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ローグ Rogue

 戦闘中、ローグの多彩な技能と技は第一線で戦うのに不可欠な支援となる。ローグは一部のクラスのような純粋な武力に欠ける一方で、技と毒を用いた悪賢い戦術、そしてもちろん可能な限りの挟撃と壊滅的な急所攻撃を解き放つことによりそれを補う。ここで提供されるアーキタイプと新しいローグの技は若干積極的なローグを表し、戦闘に向けて備え、戦闘中の同志を支える多くの技能セットを含んでいる。これらの新しい技とアーキタイプの多くは繊細さと口の上手さよりも直接的な行動により多くを頼っている。

 ローグの技:前提条件を満たすいずれのローグも以下の新しいローグの技を取得することができる。技に特記されていない限り、ローグは1つの技を複数回取得することはできない。アスタリスク(*)の付された技はローグの急所攻撃に影響する。これらの技は個々の攻撃に1つしか適用することができず、ロールを行う前に決定しなければならない。

 息こらえ(変則)/Hold Breath:この技を取得したローグは息を止めていられるラウンド数が2ラウンドだけ増加する。この技は複数回取得できる。

 火器訓練(変則)/Firearm Training:この技を取得したローグは《特殊武器習熟:火器》を得る。

 隠し玉*(変則)/Underhanded:この技を取得したローグは武器を隠すための全ての〈手先の早業〉判定に+4の状況ボーナスを得る。さらに、不意討ちラウンド中に隠蔽した武器を使用してそのことに気づいていない相手に急所攻撃を行う場合、ローグはその急所攻撃のダメージをロールせず、その急所攻撃は最大のダメージを与える。ローグは隠し玉の技を1日に自身の【魅力】修正値に等しい回数までしか使用できない(最低0)。

 壁登り(変則)/Wall Scramble:この技を取得したローグは〈登攀〉判定を行う際に2回ロールを行い、その2つのロールの良い方の結果を取ることができる。既に他の能力か効果により〈登攀〉判定の際に2回ロールを行う場合、ローグは代わりにそれらのロールの双方に+2の洞察ボーナスを得る。ローグが2回ロールして悪い結果を取る呪文か能力の影響下にある場合、〈登攀〉判定の際には1回しかロールする必要はない。

 気概(変則)/Grit:この技を取得したローグは《素人ガンスリンガー》特技と選択した気概特技1つを得る。選択する気概特技の前提条件は満たしていなければならない。ローグは火器訓練の技を取得していなければこの技を選択できない。

 気プール(変則)/Ki Pool:この技を取得したローグは小さな気の貯蔵庫を持つ。このプールはニンジャのプールと同様だが、ローグのプールはいかなる追加攻撃も与えない。ローグは自身の【判断力】修正値に等しい数のポイントを得る(最低1)。これらのポイントは毎日のはじめに回復する。既にプールを有しているか、後からプールを取得した場合、ローグは自身の【判断力】ボーナスの半分をボーナスポイントとしてプールに得る(最低1)。ローグは1ポイントのポイントを費やして、自身のターンの終了時まで移動速度に+10フィートのボーナスを得ることができる。

 器用な掌(変則)/Deft Palm:この技を取得したローグは注目を受けている場合でさえ、ありふれた風景のように見せかけて保持した武器を隠すための〈手先の早業〉判定を行うことができる。

 深遠な学者(変則)/Esoteric Scholar:1日に1回、この技を取得したローグは未修得の場合でさえ〈知識〉判定を試みることができる。

 力強い泳法(変則)/Strong Stroke:この技を取得したローグは〈水泳〉判定の際に2回ロールを行い、良い結果を取ることができる。既に他の能力または効果によって〈水泳〉判定を2回ロールしている場合、ローグは代わりにそれらのロールの双方に+2の洞察ボーナスを得る。ローグが2回ロールして悪い結果を取る呪文か能力の影響下にある場合、〈水泳〉判定の際には1回しかロールする必要はない。

 地形体得(変則)/Terrain Mastery:この技を取得したローグは同名のレンジャー能力と同様の得意な地形1つを得るが、得意な地形はレンジャー能力のようにレベルに応じて増加しない。ローグはこの能力を複数回取得することができ、そのたびに新しい地形1つにこれを適用する。(更新

