桐乃「京介ー、寒いからパーカー貸して」

桐乃「ねぇ」
京介「…あんだよ」
桐乃「ソレ、貸してくんない?」
京介「ソレじゃわかんねぇよ」
桐乃「ハァ?あんたが着てるパーカーに決まってんでしょ」
京介「分かるか!」
桐乃「いいから貸してよ」
京介「ヤダよ、何で俺が貸さなきゃなんねーんだよ」
桐乃「いいから貸せ!」
京介「おい!引っ張るな伸びるだろうが!」
桐乃「ちょっとくらい伸びてもいいでしょ!」
京介「アホかお前は!」
桐乃「い・い・か・ら・は・や・く!」
京介「だー!わかった、わかったから離せ!」
桐乃「はやくしてよ」
京介「んだよ…ほら、あとで返せよ」
桐乃「ふん。あたし部屋に戻るから。絶対入ってこないでよ!」
京介「誰が入るかよ。なんなんだよアイツ、わっけわかんねぇ…」

    • 桐乃の部屋

桐乃「うへへへへ」
桐乃「京介の匂いが付いてるパーカーゲットしちゃった!」
桐乃「くんかくんか」
桐乃「うへへへへ」

携帯<デンワー

桐乃「ったく、こんなときに誰なの…あやせ?」
桐乃「もしもし、どったのあやせ?」
あやせ『あ、桐乃?今から加奈子と遊びに行ってもいいかな』
桐乃「あー、うん、いいよ」
あやせ『ありがとう桐乃、じゃぁ今から行くね』
桐乃「うん、わかった」
桐乃「いきなりなんて珍しいなぁ…。あ、パーカー隠さないと」

桐乃「ねぇ」
京介「あんだよ」
桐乃「今から加奈子とあやせが来るから、どっかいっててくんない?」
京介「あ?あやせと加奈子なら別に俺が居てもいいだろ」
桐乃「よくないの!」
京介「今日のお前はいつにもましてよくわかんねぇな…」
桐乃「いいから!」
京介「今からだと行くとこねぇし」
桐乃「ぐぬぬ…」
京介「…ちょっと散歩でもいってくら。なんかいるかよ」
桐乃「…アイス」
京介「あいよ、行ってくるわ」

桐乃「なによ、やさしいじゃん・・・うへへ」
桐乃「っと、お茶用意しないと」

<ピンポーン

桐乃「はーい」
あやせ「いきなりごめんね、桐乃」
桐乃「いいのいいの、入ってー」
加奈子「おじゃましまーす」
あやせ「お邪魔します」

    • 桐乃の部屋

あやせ「いつもきれいにしてるよね、桐乃って」
桐乃「そんなことないよー」
あやせ「加奈子も見習わないとダメだよ?」
加奈子「へいへーい」
桐乃「で、今日はいきなりどしたの?」
あやせ「ちょっと相談があって」
桐乃「相談?あ、先に飲み物取ってくるね」
あやせ「ありがとう」
加奈子「はやくしろよー」

あやせ「…ねぇ加奈子」
加奈子「あん?」
あやせ「ここ、お兄さんの匂いがするんだけど」
加奈子「はぁ?ここ桐乃の部屋だぜ?」
あやせ「そうだよね、気のせいだよね…でもベッドの下から…」
加奈子「ベッドの下?あ、パーカー落ちてね?仕方ねーからこの加奈子様がたたんでやんよー」
あやせ「加奈子、そのパーカーって…」
加奈子「桐乃のなんじゃねーの?趣味わりーけど」
あやせ「それ、お兄さんのだ」
加奈子「アイツの兄貴の?」
桐乃「おまたせ…って何してんの加奈子」
加奈子「パーカー落ちてたからたたんでやったんだよ。えらいっしょ?」
あやせ「ねぇ桐乃、なんでここにお兄さんのパーカーがあるの?」
桐乃「えっと、それは…」
あやせ「ここ、桐乃の部屋だよね?どうして?」
桐乃「ま、間違えてここに入ったんじゃないの?」
あやせ「ふぅん…間違えて…ね」
加奈子「あん?間違えて入ってたんならしゃーねーべ?」
桐乃「そう、仕方ない!」
あやせ「…なら仕方ないか」
加奈子「なんでこんなに空気がつめてーの?」

