アビスがラルヴァをデーモンに加工し変化させる方法を知る以前、実際はラルヴァが存在すらする以前、あるいは定命の者という概念が生まれる以前には、邪悪な生命が多数いた。これらのクリーチャーは未だに存在しているが、その数を劇的に減らし、しばしばその次元界の最も深い穴の中でのみ見られる。クリフォト(単数形も複数形も同じ)として知られるこれらのフィーンドは大いなる彼方でもっとも古い形態の生命かもしれない――確実にプロティアンによって発見される以前からすでに存在していた。一部の者はクリフォトは外方次元界の“殻の外側”と言われることがある知られざる領域から来たと信じているが、クリフォトがそのような領域に存在する法則の秩序を暗示しているとしても、全く幸いなことにこの外方領域はありえないほど遠く離れている。
クリフォトは外形上宇宙的な偶然や邪悪な模倣を除いて、人型生物の形に似ているところは何もない。彼らの歪み身もだえするような姿は、蜘蛛や頭足類、昆虫や線虫、さらにより原始的な形態の生命に比較されるかもしれない。このような下等な生命形態がほのめかすことは、長い間哲学者たちを悩ませてきたが、多くの者が心楽しませるような連想には繋がらない。
定命の罪が生まれてからは、アビスの支配権はクリフォトからずっと数の多いデーモンに引き渡された。アビスが最初に定命の魂をデーモンに変形させることを学んだ時、その結果としてデーモンは爆発的に増加し、その絶頂でアビスのそれまでの支配者クリフォトとの暴力的かつ破壊的な戦争が始まった。計り知れざる年月の間、この戦いはアビスの無数の階層で荒れ狂った。クリフォトは彼らの太古からの領域の知識で優位に立ち、一般的に個体はほとんどのデーモンよりも強力だったが、物量はデーモンのものだった。デーモンは戦闘に次ぐ戦闘で勝ち続け、その中から新たな権力者が生まれてきた。バロール、バロール・ロード、擬似デーモン・ロード、そして徐々にデーモン・ロードそのものが。やがて、クリフォトはアビスの上方の階層ではほとんど絶滅するまで狩りたてられ、その領域の最も暗くもっともはなれた領域の深み、デーモンですら怖れる地へと撤退した。
クリフォトは長い間そこにうずくまり潜んできた。どれだけのクリフォトが古代の戦争を生き延びたのかは誰も知らない。アビスがどこまで深く続いているのかは誰にも分からないが故に。クリフォトはこの最も暗い穴に住み、時として憎むべき敵デーモンと戦うために現れるが、デーモンに対する彼らの怒りは限られたものである。クリフォトは、アビスにデーモンを産み出すことを教えたことにダイモンがある役割を果たしたことを知っており、アバドンの住人に対する戦いはあらゆる生存への欲求よりも、懲罰へと駆り立てる欲求によって燃え盛っている。しかし時がたつにつれ、クリフォトは真の敵はフィーンドの類ではなく定命の者自体であることを理解するようになった。定命の者が罪を犯し死に続ける限り、アビスはデーモンをその穴に生み続けることができる。定命の者の生き方を変えることによって罪を無くせばデーモンの増加を止めることができようが、クリフォトにはその目的をどうやって果たせばいいか全く分からない。クリフォトにとっては、全ての定命の者を殺すだけで満足だ。
その結果、全てのクリフォトは内心では定命の者、特に原初の罪の種子となることがわかっている人型生物への憎しみが燃え盛っている。クリフォトが物質界に召喚された場合、人間、とりわけ彼らが憎んでいる子供や妊婦をいたぶり破壊するために支配から逃れる方法を捜し求め、すでに死に掛けている者、死に近い者と、万全な命を持つ者とどちらを害するかを選べる場合は、年長の者や死にかけている者の死が若いものの間に死の連鎖をもたらすという稀な例を除き、常に後者を攻撃することを選ぶ。
プレイナー・アライのような、召喚した術者が来訪者の助力を確保するために対抗【魅力】判定や類似するルールを必要とする呪文によって召喚された場合、悪の人型生物はその魂にある罪のためクリフォトに働きかける場合-6のペナルティを受ける。クリフォトに多くの人型生物を殺す機会を与えるような任務を約束するか、妊婦や子供を生贄に捧げれば、時としてこのペナルティを避けることができる。クリフォトは召喚術のくびきを脱した場合、可能な限り長く物質界に留まって、デーモンを作り出す罪深い魂をアビスのありうる未来から奪う役割を果たすために、その間にできるだけ多くの定命の者を殺そうとする。
