生肉に飢えたグールの恐怖のために、夜、人は墓場を避ける。このクリーチャーは論理的に判断するが、生きているものの言葉に耳を傾けることはほとんどないし、友というよりも食事だと見なされる方がずっとありそうなことだ。グールは神秘的な物語でよく描かれる。彼らが抱く飢餓感は非常に有名だ。同族を食べた結果貪欲なアンデッドになったという物語のために、絶望的な状況でさえ多くの人は死体を食べない。
グールは人型生物の肉をいつも探している。人の生きる場所にはどこにもいて、その範囲は確実に広がり、新しい犠牲者に食屍鬼熱を感染させる。まとまりもなくじわじわとした広がりだが、グールを全て見つけ出して殲滅した場合にのみ終了させることができる。潜在的な犠牲者にはグールを恐れるまっとうな理由がある。食屍鬼熱で死亡すると、恐ろしい運命が待っているのだ。この病気が進行すると、留まることを知らない飢えが犠牲者を襲う。しかし肉体は普通の飲食物を受け付けなくなっていく。食べるのを止めれば、飢えが高まるにつれ犠牲者は次第に自暴自棄になり、暴力的になる。犠牲者が死体の肉を食べるとこの渇望が一時的に和らぐが、病気の進行速度は変わらない。最終的に、犠牲者の生ける肉体は全く機能しなくなる。死亡した後、犠牲者は次の深夜に目覚め、食肉欲求に取り憑かれる。
ほとんどのグールは自己嫌悪に満たされており、同種に対しても愛情を向けることはほとんどない。身を守るときも狩りにおいても集団で行動する傾向が元々あるが、その仲間との間に信頼や愛情は一切持たない。グールが何年もの間1人の指導者に忠実に仕えることもないではないが、もっと多くの食事が手に入るというのであれば、指導者を裏切ることを厭いはしない。ガストは多くの基本的な点において他のグールよりも強力だが、彼らはあまりにも攻撃的であるために指導層となることはほとんどない。しかしその地位に就けば、ガストの存在によって自信を得た日和見主義のグール達が、通常ならば苦手な相手として避けるエルフの集落に攻撃を仕掛けることもあるかもしれない。
墓場は自然とグールを惹きつけ、グールの多くはそうした場所に住む事にそのアンデッドの存在を費やす羽目になる。グールの小さな集団は肉への欲求を満たすために死体を掘り起こすことのできる共同墓地に穴を掘り、そこに住むことが多い。墓地に不自然な住居や陥没穴があれば、それはグールの群れがいる確かな印である。屍肉を喰らって何年も生き続け満足するグールもいるが、最終的にはほとんど全てのグールが生者を狩り始める。
しかし、全てのグールが墓地の地下、暗い場所に住むわけではない。辺境では、都市全体や国全体がグールやその他のアンデッドに占められていることもある。そのような街のグールは生きている人類を家畜以上のものと見なすことはまずない。こういったアンデッドの街はリッチやその他のより強力なアンデッドによって支配されていることが多いが、グールは権力を握る地位を保持し、支配的な地位に就くことさえあることで知られる。こういった国の支配者はもっとずっと人口の多い生きているクリーチャーの国に対して戦争をしても勝てる見込みがないことを理解しているため、近隣の国から奴隷あるいは単なる死体さえ輸入する協定が結ばれる。もっと大きい国では人間を奴隷や荷役として用いる。農場で働かせて自分達の食事を作らせ、最後にはアンデッドの主の食事として供されることになる。
ラケドンと呼ばれる水棲のグールは、近くに
グリンディロー、
ロキャーサ、
マーフォークといった水中に住む人型生物の共同体がある、人里離れた岩礁や地下洞窟に住む。水中の人々の伝承では、地上に住む種族がグールに考えている程度にラケドンは愚かである。襲える簡単な目標を好むラケドンは、沢の近くや交易路の中に住む。彼らはそこで難破船がやってきて豪華でむごたらしい饗宴を開いてくれるまで、長い間飢えに晒されることになる。ラケドンは他のグール以上に活動的だ。川の流れで運ばれた人の血の味を捕らえると、彼らは発生源に向けて何マイルも川をさかのぼり追跡することができる。
グールの完全なデータは Bestiary の該当する項目に掲載されている。
