夢 後編



「嫌な夢でも、みていたのでござるか?」

「…夢、か?」

「前、木乃香殿が言ってたでござる。夢は鏡だ。自分の願望や、これから起こる前触れを示すのだと」

「…!!」

何かが私の目の前から消えていくようで、

手を伸ばしても、届かない、

そんな場所に、言ってしまいそうで…

そんな、夢。

…ぽた。

無意識に、涙が出た。

「ま、真名!?どうかしたでござるか?」

わたわたと楓は慌てる。

楓の瞳に映る真名の顔は、ひどく虚ろで…

光もなにも宿ってない、空の瞳。

「…いや…だ…」

「…え?」

「…行かないでくれ!!もう…一人はイヤなんだ…!!!…置いていかないでくれ!!!」

普段の真名とは見違えるほどの声。

わがままを言う子供のように真っ直ぐな要求だった。

「夢について、聞きたいでござるが…いいか?」

真名は小さく頷き、夢について、語りだした。

「誰かに置いていかれるような、目の前から消えていくような夢をみたんだ…。彼も、私をかばって、消えてしまった…。もう、誰も消えてほしくないんだ…。」

楓は、静かに耳を傾けていた。

「楓も、私の中で一番大切な人なんだ…。もう、大切な人には消えてほしくない…。それで、あんな夢を見たのかもしれないが…」

今の真名の顔は、涙で濡れていた。

ぐしゃぐしゃで。

瞳も真っ赤に染まってて。

普段の真名とは、見分けがつかないくらい。

ぽろぽろなみだをこぼす。

「大丈夫でござる」

ふわん…

全身に、暖かいぬくもりが伝わっていく。

楓が、真名を抱きしめたのだ。

正面から、真っ直ぐに。

「拙者は、消えないでござる。真名のそばに、ずっと居るでござるから…。信用できないなら、真名が拙者のそばに居てくれればいいでござるよ」

楓の声が、全身に沁みこんでいく。

あたたかい…。

「…ほんとに、きえない…?そばに、いてくれるの…?かえで…」

子供みたいな口調で、真名は問いた。

「ほんとでござる。拙者、嘘は大嫌いでござるから」

楓の言葉に、心から安心したような真名は、そのまま楓にもたれかかり…

…眠りについた。

「真名も、まだ子供でござるからなぁ…」

ベッドに真名を寝かせると、無意識のうちに楓も寝てしまった。









「…なんなんだこれ」

刹那が寮にもどり、自室を開け放った瞬間に飛び出た第一声。

真名のベッドにはパジャマ姿の真名と、制服が乱れまくった楓がいて、

シャツやら色々はだけまっくてて、

パジャマのボタンが3つほど取れていて、

ブラウスのボタンが3つほど取れていて、

真名が楓をぎゅっと抱きしめていて、

楓が真名にぎゅっと抱きしめられていて、

なんやかんやでちょっとヤバイ状態で、

二人ともベッドの中、

…気持ちよさそうに寝ていた。

その姿をみた刹那は、

「・・・・・・・・・。」

 ぱたん。

何も言わずに、ドアを閉めた。

(明日は土曜日だから良かったけど、どうしよう…)

本気で悩む刹那だった。

(龍宮…幸せそうだったな…)

ほんの一瞬、そんなことを想いながら。






おぁり♪

しがつなのか。
ていうか、色々キャラ違ぇ…。
たつみーをもうチョットカッコよくしたかった(T T)

  • かわぇえ龍にんをありがとうございました!!!訪問してみたらここ良くきてたってことが発覚← -- 由詩 (2009-06-28 15:32:24)
  • そぅなんですか☆これからも暇なときにでも訪れてあげて下さい♪
    感想有難う御座います(≧∇≦)
    -- 星色の空 (2009-06-28 18:52:55)
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最終更新:2009年06月28日 18:52