多くの攻城兵器は遠隔攻撃を行うが、一部は近接して直接的に防御を弱体化させ、打撃し、あるいはそうでなければ迂回するために使用される。一部の近接強襲武器はまったくの武器ではないが、攻撃手段の代わりに自身を防護したり要塞を破壊することなく迂回する力を提供する。
表:近接強襲攻城兵器 Close Assault Siege Engines
近接強襲兵器 |
価格 |
ダメージ |
クリティカル |
タイプ |
兵員 |
移動速度 |
アサルト・ブリッジ |
大型 |
1GP |
― |
― |
― |
― |
― |
超大型 |
10GP |
― |
― |
― |
― |
― |
巨大 |
50GP |
― |
― |
― |
― |
― |
超巨大 |
250GP |
― |
― |
― |
― |
― |
コルウス |
100GP |
― |
― |
― |
1 |
特殊 |
エスカレイド・ラダー |
大型 |
5GP |
― |
― |
― |
2 |
兵員の移動速度と同じ |
超大型 |
10GP |
― |
― |
― |
4 |
兵員の移動速度と同じ |
巨大 |
50GP |
― |
― |
― |
6 |
兵員の移動速度と同じ |
超巨大 |
250GP |
― |
― |
― |
8 |
兵員の移動速度と同じ |
ギャラリー |
大型 |
250GP |
― |
― |
― |
3 |
15フィート |
超大型 |
500GP |
― |
― |
― |
6 |
15フィート |
巨大 |
1000GP |
― |
― |
― |
9 |
15フィート |
超巨大 |
2000GP |
― |
― |
― |
18 |
15フィート |
攻城櫓 |
大型 |
1000GP |
― |
― |
― |
6 |
15フィート |
超大型 |
2000GP |
― |
― |
― |
12 |
15フィート |
巨大 |
5000GP |
― |
― |
― |
24 |
15フィート |
超巨大 |
10,000GP |
― |
― |
― |
48 |
15フィート |
破城槌 |
大型 |
500GP |
2d6 |
×3 |
殴打 |
5 |
15フィート |
超大型 |
1000GP |
3d6 |
×3 |
殴打 |
10 |
15フィート |
巨大 |
2000GP |
6d6 |
×3 |
殴打 |
20 |
15フィート |
超巨大 |
5000GP |
10d6 |
×3 |
殴打 |
40 |
15フィート |
アサルト・ブリッジ/Bridge, Assault:アサルト・ブリッジ(強襲架橋)は堀、壕、またはその他の間隙にまたがるように使用される。アサルト・ブリッジを架橋するには長さ5フィートにつき1全ラウンド・アクションを必要とする;最大で4体のクリーチャーを架橋に協働させることができる。必要時間は橋のサイズ段階がそれを架けるクリーチャーよりも大きくなるごとに2倍になる。大型のアサルト・ブリッジは40ヒット・ポイント、超大型のアサルト・ブリッジは60ヒット・ポイント、巨大のアサルト・ブリッジは160ヒット・ポイント、超巨大のアサルト・ブリッジは240ヒット・ポイントを持つ。
表:ブリッジおよびエスカレイド・ラダー Bridges and Escalade Ladders
サイズ |
幅 |
長さ/高さ |
大型 |
5フィート |
20フィート |
超大型 |
5フィート |
30フィート |
巨大 |
10フィート |
40フィート |
超巨大 |
10フィート |
60フィート |
エスカレイド・ラダー/Ladder, Escalade:エスカレイド・ラダー(攻城梯子)は安定性のため釘状の基部を持ち、上部の5フィートには硬度10と20ヒット・ポイントをもつ金属をかぶせてある。梯子の残りの部分は木製で、硬度5とそのサイズに基づくヒット・ポイントをもつ。大型のエスカレイド・ラダーは20ヒット・ポイント、超大型のエスカレイド・ラダーは30ヒット・ポイント、巨大のエスカレイド・ラダーは80ヒット・ポイント、超巨大のエスカレイド・ラダーは120ヒット・ポイントをもつ。エスカレイド・ラダーは装甲化できない。
