全てのアーティファクトが激しい魔法のたまものではあるが、神話クリーチャーの手にあるときのみ、その全ての栄光と潜在力に達することができるものもある。
下級アーティファクトは唯一のアイテムであるとは限らない。それでも尚、それらは定命のものの意志に従って作られることはない。
イージス
(
Aegis/イージス)
装備部位 盾;
術者レベル 15レベル;
重量 15ポンド;
オーラ 強力・変成術
この
+4デタミネーション・鋼鉄製ヘヴィ・シールドには、中央に目が固く閉じられた
メドゥサの頭が封じられている。この盾は着用者にセーヴィング・スローへの+4の抵抗ボーナスと、
凝視攻撃に対する
完全耐性を与える。着用者が防御的戦闘を行ったり
《攻防一体》を使用した場合、この盾のAC及びセーヴィング・スローへのボーナスは+6に増加する。着用者が防御専念アクションを行った場合、これらのボーナスは+10に増加する。
標準アクションとして神話パワーを1回分消費することで、
イージスの着用者は
メドゥサの頭部を目覚めさせることができる。そうすると
メドゥサの蛇の髪は身をよじり輝くとともに、赤い目が開かれる。これにより着用者の選択した方向に向けて、
《呪文効果範囲拡大》された円錐形の
フィアーが解き放たれる。頭部は着用者の階梯毎に1ラウンドの間覚醒し続ける。この間、着用者は
メドゥサが持つものと同様の石化の
凝視(永続的に石に変える、30フィート)を得る。ただしこの効果は着用者の視線ではなく、盾に埋め込まれた頭部の視線と合うことで発揮される。
フィアー及び石化効果のセーヴDCは、10+着用者の階梯+着用者の【魅力】修正値に等しい。
メドゥサの頭部が覚醒している間、着用者は通常の
凝視攻撃のルール(
Bestiary 300)に従い、標準アクションとして敵を視界に収めようと試みることができる。
破壊方法
頭部が埋め込まれた
メドゥサが蘇り、この
メドゥサの凝視と目が合うと、
イージスは破壊される。
ウィザーファング
(
Witherfang/枯らしの牙)
装備部位 なし;
術者レベル 20レベル;
重量 2ポンド;
オーラ 強力・死霊術および変成術
非神話クリーチャーの手にある間は、
ウィザーファングは
+3ククリとして機能する。しかし、時が過ぎると、この武器は着用者の精髄を消費し始める。着用者が非神話級の場合、毎週DC20の頑健セーヴに成功しない限り、1d4ポイントの
【耐久力】吸収を受ける。この
【耐久力】吸収は、着用者がこの武器を身につけるのを止めた後1週間が過ぎるまで治療することはできない。
ウィザーファングはこの盗んだ精髄を神話パワーに変換する。
ウィザーファングは最大で神話パワー20回分まで保持することができる。
神話キャラクターは
ウィザーファングが盗んだ神話パワーを使用して、自分の神話能力を使用することもできるし、以下の能力でこの武器を強化することもできる。
ウーンディング、
スピード、
ダンシング、
ベイン。それぞれの能力は24時間の間持続し、24時間毎にこの武器に適用できるのは1種類だけである。着用者が神話パワーを1回分消費するならば、
ウィザーファングの強化ボーナスを増加させることができる。また、着用者が神話パワーを消費することでこの武器に特殊能力を与えることもできる。1回分消費すると
ベイン特殊能力を、2回分消費すると
ウーンディング特殊能力を、3回分消費すると
スピード特殊能力を、4回分消費すると
ダンシング特殊能力を付与する。
破壊方法
もはや魂の宿っていない非神話級
人型生物の心臓奥深くに差し込まれると、
ウィザーファングはその魔法能力を永続的に失う。
エレメンタル・チェイン
このアイテムは2つの簡素な鋼鉄製の指輪に見える。しかし神話クリーチャーがこれらをつかみ、即行アクションとして神話パワーを1回分消費すると、これらは破裂して、10フィートの長さがあるスパイクト・チェインに姿を変える。このスパイクト・チェインは[強酸]、[雷撃]、[火炎]、[氷雪]のいずれか着用者が望むもので作られている。着用者はこの効果をフリー・アクションで解除することができる。この鎖は+6スパイクト・チェインだが、一般的なスパイクト・チェインが与える通常のダメージの代わりに、4d6ポイントの選択した種別のダメージを与える。一度起動すると、この鎖は1時間が経過するか、着用者がこの武器を元に戻すか、いずれかが生じた時点で元の姿に戻る。
破壊方法
2つの鋼鉄の指輪をエレメンタル王が喰らうと、エレメンタル・チェインは破壊される。
グラブレズゥ・クロー
(
Glabrezu Claw/グラブレズゥの爪)
装備部位 なし;
術者レベル 20レベル;
重量 5ポンド;
オーラ 強力・さまざま[悪]
このおぞましいアーティファクトはグラブレズゥの腕を空洞化させたミイラのように見える。この腕には囚われた寄生性のデーモンが収められており、このデーモンは神話パワーによってのみ欲求を満たすことができる。このアーティファクトを使用するには、使用者は自分の素手をこの腕の空洞にはめ込まねばならない。これによりその血肉とこのアイテムとの間に永続的なつながりが生まれる。非神話キャラクターの腕がはめ込まれた場合、このアイテムはその腕を貪り食う。これによりこのキャラクターは5d6ポイントのダメージを受けるとともに、その腕を切断される。
取り付けられると、
グラブレズゥ・クローは使用者を力場で覆う。これにより使用者は自分の階梯に等しい反発ボーナスをACに得る。また、使用者は[雷撃]と毒に対する
完全耐性を得る。加えて、使用者は
グラブレズゥ・クローに自分の神話パワーをいくらか食わせることで、
擬似呪文能力を起動することができる。これらの
擬似呪文能力は全て、使用者の合計クラス・レベル+使用者の神話階梯に等しい術者レベルを持つ。
使用者は神話パワーを1回分消費することで、2時間の間、有効距離100フィートの
テレパシー(
Bestiary 300)を得るか、以下の呪文のいずれかを発動することができる。
ケイオス・ハンマー、
コンフュージョン、
ディスペル・マジック、
トゥルー・シーイング、
ミラー・イメージ、
リヴァース・グラヴィティ。
神話パワーを2回分消費することで、使用者は
アンホーリィ・ブライト、
ヴェイル(使用者のみ)、
グレーター・テレポート(使用者に加え50ポンドまでの物体のみ)のいずれかを発動することができる。
神話パワーを3回分消費することで、使用者は
パワー・ワード・スタンもしくは
招来(レベル4、
グラブレズゥ1体30%または
ヴロック1d2体70%;
Bestiary 300)のいずれかを発動することができる。
破壊方法
過去を悔い改め善の神格を奉じるように変わったかつての邪悪な高司祭の腕がはめ込まれると、グラブレズゥ・クローは塵となって砕け、内部のデーモンは破壊される。
スクリーミング・スピア・オヴ・ザ・サン
この
+4ウーンディング・スローイング・ロングスピアは2フィートの長さがある鋼鉄製の穂先を持ち、その穂先は残酷にも新鮮なひげ30本で覆われている。クリティカル・ヒットの際、これらのひげは犠牲者の肉体に留まり、切り裂いて刃を取り出すまで取り除くことはできない。ひっぱって刃を取り除くには全ラウンド・アクションを用いて行わねばならない。この際、クリティカル・ヒットを発生させた攻撃ロールの結果に等しいDCの【筋力】判定に成功する必要がある。そのようにすると、犠牲者は3d6ポイントのダメージを受ける。
神話クリーチャーの手に収まると、この槍は
リターニング特殊能力を得る。また、投擲の際にまるで生きているように、宙にいる間意地悪く叫ぶ。クリーチャーに命中すると、命中したクリーチャーを中心にした60フィート爆発の範囲に(呪文と同様の)
フィアーを放つ。
投擲の際に使用者が神話パワーを1回分消費するたびに、この槍の射程単位が100フィートずつ増加する。
破壊方法
スクリーミング・スピア・オヴ・ザ・サンは、太陽の燃え盛る中心部へ投げ込まれると分解する。
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティ
スタッフ・オヴ・ザ・マギによく似たこの長い象牙でできたスタッフは、プラチナの印がちりばめられ、力が呼び起こされる際に魔法の炎で燃え上がる。通常のスタッフとは異なり、
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティには50チャージあり、通常は再チャージすることができない。その力のいくつかはチャージを消費するが、しないものもある。