クリフォト・ロード Qlippoth Lords
デーモン・ロードに類似したその種族の模範がクリフォトたちにもあることは確実だが、このような強力なものがアビスの最も深い淵から現れて多次元宇宙の他の部分に関わりを持つことは、あるにしても極めて稀だ。物質界で信仰される事は稀にしかないが、このようなカルトはそれが存在する地では極めて破壊的かつ破滅的である。
定命の崇拝者によって与えられる力はクリフォトに奇妙な効果を与えることがある――その崇拝者の罪に汚染させられるのだ。このように汚染させられたクリフォトは同類に殺されるか、アビスの上方の領域に逃れ、そこで完全に変形してクリフォト・ロードでいられなくなりデーモン・ロードになってしまう。クリフォトとして生を始めたデーモン・ロードの本質は、その外形から極めて容易に見て取ることができる。魚のようなダゴン、不潔で膿爛れたジュブレックスなど、このようなデーモン・ロードは人型の形をほとんど、あるいは全く帯びることがない。
この巨大なクリーチャーは4枚のコウモリのような翼と球形の体を持つ。赤い目が全方向に突き出、2つの大きな爪が下に垂れ下がっている。
アイアタヴォス 脅威度20 Iathavos
防御
AC 37、接触7、立ちすくみ37(+30外皮、-8サイズ、+2洞察、+4反発、-1【敏】)
hp 372(24d10+240);
高速治癒15
頑健 +28、
反応 +15、
意志 +28
防御能力 膿漿、不意討ちを受けたり立ちすくみ状態にならない;
DR 15/冷たい鉄および秩序;
完全耐性 [冷気]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [酸]30、[電気]10、[火]10;
SR 31
攻撃
移動速度 20フィート、
飛行50フィート(完璧)
近接 爪(×2)=+31(4d6+15/19~20、加えて“
つかみ”)、
翼(×4)=+26(2d8+7)
接敵面 30フィート;
間合い 30フィート
特殊攻撃 エントロピーの光線、奈落の変身、身の毛のよだつ姿(DC30)
擬似呪文能力 (術者レベル20;精神集中+28)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体
宝物 ×2
特殊能力
奈落の変身(超常)/Abyssal Transformation アイアタヴォスが大型以下のサイズのクリーチャーをつかむことに成功した場合、そのクリーチャーを密に折り重なった肉の奥深くに入れることができる。これはアイアタヴォスのターンの開始時に、包み込まれたクリーチャーがDC30の頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合は
ナイオゴス・クリフォトに変身し、即座にアイアタヴォスの体からもがき出て新しい主人に仕えることをのぞけば、
包み込み攻撃として扱う。
ナイオゴスに変身したクリーチャーはアイアタヴォスに支配されてはいないが、その種の典型的な一員としての機能を持ち、そのようにふるまう。以前の人生で有していたいかなる記憶も能力も持たない。不運な犠牲者が所持または着用していたアイテムはアイアタヴォスの体の中に所蔵されたままであり、アイアタヴォスが
無防備状態または
死亡状態になった場合にのみ回収できる。この方法で
ナイオゴスに変身したクリーチャーは
ブレイク・エンチャントメント、
ミラクルまたは
ウィッシュによって真の姿に戻ることができる。それ以外に、
ナイオゴスを殺害すれば哀れな魂を
リインカーネイト、
リザレクションまたは
トゥルー・リザレクションによって復活させることができる。 このセーヴDCは【魅力】に基づいている。
エントロピーの光線(超常)/Entropic Beams 毎分1回、標準アクションとして、アイアタヴォスはその10個の目からエントロピー・エネルギーの光線を撃つことができる。このエネルギー光線のそれぞれはアイアタヴォスから300フィート以内の1体の目標を狙うことができるが、任意の1体のクリーチャーを2本以上の光線で狙うことはできない。クリーチャーを狙わなかった光線は無駄になる。クリフォトはそれぞれの光線を命中させるには+15の遠隔接触攻撃を行わなければならない。各光線は、このダメージによって殺されたクリーチャーは塵になる代わりに半径5フィートのエネルギー、肉、影、煙の爆発となることをのぞけば、術者レベル20の
