作品情報(ねこシス)


著:伏見つかさ イラスト:かんざきひろ
ISBN13:978-4-04-868071-4
発売日:平成21年(2009年)10月10日
(連載:『電撃文庫MAGAZINE』2009年1月号~2009年7月号)

帯の推薦コメント
  • 黒猫「この娘たち、なんだか他人という気がしないわ」


黒猫(五更瑠璃)と東雲千夜子の関連性

黒猫(五更瑠璃)のキャラクターは、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』より早い段階で企画されていた『ねこシス』
の登場人物、猫又4姉妹の次女で黒い猫が人間の姿に化けている「東雲千夜子」が原型になっており、
外見的特徴(黒髪、泣きボクロ、身長160cm、体重43kg、スリーサイズB77/W53/H80)や
趣味(ディアブロ能力者が仮面を被って戦う木曜午後5:30のアニメ、=マスケラ)、口調などが同じに設定されている。

2巻発売と共に『ねこシス』の連載が開始され、その後に5巻で黒猫の本名を出すことになった際、
『ねこシス』未読者への配慮から、東雲千夜子とは別の本名を設定するという判断が下された。
ただしこの時点では、黒猫の言う「人間としての名前」という中二発言が真実で五更瑠璃は偽名という可能性も敢えて残していた
かーず:さて、これまでファンの希望が高かった黒猫の本名が明らかになったわけですけど、『ねこシス』の千夜子とは別人ということで、公式アンサーが出た形なのでしょうか?

伏見つかさ先生(以下、伏見):『ねこシス』を読んでいなくて『俺の妹』だけを読んでいる人が、「黒猫って『ねこシス』の千夜子と同じ名前なのか」って知ったら複雑な思いをするんじゃないかと心配になってしまったんです。「俺はこの本を完全に楽しんでいないんじゃないか」と読者に思われるのが嫌だったので、あえて別名にしました。

ただ、今まで同一人物かもしれないと思って読んでくださっていた人も当然いらっしゃるので、完全に別人だと確定させてしまうのも嫌だったんです。なので、よ~く読むと同一人物とも取れるような言い回しになっていたりします。
アキバBlog 2010年01月14日 俺の妹がこんなに可愛いわけがない(5)発売記念 伏見つかさインタビュー<後編>
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50964732.html

その後、原作者脚本回な9話とアニメ1巻付属短編小説で黒猫の妹を出すことになり、
東雲家の三女の美緒(トラ猫)や四女の鈴(三毛猫)とは異なる、五更家の黒猫の妹2人が設定された。
原作の展開上、黒猫の正体が猫又というのもどうかという状態なので、アニメ関連での人間確定はちょうど良かったのかもしれないとのこと。
―――第一巻には書き下ろし短編小説もついてるとか。

伏見:桐乃視点と黒猫視点の2本を書いてます。本編では絶対にやらない話なので、BD・DVDを買ってくれた人たちだけの楽しみになります。

三木:パッケージを玄関に落としちゃった時の内心ハラハラした桐乃とか、オフ会に行った時の黒猫の気持ちが書かれていて、僕も読んでて本当に面白くて。黒猫の邪気眼っぷり、地の文だとヤバいっすよ!! カオスっていうより、ケイオスですよ!

伏見:アニメ9話ともども、黒猫の妹たちがちょっと出てきます。

―――これで『ねこシス』と同一人物なのか、ハッキリわかりますね!

伏見:アニメ化するにあたって、黒猫の設定について、明確にする必要が出てきまして。色々悩んだのですが、こんな感じにしてみました。原作の展開もあんな感じになってますし、ちょうどよかったといえばちょうどよかったのかもしれません。
アキバBlog 2010年11月06日 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」アニメ放映インタビュー
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51092049.html

なお、黒猫の妹2人のキャラ付けにも、東雲美緒と東雲鈴からの口調設定などの流用が見られる。

結局、元ネタの別人という結果に落ち着き
作者としては同一人物疑惑を楽しんでもらえたなら嬉しいというようなことが『ねこシス』のあとがきに書かれている。


黒猫の正体が東雲千夜子でも邪気眼かわいい

黒猫が『ねこシス』に登場する東雲千夜子と同一人物であるという可能性は公式に否定されたが、上記のように一時期まで可能性を敢えて残してた。

仮確定前時点に設けられていた可能性に乗っかって両者が同一人物だった場合を仮定して考えると、黒猫は京介とクロに人畜二又(猫又だけに)かけていることになってしまいナイーブな問題を抱えることはさておいて、千夜子である場合は本物の妖怪(猫又)であり本当の「異形の力」っぽいものの持ち主ということになるので(ねこシスp249)、黒猫が妖気で暑さを遮断してるから平気だと言ってみたり(俺妹2巻p239)、フェイトを呪い殺そうとしたり(俺妹3巻p281)、京介がへたれると死ぬ呪いをかけたりした(俺妹5巻p264)のは全部本物の妖術だったんだ!
と合点がいく・・・ように見えるかもしれない。

だが違う。待ってほしい。確かに『ねこシス』の千夜子は獣の身体能力を持ち(ねこシスp77)、フェンスを素手で切り裂き(ねこシスp127)、数秒で大勢の人間をアニメヒーローばりの大立ち回りで叩き伏せてしまう(ねこシスp249)、「本当の『異形の力』っぽいもの」の持ち主には違いないが(ねこシスp249)、まだ15歳の猫又だ。猫又は10歳になってから、「十年おきに一つずつ」(※注)しか妖術を習得することができず(ねこシスp35)、習得に失敗した場合のみ翌年の再チャレンジが許されているに過ぎない。つまり千夜子が使えるのは10歳の時に習得済みの、猫の姿から人の姿へと化ける「人化の術」だけだ。実際に千夜子が作中で使っている異形っぽい力は、「人化の術」をマスターしたことに伴う、人の姿のままで獣の身体能力を発揮することができる能力(ねこシスp77)の一種類だけとも読み取れる。そして思い出して欲しい。千夜子が『ねこシス』の作中、猫又の妖術には必要がないのに、『MASCHERA』の主人公のマネをして呪印を切っていた(ねこシスp250)ことを。千夜子は『ねこシス』の作中でも邪気眼女なのだ。

つまり黒猫を千夜子と同一人物ということにすれば、本物の猫又の妖怪で数十年後には本物の妖術を使えるようになるかも知れないけれど、妖気で暑さを遮断してるから平気だと言ってみたり、フェイトを呪い殺そうとしたり、京介がへたれると死ぬ呪いをかけたりしたのは、全部「邪気眼厨二病乙!」の妄想設定。実際にはそんな妖術は使えない。

たとえ黒猫が千夜子と同一人物の場合でも邪気眼かわいい。

※注 - だが千夜子が別の妖術を使えそうな様子もあり、前後の文脈からしてこれは「一年おきに一つずつ」の誤植の可能性もある。単行本第二版までは「十年おきに一つずつ」になっているが、それ以降の版は未確認。


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最終更新:2011年01月25日 18:53