2chアニキャラ板 > 桐乃スレ15->>764-765>>948

「ねぇ」
「? 何だよ?」
「あんたのこと、今日からミスターシスドーって呼ぶから」
「しす…? ミスターはともかく、シスドーってなんだ?」
「シスコンを拗らせ、その道を極めんと欲する者のこと」
「また超越者!? どんだけ人を超えればいいの!?」
「『妹が欲しいか? 我の拳は妹の息吹!』とか言っちゃうやつ」
「それどこのグラーフ!? てか最近の子はわかんなくね!?」
「だから今からトレーニング。付き合ってあげるから感謝しなさいよね」
「どこがどうなってそうなるの!?」
「一々うっさいなぁ…あんたのシスコンが有頂天でとどまる事を知らないから、
 トレーニングでもしてガス抜きしないと、欲求不満になってお、襲われても困るし」
「しねェーよ!! そもそもシスコン極めてんなら、大事な妹襲うわけねぇだろ!!」
「!!!! …キモッ! 今の超キモかった!!」
「俺はもう泣きそうだよ…!」
「と、とにかく、まずは発声練習から! あたしが指さした台詞、読み上げて」
「ったく、どんな流れなんだこれは…
 なになに、グラハム・エーカー名言集? なんだこりゃ、なんかのアニメのキャラか?」
「そう。沙織の好きなロボットアニメのキャラ」
「ふーん…おっ、こりゃ結構熱い台詞が多いな。熱血系ってやつ?」
「まぁそんなとこ。あんたナルシストだし、キャラになりきるのとか好きでしょ」
「ぐっ…一々棘のある言い方しやがって…でもまぁ確かに、熱い台詞とか嫌いじゃねーけどな」
「んじゃ、始めるよ。まずはこれ」
「どれどれ…おし、『男の誓いに訂正はない!』」
「! い、いいじゃん…じゃ、次これね」
「『そんな道理、私の無理でこじ開ける!!』 おぉ! 熱いな!」
「―――次、これ」
「『好意を抱くよ。興味以上の対象だということさ』 結構クールな台詞もあるんだな」
「次、これ」
「『君の存在に心奪われた男だ!!』 ちょ、ちょっと恥ずかしいな…」
「恥ずかしがってちゃ練習にならないでしょ! 次!」
「お、おう…っ『逢いたかった…逢いたかったぞ!』」
「つ、次!」
「『この気持ち…まさしく愛だ!!』 …って桐乃? 大丈夫か? ぼーっとしてるぞ?」
「う、うるさい! 次っ! 大きな声でっ!」
「『抱きしめたいな!桐乃!!』 …ってえぇええええぇええ!?」
「!!!!!!!!!」




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「ちょ!? なんで桐乃なの!? 桐乃ってキャラがいるの!?
 …っておい! 桐乃!? だ、大丈夫か? 顔真っ赤だぞ? 風邪でもひいてるんじゃないだろうな?」
「う、うっさい… 風邪なんて…」
「お、おい、本当に大丈夫なのか…? ぐったりしちまって、横になった方がいいんじゃないか…?」
「………………」
「…ったく、しょーがねーな」
「…んなっ!? あ、あんた何してっ!?」
「ほら、ベッドまで運んでやるからじっとしてろ」
「なななっ、なに勝手に抱き上げてんのよ!?!?!?」
「こ、こら暴れんな! 落としちまうだろうが!」
「~~~~~~~っ!!!!!」
「よいしょっと… やれやれ、熱でもあったのかよ?」
「べ、別に…」
「ったく、どれどれ…」
「っ!? ちょ、ちょっとあんた!?」
「いいからじっとしてろ、熱見てんだから…やっぱちょっと熱いな。今日はもう休んどけ」
「あ………」
「ん? どうした?」
「あの…手、もうちょっと、当ててて欲しい…んだけど………」
「あ、ああ、これでいいか?」
「ん…ちょっと冷たくて、気持ちいい…」
「はは、人間アイスノンだな。でもよ桐乃、あんま無茶ばっかすんじゃねーぞ」
「………うん」
「やれやれ…お、そうだ、これこれ…『まさに、眠り姫だ…!』」
「ッ!!!!!!」
「どうよ、ぴったりだったろ?」
「キッ、キモッ、なにどや顔してんのよ…も、もう寝るから出てって!」
「へーへー ………桐乃ー」
「な、なによ?」
「おやすみ」
「…おやすみ」

