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サムライ Samurai

 サムライは他に類を見ないほど信義と規律とを重んじる戦士である。サムライは幼い頃より兵法を学ぶとともに君主への奉公を誓い、多くの地で権力ある地位につき、民に敬意を払われる存在であり、また地方の貴族の代官となることも多い。サムライは剣術(典型的にはカタナを使うもの)や弓術、馬術の訓練を欠かさず、中には銃器を入手しその扱いを学ぶ者もいる。サムライは多くの君主にとって最も信頼のおける家臣であり、民はその姿に信義と自己犠牲とを見出す。名誉を重んじる戦士であるサムライは、王国とそれを導く君主への献身に生涯を捧げる。

 役割:典型的なサムライはある君主への奉公を誓い、その働きに応じて領地とその経営の自由を与えられている。そのようなサムライは時に他の冒険者と共に自らの仕える君主の敵と戦うことがある。そうでないサムライは、特定の君主に仕えることなく自らの理想を追い求めるローニンとなる。いずれの場合でも、サムライはその剣の冴えをもって敵を容易く退け、ほとんどあらゆる苦難へと対処し得る強力な軍隊を組織する。サムライはキャヴァリアー標準クラスの代替的クラスである。

 属性:どれでも。

 ヒット・ダイス: d10。

開始時財産

 下の表は本書(UC)で追加されたクラスの初期所持金を示したものである。加えて、キャラクターはそれぞれ、10gp以下の衣服を一着持った状態でゲームを始める。

表:キャラクターの開始時財産
クラス 初期所持金 平均
サムライ 5d6 × 10gp(第3刷更新 175gp(第3刷更新

クラス技能

 サムライのクラス技能は以下の通り:〈威圧〉【魅】、〈騎乗〉【敏】、〈交渉〉【魅】、〈職能〉【判】、〈真意看破〉【判】、〈水泳〉【筋】、〈製作〉【知】、〈登攀〉【筋】、〈動物使い〉【魅】、〈はったり〉【魅】。
 レベル毎の技能ランク:4+【知】修正値。

表:サムライ
レベル 基本攻撃ボーナス 頑健セーヴ 反応セーヴ 意志セーヴ 特殊能力
1 +1 +2 +0 +0 騎士団決意乗騎挑戦 1回/日
2 +2 +3 +0 +0 騎士団能力
3 +3 +3 +1 +1 武器専門化
4 +4 +4 +1 +1 挑戦 2回/日、馬上の射手
5 +5 +4 +1 +1 旗印
6 +6/+1 +5 +2 +2 ボーナス特技
7 +7/+2 +5 +2 +2 挑戦 3回/日
8 +8/+3 +6 +2 +2 騎士団能力
9 +9/+4 +6 +3 +3 上級決意
10 +10/+5 +7 +3 +3 挑戦 4回/日
11 +11/+6/+1 +7 +3 +3 一所懸命
12 +12/+7/+2 +8 +4 +4 高度な挑戦ボーナス特技
13 +13/+8/+3 +8 +4 +4 挑戦 5回/日
14 +14/+9/+4 +9 +4 +4 上級旗印
15 +15/+10/+5 +9 +5 +5 騎士団能力
16 +16/+11/+6/+1 +10 +5 +5 挑戦 6回/日
17 +17/+12/+7/+2 +10 +5 +5 真の決意
18 +18/+13/+8/+3 +11 +6 +6 ボーナス特技
19 +19/+14/+9/+4 +11 +6 +6 挑戦 7回/日
20 +20/+15/+10/+5 +12 +6 +6 背水の陣

クラスの特徴

 サムライのクラスの特徴は以下の通り。

 武器と防具の習熟:サムライはすべての単純武器と軍用武器、加えてカタナ、ナギナタ、ワキザシに習熟している。また、サムライはすべての鎧(軽装鎧、中装鎧、重装鎧)と盾(タワー・シールドを除く)に習熟している。