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティはチャージを消費してもその力を失わない。以下の能力はチャージを消費しない。
以下の能力は使用毎に1チャージを消費する。
以下の能力は使用毎に2チャージを消費する。
5チャージを消費すると、
スタッフ・オヴ・アーケイン・ソヴランティ(訳注:おそらく
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティの誤記)は
ゲートを作り出す。
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティは通常のスタッフよりも高いDCを持つ。使用者はこのスタッフを上回るDCを実現できるなら、自身のセーヴDCを使用する。
使用者は
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティで発動した呪文に、自分が修得している呪文修正特技を使用することができる。呪文レベルが1増加する毎に1チャージ(最低1チャージ)を消費すること。調整後の呪文レベルは9レベルを超えてはならない。例えば、
《呪文高速化》を修得している使用者は5チャージを消費することで
《呪文高速化》した
コーン・オヴ・コールドをこのスタッフから発動することができる。しかし、
《呪文高速化》した
グレーター・テレポートを発動することはできない。
使用者は神話パワーを1回分消費することで、自分の神話階梯に等しいチャージ数ぶんの利益を得ることができる。超過したチャージ数は失われる。例えば、
《呪文威力強化》を修得した第5階梯の使用者が神話パワーを1回分消費することで、スタッフのチャージを消費することなく
《呪文威力強化》した
ファイアーボールを発動することができる。使用者がこのスタッフの呪文の神話呪文版を修得しているならば、神話パワーを1回分消費することでスタッフから神話呪文版を発動することができる。この神話パワーの消費は、チャージの代用をするために行う神話パワーの消費と組み合わせることができる。最後に、使用者は神話パワーを1回分消費することで、このスタッフに1チャージを加えることができる。既に完全にチャージされているスタッフであっても、爆発の危険は無い。
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティは使用者に、23+使用者の階梯に等しい
呪文抵抗を与える。しかしこの効果を使用しない代わりに、
ロッド・オヴ・アブソープション同様に、使用者に直接向けられた秘術エネルギーを消費するためにスタッフを使用することができる。
ロッド・オヴ・アブソープションとは異なり、このスタッフは呪文レベルを術者が使用できる呪文エネルギーとして保持するのではなく、チャージに変換する。スタッフが50チャージの上限を超えるだけのエネルギーを吸収すると、使用者が応報の打撃(破壊方法を参照)を行ったかのように爆発する。使用者は呪文レベルがいくつある呪文が自身に発動されたかは分からない――このスタッフは
ロッド・オヴ・アブソープションのようにこの知識を共有することはない。そのため、呪文の吸収は危険を伴う。
破壊方法
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティは応報の打撃によって破壊することができる。この行いは、使用者が目的を持ち、宣言されなければならない。このスタッフの全てのチャージは半径30フィートの拡散に解き放たれる。使用者の階梯を4倍し、スタッフに残っているチャージの総数を加えること。スタッフの10フィート以内にいる全てのクリーチャーは、この数の10倍に等しいダメージを受ける。23+使用者の階梯に等しいDCの反応セーヴに成功すれば、このダメージを半減できる。
スタッフ・オヴ・ザ・マギとは異なり、
スタッフ・オヴ・エルドリッチ・ソヴランティを破壊すると、使用者は必ず破壊される(セーヴィング・スローなし)。
ソード・オヴ・ザ・ミスツ
ソード・オヴ・ミスツは、強力なフェイが定命の英雄に向けた贈り物として始原の言葉から鍛え上げたものだ。この剣は輝く青い鋼鉄で作られた
+6ディフェンディング・グレートソードであり、柄頭に牡鹿の頭部がしつらえてある。エッチング加工で奇妙な古代のルーンがつばの覆いを取り囲み、つばは茨の蔦の形に彩られている。この武器を手にしたものは
夜目、自然の誘惑への抵抗力(ドルイドのクラス特徴と同様)、森語を会話し理解する能力を得る。
使用者は神話パワーを1回分消費することで、1分の間、この武器にあらゆる固体の硬度を無視しバターを切るかのように、いかなる固い物体をも切り裂く能力を与えることができる。
1週間に1回、使用者は神話パワーを1回分消費することで、物質界からフェイの原初の世界へ、あるいはその逆の方向へ移動することができる。
破壊方法
作成者のフェイの血に浸されると、不思議なことにソード・オヴ・ミスツは役に立たない鉛溜まりへと溶けてしまう。
トルク・オヴ・ザ・ヘヴンズ
この簡素な首輪には銀製のブレイズが添えられている。このブレイズには、狼の頭部に似た形に彫り込まれた象牙の縁止めが付いている。自分の神格に絶対的な奉仕を誓った神話級キャラクターだけが、このトルクを身につけることができる。そうでない場合、このトルクは使用者が死亡するまで外れることはない。使用者は【魅力】能力値に自分の階梯の半分(最低1)に等しい強化ボーナスを与える。1日1回、使用者はこのトルクを使用して、自分の神格と交信するために
コミューンを発動することができる。最後に、使用者は神話パワーを1回分消費することで、
レジェンド・ローアを発動することができる。
使用者が神格の行動規範を犯した場合、このトルクは収縮し、使用者を窒息させ始める。これは使用者が死亡するか
アトーンメント呪文を受けるまで持続する。
破壊方法
エインシャント・レッド・ドラゴンの沸騰する血で満たされた大釜で溶かすと、トルク・オヴ・ザ・ヘヴンズは破壊される。
ネクサス・クリスタル
異次元の混沌の領域が秩序寄りの領域の近くをすれ違った時に、この曇った白い水晶は――非常に稀なことだが――自然と形作られたのだと信じられている。非神話クリーチャーが手にしている場合、
ネクサス・クリスタルはまるでその次元界に生まれ住んでいるかのように、次元界の有害な状況の中で生き抜く能力を使用者に与える。例えば、この水晶は火の次元界の火や、負のエネルギーの次元界における生命力を吸収する放射線に対して
完全耐性を与える。この防護により与えられる適応能力はその次元界自身による障害に対してのみ働き、次元界にいるクリーチャーに対しては機能しない――火の次元界に住むクリーチャーによる[火炎]攻撃は、使用者にとって有害なままである。この水晶はその次元界の住人が通常経験しないような極端な状況、例えば物質界における宇宙空間の真空に対する防護も提供しない。
神話クリーチャーが手にすると、ネクサス・クリスタルは以下の追加の能力を持つ。
- 標準アクションとして神話パワーを1回分消費することで、使用者は水晶の次元界適応能力をこの水晶で接触したクリーチャーに与えることができる。同じ次元界にいる限り、この守護はいかなる距離にあろうとも標準アクションで無効化することができる。この神話パワーの使用回数は、次元界でこの守護が効果を及ぼしている限り回復することはできない。別のクリーチャーがこの水晶を手にしてこの能力を使用すると、以前の使用者によって与えられていた守護は直ちに終了する。
- 標準アクションとして、使用者は神話パワーを1回分消費することで、プレイン・シフトを使用して、自分と7体までの同意するクリーチャーを自分の親しんだ任意の次元界に移動することができる。既に訪れたことのある場所に移動する場合、この能力を使用するために神話パワーを2回消費することでプレイン・シフトの不正確性を軽減することができる。そうするならば、指定した場所から1d6-1マイル(最低0マイル)の場所に姿を現す。
- 標準アクションとして、使用者は他のクリーチャーにネクサス・クリスタルを接触させて神話パワーを3回分消費することで、プレイン・シフトを使用して無作為な次元界に目標を移動させることができる(反応DC27により無効化)。
