黒猫「2万円もする高級お節が共同購入クーポンで半額だったわ」

黒猫母「今度のお正月は奮発して、お節料理を注文したのよ~」
妹1「ええ!?すっごーい! 私お節料理って初めて!でも…高かったんじゃないの…?」
黒猫母「それがね、お姉ちゃんがインターネットで割引のお店を見つけてくれたの。お姉ちゃんは凄いね~」
黒猫「フフフ、2万円もする高級お節が共同購入クーポンで半額だったわ」
妹2「姉さま、ありがとう。 楽しみでしゅ~ おせち!おせち!」


宅配「宅配便です」
黒猫「きたみたいね…」
妹共「やったですー! おせちっ! おせつっ!」
黒猫「それじゃあ…、ちょっと私が出てくるから 待ってて頂戴」
母「ふふふっ、それじゃあお母さんはお茶とお箸とお皿の用意をしましょうかね」
妹共「わたしもお手伝いするー!」
母「ふふっ、それじゃあお皿を割らないように机に出してくれるかしら?」
妹共「はーいっ!」

in 玄関

配達「え~と…1万と500円お願いします」
黒猫「はい、これで丁度ね」
配達「それじゃあ、サインか印鑑をお願いします」
黒猫「面倒ね……これでいいかしら?」
配達「ありがとうございましたー」

  ガラガラ

黒猫「ふふっ、あの子たちも楽しみに待ってるでしょうね……」

  ガラッ

黒猫「おせち受け取ったわよー」
妹共「きゃっー! おせちですー! ピカピカに包んであるですー!」
黒猫「そりゃあそうよ、なんと言っても2万円もするおせちですからね
    梱包から綺麗に包んであるのは当然だわ。 Amazanの通販じゃあるまいし」
妹共「はやく食べたいですっ!」
黒猫「まったく…仕方ないわね。 早く座りなさい」

妹共「はーい!!」
黒猫「それじゃあ開けてみましょ――

   ピピピピピピ

黒猫「あら…、電話だわ、誰からって――っ!!
母「あら? どうしたの? もしかして彼氏とか?」 ニヤニヤ
黒猫「ちっ…違うわよ……」
妹共「どこか出かけてしまうですか?」
母「お姉ちゃんはお誘いがあったみたいだしお母さんと食べましょうね?」
妹共「は…はいです……」
黒猫「ちっ…違うって言ってるじゃない……! ふんっ!」
母「あら…? 電話でなくていいの? どうせどこか遊びに行こうって誘いでしょう?」
黒猫「きょ……今日は、たまには妹達と遊んであげなくっちゃね…」
母「あらあら…、そんなにおせちが食べたいの?」
黒猫「そんな人を食べ物で動く奴みたいな言い方は止めて頂戴」
母「ふふっ、本当いいお姉ちゃんですねー」
妹共「お姉ちゃん大好きですー!」
黒猫「も…もう分かったから早く開けてみましょう……」
母「そうねぇ、お母さん開けてみてもいいかしらっ!」
妹共「えーっ! お姉ちゃんに開けてもらうですー!」
母「……ふふっ、それもそうねっ」
妹共「せっかくおせちを探してくれたんですから
    開けるのはお姉ちゃんに決まってるですー!」
母「……だそうよ?」
黒猫「え……な…何だか知らないけど開けるわよ……」
妹共「はーいっ!!」
黒猫「……あれ…、厳重な梱包で気がつかなかったけど
    案外、梱包を取ってみたらどうにも中は軽いわね……」
母「でも…、それって家族用なんでしょう?」
黒猫「と、とりあえず…開けてみれば分かることだわ
    ………気のせいならいいのだけれど…」

    ガサガサ

    パカッ


                            #AA{{ :;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.,.,...
        r────────────、   ;:;:;:;:;'''          ...:.:.:.:'''::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;;:;,.,...
       ./ |_ ,.へ、 __/l ____ /l._ /_____/.|         ...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
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      ./ / `゙   // |__ノ_ノ.」//    / ./   :.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
     /.-=======================/ ./    .:..:.:.:.:.:.:.:.:..::.:.:.:.:.::;:;:;:;:;:;.
     /: i_.,. - 、___./l ,. - 、 __./l      _/ ./    .:.:;:;:;:;:;:;:;:;:;   ガラーン
    ./ /     //      //      / ./     :;:;:;:;'''      
   / / `ー一'// `ー‐' //    / ./       .:.:.::;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;,.,.,..
   i ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~i ./          (↑負のオーラ)
   |_____________,l/ }}