以下の項ではグールに焦点を当てたソーサラーの血脈と、新しい特技に呪文を説明する。
食屍鬼熱に罹患したが生き残ったものを祖先に持つソーサラーは、しばしばこの血脈を受け継ぐ。
グール Ghoul
飢えたアンデッドとのつながりが、君の魔法を形作る。
血脈の秘法:ヒット・ポイントにダメージを与える死霊術系統の呪文を発動する際、君は呪文レベル毎にヒット・ポイントを1ポイント回復する。
血脈の力:君の存在と終わることのない空腹感。それらが闇のエネルギーの燃料となり、君の力の基盤を形作る。
食屍鬼の爪(超常)/Ghoulish Claws:1レベルの開始時、君はフリー・アクションとして爪を伸ばすことができる。この爪は肉体武器として扱われ、全力攻撃の際、最大の基本攻撃ボーナスを用いて2回の攻撃を行うことができる。攻撃はそれぞれ1d4(小型の場合は1d3)+【筋力】修正値に等しい値のダメージを与える。5レベルの時点で、君の爪攻撃でダメージを受けたクリーチャーは1ラウンドの間
麻痺状態になる。これはグールの能力と同様に働く(頑健・無効)。7レベルの時点で、
麻痺状態の持続時間は1d4+1ラウンドに伸び、
ダメージ減少を考慮する際、爪は魔法の武器として扱われる。君は1日に3+【魅力】修正値に等しいラウンド数だけ、爪を使用することができる。使用するラウンドは連続している必要はない。
君がこの血脈を持つグールであれば、この能力を得る代わりに、
麻痺および
病気特殊能力のDCを決定する際、君のソーサラー・レベルを種族ヒット・ダイスに累積させる。
硬い肌(変則)/Leathery Skin:3レベルの時点で、君は[冷気]に対する
抵抗5と、ACに+1の外皮ボーナスを得る。9レベルの時点で、君の[冷気]に対する
抵抗は10に、外皮ボーナスは+2に増加する。15レベルの時点で、君の外皮ボーナスは+4に増加する。
貪欲なる狂乱(変則)/Ravenous Frenzy: 9レベルの時点で、君は1日にソーサラー・レベルに等しいラウンドだけ
ヘイストの利益を得る事が出来るようになる。このラウンド数は連続している必要はない。この能力の効果を受けている間に行った全力攻撃で、クリーチャー1体に2回以上爪攻撃を命中させたなら、そのクリーチャーは1d4ポイントの出血ダメージを受ける。
地を掻くもの(超常)/Earth Crawler:15レベルの時点で、君は穴掘り移動速度30フィートを得る。加えて、君が最低でも5フィートの土や自然石で四方を囲まれている限り、君は
高速治癒10を得る。君はこの能力で1日に10×ソーサラー・レベルまでのヒット・ポイントを回復することができる。
食屍鬼の相(超常)/Ghoulish Aspect:20レベルの時点で、君はグールの相貌と外見を得る。君はもはや食べ物を摂取する必要はなく、飢えに対する
完全耐性を得る(ただし君が望むなら肉を消化することができる)。君は睡眠、非致傷ダメージ、
麻痺状態、[冷気]に対する
完全耐性を得る。更に君は
DR5/―を得る。また、君は半径10フィートの
悪臭能力を得る。頑健セーヴィング・スローに失敗したクリーチャーは、1d6+4分の間
不調状態になる。この効果のセーヴィング・スローのDCを決定する際、種族ヒット・ダイスの半分ではなく、ソーサラー・レベルの半分を用いること。
以下の特技はグールに追加の能力を得る選択肢を与える。
君はアンデッドの動物の相棒を持つ。
前提条件:動物の相棒のクラスの特徴、グール。
利益:君の動物の相棒の種別は
アンデッドに変化する。しかしヒット・ダイス、基本攻撃ボーナス、セーヴィング・スロー、技能、芸は基本クリーチャーのままである。このクリーチャーは【耐久力】を失い、【魅力】が12になる。君の動物の相棒が破壊されても、新しい動物の相棒もまた
アンデッドであり、同じ修正を適用する。
君が死んでからあまりにも長い時が経った。君を殺すのは本当に難しい。
前提条件:
《墓所に寝るもの》、
《墓穴掘り》、グールになってから少なくとも500年以上が経過していること。