「―――なにが”おやすみ”よ………眠れるわけ、ないじゃない………」





「―――んで、ミスターシスドーと名付けてやったワケ。ホント、バカな兄貴を持つと苦労するって感じ?」
「はいはいごちそうさま
 あなたのお兄さんがシスドーなら、あなたはさしずめ、ミス・ブラドーと言ったところかしら」
「なっ? なによそれ?」
「言葉通りよ。ブラコンを拗らせ、その道を極めんと欲するもの
 いえ…ふふっ、それすら超えんとしているのだったかしら…?」
「こ…このクソ猫っ! なに勝手に厨二設定してんのよ!?」
「はっはっはっ。きりりん氏の京介氏への想いは、アクシズすら押し戻せそうですからなぁ」
「ちょ、ちょっと!? 沙織までなに言ってんの!?」
「あら、お気に召さなかったようね。ミス・ブラドーよりも、兄専用の方が良かったかしら?」
「っ!!!! ブッ殺されたいのあんた!?
 あたしはあいつとは違うっての! コスプレしたみたいになりきって、キャラの台詞叫んだりしないし!」
「ほほう、京介氏にそんなことをして頂いたのでござるか」
「あ…っ!」
「あらあら、ブーメランかしら?
 あなたにとって、さぞや甘美なひとときだったのでしょうね。だらしなく崩れた顔が目に浮かぶわ」
「そ、そんな顔してない! そもそも、あ、あいつが勝手にやったことだし!」
「それで、一体どんな台詞を?
 グラハムならば名台詞が揃っておりますが、きりりん氏が何を選ばれたのか、とても興味がありまする」
「な、なんだっていいじゃん…っ」
「あら、どうして隠すの? そんな態度を見せられてしまうと、何かやましいことでもあるのかと勘ぐってしまうわ?」
「そ、そんなことは…!」
「まさかきりりん氏…『抱きしめたいな!桐乃!!』 などと言わせたわけでは―――」
「!!!!!!!!」
「…どうやら的中だったようね」
「きりりん氏? おーい、きりりん氏ー? …ダメでござるな、固まってしまい申した」
「全くこの兄妹ときたら…もうおなかいっぱいよ」
「フハハハハ! まあまあ、良いではありませぬか!」

「こんのシスコンッ!!」
「どわっ!? い、いきなりなんなんだよ!?」
「あんたのせいで大恥かいたでしょうが! このバカッ! 変態っ! シスコンっ!」
「入ってくるなりこの仕打ち!? 俺が何したっていうの!?」
「うるさいうるさいうるさい! あんたが悪いんだからね! 責任とんなさいよ!」
「わ、わかったわかった! よくわかんねーけどわかったから! もうどうにでもしてくれ…」
「じゃあ、これ読み上げて」
「なんだよそれは…へ? これ、前にもやったやつじゃねーか。またやるのか?」
「いいから!」
「へいへい…『そんな道理、私の無理でこじ開ける!!』 これでいいか?」
「―――もう一回」
「『そんな道理、私の無理でこじ開ける!!』」
「もう一回!」
「ま、またかよ…? 『そんな道理、私の無理でこじ開ける!!』」
「もっと大きな声でっ!」
「『そんな道理! 私の無理でこじ開ける!!!』 」
「もっと力強く!!」
「『そんな道理ッ!! 私の無理でこじ開けるッ!!!!』 ………桐乃?」
「―――うん、これで許してあげる」
「これで? …本当にいいのか? これだけで」
「いいって言ってんじゃん。じゃ、おやすみ」
「お、おう。おやすみ…」

「―――あいつ、どうしちまったってんだ…?」

「―――こじ開けて、みせてよね…」

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最終更新:2010年12月19日 03:49
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