 騎士団(変則)/Order:1レベルの時点で、サムライはある特定の騎士団に加入しなければならない(多くのサムライはウォリアー騎士団に加入する)。その騎士団はサムライに団員としてボーナス、クラス技能、特別な能力を与える。加えて、それぞれの騎士団はサムライが従わなければならないいくつかの布告を有している。彼がそれらの布告を破った場合、24時間の間騎士団の挑戦の能力の利益を失う。布告を破る行為はGMの解釈による。
 ほとんどのサムライはウォリアー騎士団に所属し、特定の主君に仕えている。特定の主君を持たない者、あるいは仕えていた主君を見限った者はローニンとなる。サムライはキャヴァリアーの項に記載されているいずれかの騎士団に所属することを選んでも良いが、そのようなサムライは極めて少数である。
 サムライは新しい大義に専念するための長い行程を約束するまでは自身の騎士団を変えられない。騎士団の変更を選択したとき、即座に古い騎士団の利益をすべて失う。彼は新しい騎士団から利益を得ないまま、1レベルぶん完全に上昇するまでその布告に従わなければならない。一度達成したら、彼は新しい騎士団からのすべての利益を得る。このルールに対する唯一の例外はローニンになることである。サムライがローニンになることを決意した場合、即座に所属していた騎士団の利益を失い、新たにローニンとして騎士団からの全ての利益を得る。一度ローニンとなったサムライが騎士団を変えるためには上記の手順を踏まなければならない。これらの騎士団の名前はキャンペーン・セッティングやGMの好みによって変化することに注意すること。

 決意(変則)/Resolve:1レベルの時点で、サムライは酷い負傷や艱難辛苦に耐え得る決意の力を自らの裡に呼び起こすことができる。サムライは1レベルの時点でこの能力を1日1回起動でき、以降2レベル上昇するごとに1回追加で起動することができる。サムライが挑戦を行った目標を倒した場合、1日の決意の使用回数を1回分回復する(1日の最大使用回数まで)。ここで「倒した」とは基本的には目標のhpを0以下にした場合を指すが、GMは目標が降伏した場合や逃走した場合に「倒した」と判定しても良い。サムライは決意を以下のいくつかの用法で使用することができる。

 断固たる決意/Determined:サムライは標準アクションとして1日の決意の使用回数を1回分消費することで、自身の疲労状態怯え状態、あるいは不調状態を取り除くことができる。8レベル以降、サムライは上記に加えて過労状態恐れ状態吐き気がする状態、あるいはよろめき状態を取り除くこともできる。ただし、これらの状態が1時間以上持続する(または永続する)ものである場合には、この能力はその状態を取り除くのではなく1時間の間抑止するにとどまり、1時間が過ぎれば再びその状態に戻る。

 不屈の決意/Resolute:頑健セーヴまたは意志セーヴを要求された際、サムライは割り込みアクションとして1日の決意の使用回数を1回分消費することで、セーヴのダイスを2回振って良い方の結果を適用することができる。この能力の使用の有無はダイスを振る前に選択しなければならない。

 不退転の決意/Unstoppable:ヒット・ポイントが0未満に減少したものの死亡には至らなかったとき、サムライは割り込みアクションとして1日の決意の使用回数を1回消費することで自動的に容態安定化し意識を保つことができる。この能力を使用したサムライはよろめき状態となるが、標準アクションに相当する行動を取っても意識を失ったり瀕死状態になることはない。もっとも、サムライがさらに何らかの原因でダメージを受けた場合は意識を失う。

 乗騎(変則)/Mount:サムライは彼を戦場に運んでくれる誠実で忠実な助力を得る。この乗騎はドルイドの動物の相棒と同様に機能し、サムライのクラスを有効ドルイド・レベルとして使う。このクリーチャーはサムライが乗ることができ、乗騎として適切でなければならない。中型のサムライはキャメルかホースを選択できる。小型のサムライはポニーかウルフを、4レベルになればボアやドッグも選択できる。GMは適切な別の動物を乗騎として適切であると認めてもいい。
 サムライは自身の乗騎に乗るに際し鎧の判定ペナルティを被らない。その乗騎は常に戦闘訓練がされていて《鎧習熟:軽装》をボーナス特技として持ちながらプレイを開始する。サムライの乗騎は呪文共有の特殊能力を得ない。
 サムライとその乗騎の絆は強固であり、ともに段階的に互いの空気と動きを理解する。サムライの乗騎が死んだ場合、サムライは服喪期間の1週間ののちに自身に仕える別の乗騎を探すことができる。この新しい乗騎はサムライが新しいレベルを得るまでリンク、身かわし、忠誠、身かわし強化の特殊能力を得ない。

 挑戦(変則)/Challenge:1日に1回、サムライは1体の敵に戦闘しろと挑戦できる。サムライは即行アクションを使用して、視界内の1体の目標を選び挑戦することができる。挑戦の目標に攻撃するときサムライの近接攻撃は追加のダメージを与える。この追加ダメージはサムライのレベルに等しい。サムライは1レベルの時点でこの能力を1日に1回と、1レベルを超える3レベル毎に追加で1回ずつ使用でき、19レベルの時点で最大7回使用できる。
 敵への挑戦にはサムライの集中力のほとんどを使わなければならない。サムライは挑戦の目標以外からの攻撃に対するアーマー・クラスに-2のペナルティを受ける。
 挑戦は目標が死ぬか気絶状態に陥るか戦闘が終了するまで続く。それぞれのサムライの挑戦にはサムライの騎士団の項に記載されている別の能力も含まれる。