利益:ヒット・ポイントが0にまで減少しても、君は破壊されない――肉体を完全に焼きつくすか聖水に浸すか、あるいは君のヒット・ポイントが0に減少した後にキュア呪文や正のエネルギー放出でダメージを与えるかしなければ、君を滅ぼすことはできない。君のヒット・ポイントが0にまで減少するたびに君は
気絶状態になり、回復するか次の深夜を迎えるとヒット・ダイスごとに1ヒット・ポイントを回復して目覚める。
何年もの時を墓を暴くのに費やし、君は魚が水を泳ぐように土の中を移動することができるようになった。
前提条件:グール。
利益:君は土、砂、泥に対して穴掘り移動速度10フィートを得る。
特殊:君はこの特技を複数回修得できる。修得するたびに君の穴掘り移動速度は10フィートずつ増加し、最大で君の基本地上移動速度になる。
墓に安らぎを求めることで、君はより素早く回復することができる。
前提条件:
《墓穴掘り》、グール。
利益:周囲5フィートを土や石に囲まれており、アクションを一切取らないならば、君は10分毎に1ヒット・ポイントを回復する。
君のアンデッドの身体は、生者の肉体の限界を無視する。
前提条件:グール。
利益:君は無理矢理入り込む際のペナルティを計算するとき、1サイズ小さいものとして扱う。更に君は
〈脱出術〉判定に+5の技量ボーナスを得る。君のヒット・ダイスが10以上なら、このボーナスは+4に増加する(訳注:原文通り)。
グールの呪文は自分の飢えと死に対する執着を反映している。
ハングリー・アース
Hungry Earth/飢えた大地
系統 変成術;
レベル ウィザード/ソーサラー5、ウィッチ5、ドルイド5
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 中距離(100フィート+10フィート/レベル)
効果範囲 半径20フィートの拡散
持続時間 1ラウンド/レベル
セーヴィング・スロー 不可;
呪文抵抗 不可
まるで生きているものの肉に飢えているかのように、大地は地面より下にクリーチャーを引きずり込もうとする。
呪文発動直後と術者のターンの開始時に、この呪文の範囲内にいて地面に接触しているクリーチャーはそれぞれ、組みつき戦技の目標となる。効果範囲に侵入したクリーチャーもまた、自動的に攻撃を受ける。この戦技判定において、大地のCMBは5+術者の術者レベルに等しい。戦技判定の試みは毎ラウンド1回だけで、範囲内のすべてのクリーチャーにその結果を適用する。
大地が敵に組みつくための戦技判定に成功するたびに、大地はクリーチャーを地中に引き寄せ、最終的には地面より下に押しこむ。最初の戦技判定に成功すると、目標は
組みつき状態になる。組みつかれた目標は、まず組みつきを解除しなければ移動することはできない(これには、DC20の戦技判定もしくは
〈脱出術〉判定に成功しなければならない)。既に組みついている目標に対しする戦技判定に、大地は+5のボーナスを得る。2回目の戦技判定に成功すると、組みつかれたクリーチャーは地面へ引き寄せられ、
伏せ状態となる。3回目の戦技判定に成功すると、クリーチャーは完全に埋められ、息を止めなければ
窒息し始める。
埋められたクリーチャーは、効果が終了するか組みつきを解除するまで脱出することができない。地中に引き寄せられたクリーチャーに対する組みつきを脱出するためのDCは25に増加する。
フレッシー・ファサード
Fleshy Facade/見せかけの生者
系統 変成術(ポリモーフ);
レベル アルケミスト2、インクィジター2、ウィザード/ソーサラー2、ウィッチ2、バード2
発動時間 1標準アクション
構成要素 音声、動作
距離 接触
目標 接触した実体のあるアンデッドクリーチャー
持続時間 10分/レベル(解除可)
セーヴィング・スロー 可(無害)(訳注:STの種類未記載);
呪文抵抗 可(無害)
目標の肉体は膨らみ、健康的な生者の色になる。これにより目標は、(適用できる場合)生きていた時と同じ種別の生きているクリーチャーとしての外見を得る。
ディテクト・アンデッドのような呪文を発動したクリーチャーは、目標の存在を識別するためにセーヴィング・スロー(DCは呪文のセーヴDCに等しい)を行わねばならない(訳注:STの種類未記載)。また、目標に知性がある場合、目標は生きている、もしくは最近死んだばかりであると見せかけるために行う