ギャラリー/Gallery:移動可能な一時的な防御であるギャラリー(通廊)は、皮革または木で作られた建物に似ている。ほとんどは脆い構造物だが、頑強に構築されている稀な例もある(攻城兵器に装甲を与えるルールを使用し、それに応じて AC、硬度、およびヒット・ポイントを調整すること)。ギャラリーはほとんど常に単一形材の可動“壁”であり、“屋根”として機能する別の部分が加わる(破城槌を収容するためのギャラリーは例外であり、通常は2つの接合した壁と屋根の部分をもつ)。ギャラリーは部分的に開いているため、通常の建物と同様の遮蔽は提供しない:ギャラリーの内側にいるクリーチャーは、ギャラリーと同じサイズである場合は遮蔽を、1サイズ小さい場合は良好な遮蔽を、2サイズ以上小さい場合は完全遮蔽を得る。ギャラリーはクリーチャーのようにサイズを持つ──大型ギャラリーは大型クリーチャーと同じマスを保護する、というように。
木製のギャラリーはその完全な兵員とともに10フィートの移動速度、または最低でも必要な兵員の半分とともに5フィートの移動速度で転木の上を動かすことができる。ギャラリーは15フィート(あるいは中装鎧または重装鎧に保護されている場合は10フィート)の基本移動速度を持つ。
ギャラリーは硬度5とそのサイズに基づくヒット・ポイントを持つ。大型のギャラリーは30ヒット・ポイント、超大型のギャラリーは120ヒット・ポイント、巨大のギャラリーは320ヒット・ポイント、そして超巨大のギャラリーは625ヒット・ポイントを持つ。
コルウス/Corvus:コルウスは攻城櫓または搭乗物の上に垂直に橋を搭載するための蝶番式の平衡錘を備え、目標の搭乗物または構造物をつかむためのカギ状の終端を持つ移乗装置である。コルウスは通常は幅10フィートで長さ15フィートである。コルウスはマスごとに硬度5と10ヒット・ポイントを持つ。コルウスの使用には全ラウンド・アクションによる DC10の
〈職能:攻城技師〉判定が必要である;判定に失敗した場合、コルウスは目標をつかみそこね、再準備しなければならない(全ラウンド・アクション)。搭乗物の上に搭載されたコルウスは他の移動中の搭乗物を目標にすることができる(
第4章:搭乗物を参照)。そのようにするためにはコルウスの全長の範囲内かつ他の搭乗物に隣接する正しい位置を確保するために対抗操縦判定を必要とする。一度接続されたコルウスを引き剥がすには全ラウンド・アクションとして【筋力】判定を行う。また、コルウスが搭乗物に接続されている場合には、いずれかの搭乗物の操縦者は標準アクションとしてコルウスを引き剥がすための操縦判定を行うことができる(判定が5以上成功するとコルウスは破壊される)。これらのいずれかの判定の基本 DCは15であり、この DCはコルウスの上に現在立っている小型か中型のクリーチャーごとに5増加する。クリーチャーが上に立っている間にコルウスが引き剥がされた場合、これらのクリーチャーは DC15の反応セーヴィング・スローを行わねばならず、失敗すると落下する。セーヴィング・スローに成功すると最も近い安全な地面の範囲に移動することができるが、そのような移動は機会攻撃を誘発する。コルウスは装甲化できない。
攻城櫓/Siege Tower:頑丈な構造の木製ギャラリーである攻城櫓は屋根の部分をもつ背の高い保護殻で構成されている。塔の低い層には塔を推進させる兵員が含まれており、その内部に完全遮蔽を提供する。
破損状態の攻城櫓は半分の移動速度で移動する。攻城櫓が破壊された場合、塔全体が崩壊する。これは
落盤のように扱う。
攻城櫓の上部は何名かの兵士(以下参照)に良好な遮蔽を提供し、クリーチャーが遠隔武器を外側に射撃できるように壁に矢狭間を備えることができる。天井部は銃眼つきの胸壁を備えることができ、攻城櫓のサイズ以下の攻城兵器とコルウスを搭載することができる。攻城櫓は15(訳注:フィート)(または中装鎧か重装鎧に保護されている場合は10フィート)の基本移動速度を持つ。
