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防具 Armor

 大部分の者たちにとっては、防具は世界に荒ぶる脅威や危険から自分を守る最も単純な方法である。キャラクターの多くは最も単純な鎧しか身につけられず、盾を使うことができる者はさらに少ない。より重い防具をうまく着こなすために防具の習熟系特技を取ることができるが、大方のクラスは自分に一番合った防具に習熟している。
 以下に防具の書式の詳細を示す。これらの要素は表『鎧と盾』の縦列見出しにもなっている。
 価格:表中に金貨で表された価格は小型ないし中型の人型生物用のものである。その他のクリーチャー用の防具については、表:『標準的でないクリーチャー用の防具』を参照。
 鎧ボーナス/盾ボーナス:鎧はACに鎧ボーナスを与え、盾はACに盾ボーナスを与える。鎧の鎧ボーナスは、鎧ボーナスを与えるその他の効果とは累積しない。これと同様、盾の盾ボーナスは、盾ボーナスを与えるその他の効果とは累積しない。
 【敏捷力】ボーナス上限:この値は、その種類の鎧が許容するACへの【敏捷力】ボーナスの上限である。着用者のACを決定する際、この数値を超える【敏捷力】ボーナスはこの数値まで下がってしまう。重い鎧ほど動きをさまたげ、打撃をかわす能力を落とす。この制限により、他の【敏捷力】に基づく能力が減少することはない。
 たとえ防具によりキャラクターの【敏捷力】ボーナスが0になっても、【敏捷力】ボーナスを失ったものとして扱われるわけではない。
 ACに適用される【敏捷力】ボーナス上限は、キャラクターにかかる負荷(=持ち運んでいる装備品の総重量。防具も含む)によっても制限される。
 :タワー・シールドを除き、盾は【敏捷力】ボーナス上限に影響しない。
 防具による判定ペナルティ:レザー(革鎧)よりも重い防具と盾はどれも、【筋力】と【敏捷力】に基づく技能を使うキャラクターの能力を落とす。“防具による判定ペナルティ”は【筋力】と【敏捷力】に基づく技能判定のすべてに適用される。キャラクターの負荷によっても防具による判定ペナルティがかかることがある。
 :鎧を着け盾を使っている場合、鎧と盾の両方の“防具による判定ペナルティ”が適用される。
 つけている防具に習熟していないなら:使用に習熟していない防具を着けている場合、攻撃ロール、【筋力】と【敏捷力】に基づく技能判定に、その防具の“防具による判定ペナルティ”が適用される。鎧に未習熟であることのペナルティと盾に未習熟であることのペナルティは累積する。
 鎧を着て眠る時は:中装鎧や重装鎧を着たまま寝たら、翌日は自動的に疲労状態になる。【筋力】と【敏捷力】に-2のペナルティを受け、突撃や疾走ができなくなる。軽装鎧を着たまま寝ても疲労状態にはならない。
 秘術呪文失敗確率:防具は秘術呪文を発動する際の身振りを妨げる。秘術呪文の使い手は、防具を着けている場合、秘術呪文失敗の可能性に直面することになる。バードは軽装鎧を着ていたり盾を使ってもバード呪文には秘術呪文失敗確率の影響を受けない。
 防具を着けて秘術呪文を発動するには:防具を着けて秘術呪文を発動する場合、秘術呪文失敗ロールを行なわねばならない。表:『鎧と盾』の秘術呪文失敗確率の欄にあるのが、呪文が失敗して失われる確率(%)である。ただし呪文に動作要素がないなら、秘術呪文失敗ロールなしで発動できる。
 :鎧を着て盾を使っている場合、両方の秘術呪文失敗確率を足して、合計の失敗確率を求める。
 移動速度:中装鎧や重装鎧を着ていると移動が遅くなる。表:『鎧と盾』の移動速度の欄の数字が、その鎧を着ているときの移動速度である。人間、エルフ、ハーフエルフ、ハーフオークは荷重なしの時の移動速度が30フィートである。これらの種族は前者の数字を使う。ドワーフ、ノーム、ハーフリングは荷重なしの時の移動速度が20フィートである。これらの種族は後者の数字を使う。ドワーフの地上での移動速度は中装鎧・重装鎧着用時や、中荷重・重荷重時にも20フィートのままであることに注意。
 :盾は移動速度に影響しない。
 重量:この欄は中型サイズのクリーチャー用の防具の重量である。小型サイズのキャラクター用なら重量が1/2になり、大型サイズのキャラクター用なら重量が2倍になる。