〈変装〉判定に+10のボーナスを得る。そのアンデッドがそれによく似ている生きているクリーチャーの種別とは異なる特徴(
グールの長い歯や爪など)を有していた場合、そうした特徴は小さくなり、目立ちにくくなる。それにより、こういった特徴が与えるダメージは1サイズ段階だけ小さいものとしてダメージを算出するようになる。この呪文は骨しかないクリーチャーや肉体の欠けているクリーチャーには一切効果を及ぼさない。
潜み寄るグール Sneaky Ghouls
全てのグールは夜を音もなくさまよう危険な存在だ。しかしここに示すグールは影から襲いかかったり戦術的な優位を利用して攻撃することに特化している。彼らは獲物を求めて奇襲を整え、集団戦術を用いる。
防御
攻撃
移動速度 30フィート
近接 噛みつき=+7(1d6+3、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
爪(×2)=+7(1d6+3、加えて“
麻痺”)
遠隔 高品質のライト・クロスボウ=+8(1d8/19~20)
特殊攻撃 急所攻撃+2d6、
病気(DC14)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC14、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
一般データ
防御
攻撃
移動速度 30フィート
近接 噛みつき=+8(1d6+3、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
爪(×2)=+8(1d6+3、加えて“
麻痺”)
遠隔 +1コンポジット・ショートボウ=+10/+10(1d6+4/×3)または
+1コンポジット・ショートボウ=+12(1d6+4/×3)
特殊攻撃 急所攻撃+3d6、
病気(DC14)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC14、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
一般データ
ほとんどのグールは飢えを満たすために狩り、殺す。しかし狩猟士は後の食事と同じように追跡を味わう。
グールの狩猟士 脅威度7 Ghoul Huntsmaster
防御
攻撃
移動速度 40フィート
近接 +1噛みつき=+13(1d6+3、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
+1爪(×2)=+14(1d8+3、加えて“
麻痺”)
遠隔 高品質のコンポジット・ロングボウ=+13/+8(1d8+2/×3)
特殊攻撃 戦闘スタイル(“弓術”)、得意な敵(エルフ+2、人間+4)、
病気(DC15)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC15、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
準備済みのレンジャー呪文 (術者レベル3;精神集中+6)
戦術
一般データ
防御
AC 20、接触17、立ちすくみ14(+6【敏】、+3外皮、+1サイズ)
hp 16(3d8+3)
頑健 +4、
反応 +9、
意志 +2
完全耐性 アンデッドの種別特性
攻撃
移動速度 50フィート
近接 +1噛みつき=+10(1d4+2、加えて“
足払い”)、
+1爪(×2)=+11(1d2+2)
戦術
一般データ
【筋】13、
【敏】22、
【耐】―、
【知】2、
【判】12、
【魅】12
基本攻撃 +2;
CMB +2;
CMD 18(対足払い22)
特技 《武器熟練:爪》、
《武器の妙技》
技能 〈隠密〉+14、
〈軽業〉+10(跳躍は+18)、
〈知覚〉+5
その他の特殊能力 芸(「攻撃しろ」[全てのクリーチャー]、「来い」、「取ってこい」、「番をしろ」、「調べろ」、「待て」、「追跡しろ」)