ディスインテグレイト(40d6ダメージ、DC32の頑健セーヴに成功すれば5d6ダメージ)と同じ効果を与える。この爆発の範囲内の全てのクリーチャーはDC32の意志セーヴを行わなければならず、失敗した場合は1ラウンドの間
よろめき状態になる。このセーヴDCは【耐久力】を基にしている。
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance アイアタヴォスの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは
フィーブルマインドの効果を受け、永続的に
盲目状態になる。
膿漿(超常)/Ichor アイアタヴォスがヒット・ポイントにダメージを負っている限り、厚い粘着性の黒い膿の縄が密生した皮にある亀裂やひだから滴る。この膿漿はクリーチャーの体から押し出されて、のたうちまわる細糸の雲の様に、毎ラウンド5フィートの割合で、最大その間合いに等しい範囲(30フィート)に広がる。アイアタヴォスのターンの開始時に、この膿漿の範囲内にいる全てのクリーチャーはDC32の反応セーヴを行わなければならず、失敗した場合は
絡みつかれた状態になる。アイアタヴォスのターンの開始時に、膿漿に絡みつかれている全てのクリーチャーは4d6ポイントの[酸]ダメージを受ける。クリフォトがそのターンの終了時にヒット・ポイント・ダメージを受けていない場合は、膿漿は溶けて無害な霧になってしまい、絡みつかれている全てのクリーチャーは解放される。このセーヴDCは【耐久力】に基づいている。
悪臭(超常)/Stench アイアタヴォスの
悪臭特殊能力は超自然的に忌まわしい。この能力に害を受けたクリーチャーは
吐き気がする状態になり、セーヴが成功したクリーチャーも
不調状態になる。
クリフォト・ロードを除いてクリフォトで最も怖れられているのは疑いもなく巨大なアイアタヴォスである。多くのものに唯一の存在であると信じられており、あまりにも忌まわしいためアビスでさえ1度に2体以上が存在することが耐えられないのだとされるアイアタヴォスは、しばしばその体の上や腹の下で蠢き、その身震いするような行程の後に残された汚物や破片を食べている無数の
ナイオゴス・クリフォトを引き連れて遭遇する。これらの
ナイオゴスは全てアイアタヴォスに吸収され作り直された他のクリーチャーであり、アビスの最も深い坑の探索志望者を待ち受ける最悪の運命の1つをあらわしている。
アイアタヴォスはデーモンの軍勢に聖戦をしかけるが、この怪物はアビスをクリフォトの支配下へと取り戻すためにデーモンを探し出し破壊することにしか興味を持っていないわけではない。実際、アイアタヴォスは多次元宇宙のほかの次元界に移動する能力を持ち、新しいデーモンを作り出すためにアビスが必要とする原料である罪深い魂をその世界が供給できないようにするために、定命のものを徹底的に一掃するためにしばしば物質界を訪れる。アイアタヴォスが訪れた世界は広範な破壊と、アイアタヴォスが貪り破壊された地点ごとに後に残された常になく多数のナイオゴスが顕著に見られる。
アイアタヴォスは
ゲートのような最も強力な呪文によって召喚することができるが、その[精神作用]効果への
完全耐性と巨大な大きさから、最も自暴自棄あるいは狂った者だけがこのような自滅的な行動をする。知られている全ての事例で、アイアタヴォスを他の世界に自発的に召喚することはこの強大なクリーチャーの注意をこの世界にひきつけた以外の何物でもなく、あまりにも大きな破壊を引き起こす前にアビスに退去させたとしても、アイアタヴォスは訪れたことを覚えている。後日新しく発見した世界で自らの目的を追求するため、しばしば自分自身の力で戻ってくる。アイアタヴォスが防衛者によって破滅をもたらすのに失敗した場合のみは、
プレイン・シフトによってアビスに逃げ去る。この場合、クリフォトはしばしばその世界に戻るまでに数百年、あるいは数千年を待つ。常にその領域をより容易に破壊するためである。