攻城櫓は硬度5とサイズに基づくヒット・ポイントを持つ。大型の攻城櫓は60ヒット・ポイント、超大型の攻城櫓は240ヒット・ポイント、巨大の攻城櫓は640ヒット・ポイント、そして超大型の攻城櫓は1,250ヒット・ポイントを持つ。
表:攻城櫓補足 Siege Tower Complement
サイズ |
兵士 |
大型 |
5 |
超大型 |
20 |
巨大 |
50 |
超巨大 |
200 |
破城槌/Rams:最も基本的な近接強襲武器は1体以上のクリーチャーがその力を合わせて運ぶ鉄で覆われた丸太である。破城槌はダメージを与えるか目標の破壊 DCに対する【筋力】判定を行うために使用することができる。
破城突撃/Ramming Charge:破城槌を効果的に運用するためには勢いが必要である。その完全な効果を得るためには、破城槌を使用しているすべてのクリーチャーは突撃アクションを使用しなければならない。突撃を望まないクリーチャーは、破城槌の攻撃ロール、ダメージ・ロール、【筋力】判定に-4ペナルティを負い、全ラウンド・アクションとして破城槌攻撃を行なってもよい。
破壊/Breaking:兵長は+2ボーナスに兵員数(またはより大きなクリーチャーの相当数)ごとに+2の支援つきで【筋力】判定を行う。破城槌はまた中型より上のサイズ段階ごとに+4ボーナスを提供する。
ダメージ/Damage:兵長は-4未習熟ペナルティつきで攻撃ロールを行う。命中すると記載のダメージに、そのサイズに関係なく兵長および兵員のすべての人員の【筋力】修正値を加えたダメージを与える。
即席破城槌/Improvised Ram:いずれかの樹木、丸太、あるいは木材は攻撃ロール、ダメージ・ロール、および【筋力】判定への-4ペナルティつきで破城槌として使用することができる。
ピック/Pick:ピック(尖突起)の頭部を持つ破城槌は石の構造物に対する【筋力】判定、攻撃ロール、およびダメージ・ロールに+2状況ボーナスを与える。
スクリュー/Screw:スクリュー(ねじ)の頭部を持つ破城槌は陶製の構造物に対する【筋力】判定、攻撃ロール、およびダメージ・ロールに+2状況ボーナスを与える。
ギャラリー・ラム/Gallery Ram:これはギャラリー内に鎖か縄で吊り下げられた破城槌である。ギャラリー・ラムは完全な運動量を得るのに突撃アクションを必要としない。加えて、破城槌の終端に繋留縄を加えることで4体の追加の兵員が破城槌の使用を支援することができる。
ヒット・ポイント/Hit Points:破城槌は硬度5とそのサイズに基づくヒット・ポイントを持つ。大型の破城槌は30ヒット・ポイント、超大型の破城槌は120ヒット・ポイント、巨大の破城槌は320ヒット・ポイント、超巨大の破城槌は625ヒット・ポイントを持つ。即席破城槌は通常のヒット・ポイントの半分を持つ。
軍隊は部隊に対して攻城兵器を使用することもできるが、攻城兵器の目的は通常は敵の士気をくじき、その構造物を瓦礫へと打ち砕くことである。以下のルールはしばしば攻城兵器の攻撃目標となる様々な建築物と障壁の一般データを与える。これらは3つの異なる分類に分けられる:建物、門、壁。
これらのいずれかの構造物が
破損状態になったときは、
破損状態のその他の効果とともにその硬度を半減する。
建物は多くのヒット・ポイントと非常に貧弱な AC(大型の建物は AC 4、超大型の建物は AC 3、そして巨大以上の建物は AC 0である)を持つ、かなり大きな構造物である。ヒット・ポイントを半分に減少させたとき、建物は破損する──まだ建ってはいるが、部分的にだけである。容易に侵入することが可能であり、あらゆる意味と目的において破られている。0ヒット・ポイントに減少するとその建物は完全に破壊される。建物内のクリーチャーは
落盤の効果を受ける。