あやせ「…」
桐乃「…」
加奈子「なーんか居づれー空気だなオイ。なぁ、相談があったんじゃねーの?」
あやせ「あ、そうだったね」
桐乃「そ、相談ってなんなの?」
あやせ「お兄さんのことなんだけど」
桐乃「あ、アイツの?」
あやせ「お兄さんって黒猫さんと別れたんだよね?」
桐乃「う、うん、そうみたいだよ」
あやせ「今は付き合ってる人はいないんだよね?」
桐乃「ちょ、ちょっとまってあやせ、どうしてそんなこと聞くの?」
加奈子「好きだからじゃねーの?」
桐乃「はぁ!?」
あやせ「ちょ、ちょっと加奈子!」
加奈子「嘘ついてもしゃーねーべ?あたしも結構好きだし」
桐乃「ちょっ…」
あやせ「…加奈子、一体どういうことなの?」
加奈子「こえーよ!結構気が利くし、冴えねー顔してるけどよく見ると結構カッコイイじゃん?」
あやせ「…そう」
桐乃「あ、アイツはあたしの兄貴なんだし、その…」
加奈子「兄貴って当たり前だろ?」
あやせ「…ねぇ2人とも、ここは勝負しない?」
桐乃「勝負?」
あやせ「うん、勝った人がお兄さんを好きにできるっていう条件で」
桐乃「そ、そんな勝手な」
加奈子「いーんじゃねーの?手っ取り早くて」
桐乃「加奈子まで…」
あやせ「あくまでお兄さんに決めてもらうことにしましょう」
加奈子「どーいうルールで行くんだよ?」
あやせ「そうね…皆で温泉に行って、そこでお兄さんに決めてもらいましょうか」
桐乃「お、温泉?」
あやせ「そう、温泉」

    • 温泉街

桐乃「わー、すっごいね」
あやせ「硫黄のにおいもするし、来たって感じがするね」
加奈子「なんかくせーし。さっさと旅館いかね?」
京介「…なぁ、」
桐乃「なに?」
京介「そろそろ説明してくんねーか?いきなり、今度の休みに温泉行くから。って言われてもだな」
あやせ「私とじゃいやなんですか?」
京介「イヤ、そういうわけじゃないんだけどさ」
加奈子「じゃあいーじゃねーかよ。細かいこと気にしてるとハゲるぞー」
京介「ハゲねーよ!俺は理由が知りてーんだよ!」
桐乃「いいじゃない。こーんなかわいい子3人も連れてるんだしさ」
京介「いや、まぁそうなんだけどよ…」
あやせ「まぁまぁ、今日は楽しみましょうよ」
京介「…そうだな、せっかく温泉に来たんだし、楽しむとするか!」
あやせ(うふふ…)
桐乃(京介はあたしのなんだから…)
加奈子「なぁ、温泉饅頭食いてー」
京介「あん?仕方ねーな」

    • 旅館

京介「…なぁ、でかくないか」
あやせ「せっかくですもの、いいところに泊まりたいじゃないですか」
京介「え?今日泊まるの?」
桐乃「いまさら何言ってんの?」
京介(やっべぇ、ドキドキしてきた…)
加奈子「饅頭うめー」
京介「…お前はいいよな」
加奈子「あん?やらねーぞ」
京介「くわねーよ!」

「はい、ご予約いただいておりました新垣様ですね。こちらへどうぞ」

    • 部屋

あやせ「うわー、広いですねお兄さん!」
京介「ほんとにここに泊まっていいのか…?」
桐乃「いいに決まってんでしょ」
あやせ「お兄さんは何も気にしないでくださいね」
京介「そうはいってもだな…」
あやせ「ね?」
京介(上目遣いは反則じゃねぇのあやせタン!)
京介「あ、ああ分かった」
桐乃「…キモ」

あやせ「さて、せっかくの温泉なんだし温泉に入りに行きましょう!」
京介「あ、ああそうだな」
桐乃「ここ露天風呂あるんだよねー」
あやせ「さぁ、行きましょうお兄さん!」
京介「ちょ、押すなって」
桐乃「うひひ、超楽しみー」
加奈子「あ、置いてくなって!」

あやせ「じゃあお兄さん、また後で」
桐乃「早く行こうよ」
加奈子「さっさとはいろーぜ」

京介「お、おう」

    • 露天風呂

京介「ま、さすがに混浴じゃないわな…混浴じゃないよな?」
京介「やっべぇ、ドキドキしてきたじゃねぇか…」
京介「…ええい!うだうだしていても始まらねぇ!」
京介「いざ!」

あやせ「ま、待ってましたよお兄さん」
京介「マイラブリーエンジェルあやせタンキターーー!」
あやせ「な、なんですかいきなり」
京介「いや、すまん、取り乱した…って前隠せ前!」
あやせ「で、ですが温泉ですし…」
京介「いいから隠せって!さすがにいろいろとマズイ!」
あやせ「なにがマズイんですか…?」
京介「早く!」
あやせ「わ、わかりましたよもう…」

あやせ「隠しましたよお兄さん」
京介「ったく…で、あの2人は?」
あやせ「順番です」
京介「順番?なんの順番なんだよ」
あやせ「気にしないでください。それより温泉につかりましょうよ」
京介「あ、ああそうだな」

あやせ「隣に行ってもいいですか?」
京介「…まぁいいけど」
あやせ「失礼しますね、お兄さん」
京介「あの、あやせさん?」
あやせ「な、なんでしょう?」
京介「あの…あたってるんですが…」
あやせ「あててるんです」
京介「そ、そうですか…」

京介(耐えろ俺のムスコ!)