- 標準アクションとして、使用者は神話パワーを2回分消費するとで空間上の1点ではなくこの水晶を中心とした、《呪文効果範囲拡大》したディメンジョナル・ロックを作り出すことができる。このディメンジョナル・ロックは24時間が経過するか解除されるまで持続する。
- 全ラウンド・アクションとして、使用者は神話パワーを4回分消費することで、他のクリーチャーを瞬間移動により引き戻すことができる。使用者がDC40の〈知識:次元界〉判定に成功すれば、使用者は自身の神話階梯毎に1体のクリーチャーまで召喚術(瞬間移動)効果により、前のラウンドにいた場所に引き戻すことができる。クリーチャーを引き戻すには、使用者はそのクリーチャーが元いた場所から15フィート以内にいなければならない。クリーチャーが抵抗する場合、意志セーヴ(DC25+使用者の階梯)を試みることができ、成功すれば引き戻されずに済む。使用者は複数いるクリーチャーのどのクリーチャーを引き戻すかを自由に選択することができる。また、それらのクリーチャーが異なる手段や異なる方向から移動してきた場合であっても、その出発地点が有効距離内にある限り引き戻すことができる。
破壊方法
使用者が
ゲートを通り抜けている間にこれの
プレイン・シフト能力を使用しようとすると、
ネクサス・クリスタルは破壊される。そのようにする場合、この水晶と
ゲートは破壊され、その結果生じた魔法の爆発が
ゲートのいずれかの側に半径2フィート爆発の範囲を生じさせ、その範囲内にいる全てのクリーチャーに18d10ポイントのダメージを与える(反応DC27に成功すれば半減ダメージ)。GMが望めば、次元界の間にある永続的な門はこの方法で破壊される可能性がある。
ハーメティック・フラスク
この慎ましやかな丸底の瓶は伝説的な
フィロソファーズ・ストーンの一つを純化するために使用され、この用法の副作用として特別な性質を幾つか備えている。
ハーメスティック・フラスクとこれにより作られたものは、錬金術クラス特徴(
Pathfinder RPG Advanced Player's Guide26)とエキスを作成する能力を持つ使用者にのみ機能する。この瓶を通常通り使用するには錬金術実験道具もしくは錬金術キットが必要となる。間に合わせの道具でも使用できるが、そうする場合すべての判定に-5のペナルティを被る。
使用者が10分をかけ100GPを費やし、DC30の
〈製作:錬金術〉判定に成功すれば、この瓶は錬金術の香油を1服分精製することができる。精製の過程で使用者が神話パワーを1回分消費するならば、代わりに10服分が作り出される。錬金術の香油は
ハーメスティック・フラスクの中に入っている限り、安定的に存在し続ける。標準アクションとして、アルケミストは4服分を注ぎ出し、100GP以下の価値を持つ錬金術アイテム1つか、1,000GP以下の価値を持つポーション1つに直ちに変換することができる。アルケミストは同じ標準アクションの一部として、それを投擲したり塗りつけたりすることができる。
錬金術師の火のような武器として機能する液体は壊れやすい球の形に凝固し、投擲するか何らかの理由で破壊されるまでそのままで安定し続ける。このような薬品は瓶から取り出して1分の間安定したままであり、その後害を与えること無く分解する。錬金術の香油の純度は、そこから生成された錬金術アイテムの有効性を向上させる。これらのアイテムに関するセーヴDCは2だけ増加し、与えるダメージや治療するダメージは50%だけ増加する(これには能力値ダメージも含まれる)。ハーメスティック・フラスクは最大で、一度に錬金術の香油を10服分まで収めることができる。
使用者は空の
ハーメスティック・フラスクに注ぐことで、見知らぬ錬金術物質もしくはポーションの性質を識別することができる。これには
〈製作:錬金術〉判定が必要となる。ありふれたものならDC25であり、より珍しいものならDC30もしくは35となる。この識別には1分かかるが、その物質を破壊することはない。この瓶で識別された毒は判定の中で解毒剤に変化し、その過程で毒は失われる。この解毒剤はこの毒の影響を受けているクリーチャーの毒を自動的に治療する上、以後24時間、この特定の毒の影響に対して
完全耐性を提供する。解毒剤はこの瓶の中にある間と、瓶から外に出て1分間だけ安定している。
〈製作〉判定の一部としてこの瓶を使用する際に神話パワーを1回分消費することで、使用者は錬金術アイテムや毒を作成する際に必要となる素材のコストを半分にすることができる。錬金術の香油を作成する際にこの効果を適用することはできない。
破壊方法
ハーメスティック・フラスクは
フィロソファーズ・ストーンにより作られたものを識別する際に使用すると破壊される。この愚かな行為により瓶は強大な爆発とともに砕け、半径30フィート拡散の範囲に25d6ポイントの[火炎]ダメージを与える。この実験を行っていた人物はセーヴィング・スローを行うことはできない。他の犠牲者はDC30の反応セーヴに成功すればダメージを半減することができる。
フォーチュンズ・アロー
この
+3シーキング・アローを運搬している間、使用者はセーヴィング・スローと技能判定に+2の幸運ボーナスを得る。使用者は、この矢で攻撃したいかなる種別の得意な敵に対しても、得意な敵による攻撃ロールとダメージ・ロールに対するボーナスを倍にする。
全ラウンド・アクションを用いてこの矢を用いて1回の射撃を行う際、使用者はこの攻撃に因る全ての射程に因るペナルティを無視する。この攻撃において神話パワーを1回分消費すると、この攻撃が命中すると自動的にクリティカル・ヒットが確定し、目標が持つ全ての
ダメージ減少を無視する。
フォーチュンズ・アローは探すといつでも取り戻せる。失われても、以前の持ち主が生きている限り1d6日以内にその手元に戻ってくる。フォーチュンズ・アローは持ち主が死ぬか、他の人に自発的に渡されると戻ってこなくなる。
破壊方法
フォーチュンズ・アローは最も純粋な秩序の中心にある純粋な混沌の深奥の中に打ち込まれると破壊される。
ブラック・アイアン・アックス
神話クリーチャーがこの鈍い黒色の合金でできた
+6キーン・ヴォーパル・グレートアックスを使って敵の首を落とす際、この斧の頭部で無数の奇妙なルーンが光る。
ブラック・アイアン・アックスの使用者はこのアーティファクトで刎ねた首を所有でき、それらを神話パワーの貯蓄器として使用することができる。この斧の使用者は全ラウンド・アクションとして神話パワー1回分をその頭部に注ぐことで後にそれを使用できる。1d6日が経過すると、切断された頭部は腐り使い物にならなくなる。頭部に神話パワーを収めたクリーチャーだけが、その中に保持されたパワーを使用することができる。保持されたパワーを使用するには、使用者は物理的に頭部に接触しなければならない。頭部の重量は各10ポンド。
破壊方法
神話級の英雄が自分の頭部をはねるためにブラック・アイアン・アックスを使用すると、このアーティファクトは全ての魔法特性を失い、平凡な鋼鉄製の斧になる。ブラック・アイアン・アックスが破壊された後も、神話パワーの使用回数は効果を受けた頭部の中に残ったままである。
ブルロアラーズ・オヴ・アウトバースト
これら5枚の長方形をした木の板は5インチから約1フィートほどの長さがあり、それぞれ1ポンドの重さがある。指よりも分厚く削り出されているものはなく、それらの側面は薄くなっていき端は切れ味の悪い刃になっている。それぞれには原初の原典を思わせる複雑な線対称の意匠が細かく施されている。刃の頭部にある穴を通って板をつないでいる1本の長い紐のお陰で使用者はこの刃を弧を描くように回すことができる。そうするとこの板は奇妙な振動と共に低い唸るような音を立てる。この音は数マイル離れたところからでも聞くことができる。
神話クリーチャーの手にあるとき、回転しているこのうなり板は強力な音波を作り出し、その音は触れた者に奥底からの感情的な反応を引き起こさせる引き金となる。神話クリーチャーは一度に2枚までのうなり板を回転させることができる。それぞれを何物にも占められていない手で持っていなければならない。2枚を超えるうなり板を回転させると耳障りな音を立て、それぞれの効果を互いに打ち消してしまう。浸透する音波は聞かれなくとも効果を発揮するが、[精神作用]効果に
完全耐性を持つクリーチャーには効果を発揮しない。