アイアタヴォスはその信じられないような知性のためにとりわけ強大で恐るべき怪物となる。このクリーチャーは多次元宇宙の中で止める事ができるクリーチャーがほとんどいないほど強力であるが、デーモンの居住地や定命の者の都市を襲撃するために注意して計画を練る。
アイアタヴォスが殺された場合、通常は比較的短い時間で敗れたクリフォトの代わりの怪物がアビスに産み出される。この新しく生まれたアイアタヴォスは全く新しいクリーチャーであり、以前の存在とは記憶を共有しておらず、先任の怪物が得ていた強化されたヒット・ダイスやクラス・レベルを持っていないが、デーモンやそのような生命を作り出す罪に対する食欲や憎悪は変わらず終わることがない。
このようなアイアタヴォスを“新しく生まれた”というのはどこか誤解を生む。技術的には新しく創造されたクリーチャーだが、新しく生まれたアイアタヴォスは“幼年期”を送りはしない。ここにかかれているような完全に成長した形で作り出される。しかしクリフォトの怪物の新たな誕生ごとに変化は起こりうる。例えば、
擬似呪文能力や、身の毛のよだつ姿の性質がここに記されているものから変化するかもしれない。アイアタヴォスが狩りと破壊を続けるにつれ、それはより強大になっていく。進化したアイアタヴォスはその結果通常は種族ヒット・ダイスを得る。クラス・レベルによって力を得たアイアタヴォスも聞かれないではないが、かなり稀である。そうした者はほとんどソーサラーのレベルを得る。
この巨大な、蜘蛛のようなクリーチャーからは鉤の付いた3本の尾、そしてしなやかな水かきの付いた8本の足が生えている。
オグナガー 脅威度14 Augnagar
防御
AC 29、接触7、立ちすくみ29(+22外皮、-2サイズ、-1【敏】)
hp 203(14d10+126)
頑健 +18、
反応 +10、
意志 +9
DR 10/秩序;
完全耐性 [冷気]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10
攻撃
移動速度 50フィート、登攀50フィート、
飛行60フィート(標準)
近接 噛みつき=+23(2d6+11、加えて1d8“
出血”および“腐敗の呪い”)、
爪(×3)=+23(1d8+11、加えて1d8“
出血”)
接敵面 15フィート;
間合い 15フィート(爪は30フィート)
特殊攻撃 身の毛のよだつ姿(DC21)
擬似呪文能力 (術者レベル14;精神集中+18)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体
宝物 標準
特殊能力
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance オグナガーの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは即座に狂気に追い込まれる。この結果、2ポイントの【魅力】
ダメージを受け、1d3ラウンドの間
混乱状態になる。
腐敗の呪い(超常)/Rotting Curse 噛みつき―致傷;
セーヴ 頑健 DC26;
頻度 1回/日;
効果 1d6【耐久力】
吸収、加えて永続的な“
悪臭”。オグナガーの
噛みつきによって腐敗の呪いを受けたクリーチャーは、身の毛もよだつ悪臭を放つぞっとするような膿爛れた傷を受ける。これは毒に対する
完全耐性を有する者を除く全てのクリーチャーに効果があること以外はモンスターの一般ルールの
悪臭と同様に機能する。この呪いの犠牲者は
悪臭によって
不調状態になるのを避けるためのセーヴィング・スローはできないが、他のクリーチャーはこの状態を無効化するためにDC26の頑健セーヴを試みることができる。セーヴに失敗した者は呪いの犠牲者から30フィート以内に留まる限り
不調状態のままである。また身の毛もよだつ悪臭によって、呪いの犠牲者は全ての
〈隠密〉判定に-8のペナルティを受ける。このセーヴDCは【耐久力】に基づいている。
巨大なオグナガーは比較的頭が鈍い。来訪者であるため、生存のために食事の必要はないが、それは飢えており、打ち負かすことができるなら何でも食べる。オグナガーはよく腐った肉、特に腐ったデーモンの肉の味を好み、その噛みつきの腐敗の呪いは食べ物に完全な風味を与える。しかしオグナガーのもっと好きなご馳走は共食いである。このクリーチャーは同類の肉を最高の美味と感じる。オグナガーは同類の肉を十分に食べた場合、もはや飛ぶことができないほど大きく膨れ上がり、その時点で自己破壊的な狂乱状態の中で爪の生えた尾を自らの体を引き裂くために用いる。脂肪を引き裂き内臓を切り刻む嵐の中から完全に成長した