これらの建物の一般データはすべて、その居住者が内部を歩きまわるのに十分な空間を持ち、構造物内部はおおむね中空だが頑丈に建てられていることを前提としている。安普請の建物は綿密な建物の半分のヒット・ポイントを持つ。建物はダンジョンの壁やドアができるように魔法処理することができる。そのようにした場合、その硬度とヒット・ポイントを2倍にする。魔法処理の価格は大型の建物で 5,000GP、超大型の建物で10,000GP、巨大の建物で20,000GP、超巨大の建物で40,000GPである。
《魔法の武器防具作成》特技を取得した呪文の使い手は建物を魔法処理することができる。
より大きな建物はこれらのサイズの建物を複数個まとめて、そのヒット・ポイントを合計する。
表:建物 Buildings
|
|
ヒット・ポイント |
材質 |
硬度 |
大型 |
超大型 |
巨大 |
超巨大 |
木 |
5 |
120 |
270 |
960 |
3,240 |
石 |
8 |
200 |
450 |
1,600 |
5400 |
鉄または鋼鉄 |
10 |
400 |
900 |
3,200 |
10,800 |
アダマンティン |
20 |
560 |
1,260 |
4,480 |
15,120 |
門は要塞化された構造物の出入り口として機能し、一般的にはあらゆる要塞の防御の最脆弱点である。門は最低でも大型だが、超巨大まで大きくすることができる。大型の門は通常は開門または閉門に3全ラウンド・アクションを要し(大型の門を1全ラウンド・アクションで閉門するために最大で3体のクリーチャーが協働することができる)、より大きな門は一般に開門または閉門に少なくとも1分を要する。門はそのサイズに基づく AC を持つ(大型の門は AC 4、超大型の門は AC 3、そして巨大以上の門は AC 0である)。
門は魔法処理することができる。そのようにした場合、その硬度とヒット・ポイントを2倍にする。魔法処理の価格は大型の門で 2,000GP、超大型の門で4,000GP、巨大の門で8,000GP、そして超巨大の門で16,000GPである。
《魔法の武器防具作成》特技を取得した呪文の使い手は門を魔法処理することができる。
門は通常は破城攻撃の結果として、攻撃およびダメージを受け、あるいは【筋力】判定の成功により(状態として)破損され得る。
破損状態を得たときに門は事実上破られ、1サイズ小さな開口部であるかのように通過して移動することができるようになる。
表:門 Gates
|
|
|
ヒット・ポイント |
材質 |
破壊 DC1 |
硬度 |
大型 |
超大型 |
巨大 |
超巨大 |
木 |
35 |
5 |
60 |
135 |
240 |
540 |
石 |
38 |
8 |
100 |
225 |
400 |
900 |
鉄または鋼鉄 |
24 |
10 |
200 |
500 |
800 |
1,800 |
アダマンティン |
48 |
20 |
280 |
630 |
1,120 |
2,520 |
1 この DCは門が大型サイズで閂と鍵を閉ざしていることを前提にしている。超大型の扉は破壊 DCを5増加し、巨大の扉は DCを10増加し、そして超巨大の扉は DCを15増加する。アーケイン・ロックは DCを10増加する。 |
城と都市を守る壁は通常は5フィート四方からの一連なりで構築された頑丈な要塞である。壁のマスは AC 5と、その種別に等しい硬度とヒット・ポイントを持つ。
壁のマスは魔法処理することができる。そのようにした場合、その硬度とヒット・ポイントを2倍にする。壁のマスの魔法処理の価格は壁のマスごとに 500GPである。
《魔法の武器防具作成》特技を取得した呪文の使い手は壁を魔法処理することができる。
破損状態になった場合、壁は硬度を半減するが、まだ破られてはいない。壁の部分を破壊する場合のみ、壁を破ることができる。壁のマスが破られたとき、壁の失われた部分の直上の部分は落下する。これを行うと、落下した壁の部分は現在のヒット・ポイントの合計-1の半分に減少し、壁のそのマスに
破損状態を適用する。
最終更新:2021年09月21日 01:18