウルフ(2) CR5 Winter Wolves
XP 各1,600
HP 各57
最終更新:2020年09月17日 00:20