このうなり板は半径60フィート+使用者の持つ階梯毎に追加で10フィート内にいる神話クリーチャーと、その倍の範囲内にいる非神話クリーチャーに効果を及ぼす。この効果はこのアーティファクトの所有者がこのうなり板を回している限り、最大で所有者の神話階梯に等しいラウンドまで効果を及ぼし続ける。個々の刃とその能力は以下の通り。
恐怖の刃/Blade of Fear:効果範囲内にいて音を聞くことのできる全ての敵は、
フィアー呪文の効果を受けたかのように
恐れ状態になる。
激怒の刃/Blade of Rage:効果範囲内にいて音を聞くことのできる全ての敵は、
レイジ呪文の効果を受けたかのように怒る。
絶望の刃/Blade of Despair:効果範囲内にいて音を聞くことのできる全ての敵は、
クラッシング・ディスペア呪文の効果を受けたかのように悲しみに包まれる。
懲戒の刃/Blade of Castigation:範囲内にいる全ての敵は、
キャスティゲイト呪文の効果を受けたかのように膝を折る。
破壊方法
使用者が巨大な竜巻の目の中にいる間に5つ全てのうなり板を同時に回すと、このうなり板は一斉に砕け散る。
フレッシュフック・オヴ・ミシック・サステナンス
この肉用釣り鈎は古代の儀式用のアーティファクトで、料理用の鍋から神聖な宴用の肉を供するために高司祭が用いていた。この4フィートの長さがある木の棒に、白鳥の雛とカラスが精巧にエッチング加工された金属製の帯が3つ巻かれている――底部に1つ、中央に1つ、1つは頭部に巻かれており、4つの鋭いフォークの歯に別れる形になっている。古代の宴の儀式を再現する場合、それには10分が必要で、神話クリーチャーはこの肉用釣り鈎を使用して、自分の神話パワーをこのフォークで供した肉に注ぎ込まなければならない。出された肉の欠片それぞれによって、使用者は神話パワーを1回分ずつ、その肉を食べたクリーチャーに転送することができる。
神話クリーチャーが食べると、この肉は神話パワーの使用回数を1回分補充する。非神話クリーチャーが食べると、このクリーチャーは24時間の間神話パワーの使用回数を1回分得る。非神話クリーチャーが神話パワーの使用回数を保持している限り、呪文や効果においてこのクリーチャーは神話クリーチャーと見なされ、
基本神話能力の
殺し難きものと
活性を得る。神話パワーの使用回数を消費すると、そのクリーチャーはこれらの能力を失い、神話クリーチャーとは見なされなくなる。
破壊方法
腐った神話クリーチャーの肉を強力な
来訪者に供するために使用されると、
フレッシュフック・オヴ・ミシック・サステナンスは折れて使い物にならなくなる。
リング・オヴ・イクリブリアム
リング・オヴ・イクリブリアムは木製の指輪で、樫の木の中心部を丁寧に彫り込んだものだ。精緻なルーンで飾られており、完璧な円形かつ線対称で、なめらかになるように磨かれ仕上げがされている。指にはめると適切なサイズになる。
この指輪は自らの意思を持つと言われている。しかしそうだとしても、この指輪は明確な意志を示したりはしない。この指輪は強力な個性を持つ使用者――強い道徳観念を持つもの、善や誇りの例示となるもの、道徳観念が全くないもの、考えうる限り卑しく邪な魂を持つもの――を好む。この指輪はとりわけ神話クリーチャーを好み、強力な個性を持たないクリーチャーや非神話クリーチャーの指にはめられることをしばしば避ける。
この指輪は生きている限り特別な力を持たない。しかし使用者が死亡するか、指輪が価値があると判断した死んだクリーチャーの指に収まると、使用者の死体と装備はそのままだが、指輪は完全に消えてしまう。24時間以内に、可能な限り使用者が死んだ場所の近くで1本の木が成長する。次の日に木は中心で裂け、空洞が現れる。その中には着用者が傷ひとつ無い完全な姿で蘇生しており、その指にはこの指輪がはめられている。使用者が安全でない場所で死亡した場合、この木は使用者にとって比較的安全な場所で可能な限りその場所に近いところに姿を見せる。
この再誕には代償がある。使用者は、自分と同時に生まれた別の存在――使用者が善であるのと同程度に卑劣な(逆も同様)、対立属性の存在――が、この世界のどこかにいるという、ある自覚を得る。この対立存在は、使用者と大体同じレベルと同じ能力を持っている。使用者は他の要素は一切分からない。使用者が分かるのは存在しているという事実と、望むこと――犯罪あるいは善行の実践――を行うということだけだ。この対立存在は常に、可能な限り使用者から距離を置く。使用者が再び死んだときに対立存在が死んでいなければ、使用者は再び復活し、元々いたものとは別の対立存在が同時に現れる。この指輪が捨てられるかどこかに行ってしまうまで、この繰り返しはいつまでも続く。
破壊方法
対立存在がまだ健康で生きている内に使用者が身につけている状態で自殺すると、リング・オヴ・イクリブリアムは破壊される。
ロッド・オヴ・スペル・サンダリング
この3フィートの長さがあるアスペン材でできたロッドには、守護と防御術の秘文が刻まれている。両端にはなめらかな銅製の球が付けられている。このロッドを手にしている間、使用者は半径120フィート以内で発動された全ての呪文(および使用された
擬似呪文能力)に、たとえその術者をそれ以外では認識できなくとも自動的に気付く。呪文完成型のアイテムや呪文解放型のアイテムによる呪文発動も、同様に自動的に気付く。使用者は直ちに発動された特定の呪文、魔法のアイテムによるものか否か、そのレベル、術者レベル、そして秘術呪文か信仰呪文かを知ることができる。
ロッド・オヴ・スペル・サンダリングの使用者が呪文を相殺する際、準備している呪文の中から、相殺呪文レベル以上の呪文1つを使用することで、相殺に適した呪文を発動したかのように相殺することができる。呪文を相殺した後に割り込みアクションとして、このロッドの使用者は神話パワーを1回分消費することで、術者にこの呪文を反射することができる。反射するためには、(その呪文が効果線を必要としない場合でも)このロッドの使用者と術者との間に効果線がなければならない。適切な形になるよう、術者をこの呪文の目標、中心、もしくは起点と見なす。この杖の使用者が術者としてこの呪文が発動されたと見なす。ロッド・オヴ・スペル・サンダリングのこの力は呪文を増強し、セーヴィング・スローのDCを2だけ増加させ、呪文の術者レベルを使用者の階梯だけ増加させる。
武器として使用すると、
ロッド・オヴ・スペル・サンダリングは高品質のライト・メイスとして機能する。攻撃に成功すると、この武器は攻撃したクリーチャーを目標として
グレーター・ディスペル・マジックを使用する。この術者レベルは使用者のキャラクター・レベルと神話階梯を合計した値に等しい。ロッドを使用した近接接触攻撃に成功することでも、この効果を与えることができる。
破壊方法
1年と1日の間、全ての魔法が及ばない範囲の中に置かれると、
ロッド・オヴ・スペル・サンダリングは破壊することが可能になる。この後に、アーティファクトに
メイジズ・ディスジャンクションを使用することで自身の力を失った、かつて少なくとも5レベル呪文を発動する能力を持っていた呪文の使い手の膝によって破壊されなければならない。
全てのアーティファクト中でも最も素晴らしいものは唯一無二のアイテムである。最も強力な存在が求め、世界全ての行く末すら変えることができる。それぞれの上級アーティファクトは1つしか存在しない。それらの最も弱いものでさえ、全てのキャンペーンのバランスを変えることになるだろう。上級アーティファクトは簡単には破壊されない――それぞれが唯一の存在であり、破壊には特別な意味があり、それは説明文に記載されている。
アポカリプス・ボックス
この黒い木製の箱は、小さく無味乾燥だ。この箱は多次元宇宙の中で不規則に現れ、偉大な英雄、強欲な支配者、自暴自棄の(そしてしばしば道徳的な大望のある)定命のものに惹きつけられる。時々、棚の上にあった埃まみれの古びた箱や、祖父の屋根裏に置かれた忘れられた家宝といった形で、アポカリプス・ボックスはさりげなくその姿を見せる。アポカリプス・ボックスを見たクリーチャーはほとんど欲望に圧倒されるような興奮に打ちのめされる。DC30の意志セーヴに成功しなければ、強制的にこの箱に触れてしまう。これは[精神作用](強制)効果である。アポカリプス・ボックスに触れたクリーチャーはもう一度DC30の意志セーヴを行わねばならず、失敗するとこの箱の呪いの支配下に入る。呪われたクリーチャーは、この箱が他人の手に渡ることがないように、いかなる手段でも――それは友や愛するものから逃げたり、殺したりといったことを含む――取るように強制される。この呪いは呪われたクリーチャーが死亡するか、この箱が破壊されるまで解除されない。加えて、箱から10フィート以上離れると、呪われたクリーチャーは直ちに1d4ポイントの【判断力】ダメージを受け、アポカリプス・ボックスの元に戻るまで、毎日1d4ポイントの【判断力】ダメージを受ける。