サルガント・クリフォトが現れる。オグナガーと似ている姿だが、より知的でさらに危険なクリーチャーである。
オグナガーは翼長30フィート、体重6,000ポンド。
この怪物には10本の蜘蛛のような脚、一塊の赤い目の上からのたうつ触手が垂れ下がる頭部、3本の鞭打つ針の尾がある。
サルガント 脅威度18 Thulgant
防御
AC 33、接触25、立ちすくみ21(+8外皮、-1サイズ、+4反発、+12【敏】)
hp 290(20d10+180);
高速治癒10
頑健 +25、
反応 +30、
意志 +18
防御能力 ディスプレイスメント、
フリーダム・オヴ・ムーヴメント、身かわし;
DR 15/冷たい鉄および秩序;
完全耐性 [酸]、[冷気]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [電気]10、[火]10;
SR [秩序]呪文およびクリーチャーに対して25
攻撃
移動速度 40フィート、登攀40フィート、飛行60フィート(良好)
近接 針(×3)=+27(1d6+8/19~20、加えて“
能力値吸収”)、
触手(×5)=+22(1d6+4、加えて2d6[酸])
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 残虐なる突き刺し、身の毛のよだつ姿(DC27)
擬似呪文能力 (術者レベル18;精神集中+25)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体、2体、または巡視体(3~4)
宝物 ×2
特殊能力
能力値吸収(超常)/Ability Drain サルガントの
針は命中するとそれぞれ異なった能力値を
吸収する。1本は1d4ポイントの【筋力】を
吸収し、2本目は1d4ポイントの【敏捷力】を
吸収し、3本目は1d4ポイントの【魅力】を
吸収する。どの
針の
吸収もDC29の頑健セーヴで無効化される。セーヴDCは【耐久力】に基づいている。
デーモン狩り(変則)/Demon Hunter サルガントはデーモンの
呪文抵抗を貫通するための術者レベル判定に+10の種族ボーナスを得る。その攻撃はデーモンに対して冷たい鉄かつ善属性であるかのように扱う。
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance サルガントの身の毛のよだつ姿に対するセーヴに失敗したクリーチャーは1d4ラウンドの間
朦朧状態になり、1d6ポイントの【判断力】
ダメージを被る。
残虐なる突き刺し(変則)/Savage Stingers サルガントが1体の目標に対して同一ラウンドに3本全ての
針を命中させた場合は、犠牲者の体を引き裂き、追加の3d6+12ポイントのダメージを与え、犠牲者の6つの能力値全てから2ポイントずつを追加で
吸収する。DC29の頑健セーヴに1回成功すれば、全ての追加の
能力値吸収を無効化できる。セーヴDCは【耐久力】に基づいている。
恐るべきサルガントは、致命的で有害な多くの肉体攻撃を幅広い強力な魔法能力で支援しているため、クリフォトの中で最も危険である。
オグナガー・クリフォトの共食いの乱痴気騒ぎの中からうまれたサルガントはアビスから全てのデーモンを根絶すると言うただ一つの目的のために存在している。
しかしサルガントは生涯の全てをデーモンを狩り破壊することに費やしているわけではない。アビスの奥深くにあるあらゆる種類の手下――多くは
バインディング呪文によって服従を強いられている――が住む恐るべき巣穴を支配する。このクリフォトはねぐらを石化あるいは活動停止状態にした大いなる力を持つ犠牲者で飾ることを好む。より強力な犠牲者であればあるほどサルガントはより大きな威信を得る。
この6本足の恐怖には蜘蛛の顔があり、背からは繊維状の茎が伸びている。茎の先には噛みつこうとする口がついている。
シスニゴット 脅威度2 Cythnigot
防御
AC 14、接触13、立ちすくみ13(+1外皮、+2サイズ、+1【敏】)