表:鎧と盾

防具 価格 鎧ボーナス/
盾ボーナス
【敏捷力】
ボーナス上限
防具による
判定ペナルティ
秘術呪文
失敗確率
移動速度 移動速度 重量1
30フィート 20フィート
軽装鎧
パデッド 5GP +1 +8 0 5% 30フィート 20フィート 10ポンド
レザー 10GP +2 +6 0 10% 30フィート 20フィート 15ポンド
スタデッド・レザー 25GP +3 +5 -1 15% 30フィート 20フィート 20ポンド
チェイン・シャツ 100GP +4 +4 -2 20% 30フィート 20フィート 25ポンド
中装鎧
ハイド 15GP +4 +4 -3 20% 20フィート 15フィート 25ポンド
スケイル・メイル 50GP +5 +3 -4 25% 20フィート 15フィート 30ポンド
チェインメイル 150GP +6 +2 -5 30% 20フィート 15フィート 40ポンド
ブレストプレート 200GP +6 +3 -4 25% 20フィート 15フィート 30ポンド
重装鎧
スプリント・メイル 200GP +7 +0 -7 40% 20フィート2 15フィート2 45ポンド
バンデッド・メイル 250GP +7 +1 -6 35% 20フィート2 15フィート2 35ポンド
ハーフプレート 600GP +8 +0 -7 40% 20フィート2 15フィート2 50ポンド
フル・プレート 1,500GP +9 +1 -6 35% 20フィート2 15フィート2 50ポンド
バックラー 5GP +1 -1 5% 5ポンド
木製ライト・シールド 3GP +1 -1 5% 5ポンド
鋼鉄製ライト・シールド 9GP +1 -1 5% 6ポンド
木製ヘヴィ・シールド 7GP +2 -2 15% 10ポンド
鋼鉄製ヘヴィ・シールド 20GP +2 -2 15% 15ポンド
タワー・シールド 30GP +43 +2 -10 50% 45ポンド
その他
アーマー・スパイク +50GP +10ポンド
ロックト・ガントレット 8GP 特殊 該当なし4 +5ポンド
シールド・スパイク +10GP +5ポンド
1……表の重量は中型サイズのキャラクター用のもの。小型サイズのキャラクター用の防具は重量が半分、大型サイズのキャラクター用の防具は重量が2倍になる。
2……重装鎧を着て疾走する場合、移動速度の4倍ではなく、3倍しか動けない。
3……タワー・シールドはACへのボーナスではなく、遮蔽を与えることもできる。本文参照。
4……呪文を発動する際、手が自由でないものとして扱われる。