黒猫「…………」
母「…………」
妹共「…………」

同時刻

桐乃「ぎゃははっ! 蟹爪さいこーっ!!」
京介「おい…人の蟹まで食ってんじゃねーよ」
桐乃「はぁ?! あんたなんてかまぼこでも食ってなさい!」
京介「いいよ、俺は海老でも食うから」
桐乃「ぷーっ!! 海老なんて古くせーの 時代は蟹だっつの!!」
京介「しっかし、黒猫のやつどうして電話でなかったんだ?
    大体おせちとか言うけどなぁ、こりゃあ作りすぎだって…」
桐乃「だからってあんのバカ猫にお裾分けなんてしなくていいって!
    あたしが蟹は全部食ってやるって! バカ猫は海老の殻でも食わせときゃいいのよ!」
京介「…しっかしなぁ……、電話にも出なかったし…あいつどうしてんのかなー」
桐乃「猫だしアンタと一緒で海老でも食ってんじゃないの? ぎゃははっ!!」

同時刻 in 黒猫の家

黒猫「………」
母「………」
妹共「あ…あの……おいしそう…ですね…」
黒猫「…………うぅ……」 涙目
母「………本当、いい子ね……」
黒猫「こ……このままでは………私は憤死してしまうわ……」
母「いいのよ……、世の中には騙す人間と騙される人間しかいないの……私たちは強くないから」
黒猫「いいえ……、私たちは強いわ……ちょっと…私は行くわね」
母「待ちなさい…っ! 着替えて…今からどこにいくのっ?」
黒猫「おせちを……妹を悲しませるわけにはいかないわ……」
妹共「べ…別に私たちはこれでもいいですよ………」
黒猫「安心しなさい……、お姉ちゃんは絶対に
    お弁当箱ぎゅうぎゅうのおせちを手に入れて生きて帰ってくるから」
妹共「……お姉ちゃん………」
黒猫「……静かに、待っててくれるわね?」
妹共「…………コクッ」
黒猫「そう、いい子たちだわ」


――――――――――――
―――――――――
―――――――

京介「……そういう訳か……」
黒猫「ふふっ……この私をここまで怒らせたことを後悔させてあげるわ……」
京介「で、具体的にどうやんの? 俺んちのおせちはもう桐乃が全部くっちまったぞ」
桐乃「ぎゃははっ!! 貧乏人乙(笑)」
黒猫「……爪を一本一本丁寧に二十本剥がした後に、
    皮を足の指先からおでこまで丁寧に剥がし、その後に見えた生肉に生姜を塗ってやるのよ」
京介「……いや、そうじゃなくて…もっと現実的にだな」
黒猫「つまり?」
京介「へ、返品するとか…、新しいの買うとかさ」
黒猫「もう開けてしまって返品できないし、新しいお節買うお金なんてないわ……」
京介「そうか……」
黒猫「はぁ、あの子の為にもお節手に入れないと……」
京介「……黒猫、これやるよ」
黒猫「お、お金なんて受け取れないわ」
京介「いや、これは俺からのお年玉だ、受け取ってくれ」
黒猫「でも……」
京介「これくらいあればいいお節買えるだろ」
黒猫「本当にいいのかしら?」
京介「お腹空いて待ってるだろ。早く行ってやれ」
黒猫「ありがとう、きっと喜んでくれるわ」
桐乃「ちょ、ちょっと私にはお年玉くれなかったくせにあいつにはあげるだなんて!」

桐乃「しょうがないわねえ、私がおせちを分けてあげるからお弁当箱をそこに出しなさい?」スルッ
桐乃「はい、これ持って行きなさいよ!」
京介「お前全部食べちゃったんじゃないのか?」
桐乃「べ、別にあんたの為に取って置いたんじゃないんだからね」
黒猫「・・・本当に貰っちゃっていいのかしら?」
桐乃「早く持って行きなさいよクソ猫」
黒猫「ありがとう兄さん、ついでに貴女も、これで家族でお正月が迎えられるわ」
桐乃「ついでって何よ、あんなヤツにお節分けてあげるんじゃなかったわ」
京介「それにしても顔が嬉しそうだぞ桐乃」
桐乃「な、なにいちゃってるの!!なんで私が嬉しいのよ//」

~帰り道~

ピーポーピーポーピーポー(救急車)

黒猫「正月早々救急車だなんて不吉ね・・・早く家に帰って貰ってきたお節みんなで食べましょ」
黒猫「」
黒猫「烏カフェ…とかいったかしら」
黒猫「許さない…絶対にこの8Pチーズをねじこんで殺してあげるわ、そして…」
黒猫「死んだその先で…私の家族に最高のおせちを振る舞い続けなさい…」

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最終更新:2011年01月16日 09:00