 鉄の胃(変則)/Iron Guts:この技を取得したローグは鋼鉄製の胃を持っているか、あるいはそのように自身を訓練をして毒、とりわけ摂取毒に耐える。ローグは摂取毒に対する全てのセーヴに対して+1のボーナスと、ローグに吐き気がする状態あるいは不調状態を引き起こす全ての呪文および効果に対するセーヴへの+4のボーナスを得る。

 逃走の名人(変則)/Getaway Artist:この技を取得したローグはクラス技能リストに〈騎乗〉〈動物使い〉〈飛行〉を加え、全ての操縦判定に+2のボーナスを得る。

 縄使い(変則)/Rope Master:この能力を有するローグはロープを使用した〈登攀〉判定を行うとき、通常の移動速度で移動することができ、狭い表面を移動する〈軽業〉に危険であるか気がそらされている場合でさえ出目10を使用することができ、またクリーチャーを拘束するときに拘束から脱出するための DCを決定する際に+4のボーナスを得る。

 忍術(変則)/Ninja Trick:この技を取得したローグは忍術リストから忍術1つを選択する。ただし、ローグは選択自体は可能だが、プールを有していない限り、ポイントを必要とする忍術は使用できない。ニンジャ(訳注:ローグ)はローグの技に同名のものが存在する忍術を修得することはできない。ローグはこの技を複数回選択できる。

 迫真の嘘(変則)/Convincing Lie:この技を取得したローグは嘘をつくときに他人にそれを真実として納得させるための作り話を行う。この技を取得したローグが真実を言っていることを誰かに納得させるための〈はったり〉判定を使用して成功し、別の人物がその文や内容について後から質問を受けた場合、その人物は質問者を納得させるために自身のものではなくローグの〈はったり〉技能の修正値を使用する。その人物の〈はったり〉技能の修正値がローグのものより高い場合、その人物は自身の修正値を使用し、他人に嘘を信じ込ませるための判定に+2のボーナスを得ることができる。この効果はローグ・レベルの1/2+ローグの【魅力】修正値に等しい日数まで持続する。

 闇市場の人脈(変則)/Black Market Connections:この技を取得したローグは闇市場の人脈から魔法のアイテムをより簡単に入手することができる。ローグは販売アイテムの基本価格の GP 上限を決定する目的において、各居住地を1段階大きいものと見なす。その居住地における下級、中級、および上級の魔法のアイテムの購入可能数についても同様である。居住地が既に巨大都市であった場合、全ての下級および中級の魔法のアイテム、および3d8個の上級の魔法のアイテムが入手可能である。〈交渉〉判定に成功することで、ローグは居住地を2段階大きいものと見なすことができる。居住地が既に巨大都市で判定に成功している場合、全ての魔法のアイテムが入手可能である。居住地が既に大きな都市で判定に成功している場合、全ての下級および中級の魔法のアイテム、および3d8個の上級の魔法のアイテムが入手可能である。判定に成功することで、ローグはまた闇市場において盗品を販売することができる。判定に5以上失敗した場合、ローグは市場に何らかの恫喝を行い、1週間の間都市を通常通りに扱う。さらに、闇市場をコントロールする者たちは市場の恫喝への報復行為としてか、あるいは彼らの不法行為から注意をそらすために、ローグの存在を関係当局に通報するかもしれない。判定の DCは居住地のサイズにより、以下の表に示されている。

共同体のサイズ DC
集落 10
小村 12
15
小さな町 18
大きな町 20
小さな都市 25
大きな都市 30
巨大都市 35

 上級の技:前提条件を満たす10レベル以上のローグは以下の新しい上級の技を選択することができる。

 影隠れ(変則)/Hide in Plain Sight:この技を取得したローグはレンジャーの得意な地形リストから1つの地形を選択できる。ローグはその地形に身を隠すことに体得しており、その地形内にいる間、ローグは注目されている場合でさえ隠れ身のための〈隠密〉判定を使用することができる。ローグはこの上級の技を複数回取得し、そのたびにレンジャーの得意な地形リストから異なる地形1つを選択することができる。

 御し難い(変則)/Hard Minded:この技を修得したローグは幻術に騙されにくい。毎ラウンドの自分のターンの開始時、ローグは自分が見ることのできる幻術を看破するために、自動的にセーヴを1回行うことができる。この際、その幻術とやりとりする必要はない。幻術を看破するためのセーヴィング・スローに失敗した場合、ローグは同じDCで1ラウンド後にもう一度セーヴを試みることができる。ローグがセーヴィング・スローを追加で試みることができるのは、幻術ごとに一回だけである。(第3刷更新