防具の説明

 表:『鎧と盾』にある各種防具の特定の利益や付属品について、以下に説明する。

 アーマー・スパイク:鎧にスパイク(棘)を付けることもできる。スパイクつきの鎧を着て組みつき攻撃に成功すれば追加刺突ダメージを与える(表:『武器』の『スパイクト・アーマー』を参照)。スパイクは軍用武器として扱う。その使用に習熟していないなら、スパイクつきの鎧を使う際、組みつき判定に-4のペナルティを受ける。また、スパイクで通常の近接攻撃(または利き手でない手による攻撃)を行なうこともできる。この場合、スパイクは“軽い武器”とみなす。君が既にアーマー・スパイク以外の利き手でない手の武器で攻撃を行っていたならば、それに加えてアーマー・スパイクで追加攻撃を行なうことはできない。逆もまた真である。鎧に強化ボーナスがあっても、スパイクの効果は増えない。ただしスパイク自体を魔法の武器にすることはできる。
 シールド・スパイク:このスパイク(棘)はシールドを軍用刺突武器にし、盾攻撃のダメージをあたかもサイズ分類が1段階大きいクリーチャー用のシールドであるかのように増やす(表:『武器』の『スパイクト・シールド』を参照)。バックラーやタワー・シールドにスパイクを付けることはできない。そのほかの点では、スパイクト・シールドでの攻撃は盾攻撃と同様に扱う。
 スパイクト・シールドの盾ボーナスに対する強化ボーナスがあっても、それによって盾攻撃が強くなることはない。ただしスパイクト・シールドを魔法の武器にすることはできる。
 スケイル・メイル:スケイル・メイル(札鎧)は互いに重なり合う数十もの金属の板でできている。この鎧にはガントレット(篭手)が付いている。
 スタデッド・レザー:レザー・アーマーに似ているが、この鎧は小さな金属鋲で補強されている。
 スプリント・メイル:スプリント・メイルはバンデッド・メイルのような何条もの金属製の細帯でできている。この鎧にはガントレット(篭手)が付いている。
 タワー・シールド:この巨大な木製の盾は、持ち手の背丈と同じほどの高さがある。ふだんは持ち手のACに、示されているとおりの盾ボーナスを与える。しかし、1回の標準アクションとして、そうでなく自分の次のターンの開始時まで完全遮蔽として使うこともできる。このやり方でタワー・シールドを使う際には、持ち手は自分のマスの1辺を選ばなくてはならない。その1辺は持ち手のみを目標とする攻撃に対し、堅固な壁として扱われる。持ち手はこの1辺からの攻撃に対しては完全遮蔽を得、これ以外の辺からの攻撃に対しては遮蔽を得ない(『戦闘』を参照)。なおタワー・シールドも、目標型呪文に対する遮蔽は提供してくれない。というのも、呪文の使い手は、君の持っている盾を目標にすることで、君に対して呪文を発動することができるのである。タワー・シールドは盾攻撃には使えない。また、盾を持っている手は、それ以外のことには一切使えない。
 戦闘でタワー・シールドを使っていると、盾があまりにかさばるので、攻撃ロールに-2のペナルティが付く。
 チェイン・シャツ:チェイン・シャツは連結した無数の金属環でできており、胴体を覆う。
 チェインメイル:チェイン・シャツとは異なり、チェインメイルは使用者の脚と腕をも覆う。この鎧にはガントレット(篭手)が付いている。
 ハーフプレート:ハーフプレートにはフル・プレートとチェインメイルの要素が組み合わせられており、ガントレット(篭手)と兜が付いている。
 ハイド:ハイド・アーマー(獣皮鎧)は厚い皮を持つ獣の皮をなめし、保存加工したものからできている。
 バックラー:この小さな金属製の盾はストラップで前腕に着用して使う。つけていてもボウ(弓)やクロスボウ(弩)はペナルティなしで使える。また、バックラーを付けた手で武器を使用することもできる(利き手でない手で使う武器を持つことも、両手武器に添えることもできる)が、そうしている間は攻撃ロールに-1のペナルティを受ける。このペナルティは利き手でない手の戦闘によるペナルティや二刀流ペナルティに加算される。そしていかなる場合にも、利き手でない手で武器を使ったなら、次の自分のターンまでバックラーのACボーナスを失う。盾を用いたほうの手を使って動作要素のある呪文を発動することもできるが、次の自分のターンまでバックラーのACボーナスを失う。バックラーでは盾攻撃はできない。
 パデッド:この鎧は少々重い詰め物をした布でできており、最も初歩的な防御を与える。
 バンデッド・メイル:バンデッド・メイルは互いに重なり合いながら表面を覆う何条もの金属製の細帯を、革の裏打ちに固定したものである。この鎧にはガントレット(篭手)が付いている。
 フル・プレート:この金属の鎧にはガントレット(篭手)、じょうぶな革のブーツ、面頬のついた兜、鎧の下に着る分厚い詰め物が付いている。フル・プレートは腕のいい鎧鍛冶が一領一領、持ち主の体に合うように作るものと決まっている。とはいえ、分捕った鎧を新しい持ち主に合うようにしつらえなおすことはでき、これには200~800(2d4×100)GPかかる。
 ブレストプレート:ブレストプレートは一組の成形された金属でできており、胴体のみを覆う。
 木製ヘヴィ・シールド、鋼鉄製ヘヴィ・シールド:シールド(盾)は前腕を盾のストラップに通した上で、持ち手を手で持つ。ヘヴィ・シールドはなにしろ重いので、盾を持つ手では他には何もできない。
 木製と鋼鉄製:盾は木製でも金属製でも基本的な防御能力(=盾ボーナス)は同じだが、一部の呪文や効果でどうなるかが違う。
 盾攻撃:盾を使い、敵を殴ることもできる。盾攻撃のダメージは表:『武器』の『ヘヴィ・シールド』を参照。この方法で使う場合、ヘヴィ・シールドは軍用殴打武器と見なす。攻撃ペナルティに関しては片手武器として扱う。盾を武器として攻撃に使った場合、その盾のACボーナスは、そのキャラクターの次のターンまでなくなる。盾に強化ボーナスがあっても、それによって盾攻撃が強くなることはない。ただし盾を魔法の武器にすることはできる。
 木製ライト・シールド、鋼鉄製ライト・シールド:シールド(盾)は前腕を盾のストラップに通した上で、持ち手を手で持つ。ライト・シールド(小盾)は重さが軽いので、盾を持つ手で他のものも持てる(が、武器を使うことはできない)。
 木製と鋼鉄製:盾は木製でも金属製でも基本的な防御能力(=盾ボーナス)は同じだが、一部の呪文や効果でどうなるかが違う。
 盾攻撃:盾を使い、敵を殴ることもできる。盾攻撃のダメージは表:『武器』の『ライト・シールド』を参照。この方法で使う場合、ライト・シールドは軍用殴打武器と見なす。攻撃ペナルティに関しては“軽い武器”として扱う。盾を武器として攻撃に使った場合、その盾のACボーナスは、そのキャラクターの次のターンまでなくなる。盾に強化ボーナスがあっても、それによって盾攻撃が強くなることはない。ただし盾を魔法の武器にすることはできる。
 レザー:レザー・アーマー(革鎧)は注意深く縫い合わされた硬化させた革でできている。
 ロックト・ガントレット:この篭手には小さな鎖や留め金が付いていて、これに武器を取り付けて簡単には落ちないようにすることができる。戦闘中、武器落としを避けるための戦技防御値に+10のボーナスを与える。ロックト・ガントレット(留め金つき篭手)に1個の武器を付けたり外したりするのは1全ラウンド・アクションで、機会攻撃を誘発する。
 価格はロックト・ガントレット1つ(片手分)あたりの値段である。また、重量はブレストプレートや軽装鎧を着ているか、そもそも鎧を着ていない時のみ適用する。それ以外の場合は、ロックト・ガントレットはもともと鎧の一部になっている篭手の代わりに付ける(ので、重量は加算しない)。
 篭手に武器を固定している間は、この篭手をはめた手は、呪文を発動したり技能を用いたりするのには使えない(もう一方の手が自由であるなら、動作要素のある呪文を発動することができる)。
 通常のガントレット(篭手)と同様、ロックト・ガントレットでも、素手打撃で非致傷ダメージではなく致傷ダメージを及ぼすことができる。