グールの指揮官は生きとし生けるものに対する、燃え上がらんばかりの憎しみを煽り立てる。グールの指揮官はグールの一団を従えることもあるし、自分より強力なグールの帝王の護衛や副官となることもある。
グールの指揮官 脅威度8 Ghoul Commander
防御
攻撃
移動速度 20フィート
近接 高品質のグレートアックス=+15/+10(1d12+7/19~20/×3)、
噛みつき=+8(1d6+2、加えて“
病気”および“
麻痺”)または
噛みつき=+13(1d6+5、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
爪(×2)=+13(1d6+5、加えて“
麻痺”)
遠隔 高品質のコンポジット・ショートボウ=+12/+7(1d6+5/×3)
特殊攻撃 善を討つ一撃3回/日(+4攻撃および AC、+7ダメージ)、
病気(DC15)、
負のエネルギー放出(DC17、4d6)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC15、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
アンティパラディンの擬似呪文能力 (術者レベル7;精神集中+11)
準備済みのアンティパラディン呪文 (術者レベル4;精神集中+8)
戦術
戦闘前 グールの指揮官は通常、フィーンディッシュ・ダイア・ボアを乗騎として連れている。ある場所を守っている場合、グールの指揮官は
ディセクレイトをこの範囲に使用する(これによるボーナスはデータに含まれていない)。
戦闘中 グールの指揮官はボアに騎乗して突撃して戦端を切る。グレートアックスによる攻撃を好む。
一般データ
フィーンディッシュ・ダイア・ボアの僕 脅威度― Fiendish Dire Boar Servant
経験点 ―
hp 42
組織化された一団の中にいる場合、グールの将軍は統率と指令に責任を持つ。「文明化された」グールの都市や国では、グールの将軍は上級役員の職に就き、軍事演習や遠出の際にありふれたグールに指示と命令を下す。命令体系のより上位のグールから指令を受けるとは言え、グールの将軍は指令をしっかりした戦術に固めていく責任があり、戦場での自主性を大いに楽しむ――少なくとも、自分の戦術が成功している限りは。
自分の本性を隠すために変装や魔法を使って、村や町を歩くグールもいる。仮面殺人鬼は生者に影から襲いかかる。
仮面殺人鬼 脅威度8 Masked Murderer
経験点4,800
グール、8レベル・
バード(哀歌のバード)
CE/中型サイズの
アンデッド
イニシアチブ +7;
感覚 暗視60フィート;
〈知覚〉+15
防御
攻撃
移動速度 30フィート
近接 噛みつき=+10(1d6+2、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
爪(×2)=+11(1d6+2、加えて“
麻痺”)
遠隔 高品質のコンポジット・ショートボウ=+11/+6(1d6+2/×3)
特殊攻撃 呪芸24ラウンド/日(移動アクション;打ち消しの調べ、悲運の葬送歌[DC20]、散逸の演技、恍惚の呪芸[DC20]、自信鼓舞の呪芸+3、勇気鼓舞の呪芸+2、示唆の詞[DC20])、
病気(DC17)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC19、エルフはこの効果に
完全耐性を持つ)
修得バード呪文 (術者レベル8;精神集中+14)
戦術
戦闘前 この人目を忍ぶ殺人鬼は、目標を追跡する間人間に変装する。可能な限り衝突を避けるが、空腹感が上回ることもある。
戦闘中 存在に気付かれると、仮面殺人鬼は戦闘開始時に
コンフュージョンを発動する。それからバードの呪芸(一般に悲運の葬送歌)を歌い始める。近接戦闘を始める前に、追加攻撃を得るために
アレグロを発動する。
一般データ
仮面殺人鬼は詐術を用いて獲物の人間に近づく。疑念を抱くことなく入り込み、気付いた時には手中から逃れることもできない状況となっている。魔法、特に