 幻惑の刃*(変則)/Confounding Blades:この技を取得したローグが急所攻撃のダメージを与える近接武器を命中させた場合、その目標は1d4+1ラウンドの間機会攻撃を行うことができない。ローグは鈍らせの技を取得していなければこの技を選択できない。

 上位忍術/Master Tricks:ローグはローグの技の代わりに上位忍術リストから忍術を選ぶことができる。ローグはローグの技と同名の忍術を選ぶことはできない。ただし、ローグは選択自体は可能だが、気プールを有していない限り、気ポイントを必要とする忍術は使用できない。

 使い魔(変則)/Familiar:この技を取得したローグはウィザードの“秘術の絆”クラス特徴の使い魔オプションと同様の使い魔を得る。この能力はちょうどクラス特徴の一部であるかのように機能するが、ローグの有効ウィザード・レベルはローグ・レベル-4である。ローグは下級魔法使用および上級魔法使用の技を取得していなければこの技を選択できない。

 デマ屋(変則)/Rumormonger:この技を取得したローグは〈はったり〉判定を行うことにより、小さな町以上の居住地に流言を広めることを試みることができる。ローグは1週間に自身の【魅力】修正値に等しい回数までそのような試みができる(最低0)。DCは共同体のサイズに基づき、流言が居住地に伝播するには1週間を要する。判定に成功した場合、その流言はその共同体内では事実として受け入れられる;DCを5以上超えて成功している場合、流言が伝播するために要する時間は1d4日になる。判定の失敗は流言が人々の気を引くことに失敗したことを意味し、5以上の失敗により流言の主題に関する真逆の流言かいくつかの対立点を持つ説が支持される。

共同体のサイズ DC
小さな町 18
大きな町 20
小さな都市 25
大きな都市 30
巨大都市 35

 逃走の達人(変則)/Getaway Master:この技を取得したローグは全ての操縦判定に+10のボーナスを得る。ローグは逃走の名人の技を取得していなければこの技を選択できない。

 武器強奪(変則)/Weapon Snatcher:この能力を取得したローグは武器落としの戦技を試みる際に戦技判定の代わりに〈手先の早業〉判定を行うことができる。

 無意識の味方(変則)/Unwitting Ally:この技を取得したローグは即行アクションを費やすことにより、次のローグのターンの開始時まで挟撃を提供する目的において敵を味方のように扱うことを試みることができる。相手はローグを見聞きすることができなければならず、ローグは相手の〈真意看破〉に対する〈はったり〉判定に成功しなければならない。判定に成功した場合、相手は挟撃を提供する目的において味方のように働く。判定に成功するにせよそうでないにせよ、ローグは続く24時間中に同じ相手にこの技を使用することはできない。判定に5以上失敗した場合、ローグは失敗した試みの視線上にいるいかなる相手にも24時間の間無意識の仲間能力を使用することができない。

海賊(アーキタイプ) Pirate

 海賊は公海上で犯罪を犯すため国と王の定めた制約を破壊する。海賊は自身の船とその船長にのみ忠誠を誓い(多くは真実であっても)、波の上で無法の人生を生き、気まぐれに船と沿岸を略奪する。

 船乗りの足運び(変則)/Sea Legs:1レベルの時点で、海賊は船、ボート、および同種の船舶での移動に熟達する。海賊はボーナス特技として、前提条件を満たしていない場合でさえ《船乗りの足運び》特技を得る。この能力は罠探しと置き換える。

 ぶら下がり位置ずらし(変則)/Swinging Reposition:2レベルの時点で、海賊は自身の戦闘スタイルに船のマスト、索具、ロープ、帆、およびその他の構造物を組み込む。海賊が軽装鎧を着用しているか鎧を着用していないなら、これらの構造物が存在する環境で戦うとき、構造物を掴んで保持し相手に向けてぶら下がって進み、直線状に移動する必要なしに、突撃あるいは突き飛ばしの戦技のいずれかを行う。1度攻撃あるいは戦技を完了すると、海賊は自身を再配置することができる。突撃あるいは突き飛ばしを行った直後に、自身のターンの突撃が終了している場合でさえ、海賊はフリー・アクションとして5フィート移動することができる。この移動は機会攻撃を誘発しない。この能力は2レベルのローグの技と置き換える。