高品質の防具

 武器と同様、鎧や盾も高品質版のものが買える。この見事なつくりの品々は、普通の鎧や盾と同じように機能するが、ただ“防具による判定ペナルティ”が1少ない。
 高品質の鎧や盾の価格は、同じ種類の通常の鎧や盾の価格に150GPを加えたものである。
 鎧や盾が高品質だからといって、攻撃ロールやダメージ・ロールにボーナスが付くことはない。たとえその鎧や武器を武器として使ってもである。
 魔法の鎧や盾は自動的に高品質のものと見なされる。
 防具を製作した後でそれに“高品質”という特性を付け加えることはできない。はじめから高品質の防具として製作せねばならないのである。

標準的でないクリーチャー用の防具

 飛び抜けて大きいクリーチャーや小さいクリーチャー用の防具、(ホースのような)人型生物以外のクリーチャー用の防具は、表:『鎧と盾』にあるものとは価格も重量も違う。表:『標準的でないクリーチャー用の防具』のしかるべき横列を参照して、価格と重量の項にある倍数を、その防具の価格と重量に掛け合わせること。

表:標準的でないクリーチャー用の防具
サイズ 人型 非人型
価格 重量 価格 重量
超小型以下* ×1/2 ×1/10 ×1 ×1/10
小型 ×1 ×1/2 ×2 ×1/2
中型 ×1 ×1 ×2 ×1
大型 ×2 ×2 ×4 ×2
超大型 ×4 ×5 ×8 ×5
巨大 ×8 ×8 ×16 ×8
超巨大 ×16 ×12 ×32 ×12
 * 鎧ボーナスを1/2にすること。

鎧の着脱

 鎧を着るのにかかる時間は、鎧のタイプによって違う(表:『鎧の着脱』参照)。
 着る:この欄は、その鎧を着るのにかかる時間を示す(1分=10ラウンド)。盾を準備する(盾に腕を通す)のは1移動アクションですむ。
 急いで着る:この欄は、鎧を急いで着る時にかかる時間を示す。急いで着た鎧は、“防具による判定ペナルティ”も鎧ボーナスも普通より1ポイント悪くなる。
 脱ぐ:この欄は、鎧を脱ぐのにかかる時間を示す。盾を腕から外して落とすのは1移動アクションですむ。