あやせ「ねぇ、お兄さん」
京介「な、なんですか?」
あやせ「…なんでもありません」
京介(腕に抱きついてきてしかも上目遣い…生きててよかった…)
あやせ「きゅ、急に泣き出さないでください!」
京介「あ、ああスマン」
あやせ「ねぇお兄さん、1つ聞きたいことがあるんですが」
京介「あん?」
あやせ「桐乃がお兄さんのパーカーを持ってたんですが」
京介「ああ、なんか無理やり俺の着てるヤツを取っていってな」
あやせ「そうですか…」
京介「あやせさん、目がマジ怖いっす」

あやせ「っと…時間ですね」
京介「時間?」
あやせ「ええ、時間です。では後で」
京介「なんなんだ一体…」
京介(ああ、でもやわらかかったな)
京介「ってなに考えてるんだ俺!」

桐乃「なにキモイ顔してんの?」
京介「のわ!つ、次は桐乃か」
桐乃「文句でもあんの?」
京介「いんや、なんも。前隠せ前」
桐乃「い、いいじゃん別に」
京介「よくねぇよ!」

桐乃「あやせにデレデレしちゃってさ…バカ」
京介「…見てたのか」
桐乃「当たり前じゃん」
京介「なんてこった…」
桐乃「そんなことより、こっち来て」
京介「あんだよ」
桐乃「体洗ってあげるって言ってんの!」
京介「あ、ああ…前隠せ」
桐乃「いいじゃん。それよりここ座って」
京介「へいへい」

桐乃「ほら、背中洗うから」
京介「おう」
桐乃「…昔はこうやってお風呂入ったことあったっけ」
京介「ちっさいときなー。あのときのお前は可愛かったよ」
桐乃「…なに?今は可愛くないって言ってんの?」
京介「いでででで、強くこすんな!そんなこと誰もいってねぇよ!」
京介「お前は今も昔もかわんねぇよ」
桐乃「…そっか」

桐乃「ほら、前洗うからこっち向いて」
京介「いや、前は勘弁してくれ」
桐乃「いいじゃん、あたしが洗ってあげるんだから前向け!」
京介「いや、今はマズイんだって!」
桐乃「はぁ?意味わかんない。いいから早く前む…」
小京介「やぁ」
桐乃「ば…ば…バカじゃないの!?キモ!」
京介「うるせぇ!」
桐乃「うるさい!バカ!バカー!」
京介「あー…いっちまった」
京介「いや、助かったのか…?」

加奈子「ちーっす」
京介「…まぁ、順番的に加奈子だろうとは思ったさ。前隠せ」
加奈子「んだよこまけーな。つーかあんまり見てなかったけど桐乃になにしたんだ?」
京介「なんでもねぇよ」
加奈子「お、泡だらけじゃん」
京介「桐乃に洗ってもらってた最中だったからな」
加奈子「ふーん、じゃあ加奈子が前洗ってやんよ」
京介「いらねーよ」
加奈子「んだよ、じゃあ頭でも洗ってやるか」
京介「なんで上から目線なんだお前は」

加奈子「なんでもいいだろ?ほら向こうむけよ、洗えないだろ」
京介「ああ、頼むわ」
加奈子「ふんふふーん」
京介「意外とうまいな」
加奈子「だべ?」
京介「ああ、すっげー意外だわ」
加奈子「んだとー?ほらお湯かけるぜ」
京介「ああ」
加奈子「よし、どうだ、さっぱりした?」
京介「ああ、サンキューな」
加奈子「へへ、いいってことよ!」

京介「んで、なんでこんなに順番に入ってくるんだよ?」
加奈子「理由はいえねー。言うとあやせに怒られっから」
京介「そうかよ」
加奈子「んでー、京介よー、加奈子に欲情したりしねーの?」
京介「するかバカ」
加奈子「んだよー、ちょっとぐれーしてもいいんだぜー?」
京介「ひっつくなって」
加奈子「ちょっとぐれーいーじゃん。ほれほれ」
京介「せ、背中にくっつくな!」