 剛毅(変則)/Unflinching:海賊は断固たる海の男である。3レベルの時点で、海賊は[恐怖]および[精神作用]効果に対するセーヴィング・スローに+1のボーナスを得る。このボーナスは3レベルごとに+1ずつ増加し、18レベルの時点で最大の+6になる。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は海賊アーキタイプを補完する:息こらえ*、火器訓練*、戦闘技術、力強い泳法*、縄使い*、闇市場の人脈*、ローグの妙技。

 上級の技:以下の上級ローグの技は海賊アーキタイプを補完する:御し難い*、逃走の達人*、無意識の味方*。

カメレオン(アーキタイプ) Chameleon

 絶対的な変装の達人であるカメレオンはあらゆる環境に難なく溶け込む。町の雑踏に紛れるにせよ、砂漠の砂の中に消え去るにせよ、あるいは地下の隧道の闇に滑りこむにせよ、カメレオンはその周囲に溶け込む己の能力を恃みにする。

 偽情報(変則)/Misdirection:1レベルの時点で、カメレオンは観察者の感覚を騙しその姿を消す欺きの秘密を知ることでそのキャリアを始める。カメレオンは毎日〈はったり〉ランクに等しい隠密ポイントのプールを得る。これらのポイントは毎日のはじめに回復する。〈隠密〉判定を行う前に、カメレオンは隠密ポイントをロールに使用して、〈隠密〉判定にロールに使用した隠密ポイントに等しいボーナスを得ることを選択することができる。特技(《技能熟練:はったり》など)によって〈はったり〉判定にボーナスを得ている場合、カメレオンは特技の与えるボーナスに等しい数の隠密ポイントを加える。この能力は罠探しと置き換える。

 手軽な身隠し(擬呪)/Effortless Sneak:3レベルの時点で、カメレオンはレンジャーの“得意な地形”クラス特徴から1つの地形を選択することができる。その地形にいる間、カメレオンはその地形での〈隠密〉判定に出目10を使用することができる。6レベルに達した時点、および以降の3レベルごとに、カメレオンはレンジャーの得意な地形リストから新しい地形1つを選択する。カメレオンは新たに選択した地形でもこの能力を得る。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技はカメレオン・アーキタイプを補完する:高速隠密、木の葉隠れ、迅速なる変装、地形体得*。

 上級の技:以下の上級ローグの技はカメレオン・アーキタイプを補完する:影隠れ*、変装の達人。

御者(アーキタイプ) Driver

 御者は自身の素晴らしい才能に金を払ってくれる者への勤労の中での搭乗物の操縦によって生計を立てている。御者は禁制品を密輸する熟練の荷馬車の御者か、激しい極地の道を行く犬ぞり旅行者か、あるいはローグ的な技により裕福なパトロンに仕える、洗練された外見の大型四輪馬車の御者であるかもしれない。このアーキタイプは第4章の搭乗物の戦闘のルールに最適である。

 酷使する操縦(変則)/Hard Drive:駆動力として動物または魔獣の集団を使用している搭乗物を運転する際、全ての操縦判定の DCを2減少し、搭乗物の最高速度を10フィート増加し、さらに加速を5フィート増加させる。この能力は罠探しと置き換える。

 御者の頑健(変則)/Driver's Fortitude:3レベルの時点で、御者は瀕死の重傷を負っている場合であっても乗り物の運転を維持し制御を保つ方法を学ぶ。ヒット・ポイントが0未満に下がり、しかし死亡していない場合、御者は各ラウンドに意識を保ち乗り物を制御するための DC15の頑健セーヴを試みることができるが、御者はそれ以外のいかなるアクションも行えない。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は御者アーキタイプを補完する:火器訓練*、逃走の名人*。

 上級の技:以下の上級ローグの技は御者アーキタイプを補完する:逃走の達人*、特技。

強盗(アーキタイプ) Bandit

 強盗、山賊、そして追い剥ぎは世界中の道端や脇道に沿ってその技術を磨き、道行く旅行者から戦利品を略奪するべく影から飛びかかる。強盗は多彩な技能を持つ傾向にある;時にはこれらの技能はレンジャーのものと同様だが、強盗の戦術は常に不意討ちとそれに続く脅迫によって成り立ち、脅迫が手妻にならない場合には包み隠さぬ武力のあからさまな脅威が伴う。しかし、全ての強盗が冷酷な凶悪犯であるわけではない。暴君あるいは同種の抑圧に反対して無法者になる者もいる。こうした強盗は現状維持を目標とし、貧しい農民の手に戦利品を還元する。