表:鎧の着脱
種別 着る 急いで着る 脱ぐ
盾(どれでも) 1移動アクション 1移動アクション
パデッド、レザー、ハイド、スタデッド・レザー、チェイン・シャツ 1分 5ラウンド 1分1
ブレストプレート、スケイル・メイル、チェインメイル、
バンデッド・メイル、スプリント・メイル
4分1 1分 1分1
ハーフプレート、フル・プレート 4分2 4分1 1d4+1分1
1……他人の助けがあるなら時間を半分にすること。何も他のことをしていないキャラクターが1人いれば、隣接するキャラクター1~2人を助けることができる。2人のキャラクターがお互い同時に鎧を着るのを助け合うことはできない。
2……この種の鎧を普通に着るには他人の助けが要る。助けなしでは“急いで着る”ことしかできない。

特殊な素材 Special Materials

 武器と防具は特殊な性質を備えた素材で作ることができる。複数の特殊な素材を使って武器や防具を作っても、もっとも有効な素材の利点だけが得られるが、それぞれが別の特殊な素材からできた双頭武器を作ることはできる。
 以下に記す特殊な素材はゲーム的な効果が決められている。いくつかのクリーチャーは特殊な種類のダメージ(悪属性の武器、殴打武器など)以外の全てに対するダメージ抵抗を持っている。特定の素材からなる武器への脆弱性を持つものもいる。キャラクターたちは最もよく遭遇するクリーチャーの種類によって、いくつかの異なる種類の武器を持ち運ぶかもしれない。
 アダマンティン:天から落ちてきた岩から掘り出されたこの超硬度の金属は、武器や防具の品質を向上させる。アダマンティンからなる武器は、武器破壊や物体を攻撃するときに20未満の硬度を無視する能力を持つ(補足ルール参照)。アダマンティンから作られた鎧は、軽装鎧なら1/-、中装鎧なら2/-、重装鎧なら3/-のダメージ減少を着用者に与える。アダマンティン製の武器防具は常に高品質であるコストがかかり、その高品質コストは以下に示す価格に含まれる。結果として、アダマンティン製の武器と矢弾は攻撃ロールに+1の強化ボーナスがあり、アダマンティン製の鎧の判定ペナルティは通常に比べて1少なくなる。金属部品のないアイテムはアダマンティンで作ることはできない。矢をアダマンティンで作ることはできるが、クオータースタッフには行えない。
 アダマンティン製の武器や鎧は、通常の鋼鉄製の武器や鎧にくらべてヒット・ポイントが3分の1だけ多い。アダマンティンは厚み1インチごとに40のヒット・ポイントと硬度20を持つ。

アダマンティン製のアイテム アイテムコスト修正
矢弾 +60GP/発
軽装鎧 +5,000GP
中装鎧 +10,000GP
重装鎧 +15,000GP
武器 +3,000GP