フレッシー・ファサード呪文により、外見を偽ることができる。そして仮面殺人鬼はありふれた姿に変装する術を知っており、魔法が失敗した場合でも安全でいられるよう、奇妙な姿を最低限は隠しておくことができる。
魅了と嘘は、仮面殺人鬼が社会に溶け込む助けとなる。通常、彼らは最初、酒場や路地で下層労働者あるいは農民の友達を作るという小さなところから始める。そして誘惑し、殺して喰らう。しかしこれで仮面殺人鬼の自尊心が満たされることはほとんどない。そして折を見て上層階級と交流を持つ。これで自尊心を満たすことができるだろうが、重労働に従事する労働者の固い肉よりも、甘やかされた上層階級の素晴らしい食事を何度も食べたがる。
グールにとっては不幸なことに、生者の中で長居をしすぎると、アンデッドの本質からくる終わることのない飢えを満たすために得た生者が目立ってくることになる。多くの仮面殺人鬼は獲物の力強い命を妬みながら、最終的に葛藤を抱えることになる。しかし仮面殺人鬼が持つグールの飢餓感は他のどの感情をも圧倒するもので、他のグールと少なくとも同程度の貪欲な熱情を持って獲物を狩る。
墓を何年も掘り起こすと、この古代のグールは大地の魔法に親和性を得る。強力な呪文発動能力を持つグールは通常指導者の地位に昇る。グールの都市では墓掘夫は支配階級の高位を占める。
古代の墓堀夫 脅威度10 Ancient Gravedigger
防御
攻撃
移動速度 30フィート
近接 +1噛みつき=+14(1d6+6、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
+1フロスト爪(×2)=+15(1d6+6、加えて1d6[冷気]、“
病気”、および“
麻痺”)
遠隔 岩=+13/+8(2d4+7)
特殊攻撃 病気(DC15)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC15、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
修得オラクル呪文 (術者レベル10;精神集中+14)
戦術
一般データ
これらの古代のソーサラーは周囲のものを人形のように使って今の権力を得た。彼らは魔法とその魅力で、生けるものにもアンデッドにも指令を下す。
グールの帝王 脅威度12 Ghoul Monarch
防御
攻撃
移動速度 30フィート、穴掘り10フィート
近接 噛みつき=+13(1d6+1、加えて“
病気”および“
麻痺”)、
爪(×2)=+13(1d6+1、加えて“
麻痺”)
特殊攻撃 貪欲なる狂乱(12回/日)、
病気(DC23)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC23、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
修得ソーサラー呪文 (術者レベル12;精神集中+18)
戦術
一般データ
グールはしばしば特別な食事でクリーチャーを育て、アンデッドに変える。その中には
スケイヴリング、スートウィング・バット、グール・ハウンドなどがいる。
この蝙蝠のようなクリーチャーは翼の先がギザギザしており、長く鞭のような舌を持つ。
スートウィング・バット 脅威度1/2 Sootwing Bat
防御
攻撃
移動速度 5フィート、
飛行40フィート(良好)
近接 噛みつき=+4(1d3-3、加えて“
病気”および“
麻痺”)
接敵面 2と1/2フィート;
間合い 0フィート
特殊攻撃 病気(DC10)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC10、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体または共棲集団(4~12)
宝物 なし
特殊能力
グールの呪文の使い手は、この
スケイヴリングの小さないとこを使い魔として用いる。
《上級使い魔》特技を修得することで、5レベルで悪属性の呪文の使い手はスートウィング・バットを使い魔にすることができる。使い魔のスートウィング・バットは、(主人が有するならば)主人の