アポカリプス・ボックスの呪いに侵されているクリーチャーだけが、この箱を開けることができる。1日1回、呪われたクリーチャーはこの箱を開け、心から望むアイテム1つを取り出すことができる。このアイテムは魔法のアイテムであってはならず、50ポンド以上であってはならず、50,000GP以上の価値があってはならない。しかし、それ以外には
ウィッシュ呪文の項に記載されている制限しか受けない。神話クリーチャーは神話パワーを2回分消費することで、1日に2個目のアイテムを取り出すことができる。
アポカリプス・ボックスが開かれるたびに、
ウィッシュに記載されている効果が発動するのではなく、恐ろしいモンスターを何体か招来する可能性が50%の確率だけ存在する。これらのモンスターは視界に入ったものを誰であれ直ちに攻撃し、出身次元界に戻るまで1週間の間物質界に大惨事をもたらす。以下の表5-1をロールし、現れるモンスターを決定すること。
アポカリプス・ボックスは誰かの欲望に強く執着し、自分を開かせようとする。毎日、呪われたクリーチャーは意志セーヴに成功しなければこのアイテムを開かされてしまう。これは[精神作用](強制)効果である。セーヴDCは最初は20だが、このアイテムを開けない1日ごとに2ずつ増加する。この増加は呪われたクリーチャーが意志セーヴに失敗するまで続き、失敗した時点でセーヴDCは20に戻る。
破壊方法
この箱に呪われたクリーチャーがアポカリプス・ボックスによって喚び出されたモンスターを1日に3グループ倒した後、エインシャント・ゴールド・ドラゴンの爪の下に組み敷かれると、アポカリプス・ボックスは破壊される。箱を壊す行為によって即座にこのゴールド・ドラゴンは死亡し、神の介入を除いて蘇生することはできない。
アポカリプス・ボックスのモンスター
エンペラーズ・マンモス
この奇妙な人造の乗物は、人が乗るためのかごが背中に添え着けられた巨大な木製のマンモスに見える。エンペラーズ・マンモスは縄、金属、木、骨で飾られており、立っている時の肩までの高さは15フィート近く。長く曲がった木製の牙が4本、この巨大な頭部から生えており、皮と木で包まれた金属板20枚でその分厚い胴体が作られている。
このマンモスは黄金の冠によって自律し制御することができる。しかし、王冠の使用者がこの乗物を自律させ制御するためには、少なくとも神話パワーを1回分保持していなければならない。起動すると、このマンモスは金属製、
締めつけ、
蹂躙、
つかみ能力を持つ超大型の
アニメイテッド・オブジェクトのデータを持つ。
王冠の使用者がマンモスを起動している間に神話パワーを使い切ると、使用者はマンモスの制御を失い、マンモスは以降5d10ラウンドの間暴れ回る。暴れ回った後、マンモスは不活性な状態となり、再び起動されるまで移動することはなくなる。
破壊方法
王冠を価値のない
ゴブリンのごみ漁りの頭に置くと、
エンペラーズ・マンモスは数多の欠片に砕け散ってしまう。
シャドウレイス・ハート
この奇妙な形をした真っ黒な岩には、深い紫の縞模様が筋状についている。実は遥か昔の神話級の英雄の心臓が石化したものだ。何百年の後、心臓は護符、スタッフの頭部、メイスの頭部として姿を現した。その形態にかかわらず、シャドウレイス・ハートの機能は同じである。心臓は最も近くの神話パワーの発生源――クリーチャーか場所かに関わらず――を探し当て、発生源がもたらされるとその力を貪り食う。神話クリーチャーが半径60フィート以内にやってくると、このアイテムはそのクリーチャーの神話パワーに寄生し始める。神話クリーチャーが効果範囲内にいるならば、毎ラウンドそのクリーチャーはDC25の頑健セーヴを行い、失敗すると神話パワーを1d4回分失う。心臓が神話クリーチャーが持つ神話パワーの1日の使用回数を全て吸い尽くしたら、そのクリーチャーは1神話階梯を失う。この階梯の喪失は半ば永続であり、このクリーチャーが試練1つを成功裏に完遂するまで続く。
破壊方法
シャドウレイス・ハートを瀕死状態の神話級の英雄に埋め込むとこの心臓は再度動き出す。この英雄は
ヒール呪文(術者レベル15)のように回復するが、この英雄は全ての神話階梯を失う。
シルヴァー・メイデン
(
Silver Maiden/銀の処女号)
装備部位 なし;
術者レベル 30レベル;
重量 500米トン;
オーラ 圧倒的・防御術および変成術
きらきらと光を放つ銀灰色の帆を持ち、簡単に物質界を出入りする傾向のあるこの星間旅行用の船は、しばしば幽霊船と勘違いされる。非神話クリーチャーがこの船に旅行者として乗り込むこともできるが、シルヴァー・メイデンには船長となる神話クリーチャーが1人必要だ。船長がこの船にいない場合、神話キャラクターはこの船の操舵輪に触れ、船長になりたいと宣言して船長になることができる。その後、船長は死ぬか自発的に退役するまでその任を続ける。船長を引き受けるとこの船の力に全て気づく。以後船長は、地球型の惑星の外洋を渡ったり、深遠なる空間の広大なる闇を通り抜けたりして、この船に乗って他の力を借りること無く船を推進させることができる。
回数無制限で、船長は神話パワーを2回分消費することで、
シルヴァー・メイデンを外宇宙へと出発させることができる。この宇宙に行くと、この船は信じられない速度で真空内を運航することができる。正確な旅行時間は一定ではないが、太陽系にある2惑星間を移動するには2d20日かかり、他の星系に移動するには2d20週(もしくはGMの判断によりより長く)かかる。船長は移動したい世界について(
グレーター・テレポートを発動するかのように)知っていなければならない。船が目的地に到着すると、(
フェザー・フォール呪文のように)ゆっくりと惑星表面(一般に大部分が水の場所)に着地する。一度着地すると、この船は通常の帆船のように移動する。惑星に水や同等の液体がない場合、この船は硬い地面に着陸し、船長がもう一度船を宇宙空間に戻すために起動するまで移動することはできない。
シルヴァー・メイデンは外方次元界を航行することもできる。回数無制限で、船長は神話パワーを3回分使用することで、まるで
プレイン・シフト呪文のように他の次元界にこの船を転送することができる。この船が他次元界に到着すると、船長が意図した目的地から1~100マイル離れた場所にある水もしくは類似の液体で覆われた領域に姿を現す。(地の次元界のように)この次元界に水が一切ない場合、この船は固い地面の上に姿を現し、船長がこの船を他の次元界に転送するまで移動することはできない。風の次元界のように、この次元界に水も硬い面もない場合、船長がこの船を他の次元界に転送するまで、この船は(
フェザー・フォール呪文のように)ゆっくりと落下し続ける。
シルヴァー・メイデンは乗客を深宇宙や外方次元界の環境による危険から守る上、星の表面にある溶解した面であっても航行することができる。この船は常に、現在の船長の出身世界における通常の重力と快適な温度を保つ。この守護はこの船から10フィート離れたところにまで及ぶ。
破壊方法
船長がこの船をブラック・ホールの中に航行すると、シルヴァー・メイデンは破壊される。
セプター・オヴ・ザ・シャイニング・ロード
黒翡翠1つで作られたこの3フィートの長さの笏の取っ手はT字型で、角のついたワニの頭部に似た形に曲げられている。この笏のもう一方は鍵留めの形に曲がっていて、革紐がついている。この革紐には小さな銅製の鈴が4つ繋がれている。鈴はそれぞれ統治に関連した4つの概念である権力、追放、支配、幽閉を表している。
この笏を装備しようとするものは、このアーティファクトに神話パワーを1回分、永続的に捧げることで最初の絆を結ばねばならない。その後、使用者はこの絆を維持するために神話パワーを1回分消費したままにしておかなければならない。使用者が全ての神話パワーを消費すると、この絆は途切れ、再度所有者としての絆を結ぶまで、この人物はこの笏の力を使用することはできなくなる。
絆を結ぶと、この笏は