 ダークウッド:この珍しい魔法の木は通常の木と同じくらい硬いが、非常に軽い。ダークウッドで作られた木製またはほぼ木製のアイテム(ボウやスピアなど)は高品質とみなされ、重さは通常の半分である。通常は木製でない、または部分的に木が使われているアイテム(バトルアクスやメイスなど)はダークウッドで作ることはできないか、ダークウッドによる特殊な利益を得ることができない。ダークウッド製の盾は、普通のものに比べて判定ペナルティが2だけ減少する。ダークウッド製のアイテムは本来の重量によって価格が決められ、1ポンドごとに10GPを高品質版の価格に加えたものになる。
 ダークウッドは厚み1インチごとに10のヒット・ポイントと硬度5を持つ。
 冷たい鉄:地下深くで採掘され、デーモンやフェイに対する有効性が知られているこの鉄は、その繊細な性質を損なわないために低温で鍛造される。冷たい鉄製の武器は、通常の品を作るのに比べて2倍のコストがかかる。また、冷たい鉄製の武器に魔法的な強化を施すときは、その価格が2,000GP増加する。この増加は能力を加えるごとでなく、アイテムが強化される最初の場合のみ適用される。
 金属製の部品がないアイテムは冷たい鉄で作ることはできない。矢では可能だが、冷たい鉄製のクオータースタッフを作ることはできない。双頭武器の一方だけを冷たい鉄にするなら、通常の品の1.5倍のコストとなる。
 冷たい鉄は厚み1インチごとに30のヒット・ポイントと硬度10を持つ。
 ドラゴンハイド:防具職人は高品質の鎧や盾を製造するときに竜の皮革を使うことができる。1匹の竜から、その竜よりサイズが1つ小さいクリーチャーに合わせた高品質なハイド・アーマーを作るのに十分な皮革が取れる。適したうろこや皮革の欠片を選ぶ必要があるため、高品質バンデッド・メイルなら2サイズ、高品質ハーフプレートなら3サイズ、高品質ブレストプレートか高品質フル・プレートなら4サイズ小さなクリーチャーに合わせたものしか作ることができない。どの場合でもドラゴンが大型サイズ以上なら、鎧に加えて高品質なライト・シールドかヘヴィ・シールドを作るのに十分な皮革が取れる。あるエネルギー種別に対する完全耐性を持つ竜から取れたドラゴンハイドからできた防具は、その竜と同様に完全耐性を持つが、これは着用者にいかなる保護も与えない。後から鎧や盾にそのエネルギー種別から保護する能力を与える場合、それらの保護を加えるコストは25%減る。
 ドラゴンハイド製の防具には金属が使われていないため、ドルイドはペナルティなしでこれらを着用できる。
 ドラゴンハイド製の防具のコストは、高品質の同じ防具の2倍となるが、作成時間は通常の防具のものとなる(〈製作〉の結果を全て2倍にすること)。
 ドラゴンハイドは厚み1インチごとに10のヒット・ポイントと硬度10を持つ。一般的な竜の皮革は1/2から1インチの厚みがある。
 ミスラル:ミスラルとは銀に似た光沢のある非常に珍しい金属であり、鋼鉄と同じほど硬いがそれよりも軽い。これは鋼鉄の代わりとして防具を作るのに素晴らしく適した材料であり、同様に時折他のアイテムのためにも使われる。ほとんどのミスラル製の鎧は、移動速度や他の制限を考える際に通常のものより1段階軽いとみなされる。重装鎧は中装鎧、中装鎧は軽装鎧として扱われるが、軽装鎧は軽装鎧のままとみなされる。この軽減は鎧の習熟には適用されない。つまり、ミスラル製フル・プレートを装備したキャラクターは、攻撃ロールや運動を必要とする技能判定に判定ペナルティが適用されるのを防ぐために、重装鎧へ習熟していなければならない。ミスラル製の鎧や盾は、秘術呪文失敗確率が10%減少し、【敏捷力】ボーナス上限は2増加し、防具による判定ペナルティは3減少する(最低0)。
 ミスラルから作られたアイテムは、他の金属で作られたものに比べて半分の重さしかない。武器の場合、この軽さは武器のサイズ分類や扱いやすさ(軽い武器か、片手武器か、両手武器か)を変えない。主要な素材が金属ではないアイテムは、部分的にミスラルが使われていても意味のある効果を持てない(ロングソードをミスラル製武器にすることはできるが、クオータースタッフでは行えない)。ミスラル製の武器は、ダメージ減少を克服する際に銀製の武器とみなされる。
 ミスラル製の武器や防具は常に高品質である。高品質のためのコストは以下に示した価格に含まれている。
 ミスラルは厚み1インチごとに30のヒット・ポイントと硬度15を持つ。

ミスラル製のアイテムの種類 アイテムのコスト修正
軽装鎧 +1,000GP
中装鎧 +4,000GP
重装鎧 +9,000GP
+1,000GP
その他のアイテム +500GP/ポンド

 錬金術銀:冶金術と錬金術を組み合わせた複雑な手順で銀を鋼鉄に融合させたこれらの武器は、ライカンスロープのようなクリーチャーのダメージ減少を克服することができる。
 銀メッキをされた斬撃武器や刺突武器では、命中した攻撃のダメージ・ロールに-1のペナルティを受ける(最低1ダメージ)。錬金術銀は非金属製のアイテムに適用できず、アダマンティンや冷たい鉄、ミスラルなどの希少金属と組み合わせることもできない。
 錬金術銀は厚み1インチごとに10のヒット・ポイントと硬度8を持つ。

錬金術銀製のアイテムの種類 アイテムのコスト修正
矢弾 +2GP
軽い武器 +20GP
片手武器または双頭武器の片方 +90GP
両手武器または双頭武器の両方 +180GP

最終更新:2019年06月24日 00:24