hp 16(3d10)
頑健 +1、
反応 +6、
意志 +2
DR 5/冷たい鉄または秩序;
完全耐性 [冷気]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10
攻撃
移動速度 40フィート、
飛行60フィート(良好)
近接 噛みつき=+6(1d6+1、加えて“胞子”)
接敵面 2・1/2フィート;
間合い 0フィート
特殊攻撃 身の毛のよだつ姿(10フィート、DC9)
擬似呪文能力 (術者レベル6;精神集中+4)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体または大発生(2~12)
宝物 標準
特殊能力
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance シスニゴットの身の毛のよだつ姿に対するセーヴに失敗したクリーチャーは、1ラウンドの間
不調状態になる。シスニゴットの身の毛のよだつ姿は10フィートの範囲内でのみ機能する。特定のシニスゴットの身の毛のよだつ姿に対するセーヴィング・スローに成功したクリーチャーは、24時間の間全てのシスニゴットの身の毛のよだつ姿に
完全耐性を得る。シスニゴットを使い魔にしている術者は全てのシスニゴットの身の毛のよだつ姿に
完全耐性を持ち、またあらゆるクリフォトの身の毛のよだつ姿に対するセーヴィング・スローに+4のボーナスを得る。
胞子(超常)/Spores シスニゴットに噛みつかれたクリーチャーはDC11の頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合はクリーチャーの異界的な胞子を植えつけられる。この胞子は噛みつかれた傷口から揺れ動く棘と髪の毛のようなぞっとするような青白い繊維を伸ばし、目標の手足をうねくり絡みつく。この胞子を植えつけられたクリーチャーは
絡みつかれた状態となる。後のラウンドで標準アクションとしてDC11の頑健セーヴを行うことで、巻き蔦を振りほどき、
絡みつかれた状態を脱することができる。複数のシスニゴットが1体のクリーチャーに噛みついた効果は累積しない。植物クリーチャーはこの効果に対するセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける。これは[病気]効果である。このセーヴDCは【耐久力】に基づいている。
シスニゴットは小動物の体で成長し繁栄する邪悪なキノコ状の寄生生物である。このキノコは宿主の体をぞっとするような方法で変形させ、足を付加したり特徴を再配列する。ネズミは1対の足を追加されて蟲めいた姿になるかもしれないし、猫は全ての足と毛皮を失って蛇のような体になるかもしれない。全てのシスニゴットに共通している唯一のことは、そのクリーチャーの体から延びる菌組織の長い茎の先には驚くほど強力な牙のある顎がついていることだ。シスニゴットは宿主の体の外では人間の拳ほどの大きさの腐った匂いのするホコリタケ以上のものには見えない。
術者レベル7以上で
《上級使い魔》特技を有する混沌にして悪の術者はシスニゴットを使い魔として得ることができる。そうするためには、術者は超小型の動物を使い魔として持っていなければならない。この使い魔に胞子を感染されることで、シスニゴットは術者の忠実な、あるいはむしろ胸が悪くなるような配下となる。
シスニゴットは体長およそ20インチ、体重10ポンド。
この青白いクリーチャーは先端が鋏になった4本の吸盤のついた腕を持つ。頭部には2つの輝く目の間に歯軋りする口が開いている。
ショグティー CR7 Shoggti
防御
AC 21、接触12、立ちすくみ18(+9外皮、-1サイズ、+3【敏】)
HP 80(7d10+42)
頑健 +11、
反応 +5、
意志 +9
防御能力 直感回避;
DR 10/冷たい鉄または秩序;
完全耐性 [氷雪]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [強酸]10、[雷撃]10、[火炎]10
攻撃
移動速度 30フィート
近接 噛みつき=+12(1d8+6)、
触手(×4)=+8(1d4+3、加えて“
つかみ”)
接敵面 10フィート;
間合い 10フィート