あやせ「加奈子くっつきすぎ!」
桐乃「…キモ」
加奈子「ちぇ、終わりかー」
京介「なんだったんだいったい…」
あやせ「いいじゃないですか、さぁみんなでゆっくりはいりましょう!」
京介「へいへい…」

    • 部屋

あやせ「いいお湯だったね」
桐乃「うん、後でもう一回入りにいこっか!」
あやせ「そうだね」
京介「俺は疲れたぜ…」
加奈子「んじゃ、もっかい入りに行くか?」
京介「いや、マジ勘弁してください」
あやせ「あ、もうすぐ晩御飯の時間ですね」
加奈子「腹減ったー」
桐乃「もうちょっとなんだから我慢しなよ」
加奈子「へーい」

「お待たせしました、本日のお勧めでございます。ごゆっくりどうぞ」

加奈子「おー!超うまそうじゃん!」
あやせ「加奈子、はしたないよ」
京介「すげぇ豪華じゃね?」
あやせ「きにしないでください」
桐乃「んじゃ、いっただっきまーす」

「「「いただきまーす」」」

加奈子「うめー!」
あやせ「まったく、加奈子ったら…」
京介「いや、でもコレマジでうめぇよ」
桐乃「はー、超おいしい…」
あやせ「もぐ…あ、ほんとですね」

加奈子「おい京介ー」
京介「あんだy…むぐっ」
加奈子「それうまくねー?」
京介「おま…お、たしかにうめーな」
加奈子「だべ?」
桐乃「…」
あやせ「…」
加奈子「おめーのソレちょっとくれよ」
京介「あ、コラてめぇ、俺の取るんじゃねぇよ」

あやせ「お、お兄さん!コレもおいしいですよ!」
京介「むぐっ」
桐乃「こ、コレもおいしいって!」
京介「むぐぐ」
あやせ「どうですかお兄さん!」
京介「そんなにたくさん食えねぇよ!」
あやせ「そ、そうですよね」
京介「でもまぁ全部うめぇな」

    • 食後

京介「も、もう食えねぇ…」
加奈子「食った…」
あやせ「おなかいっぱいですね」
桐乃「そうだねー」
京介「で、そろそろ聞かせてくれないか?」
あやせ「何をですか?」
京介「俺をここに連れてきた理由だよ」
あやせ「それは…」
桐乃「その…」
加奈子「いっちまおうぜー」
あやせ「…そうだね、実はですね」

  • 事情説明中

あやせ「と、いうわけなんです」
京介「おま…全員俺のこと」
あやせ「ええ。大好きです」
桐乃「あたしも。妹とか関係ない」
加奈子「加奈子も好きだぜー?」
京介「マジですか?」
桐乃「マジにきまってんじゃん」
京介「……」
加奈子「で、誰選ぶよ?」
京介「いきなり言われてもな」
加奈子「んだよ、ヘタレかよ?」
京介「ちげーよ!」
桐乃「じゃあなんなのよ」
京介「いきなりすぎてだな…」

あやせ「こうしましょうお兄さん、私たちもう一度温泉に入ってきますから、その間に決めておいてください」

京介「…」

あやせ「いいですか?」
京介「ああ、分かった」
あやせ「じゃあ、いってきますね」
加奈子「もっかい風呂かよー」
桐乃「あとでアイス買ってあげるし」
加奈子「マジで?ラッキー」

京介「…どうしよう。マジで」
京介「どうにもならないんじゃね?選ばないとあやせに刺されそうで怖ぇ」
京介「…」
京介「電話して相談、してみるか。あいつに」

麻奈実『そんなことになってるんだー』
京介「ああ、もうどうしていいか俺にはわからん」
麻奈実『んー、自分の気持ちに正直になったらいいとおもうよー?』
京介「やっぱそうなのかなぁ」
麻奈実『うん、きょうちゃんが選んたんだもの、皆納得してくれるよ』
京介「…わかった。サンキュー麻奈実」
麻奈実『ううん、私はいつでもきょうちゃんの味方だからね』
京介「ありがたいぜ」
麻奈実『じゃあ、がんばってね、きょうちゃん』
京介「ああ」

あやせ「戻りました」
桐乃「誰かと電話してたの?
京介「いや、別に」
加奈子「ふーん」
あやせ「で、誰を選ぶか決まりましたか?」
京介「…ああ、決まった」
桐乃「全員とかなしだかんね」
京介「分かってる」
加奈子「まぁ、誰になっても加奈子は別にかまわねーし」
あやせ「じゃあお兄さん。誰を選んだんですか?」

京介「俺は---」

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最終更新:2012年07月01日 22:15