+6ブリリアント・エナジー・ライト・メイスとして機能する。加えてこの笏は使用者の【魅力】能力値に+4の強化ボーナスを与える。さらに、使用者は神話パワーを1回分消費して笏の鈴を鳴らすことで、以下の効果を引き出すことができる。
- 使用者は権力の鈴を鳴らすことで、非神話クリーチャー全てを対象としたコマンドを発動することができる。
- 使用者は追放の鈴を鳴らすことで、ディスミサルを発動することができる。この効果は使用者の合計クラス・レベル+階梯より脅威度が3以上低い、非神話クリーチャー全てを対象とする。
- 使用者は支配の鈴を鳴らすことで、非神話クリーチャー全てを対象としたサンクチュアリを発動することができる。
- 使用者は幽閉の鈴を鳴らすことで、フォースケージを発動することができる。この効果は使用者の合計クラス・レベル+階梯より脅威度が3以上低い、非神話クリーチャー全てを対象とする。
これら4つの効果の術者レベルは、全て使用者の合計キャラクター・レベル+階梯に等しい。鈴を鳴らす際、使用者は神話パワーを追加で1回分消費することで、この
擬似呪文能力のセーヴィング・スローのDCを10だけ増加させることができる。
最後に、使用者はこの笏を使用して、使用者の民を守り擁護するために、神話級の代理人を定めることができる。そのようにするなら、使用者は1d4回分の神話パワーを神話級の代理人としたクリーチャーに、神話級であれば1ヶ月間の間、非神話級であれば神話パワーを使い切るまで与えることができる。代理人が神話級の場合、これらのポイントは代理人の神話パワー使用回数の上限を1ヶ月間増加させる。代理人が非神話級の場合、少なくとも神話パワーを1回分保持している限り、代理人は
基本神話能力の
殺し難きものと
活性を得る。
破壊方法
使用者が非神話級の女王、王、その他の支配者を代理人に指名すると、セプター・オヴ・ザ・シャイニング・ロードは爆発する。これによりこの笏の使用者は死亡し、この為政者は神話級となる。
ターンヘルム
(
Tarnhelm/ターンヘルム)
装備部位 頭部;
術者レベル 20レベル;
重量 2ポンド;
オーラ 強力・召喚術、幻術、および変成術
このミスラル製の兜には目と鼻を守るための派手な覆いが付いている。この兜は狂った兄に脅されたドワーフの鍛治が、兄の野望を押し進めるために作られた。ターンヘルムは以下の能力を持つ。
- 使用者は(変身生物)の副種別を得る。
- 使用者は(ポリモーフ)効果に対する完全耐性を得る。ただし自分が効果を受けることを選択した場合は除く。
- 回数無制限で、使用者は擬似呪文能力としてグレーター・インヴィジビリティを使用できる。この効果は使用者が望む限り持続する。
- 回数無制限で、使用者はハット・オヴ・ディスガイズのように自身の外見を変えられるが、この幻術を看破するために必要な意志セーヴのDCは25である。変装用の姿を作り出すためにターンヘルムを使用している場合、使用者は〈変装〉判定に+25のボーナスを得る。
- 1日3回、使用者はグレーター・テレポートを使用することができる。この効果はちょうど、使用者が同名の呪文を発動したかのように機能する。使用者は神話パワーを1回分消費することで、この瞬間移動を追加で行うことができる。
- 1日3回、使用者はビースト・シェイプIVを発動しているかのように動物の姿を取ることができる。ただしこの効果は、終了させるか解呪されるまで持続する。使用者は神話パワーを1回分消費することで、この変身を追加で行うことができる。
- 神話パワーを2回分消費することで、使用者は超巨大サイズのクロマティック・ドラゴンもしくはメタリック・ドラゴンの姿を取ることができる。この効果は終了させるか解呪されるまで持続する。使用者は【筋力】に+14のサイズ・ボーナス、【耐久力】に+12のサイズ・ボーナス、+10の外皮ボーナス、飛行速度150フィート(貧弱)、非視覚的感知90フィート、暗視180フィート、ブレス攻撃、DR15/魔法、畏怖すべき存在(DC23)、噛みつき1回(4d6)、爪2回(2d8)、翼による叩きつけ2回(2d6)、尾によるひっぱたき1回(2d8)を得る。ブレス攻撃は全て16d8ポイントのダメージを与え、反応セーヴ(DCは10+使用者の階梯+使用者の【耐久力】修正値)に成功すればダメージを半減できる。それ以外の点については、この能力はフォーム・オヴ・ザ・ドラゴンIIIとして機能する。
破壊方法
ターンヘルムはアダマンティン製ハンマーを持ったドワーフの鍛冶師と、鋼鉄製ハンマーを持った人間の鍛冶師と、糸ガラス製ハンマーを持ったエルフの鍛冶師によって、ハンマーによる攻撃が成功すれば破壊される。攻撃を命中させるにはDC30の
〈製作:防具〉判定に成功しなければならない。失敗するとハンマーは破壊され、
ターンヘルムを破壊しようとする試みは阻害され、鍛冶師は12d6ポイントのダメージを受ける。
ダイアデム・オヴ・ノッド
ダイアデム・オヴ・ノッドは細いプラチナ製のヘッドバンドで、大きく申し分のないカットがなされたダイヤモンドが使用者の額に置かれるように飾られている。寝る際、使用者は小さな夢の次元を作り出し、そこへ移動することができる。ちょうど
クリエイト・デミプレイン呪文のように、使用者は夢の次元の特性を選択することができる。夢の次元の中に入ると、使用者は覚醒しており、創造物を管理しているものと見なされる。この小さな次元界は7日間まで持続し、その後終了する。この髪飾りを再度使用するには、中でどれだけの時間をかけたかに関わらず、7日かけて再チャージしなければならない。
ダイアデム・オヴ・ノッドを使用する際、特別な危険が1つある。GMは使用者がこの髪飾りを使用するたびに、密かにDC20の意志セーヴをロールすること。失敗すると、使用者が作り出したものでなく使用者の制御下にもない不良変異がこの小さな夢の次元に加わったことを意味する。これは
アニメイト・ドリーム(
Bestiary 229)かもしれないし、エーテル界やアストラル界を出入りする任意の属性の他の
来訪者かもしれない。不良変異は敵対的であったり非協力的である必要はない。
破壊方法
使用者が別の小さな夢の次元の中で夢を作り出すために使用すると、ダイアデム・オヴ・ノッドは破壊される。このアイテムが作り出した夢の中から破壊することはできない。
トゥルーフォージ
(
Trueforge/真の鍛造器具)
装備部位 なし;
術者レベル 25レベル;
重量 500ポンド;
オーラ 圧倒的・変成術
この大きな金床はトゥルーフォージと呼ばれ、隕石から採れたアダマンティンで作られている。この金床は未知の気紛れ――もしかしたらより大きな力の気紛れ、もしかしたらこれ自身の気紛れ――に従って現れては消えていく。十分な力と知識を持つクリーチャーは、トゥルーフォージを特定の場所に固定化し、その力を用いて最高の利益を得ることができる。
トゥルーフォージを使って作業するには、卓越した技術と神話パワーの両方が必要となる。非神話クリーチャーはこの鍛治場を使用する間、
フィーブルマインド呪文(DC30)の効果を受け、例えセーヴィング・スローに成功してもこの鍛造器具の利益を得ることはできない。
トゥルーフォージで労働する際、神話クリーチャーは神話階梯の二乗×2,000GPまでのコストの魔法の武器と防具を、魔法的でないコストを無視して作り出すことができる。例えば、第10階梯のキャラクターは+10強化ボーナス(200,000GPとその武器自身の費用)までの魔法の武器を作り出すことができる。錬成されるアイテムはブレストプレートやスピアなど、少なくとも一部は金属でなければならない。このようなアイテムを作り出す際、原材料は通常の半分の費用しか必要としない。しかし、(アダマンティンなどの)珍しい材質を含むアイテムを作り出すには、使用者はこういった原材料を通常の分量だけ使用しなければならない。
含まれる原材料に関わらず、魔法のアイテムでない軽い武器、片手武器、盾、軽装鎧一揃いを作り出すには、1日の労働が必要となる。2日間労働すると、中装鎧一揃いか両手武器を作り出すことができる。3日間労働すれば、重装鎧一揃いを作り出すことができる。魔法的特徴を持つアイテムの場合、決定された合計GP価格を1,000で割り、その値の平方根を算出する。その値が必要な労働日数となる。例えば、144,000GPの価値がある魔法の特徴を持つアイテムを完成する際、12日の労働が必要となる。作成者はこのアイテムのために継続して働かねばならない。この鍛治場の魔法のお陰で作業が終了するまで寝ることもなく、覚醒したままで活力に溢れている。この労働が一度1時間以上妨害されるか、1日に2時間以上妨害されると、このアイテムは破壊され、原材料の半分が無駄になってしまう。