特殊攻撃 締めつけ(1d4+6)、頭脳混濁、身の毛のよだつ姿(DC15)
擬似呪文能力 (術者レベル7;精神集中+9)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体、2体、または奴隷商人一団(3~10、加えてさまざまな種族の奴隷6~12)
宝物 標準
特殊能力
頭脳混濁(超常)/Braincloud 1ラウンドに1回、
触手による1回の近接攻撃の代わりにショグティーはその
触手の先端にある鋏で近接接触攻撃を行うことができる。命中した場合、目標は1d4ポイントの【判断力】
ダメージを受ける。ショグティーはこの能力を犠牲者を精神的に衰弱させて、
擬似呪文能力のチャームをより容易に用いることができるようにする。
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance ショグティーの身の毛のよだつ姿に対するセーヴに失敗したクリーチャーは、このクリーチャーの催眠術的なうねる触手とその目にきらめく奇妙な色によって
恍惚状態になる。この効果は1d6ラウンドの間継続する(しかし
恍惚状態を回復させる通常の手段によって終わらせることができる)。
ショグティーは精神操作の達人であり、他者の思考を操り、魅了してその味方を裏切らせることができる。奴隷狩りの一団で他の世界を荒らし、生きたまま捕えて魅了した奴隷としてアビスに連れ帰るためにクリーチャーを探し求める。これらの哀れなる魂の運命は知られていないが、クリフォトがアビスを自らの物に取り戻すことに関係しているのだろう
ショグティーは適切な手を持っていないが、触手の先端にある鋏を信じられないほど器用に操ることができる。この鋏で武器を振るうことはできないが、ワンド、ロッド、スタッフなどの魔法のアイテムを用いることができる。ショグティーは特にワンド、とりわけ彼らの頭脳混濁能力の犠牲者を容易に害することができる[精神作用]効果をもたらすものを好む。
ショグティーの体は卵形で差し渡しおよそ8フィート、触手の長さもおよそ8フィート。体重900ポンド。
このぬめぬめしたのたうち回る触手と隠された口の塊には、腹の代わりに1つのぞっとするような大きな目と牙の生えた口がある。
チェアノブー 脅威度12 Chernobue
防御
AC 27、接触13、立ちすくみ23(+14外皮、-1サイズ、+4【敏】)
hp 150(12d10+84)
頑健 +15、
反応 +10、
意志 +11
DR 10/秩序;
完全耐性 [冷気]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10;
SR 23
弱点 光に対する
脆弱性
攻撃
移動速度 40フィート
近接 叩きつけ(×2)=+19(1d6+8/19~20、加えて1【耐】
ダメージ)、
噛みつき=+19(2d6+8、加えて“
毒”)、
触手(×2)=+14(1d6+4)
接敵面 10フィート;
間合い 5フィート(
叩きつけおよび
触手は10フィート)
特殊攻撃 身の毛のよだつ姿(DC20)
擬似呪文能力 (術者レベル12;精神集中+16)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体、2体、または徒党(3~6)
宝物 標準
特殊能力
不運のオーラ(超常)/Aura of Misfortune チェアノブーは半径30フィートに邪悪な災厄のオーラを放射する。この範囲内の全ての秩序属性または善属性のクリーチャーは攻撃ロールと武器ダメージ・ロールに-1のペナルティを被る。秩序にして善属性のクリーチャーは-3のペナルティを被り、範囲内に最初に入った時点でDC20の頑健セーヴを行わなければならず、失敗した場合は範囲内に留まる限り
不調状態になる。この能力は【魅力】に基づいている。
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance チェアノブーの身の毛のよだつ姿に対するセーヴに失敗したクリーチャーは嫌悪感によって2d6ラウンドの間
麻痺状態になる。
麻痺状態のクリーチャーは、もはやチェアノブーを認識していないか、それから30フィート以内にいなければ、効果から回復するため毎ラウンド新しいセーヴを行う。