 武器専門化(変則)/Weapon Expertise:3レベルの時点で、自身が選択した武器1つの扱いについて比類なき練達を得る。カタナ、ロングボウ、ナギナタ、ワキザシの中から1つを選択すること。サムライは選択した武器を《早抜き》特技を有しているかのようにフリー・アクションで準備することができ、加えて選択した武器を用いたクリティカル・ロールに+2のボーナスを得る。さらに、サムライは《武器開眼》のような特定武器に適用される特技の前提条件を満たす目的において、自身のサムライのクラス・レベルを、ファイターのクラス・レベルと同様に扱い累積させることができる。(第3刷

 馬上の射手(変則)/Mounted Archer:4レベルの時点で、サムライは騎乗中の遠隔攻撃に熟練する。サムライが騎乗中に遠隔攻撃を行うことによるペナルティは、乗騎が2回移動を行う場合でも(通常の-4でなく)-2に、乗騎が疾走する場合でも(通常の-8でなく)-4になる。

 旗印(変則)/Banner:5レベルの時点で、サムライの旗印は仲間と相棒にとって鼓舞の象徴となる。サムライの旗印が明確に見える限り、60フィート以内のすべての仲間は[恐怖]に対するセーヴィング・スローに+2の士気ボーナスと突撃の一部としての攻撃ロールに+1の士気ボーナスを得る。10レベルの時点、および以降5レベル毎に、これらのボーナスは+1ずつ上昇する。この旗印は少なくとも小型かそれ以上に大きくなければならず、サムライかその乗騎に運ばれているか、彼らのどちらかから見せていなければならない。

 ボーナス特技/Bonus Feat:6レベルの時点および以降6レベル毎に、サムライはボーナス特技1つを通常の成長に加えることができる。これらのボーナス特技は戦闘特技の一覧の中から選ばなければならない。前提条件は満たしていなければならない。

 上級決意(変則)/Greater Resolve:9レベルの時点で、サムライは決意の力を重傷を負うことを避けるために使用することができるようになる。サムライに対するクリティカル・ヒットが確定した際、サムライは割り込みアクションとして1日の決意の使用回数を1回消費することでそのクリティカル・ヒットを通常の命中に変更することができる。クリティカル・ヒット時にのみ働く効果は、この能力を使用したサムライには働かない。

 一所懸命(変則)/Honorable Stand:11レベルの時点で、サムライは一所懸命を宣言し、挑戦の目標をいかなる犠牲を払ってでも打ち倒すことを誓うことができるようになる。サムライは11レベルの時点で1日1回一所懸命を宣言することができ、さらに16レベルの時点で追加で1回宣言することができるようになる。1回の即行アクションとして一所懸命を宣言することで、サムライは怯え状態恐れ状態および恐慌状態に対する完全耐性を得、ヒット・ポイントが0未満になっても意識を失うことがなくなる。さらに、一所懸命を宣言したサムライがセーヴィング・スローを要求された際、割り込みアクションとして1日の決意の使用回数を1回分消費することで最初に振ったダイスを振り直すことができる。そうした場合、振り直したダイスの目が最初より悪いものであっても適用しなければならない。一所懸命を宣言したサムライが挑戦の目標から逃げ出すようなことがあれば、そのサムライは24時間の間挑戦をする能力を失う。

 高度な挑戦(変則)/Demanding Challenge:12レベルの時点で、サムライが挑戦を宣言するとき、その目標は彼の構えを脅威として注意を払わなければならない。目標がサムライの機会攻撃範囲内にいる限り、サムライ以外からの攻撃に対しACに-2のペナルティを受ける。

 上級旗印(変則)/Greater Banner:14レベルの時点で、サムライの旗印は仲間を奮い立たせる。60フィート以内のすべての仲間は(魅惑)と(強制)効果に対するセーヴィング・スローに+2の士気ボーナスを得る。加えてこの旗印が見える限り、サムライが標準アクションを消費して空に旗をはためかすことにより、60フィート以内のすべての仲間は自身を目標とした1つの呪文か効果に対して再びセーヴできる。このセーヴは元と同じDCに対して行なう。セーヴを許さない呪文や効果に対してこの能力は効果を発揮しない。1人の仲間はこの能力によるボーナスを1日に複数回得ない。