 待ち伏せ(変則)/Ambush:4レベルの時点で、強盗は待ち伏せの技を完全に実践するようになる。不意討ちラウンドに行動するとき、強盗は不意討ちラウンド中に移動アクションか標準アクションのいずれか1つだけではなく、移動アクション、標準アクション、即行アクションを1回ずつ行うことができる。この能力は直感回避と置き換える。

 恐るべき一打(変則)/Fearsome Strike:8レベルの時点で、強盗は一打で相手を恐れさせることができる。1日に強盗の【魅力】修正値に等しい回数(最低1)、クリティカル・ヒットを確定させた急所攻撃のダメージを相手に与えるとき、強盗は自身の【魅力】修正値に等しいラウンド数(最低1)まで相手を恐れ状態にすることを選択することができる。強盗はこの能力をクリティカル特技と組み合わせて使用することはできない。この能力は直感回避強化と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は強盗アーキタイプを補完する:隠し玉*、攻撃リーダー、戦闘技術、巧みな引き金、地形体得*、強い印象、抜き撃ち、不意討ち攻撃、武器訓練。

 上級の技:以下の上級ローグの技は強盗アーキタイプを補完する:影隠れ*、打ち倒す一撃、追い討ち。

詐欺師(アーキタイプ) Charlatan

 詐欺師は偽りと欺きの体得者である。単なるペテンか、大衆とその権力の座を揺さぶることのできる精巧に織り上げられたデマを作り出すかにかかわらず、詐欺師はしばしば蛇油*1、偽造、そして噂撒きの調達屋となる。

 生まれながらの嘘つき(変則)/Natural Born Liar:1レベルの時点で、詐欺師が〈はったり〉によりクリーチャーを騙すのに成功したとき、そのクリーチャーは以降の24時間、詐欺師の〈はったり〉判定に対し-2ペナルティを負う。この能力は自身と累積しない。この能力は罠探しと置き換える。

 盛大なデマ(変則)/Grand Hoax:3レベルの時点で、詐欺師は盛大なデマの技を体得し、敵に害を及ぼすように計算された詐欺を学びはじめる。詐欺師はまだ10レベルではないにも拘らずデマ屋の上級の技を得る。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は詐欺師アーキタイプを補完する:言いくるめ、隠し玉*、蜜のような言葉、闇市場の人脈*、cunning lie*。

 上級の技:以下の上級ローグの技は詐欺師アーキタイプを補完する:技能体得、御し難い*、無意識の味方*。

生存主義者(アーキタイプ) Survivalist

 生存主義者は劣ったローグを殺すであろう過酷で厳しい状況下で生存するための技に熟練している。灼熱の砂漠、または極寒の極地──あるいは単純な冷気、ストリートの過酷な現実──のいずれで過ごすにせよ、生存主義者は自身の成功と味方への安全の提供の双方を確保するために訓練を活用する。

 壮健(変則)/Hardy:1レベルの時点で、生存主義者は極限の苦難と環境条件に耐えられるよう常に備える。生存主義者は渇きまたは飢餓のいずれかの効果を感じる前に、通常の日数の2倍を水抜きで、通常の日数の3倍を食料抜きで耐えることができる。この能力は罠探しと置き換える。

 エンデュア・エレメンツ(擬呪)/Endure Elements:3レベルの時点で、生存主義者ローグは擬似呪文能力として1日に1回エンデュア・エレメンツを使用できる。生存主義者の術者レベルはローグ・レベルと同じである。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は生存主義者アーキタイプを補完する:息こらえ*、壁登り*、頑丈、生存技術、力強い泳法*、地形体得*、鉄の根性*。

 上級の技:以下の上級ローグの技は生存主義者アーキタイプを補完する:技能体得、打撃のいなし、特技、また今度。

聖別されたローグ(アーキタイプ) Sanctified Rogue

 聖別されたローグはより高い目的に仕え、教会や教団の代表として活動し、あるいは特定の信仰や神格の教義に従う。多くの聖別されたローグは代表する宗教の信仰や理想を共有しているが、その全てが必ずしも敬虔であるとは限らない。一握りの悪質な神聖な盗賊は純粋に傭兵として働いている。しかしこれらのローグの分布のもう一端では、より聖別されたローグが熱狂的な献身を持ちその神格の教義に従っている。いずれにせよ、全ての聖別されたローグは必要なときに援助を受けるためその神格の好意を呼び下ろす能力により祝福されているようだ。