光に対する脆弱性(変則)/Light Vulnerability 明るい光の範囲内にいるチェアノブーは、その範囲内に留まる限り毎分1ポイントの【耐久力】
ダメージを被る。
毒(超常)/Poison 噛みつき・致傷型;
セーヴ 頑健 DC23;
頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);
効果 1d2【耐】
吸収;
治癒 1回のセーヴ成功。 チェアノブーが注入する濃いオレンジ色の“
毒”は半ば生きている。
毒を受けた犠牲者が“
毒”を治癒(セーヴに成功、
ニュートラライズ・ポイズンや類似の効果の対象となる、または“
毒”の全効果時間を耐え抜く)とすぐに、オレンジの液体は犠牲者の体から飛び出し、1d6ポイントの【魅力】
ダメージを与え、DC23の頑健セーヴに成功しない限り、犠牲者を2d6ラウンドの間
気絶状態にする。このセーヴDCは【耐久力】に基づいている。
チェアノブーはアビスの邪悪な豊穣の生きた顕現であり、肉体に怪物的で異質な懐妊をもたらす。彼らの持ち込んだアビスの穢れをクリーチャーに感染させることで、彼らがばたばたうねうねと向かうあらゆる場所に苦痛と不運を広げる。そしてその
プレイン・シフト能力で多次元宇宙全体に穢れを広げる。チェアノブーは体長13フィート、体重500ポンド。
これは牙の生えた口の周りに絡まる宙に浮かぶ腸の塊に見える。そのとぐろの先端にも歯の生えた口がついている。
ナイオゴス 脅威度10 Nyogoth
防御
AC 24、接触15、立ちすくみ19(+9外皮、+5【敏】)
hp 125(10d10+70)
頑健 +14、
反応 +12、
意志 +7
防御能力 酸の噴霧;
DR 10/秩序;
完全耐性 [酸]、[冷気]、[精神作用]効果、
毒;
抵抗 [電気]10、火10
攻撃
移動速度 5フィート、
飛行30フィート(良好)
近接 噛みつき(×4)=+15(1d6+3/19~20、加えて1d4[酸])、
噛みつき=+15(2d6+3/19~20、加えて1d4[酸])
特殊攻撃 身の毛のよだつ姿(DC18)
擬似呪文能力 (術者レベル10;精神集中+13)
一般データ
生態
出現環境 気候問わず/地形問わず(アビス)
編成 単体または兄弟姉妹(2~8)
宝物 標準
特殊能力
酸の噴霧(超常)/Acid Spray ナイオゴスの体は非常に溶解力の強い消化液に満ちている。ナイオゴスが刺突または斬撃武器でダメージを受けるたびに、ナイオゴスに隣接している全てのクリーチャーは1d6ポイントの[酸]ダメージ(その攻撃がクリティカル・ヒットである場合は2d6ポイントの[酸]ダメージ)を受ける。
身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance ナイオゴスの身の毛のよだつ姿に対するセーヴに失敗したクリーチャーは1d8ラウンドの間
吐き気がする状態となる。
ナイオゴスのアビスでの役割は掃除屋だ。本質的に浮遊する腸のうごめく塊であるこののたうち回るクリーチャーは、タコが水中を滑るように爆発的な動きで空中を移動し、自らの多くの口(腸のような肢の先端にある比較的小さな締め付ける口でも、中心部にあるよりおおきな飲み込む口でも)の1つよりも小さなものを常に探している。他のアビスの住人の残した廃棄物や汚物を食べて生きていくことができるが、特にまだ生きているクリーチャーを食べることを楽しむ。
アビスの生態系でのおそらくは低い地位にもかかわらず、ナイオゴスは愚かな獣には程遠い。ほとんどは平均的な人間とほとんど同じくらい知的で、次の食物を確保しようとする場合には比較的複雑な問題でも解決することができる。来訪者として、ナイオゴスは生存のために食事をする必要はないが、これは彼らが飢えを感じないと言うわけではない。12時間以上食事をしていないナイアゴスはますます暴力的かつ常軌を逸してくる。このような“飢餓状態”のナイオゴスは食事になりそうなものが手に入りそうな場合は通常は死ぬまで戦い、さらには自分自身を食べるかもしれない。傷口から吹き出る自らの消化液を飲むのは吐き気を催す光景である。
典型的なナイオゴスは直径5フィート、体重260ポンドだがもっと大きく成長することが知られている。
最終更新:2015年03月12日 00:38