通常の武器と鎧、魔法の武器と鎧を作ることに加え、
トゥルーフォージは
破損状態の魔法のアイテムを修理することもできる。通常、修理には作成する際に必要となる日数の半分の時間がかかる。アーティファクトを修理したり作り出すことさえできるが、適切な材質を集めるため準備に数ヶ月が必要で、このアイテムを用いて数週間の労働がその後必要となる。
一度に1人だけが鍛治場で労働することができる。働いている間、トゥルーフォージは作成者の神話パワーと生命エネルギーを喰らい、作成しているアイテムに注ぎ込む。魔法的でないアイテムを作成する際には危険は少ない。作成者は毎日の開始にDC25の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると永続的な負のレベル2を得る。魔法のアイテムを作成する際、セーヴDCは25+今後働く日数に等しくなる。労働する毎日の朝に、作成者は神話パワーの使用回数を、これまでの労働日数に1を加えた回数分だけ消費しなければならない。
作成者が自分のキャラクター・レベルに等しい負のレベルを得たり神話パワーが枯渇したりすると、作成者はその日の終わりに致命的な影響を受ける。通常、これにより進行中の仕事は無駄になってしまうが、仕事の最終日にこの出来事が発生すると、アイテムの作成を完了すると同時に作成者は死亡する。使用者の魂はこのアイテムの中に入り、作成者の個性を持つ知性あるアイテムが作り出される――GMが望むなら、作成者の能力のいくらかを持つこともある。
生来の能力や魔法的な防護によってレベル吸収に対する
完全耐性を持つクリーチャーは、
トゥルーフォージを使用することはできない。
破壊方法
トゥルーフォージは、まずこのアイテムによって作られた全てのアイテムを破壊し、それからこの鍛造器具を
ハンマー・オヴ・サンダーボルツによる一振りで粉々にする事で破壊できる。
ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルース
善が偉大な英雄を必要とする時のみ、
ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは姿を見せる。このような英雄だけが、気概と正義を試す危険な試練を達成することができる。
ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは物体というわけではなく、使用者の頭部の周りにできた輝く天輪として顕現する。このアイテムは通常
コンティニュアル・フレイムのように光を放つが、戦闘においては
デイライトのような目映い輝きにまでその明るさを強める。その輝きは他の光や闇の発生源の効果を決定する際、9レベル呪文によるものであるかのように扱われる。このアイテムの輝きは標準アクションで抑制したり再開したりすることができる。
ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは【判断力】と【魅力】に+6の強化ボーナスを与える。この効果はこのアイテムを身につけた直後の24時間の間は、一時的能力ボーナスとして扱われる。使用者は故意に嘘を吐くことはできないが、このアイテムは真実の範囲内で欺き、回答を避け、不完全な回答を行うことを止めることはない。使用者の全ての肉体武器と使用者が身につけた全ての武器は、それらが善属性であるかのように
ダメージ減少を無視する。加えて、
ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは以下の能力を持つ。
- 使用者は回数無制限で半径40フィートにゾーン・オヴ・トゥルース(DC20)を放つことができる。神話パワーを1回分消費すると、DCは30に増加する。
- 割り込みアクションとして、使用者は神話パワーを1回分消費することで、自由の呼び声(解放の領域の力)の利益か、後光(太陽の領域の力)の利益のいずれかを2分間得ることができる。この力において、使用者はキャラクター・レベルに等しいクレリック・レベルを持つものと見なされる。使用者はフリー・アクションとしてこの力を終了させることができるが、使用されなかった持続時間は全て失われる。
- 1日7回、使用者は自分のキャラクター・レベルに等しい術者レベルを持つクレリックとして、キュア・モデレット・ウーンズを使用できる。使用者は回復するヒット・ポイントの値に神話階梯を加える。
- 1日3回、使用者はホーリィ・オーラ(DC25)もしくはホーリィ・スマイト(DC22)を使用することができる。
- 1日1回、使用者は正義の力の爆発を解き放つことができる。これは使用者を中心としたサンバースト(DC27)として扱うが、善属性のクリーチャーには一切効果を与えず、悪属性のクリーチャーには2倍のダメージを与える点が異なる。この力が使用されると、このアイテムは1時間の間目に見える輝きがほとんど失われ、使用者はこのアイテムが与える強化ボーナスを全て使用できなくなる。依然として使用者は嘘を吐くことはできない。
- 週に1回、使用者は神話パワーを1回分消費することで、リザレクションを使用することができる。
ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースの使用者は物理的なアイテムであるかのように自分から取り除くことができ、別のクリーチャーの頭部や自律していない物体の上にこのアイテムを置くこともできる。自律していない物体の上に置かれると、ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは手に取れるようになる。生きているクリーチャーの上に置かれると、使用者が意識的に選ばない限り取り除くことはできなくなる。
悪属性のクリーチャーが身につけると、このアイテムはそのクリーチャーに20d6ポイントのダメージを与え、その後無作為な方向に1d10×10マイル先まで瞬間移動する。しかし、使用者が身につけた後に悪属性になると、ニンバスはその力を保持し、使用者にダメージを与えることもない。属性を隠す効果のある定命のものの試み(神話能力も含む)によって、このアイテムが惑わされることはない。
破壊方法
かつて完全に善で罪もなかったが、今では邪悪で腐敗した悪の深みにはまってしまった人物の頭部に置かれると、ニンバス・オヴ・レイディアント・トゥルースは破壊される。
ネザーワールド・コールドロン
この巨大な釜は黒い鉄で鋳造されている。この釜は次元間を渡る門であり、強力な存在が神話級の定命の者と物々交換したり、やりとりしたり、堕落させようとしたりする場所である神話の冥府に続いている。この釜を起動するには、神話クリーチャーは自らの血をこの黒い釜に垂らし、自身の神話パワーを捧げなければならない。この傷で少なくとも4ポイントのダメージを受けると、この釜はその人物の神話パワーを1回分吸収する。起動すると、この釜は1d20+10分の間持続する、奇妙な赤い霧で満たされる。この間、神話クリーチャーはこの釜に入り、交差点に瞬間移動することができる。非神話クリーチャーがこの釜に入ると、よじ登って外に出るか死亡するまでの間、毎ラウンド4d6ポイントのダメージを受ける。
冥府は小さく、全体で一辺0.5マイル四方の広さだ。極めて変化しやすく、冥府の外見はそこで現在待つ
来訪者の意志に従い決定される。ある時間で
来訪者1体だけが冥府に住むことができる。冥府に住む実体の詳細はその実体の望みと同様頻繁に変わり、つまりGMの裁定に委ねられる。
冥府の時間経過は物質界の時間と同期していないため、神話クリーチャーは望む限り冥府に居続けることができ、そのクリーチャーは釜に降りた後、ほんの数分で釜から再び姿を現す。冥府は交差点で、全ての次元界に接している。
来訪者はどの次元界からでも入ってくることができるが、定命の存在は冥府から別の次元界へ移動することはできない。
破壊方法
ネザーワールド・コールドロンを用いて神話級の英雄を茹で殺しにしようとすると、このアイテムは破壊される。
プレイグブリンガー
プレイグブリンガーはアーティファクト、病気、悪意ある知性が捻じれてまじりあったものであり、発見されるというよりも感染するといった方が正しい。ひと度感染すると、
