純正Bluetooth Moduleの利用

純正Bluetooth Moduleの利点

USB Bluetooth ドングルを使えばBluetoothデバイスを利用できるが、安定して完璧に機能するドングルは、なかなか入手困難。 純正のBluetooth Moduleを部品として入手し、接続すれば、本物のMacと同様の安定性と高い互換性が期待できる。ここでは、その方法を説明する。

純正Bluetooth Moduleを入手する

純正Bluetooth ModuleはeBayなどで部品として入手可能。$10前後が相場。 Intel搭載のMacbook, iMac, Mac mini用のモジュールを捜す。 Mac Pro用のモジュールには、ロジックボード直結コネクタのものがあり、 工作がほぼ不可能な場合があるので、避けたほうが良い。 代替は可能かと思われるが、オリジナルのアンテナ付きのものがあればそれが良い。 また、配線のケーブルも付いていた方が良い。 配線ケーブルの両端にはコネクタがついていてモジュールと接続する。 直接配線をハンダ付けしても良いが、コネクタが極小なのでハンダ付けはかなり困難。 ケーブルがついていれば、その先をばらして使えるので楽。 結局、写真のようなものをeBayで購入した。送料が結構かかった。 型番は BCM92046MD 。ケーブル色は、赤:3.3V, 緑:D-, 黄:D+, 黒: GND。 ちなみに、後述のUSBコネクタとか、マザーボードのUSBヘッダピンもそうだけど、USBの端子が一列に並んでいるときは、 端から、5V(3.3V), D-, D+, GND, という順序になるのがお約束らしい。

回路図

この図のようなアダプタを作れば、PC標準USBと、純正Bluetooth Moduleを接続できる。 純正Bluetooth Moduleの信号端子はUSB。ただし電源が3.3V。 通常のPCのUSB電源は5Vなので、電圧変換が必要。 そこで3端子レギュラーを使って5Vから3.3Vに変換する。 それ以外の線は直結で良い。

部品の買い出し

標準USB - 純正Bluetooth Moduleアダプタを作るために、以下の部品を揃える。

3端子レギュレータ

秋月で、3.3v出力レギュレータを見つけた。電圧差0.6V程度で稼働するらしいので、入力は5Vで大丈夫そう。おまけにコンデンサもセットなので買い物の手間省略で助かる。100円。

USBコネクタ

作成するアダプタと本体PCのUSBとの接続方法は、いろいろ考えられる。

  • マザーボードのUSBヘッダピンケーブルまたはUSB Aオスケーブルをばらしてハンダ付け
    • 取り付け時にケーブル引き回しが面倒、そのときのハンダ付け信頼性が不安。
  • アダプタ基板にUSB Aオスコネクタを付ける。
    • このまま本体のUSB端子にさせる(でも大きいので邪魔かも)
    • マザーボードUSBヘッダピン--A メスケーブル経由で内部配線する
    • USB Aオス--A メスケーブル経由で本体にさす(USB-Aメスケーブルはあまり出回っていない)
  • アダプタ基板にUSB Bメスコネクタを付ける
    • マザーボードUSBヘッダピン--A メス--A オス--Bオス経由で内部配線する(ちょっとややこしい)
    • USB Aオス--B オスケーブル経由で本体にさす(USB-Bオスケーブルは種類が多い)

今回は、いろんな事情から、アダプタにUSB Bメスコネクタをつけることにした。 ただ、基板用USBコネクタはピンのピッチが2.5mmではないので、ユニバーサル基板で配線しようとすると工作が面倒。 と思ったら秋月で、USB mini Bメスコネクタを2.5mmピッチに変換してくれるアダプタ発見。 他社より格安の200円。USBの5Vピンからと端子の間には、ヒューズ内蔵してくれているので、うっかり配線間違えても安心感あり。

基板と熱縮チューブ

千石で見つけた大きさぴったりのユニバーサル基板(70円)。これがすっぽり入る熱縮チューブ(100円)もおなじく千石で。透明のチューブがあると良かったけど、太いのは黒しかなかった。 熱縮チューブ以外の部品を並べてみた。

レイアウトの検討

この写真を使って、画像編集ソフトで配置を考えてみた。白線が、ユニバーサル基盤裏での配線。赤、緑、黄、黒の引き出し線は、Bluetooth Moduleのケーブルの色に対応。

工作

ハンダ付け

実際に配線した表と裏。Bluetooth Moduleからのケーブルは、先についていたコネクタを切り落として、基板表からネジ利用して裏へ通して、ハンダ付けして配線。ネジ穴部分から抜けないようにホットボンドで固定した。

熱縮チューブで保護して完成

熱縮チューブで基板全体を保護。これで完成。写真の、左が今回作成したアダプタ、中がBluetooth Module、右がアンテナ。

接続確認

Macintoshに接続するとこんな風に見える。Bluetoothデバイスの接続も良好。スリープからの復帰も効くし、復帰後の応答も早い。Chameleonでの設定やBIOSでのメニュー選択も可能。Windows 8では、OS標準のデバイス設定でBluetooth機器を登録でき、キーボードやトラックパッドがWindows からも使えるようになる。

BRCM2046 Hub:

 Product ID:	0x4500
 Vendor ID:	0x0a5c  (Broadcom Corp.)
 Version:	 1.00
 Speed:	Up to 12 Mb/sec
 Manufacturer:	Apple Inc.
 Current Available (mA):	500
 Current Required (mA):	0

  Bluetooth USB Host Controller:

   Product ID:	0x8215
   Vendor ID:	0x05ac  (Apple Inc.)
   Version:	 2.01
   Speed:	Up to 12 Mb/sec
   Manufacturer:	Apple Inc.
   Current Available (mA):	500
   Current Required (mA):	0

ケースへの組み込み

上の写真のままでUSBケーブルでPCと接続すればすぐに使用できる。 全体を熱縮チューブで覆って、ケーブルと一緒に束ねておいても良いし、 プラスティックケースを探して組み込んでも良い。 また、USBハブ機能付きディスプレイだったらハブのUSB端子に接続して、 一式をディスプレイの裏側に貼付けて使うのも良いかもしれない。 しかし、もともとの部品が、Macintosh本体に組み込むためのパーツであったので、 これをPCケース内部に組み込むのが本来の姿かもしれない。

PCケースなどに組み込む場合、プラスティックがむき出しの部分を探して、 その内部にアンテナを貼付ける事が重要。 アルミや鉄でシールドされていると、電波が飛ばず、ポインターの動きがぎくしゃくすることがある。 今回、SilverStone社のSST-FT02に組み込んだが、このケースもほとんどの部分が金属でシールドされている。 プラスティック部分がむき出しな箇所は、底面吸気口の端の一部と、上面のUSB/オーティオポート部分(8cm x 4cm, プラスティックスライダが付いている)だけである。今回はUSB/オーディオポート部分に組み込むことにした。

ケース上部部分を取り外して、裏返したのが下の写真。USBコネクタ/オーディオジャック/電源スイッチ/リセットスイッチ/LED部分は、作業のために取り外してある。上記の8cm x 4cmのプラスティック部分の中央に当たる部分にアンテナをマジックテープで取り付けた。また、その近辺のプラスティック部分に穴をあけて、Bluetooth Moduleと今回制作したアダプタをねじ止めした。USBケーブルはケーブル穴を通して、バックパネル部分に引き出し、ここのUSBコネクタに接続。

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最終更新:2012年09月09日 20:54
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