エネルギー放出に対する抵抗に+1のボーナスを与える。
このイヌ型クリーチャーには、血色の悪い死者の肌が骨にぴったりと張り付いている。歯は長く黄ばんでいる。
グール・ハウンド 脅威度1 Ghoul Hound
防御
攻撃
移動速度 50フィート
近接 噛みつき=+5(1d6+6、加えて“
足払い”、“
病気”、および“
麻痺”)
特殊攻撃 病気(DC13)、
麻痺(1d4+1ラウンド、DC13、エルフはこの効果に対して
完全耐性を持つ)
一般データ
【筋】18、
【敏】15、
【耐】―、
【知】2、
【判】14、
【魅】14
基本攻撃 +1;
CMB +5;
CMD 17(対足払い21)
特技 《イニシアチブ強化》
技能 〈隠密〉+6、
〈知覚〉+6
生態
出現環境 気候問わず/地上
編成 単体、護衛官(2~4体、加えてグール2~4体)、または小さな群れ(4~6体、加えてグール2~4体)
宝物 なし
特殊能力
グールは人間が狩猟犬を飼うようにグール・ハウンドを飼う――この粗暴な獣を道具以上の存在と見なさないグールもいるし、その一方でお気に入りのペットとして扱う感情的なものもいる。グール・ハウンドは主のグールに従順に従う。
グラスコル(脅威度2)/Grathkoll:グール・ハウンドのより大きな種であるグラスコルは中型クリーチャーを乗せることができる。グラスコルはグール・ハウンドにジャイアント種テンプレートをつけ、基本地上移動速度に+10のボーナスを与えたものだ。
グールは賢く多様な敵だ。アンデッドに重点を置いたキャンペーンにおいて、多くのシナリオに使用できるだろう。
押込み殺戮団(脅威度5) Second-Story Killers
この密かに行動する連続殺人鬼は、村や大都市の端近くに住んでいるかもしれないし、押し入って一家全員を皆殺しにし、その地域を恐れさせているかもしれない。恐怖を数週間与えた後、彼らは別の村に移動し新しく虐殺を始める。
這い寄るグール 脅威度3 Ghoul Creeper
経験点800
hp 37
グール(2) 脅威度1 Ghouls
経験点 各400
hp 各13
グールの狩猟隊(脅威度10) Ghoul Hunting Party
この狩猟隊は特別なある人物を探索することもできるし、単に食料庫を満たすために出撃することもある。狩猟隊は人通りの少ない街道の小さな隊商を襲うこともあるし、小さな村を襲撃することさえある。
経験点 ―
hp 16
グールの指揮官 脅威度8 Ghoul Commander
経験点4,800
hp 99
グールの狩猟士 脅威度7 Ghoul Huntsmaster
経験点3,200
hp 80
グール(4) 脅威度1 Ghouls
経験点 各400
hp 各13
ギルド(脅威度10) The Guild
盗賊ギルドはその中心部に暗い秘密を携えている。ギルドと交わる対価は高く、落第ものの見習いを再び見ることはない。この遭遇は連続した遭遇の一部として最適なもので、押込み殺戮団の遭遇と組み合わせたり、Pathfinder RPG NPC Codexのローグのデータから選択して組み合わせたりするのもよいだろう。
グールの静殺者(2) 脅威度6 Ghoul Stalkers
経験点 各2,400
hp 各74
仮面殺人鬼 脅威度8 Masked Murderer
経験点4,800
hp 113
墓場の厄介事(脅威度12) Grave Trouble
このグールの呪文の使い手と護衛の組み合わせは、ありふれた強盗よりずっと多い。大きな計画の中心にいることもあるし、自分達や同族のための新鮮な肉の供給源を守る旅にいることもあり得る。この遭遇は上述の狩猟隊とうまく噛み合う。
古代の墓堀夫 脅威度10 Ancient Gravedigger
経験点9,600
hp 112
キャリオン・ゴーレム(4) 脅威度4 Carrion Golems
経験点 各1,200
hp 各42
仮面殺人鬼 脅威度8 Masked Murderer
経験点4,800
hp 113
最終更新:2017年05月08日 00:14