 真の決意(変則)/True Resolve:17レベルの時点で、サムライは決意の力を致命傷を避けるために使用することができるようになる。1日の決意の使用回数が2回分以上残っている場合、サムライは1日の決意の使用回数の残りを全て消費することで自らの死を避けることができる。死の原因に関わらず、この能力を使用したサムライは-1のヒット・ポイントで意識を失い、容態安定状態で生存する。

 背水の陣(変則)/Last Stand:20レベルの時点で、サムライは挑戦を行う際最後の抵抗を宣言することができる。その挑戦が効果を発揮している間、近接武器または遠隔武器による攻撃は、クリティカル・ヒットでない限りサムライに与え得る最低のダメージしか与えることができない。加えて、サムライはヒット・ポイントが0以下になっても意識を失わず、よろめき状態にもならない。また、サムライのヒット・ポイントが0以下の場合、目標以外の近接武器または遠隔武器による攻撃からは全くダメージを受けない。この能力は武器攻撃以外(呪文、環境効果、超常能力など)によるダメージには何ら影響せず、サムライはそれらにより通常通り殺され得るが、それらのダメージによりヒット・ポイントが0以下になってもサムライが意識を失ったりよろめき状態になることはない。この能力の効果は、挑戦の効果が終了するか、またはサムライが目標以外の者に対し攻撃的な行動を取った時点で終了する。

サムライの騎士団 Samurai Orders

 以下の騎士団はサムライの他にキャヴァリアーも選択することができるが、所属者はサムライが圧倒的に多い。サムライはPathfinder RPG Advanced Player's Guideのキャヴァリアーの項に記載された騎士団を選択してもよい。

ウォリアー騎士団 Order of the Warrior

 ほとんどのサムライは義理や信義、忠義、遵法等を重視する武士道に帰依しており、サムライ自身やその君主のみならず、同僚や家族もまたこれに服する。ウォリアー騎士団の精神に従うサムライは地元において最も信頼され、また恐れられる戦士である。

 布告:サムライは自らの身命を賭して主君とその土地を守らねばならない。常に正直かつ勇敢であり、主君と年長者への敬意を忘れず、友と主君に誠実であらねばならない。

 挑戦:ウォリアー騎士団のサムライが挑戦を挑んでいる間、彼は挑戦の目標から受けるダメージに対するダメージ減少1/-を得る。このDRはサムライの持つ4レベル毎に+1上昇する。

 技能:ウォリアー騎士団のサムライは〈知識:歴史〉【知】と〈知識:貴族〉【知】を自身のクラス技能リストに加える。加えて、ウォリアー騎士団のサムライは〈知識:貴族〉を未修得でも使用できる。また〈知識:貴族〉に1以上のランクを有しているならば、地元の貴族や政治に関する〈知識:貴族〉の判定に自身のサムライ・レベルの半分(最低でも+1)のボーナスを得る。

 騎士団能力:ウォリアー騎士団に所属するサムライはレベルが上昇するに従い以下の能力を得る。

 信義に悖らず(変則)/Honor in All Things:2レベルの時点で、サムライは自らの道義心から力を引き出すことができる。技能判定またはセーヴィング・スローを行う際、サムライはフリー・アクションとして自らの信義を喚起することで、判定に+4の士気ボーナスを得ることができる。サムライは2レベル時点で1日1回、及び2レベル以降4レベル毎に追加で1回この能力を使用することができる。

 武士道(変則)/Way of the Samurai:8レベルの時点で、ウォリアー騎士団のサムライは一見不可能な任務さえその信義と忠誠にかけて達成してのける。サムライは標準アクションとして目標へと専心することで、1分以内に行われるいずれか1回の攻撃ロール、技能判定、セーヴィング・スローについてダイスを3度振って最も良い結果を適用することができる。サムライは判定を行う前にこの能力の使用を宣言しなければならない。
 この能力を使用するためには、サムライの決意の1日の使用回数を1回分消費しなければならない。