プレイグブリンガーは罹患者にこれより下級の病気全てに対する
完全耐性を与える。この
完全耐性にもかかわらず、罹患者は病気を蔓延させることができる。事実、その肉体は定命の世界に存在する無数の病気の培養室になる。ある病気にさらされる時、持ち主は感染を避けるためのセーヴィング・スローに自動的に失敗するが、病気の効果の一切を受けない。罹患者は病気に感染することに関して、自覚はしていないが数限りない病気の感染者になる。
加えて、プレイグブリンガーは以下の能力を与える。
- 罹患者は攻撃ロール、術者レベル判定、セーヴィング・スローに+2の不浄ボーナスを得る。
- 罹患者は半径30フィートに不死のオーラを放つ。この範囲内にいる罹患者を除くすべての生きているクリーチャーは、毎ラウンド2d6ポイントの負のエネルギーによるダメージを受ける。アンデッド・クリーチャーは高速治癒5を得る。この高速治癒は既に彼らが持っているものに累積する。このオーラは標準アクションにより、抑制したり再度発生させたりすることができる。
- 神話パワーを消費する必要のある能力を使用する一部として、罹患者は30フィート以内にいる神話クリーチャー1体を目標とすることができる。そのクリーチャーがDC23の頑健セーヴに失敗すると、その目標は(コンテイジョンのように)無作為な病気1つに罹患し、神話パワー1回分が盗まれ罹患者に与えられる。神話パワーを盗むのに失敗すると、罹患者は通常使用する神話パワーの2倍を消費しなければならず、そうしない場合能力は使用できない。
- 罹患者は回数無制限で、コンテイジョンを8レベル呪文(DC23)に呪文レベル上昇して使用することができる。
- 罹患者は1日3回、《呪文威力強化》したヴァンピリック・タッチを使用することができる。
- 即行アクションとして、罹患者は神話パワーを1回分消費することで、スペル・レジスタンス、ディヴァイン・パワー、そしてデス・ウォードの利益を得ることができる。この効果は階梯毎に1ラウンド持続し、解呪されない。
- 1日1回、罹患者は神話パワーを2回分消費することで、1時間の間自分のために尽力するナイトウィングを招来することができる。このナイトウィングが死亡すると、1週間の間新しいナイトウィングを招来することはできない。
プレイグブリンガーには知性があり、【知力】15、【判断力】10、【魅力】20を持つ。その属性は中立にして悪で、共感により意志を通わせ、自我値は30である。このアイテムは病気を蔓延させ、苦しみの源泉となるためだけに存在する。罹患者が願えば、守護し援護する。感染している罹患者が目的の達成を拒むなら、その能力を抑制し罹患者を操ろうとする。プレイグブリンガーは罹患者のターンにおいて、接触する必要のない自分の能力を起動するために、1回の標準アクションもしくは1回の即行アクションを行うことができる。このアイテムは1日に神話パワーを5回まで消費することができる。罹患者を支配すると(Pathfinder RPG Core Rulebook 535)、このアイテムは罹患者が持つ神話パワーを使用することができる。
罹患者に感染すると、このアイテムは罹患者の感覚全てを扱うことができる。このアイテムは120フィートの有効距離がある
暗視と
非視覚的感知を備える。罹患者がいないとき、
プレイグブリンガーは限定的にしか覚醒しておらず、聴覚と30フィートの有効距離まで届く
非視覚的感知しか備えていない上、視覚を持たない。罹患者に感染していない場合、
プレイグブリンガーは非常に小さなサイズであるため通常の感覚で識別することはできないが、
ディテクト・イーヴルはその存在を明らかにする。このアイテムは30フィートの移動速度で飛行することができ、身体に入ることで新しい罹患者に感染することができる。目標がDC30の頑健セーヴに失敗すると、
プレイグブリンガーは感染し、そのクリーチャーはこのアーティファクトの力を使用できるようになる。目標がセーヴに成功すると、
プレイグブリンガーは同じ目標に対しては1ヶ月の間再度感染を試みることはできない。
プレイグブリンガーは支配しそこから離れることにした場合、罹患者から出ていくことができる。出ていくと直ちに、罹患者は複数の
コンテイジョンの効果を受ける(DC30)。それぞれの病気はこの呪文に記載されている。
破壊方法
破壊するには、
プレイグブリンガーはまず
エンジェルの肉体に(強制にせよ騙されるにせよ)入らなければならない。その後、
エンジェルは喜んで犠牲になり、星の中心部で死ななければならない。
フローズン・ハート・オヴ・コキタス
一見すると、この物体は固く暗い色をした大まかに卵型をした岩である。さらに近づいて調べれば、実際は
人型生物の心臓であることが明らかになる――凍ったように固く頑丈で、滑らかな氷に覆われている。掌で握ると脈打つように感じるが、この器官を見ても動いても形を変えてもいない。一説にはかつて
ゲルゴンの心臓であったとされ、昔は人間の心臓であったとも言われる。このアイテムを凝視するとその表面は暗い氷で糊塗され、監視者の目を泳がせる。持ち主がこのことを学ぶと、この心臓は
テレパシーを備えた
クリスタル・ボールとして機能する。
この心臓には、より邪悪な隠された能力がある。訓練により、神話クリーチャーはこの心臓を用いて単に個人についてだけではなく、居住地や都市全体を念視することができる。そうする場合、使用者の精神はその地域の情報で満たされる。まずこの知識には、人口規模、地域経済、農作物、指導者、この地で信仰されている人気のある神格に関する情報が含まれる。
使用者は見続けたいという強い欲望を抱く。もし飲食を除いて他の妨害を受けることなく見続けると、この情報は衰えることなく継続される。1d10日を超えて見続けると、心臓はさらに多くの情報を明かしてくれる。小さな組織、宗教、この居住区の経済的な影響力。指導者の強みと弱み。そしてありふれた人やこの地の権力を操り強請ろうとする邪悪な人々の多くの秘密の全て。この時点で、心臓は新しい使用者と意志を通わせ始める。その中で、心臓はより高い社会的地位、富、この地の権力を持ち主にもたらすであろう行動を示唆する。この心臓の助言はほとんどいつでも聞こえているが、いつも不幸で邪悪な結果が誰か――必ずしも使用者にとってというわけではない――にもたらされるものだ。使用者が助言に従うことを拒むと、最終的にこの心臓は姿を消し、もっと操りやすい人形を探す。
心臓の命令に決して疑問を抱かなかったり、知識の贈り物を断ることのないものは消えてしまうのだと、伝説は示唆している。この心臓の出身地である何よりも冷たい場所に至ってしまうのだと。
破壊方法
この心臓をエリュシオンの次元界に運び、
アザータの居住区にある温水に丸一日浸しておかなければならない。一度溶けるとこの心臓は鼓動し始める。その後同意した
ブリジディーンが口づけすると、この心臓は爆発し塵に変ずる。
レジェンズベイン
(
Legendsbane/伝説殺し)
装備部位 なし;
術者レベル 20レベル;
重量 1ポンド;
オーラ 強力・死霊術
この
+6キーン・スピード・アダマンティン製ダガーは、神々と選ばれた定命の英雄の抵抗の中で作られた。すなわち、
レジェンズベインは神話クリーチャーを殺すために作られたのだ。
レジェンズベインは全ての種別の
ダメージ減少を無視し、神話クリーチャーと
DR/エピックを持つ非神話クリーチャーに3d6ポイントのダメージを与える。この追加ダメージはクリティカル・ヒットの際に増加する。
非神話キャラクターは
レジェンズベインを通常通り装備することができる。しかし神話キャラクターが初めてこのダガーを装備しようと試みるとDC25の頑健セーヴを行わねばならず、失敗すると
ディストラクション呪文の効果を受ける。生き延びると、神話キャラクターはこのダガーを通常通り装備できるようになる。
レジェンズベインは使用者が今まで狩った神話クリーチャーを追跡する能力を使用者に与える。回数無制限で、使用者は自分が知っている特定の神話クリーチャーを見つけるために
ロケート・クリーチャーを発動することができる。
破壊方法
殺された第10ランクの神話クリーチャーの血によって清められ、
ヴォーパル武器で3回攻撃されると、
レジェンズベインは破壊される。この行動により、
ヴォーパル武器もまた破壊される。
最終更新:2021年11月06日 02:09