 信仰の決意(超常)/Divine Purpose:4レベルの時点で、神格または宗教機関の賛同者は聖別されたローグに弱点の一部を補う特別な祝福を与える。聖別されたローグは頑健および意志セーヴィング・スローに+1の清浄ボーナスを得る。この能力は直感回避と置き換える。

 信仰のひらめき(超常)/Divine Epiphany:8レベルの時点で、1日に1回、聖別されたローグは近い将来に介入し、オーギュリイ呪文を発動したかのように特定の行動の結果を予測することができる。この呪文の術者レベルは聖別されたローグのクラス・レベルに等しい。この能力は直感回避強化と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は聖別されたローグ・アーキタイプを補完する:下級魔法使用、上級魔法使用、深遠な学者*。

 上級の技:以下の上級ローグの技は聖別されたローグ・アーキタイプを補完する:技能体得、特技。

ナイフ使い(アーキタイプ) Knife master

 ナイフ使いは接近戦とナイフ戦闘の織り成す波に特化した訓練された殺人者である。その手のダガーおよびその他の同種の刃は真に致命的な器具となる。

 隠し刃/Hidden Blade:ナイフ使いは小剣を隠すための〈手先の早業〉判定にレベルの1/2を加える。この能力は罠探しと置き換える。

 急所への一突き(変則)/Sneak Stab:ナイフ使いは他の武器による急所攻撃を犠牲にして、ダガーおよび同種の武器を用いた急所攻撃でより大きなダメージを与えることができる能力に熟練する。カランビット、ククリ、スターナイフ、ソードブレイカー・ダガー(『Advanced Player's Guide』178P)、ダガー、パンチング・ダガーを用いて急所攻撃を行う際、ナイフ使いはd6の代わりにd8を使用して急所攻撃のダメージ・ロールを行う。その他の全ての武器による急所攻撃において、ナイフ使いはd6の代わりにd4を用いる。この能力は他の全ての点において急所攻撃と同様に機能し、その能力を補完する。

 刃感知(変則)/Blade Sense:3レベルの時点で、ナイフ使いは小剣に関する戦闘に熟練しており、自身に攻撃に対する小剣を用いた攻撃へのACに+1の回避ボーナスを得る。このボーナスは3レベルごとに+1ずつ増加し、18レベルの時点で最大の+6となる。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技はナイフ使いアーキタイプを補完する:隠し玉*、攻撃的防御、困惑化攻撃、戦闘技術、不意討ち攻撃、武器訓練。

 上級の技:以下の上級ローグの技はナイフ使いアーキタイプを補完する:幻惑の刃*、束縛の刃、致命的な急所攻撃、また今度、無意識の味方*。

屋根の走り手(アーキタイプ) Roof Runner

 都市での軽業に特化した屋根の走り手は偉大な都市の尖塔と切妻屋根の頂上をその故郷とする。屋根の走り手は完全な速度でこれらのでこぼこした表面を移動することに熟練し、大胆な跳躍を実行して狭く不安定な張り出しの上で巧みにバランスを取る。

 屋根走り(変則)/Roof Running:1レベルの時点で、屋根の走り手は建物、尖塔、および同種の場所の上部を超えて移動することに完全に熟達する。軽装鎧を着用しているか鎧を着用していないなら、屋根の走り手は建物または同種の構造物の頂上を移動する際に完全な速度で移動することができ、【敏捷力】に基づく技能判定あるいは反応セーヴへの屋根の上を移動することにより発生するペナルティを受けない。この能力は罠探しと置き換える。

 宙返り降下(変則)/Tumbling Descent:2レベルの時点で、屋根の走り手は屋根の上またはその他の表面から素早く降下することを試みるために〈軽業〉技能を使用し、他の表面に対して跳ね飛んで(バルコニーや窓のような)開口部を介して直下に飛び降りることができる。屋根の走り手は反動を得るための最低10フィート離れた少なくとも2つの表面がある限り、自身の肉体を次から次へと跳ね飛ばして、単一の判定で大きな距離を降下することができる。DCは10+最初の10フィートの降下を超える追加の10フィートの降下ごとに5である。失敗した場合、屋根の走り手は完全な距離を落下する。この能力は罠感知と置き換える。

 ローグの技:以下のローグの技は屋根の走り手アーキタイプを補完する:地形体得*、跳躍の達人、跳ね起き、敏捷なる登攀者、屋根歩き。

 上級の技:以下の上級のローグの技は屋根の走り手アーキタイプを補完する:高速軽業。
最終更新:2023年06月26日 02:43

*1 訳注:万能薬に見せかけた効果が不明な薬