 精確な一撃(変則)/Strike True:15レベルの時点で、サムライは長年の研鑽と熟達によって完璧な一撃を放つことができるようになる。標準アクションとして1回の攻撃を行うこと。この攻撃は命中した場合自動的にクリティカル可能状態となるが、クリティカル・ヒットを確定させるためには通常通りクリティカル・ロールに成功しなければならない。また、この攻撃によるダメージは最大化される(ダイスを振らずに起こりうる最大の出目を適用する)が、武器の特殊能力、急所攻撃及びクリティカル・ヒットによる追加のダメージ・ダイスについては通常通りロールする。さらに、この攻撃は目標の有する一切のダメージ減少を無視し、目標を1d4ラウンドの間盲目状態聴覚喪失状態不調状態よろめき状態のいずれかにする(いずれにするかは能力を使用したサムライが決定する)。サムライはこの能力を1日に1回使用することができる。

ローニン Ronin

 ほとんどのサムライはウォリアー騎士団に属しその優秀な能力を主君や地元、民草のために捧げるが、主君に解雇された、主君と死別した、あるいは自ら主君を見限った等の理由により特定の主に仕えない者も一部存在する。ローニンの名で知られるこのようなサムライは各地を放浪し、自らの信念にのみ従い行動する。ローニンは献身的なサムライとは比べて著しい行動の自由を有するが、一方で民から受ける尊敬や助力についてはそのようなサムライには及ばない。なお、キャヴァリアーもこの騎士団を選択することができるが、多くの場合そのようなキャヴァリアーはローニンではなく遍歴の騎士と呼称される。

 ローニンになる:通常サムライが所属する騎士団を変更する場合、新たな騎士団からの利益を得るためには、その騎士団の布告に従う者であることを証立てるため長い手続を踏まなければならない。しかしながら、ローニンの場合にはこのような手続きは不要であり、ローニンとなることを決心したサムライは以前属していた騎士団からの全ての利益を失うとともに、即座にローニンとしての騎士団の利益を得る。ローニンがその後再び他の騎士団に属しようとする場合には通常のルールに従うこと。

 布告:ローニンは自らの個人的な信念と信義にのみ従う。そのため、ローニンの従うべき布告はきわめて柔軟であり、変化に富む。それぞれのローニンは自らの従うべき布告として、最低3つの行動原理を定めGMの許可を得ること。

 挑戦:ローニンが挑戦、一撃、獲物、あるいは他の類似の能力の目標となり、さらにその使用者を挑戦の目標としている場合、ローニンは挑戦の目標に対する攻撃ロールに+1の士気ボーナスを得、目標の攻撃に対するACに+1の回避ボーナスを得る。このボーナスはサムライのクラス・レベル4レベルにつき1ポイント上昇する。(20レベルの時点で最大の+6となる)

 技能:ローニンは〈生存〉【判】と〈知識:地域〉【知】を自身のクラス技能リストに加える。

 騎士団能力:ローニンであるサムライはレベルが上昇するに従い以下の能力を得る。

 自主自律(変則)/Self Reliant:2レベルの時点で、ローニンはいかなる困難の中にあっても自身のみを頼りとする心構えを学ぶ。ローニンが意志セーヴィング・スローに失敗し1ラウンドより長い時間続く効果を受けたとき、その効果が発揮される2ラウンド目にもう一度セーヴィング・スローを試みることができ、これに成功した場合最初のセーヴィング・スローに成功したのと同様にその効果の一部または全部を無効化することができる。また、ローニンのヒット・ポイントが0未満になった場合、次のターンに容態安定化のための判定のダイスを2回振って良い方の結果を適用することができる。

 独立不羈(変則)/Without Master:8レベルの時点で、ローニンはその強烈な独立心により困難な状況を乗り越えることができるようになる。割り込みアクションとしてこの意志の力を喚起することにより、以下の3つの効果のいずれかを得ることができる。自身のヒット・ポイントを0未満にするが死には至らせない攻撃を受けたとき、代わりに意志の力を使用してヒット・ポイントを1にし意識を失わないようにすることができる。クリティカル・ロールを振った後でこの意志の力を使用することで、クリティカル・ロールを再ロールできる。最後に、戦闘中の技能判定1回について、通常ならその技能や状況や出目10を選択することができないようなものでも、出目10を選択することにこの意志の力を使用できる。ローニンは独立不羈の能力を1回の戦闘につき1回使用できる。

 我が道を往く(変則)/Chosen Destiny:15レベルの時点で、サムライは自らの運命を完全に自身のものとすることができる。ローニンが(魅惑)もしくは(強制)の効果に対するセーヴィング・スローを行う場合、ダイスを2度振って良い方の結果を適用できる。加えて、1日に1回、ローニンはいずれかのd20ロールについて、ダイスを振らずに出目が20であったことにできる。この能力を使用する場合、判定を行う前に宣言する必要がある。
最終更新:2016年04月08日 00:56
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