Ⅲ 新宿漂流
リメリック
その名も高き チェシャア猫
お好きなものは 女の子
アリスに ぞっこん
明日は 結婚
ドジスン先生「いかん!」と頑固灰流 『Forest』
1・2・5行目が韻を踏み3.4行目がまた別の韻を踏む形式をとるイギリスの5行詩。
内容は大抵突拍子も無いもので、その名手がエドワード・リア。
内容は大抵突拍子も無いもので、その名手がエドワード・リア。
ちなみに、このリメリックは、ドジズン先生が、15才の少女と結婚しようとした弟に対して、経済的不安定を理由に反対したというエピソードにちなんでいる…のかもしれない。もしそうなら、詩中の「アリス」はアリス・プレザンス・リデルではなく、弟の婚約相手であるアリス・ジェーン・ドンキンを指していることになる。
カラスに食べ物をもらう九月
元ネタは「ケンジントン公園のピーターパン」?
ピーターの食べ物は、全部公園からソロモンの命令によって鳥たちが運んできました。ピーターは、ミミズや昆虫は食べなかったので(このことも鳥達はバカにしていましたが)、くちばしにパンをくわえて持ってきたのでした。だから大きなパンの耳をもって飛び去って行く鳥に対して「よくばり、よくばり」なんて叫ぶのは、そんなことをするべきじゃないと今はお分かりでしょう。なぜならたぶんその鳥は、パンの耳をピーターパンのところに持って行っているのでしょうから。katokt訳『ケンジントン公園のピーターパン』
ロビンソンクルーソー
ダニエル・デフォー作の冒険小説の主人公。無人島に漂着し、そこで28年間生きる。
十五少年漂流記
ジュールヴェルヌ作。ニュージーランドから孤島に漂流した少年達が協力して島を脱出する冒険談。
蝿の王とは違って、子供たちはおおむね協力しあって文明的な生活を送り、ハッピーエンドで終わる。
蝿の王とは違って、子供たちはおおむね協力しあって文明的な生活を送り、ハッピーエンドで終わる。
蝿の王
それにしても、刈谷さんが必死に協力を訴えているときに、この作品の名をあげる灰流は本当にいい性格している。
5月4日
5月4日……
アリスがウサギの穴へ落ちた日。
不思議の国へ旅立った日。刈谷 『Forest』
アリスが不思議の国を探検した日が5月4日というのは、作中のアリスの言葉から推測される。また5月4日はリデル家の次女アリス・プレザンス・リデルの誕生日でもある。
「帽子屋さんならみたことあるし、三月うさぎのほうがおもしろいわよね。それにいまは五月だから、そんなすごくキチガイでないかもしれない――三月ほどには」
アリスはちょっと考えてから言いました。「四日(よっか)」
「二日(ふつか)もくるってる!」と帽子屋さんはためいきをつきました。山形浩生訳『不思議の国のアリス』6章,7章
ダイナ
アリスが飼ってた猫は、
不思議の国へは行かないはずだな?
鏡の国では、どうだったかな?灰流 『Forest』
行ったとも行ってないともいえる。「鏡の国のアリス」ではこの問題があやふやなまま終わっている。
砂の妖精の続編
魔よけ物語のこと。両方とも作者はイーディス・ネズビット。
花園神社
新宿5丁目にある神社。祭神は倉稲魂命・日本武尊・受持神。
もともと稲荷神とは穀物に関する神の総称であり、その使いが狐。また誤解からその狐自体が神として祭られることもある。
もともと稲荷神とは穀物に関する神の総称であり、その使いが狐。また誤解からその狐自体が神として祭られることもある。
参考:花園神社公式サイト
紅テント
唐十郎の劇団「状況劇場」が用いた舞台であり、その象徴。
1967年、状況劇場は花園神社内に紅テントを建て、「腰巻お仙 -義理人情いろはにほへと篇」を上演する。これが紅テントの始まり。
ちなみに、1年ほど花園神社での公演を続けたが、クレームを受けて1968年に花園神社から撤退している。しかし、紅テントでの活動自体は新宿中央公園などを中心にその後も続けられた。
1967年、状況劇場は花園神社内に紅テントを建て、「腰巻お仙 -義理人情いろはにほへと篇」を上演する。これが紅テントの始まり。
ちなみに、1年ほど花園神社での公演を続けたが、クレームを受けて1968年に花園神社から撤退している。しかし、紅テントでの活動自体は新宿中央公園などを中心にその後も続けられた。
となると、中のフリークの正体は?
新宿見たけりゃ
新宿見たけりゃ
今見ておきゃれ
じきに 新宿 原になる『Forest』
状況劇場が用いたキャッチコピーの一部。
オリジナルは
オリジナルは
「お仙」見たけりゃ
今見ておきゃれ
母ァ殺して
銭つくれ
新宿見たけりゃ
今見ておきゃれ
じきに 新宿 原になる状況劇場
ハプニング
革命・エトランジェ・竜
元ネタ不明。無理に解釈すれば、元ネタはヨハネの黙示録。ヨハネの黙示録において竜は悪魔、さらに言えば異教徒(エトランジェ)のローマ皇帝を暗示し、彼らは最後の審判を前に地上を破壊し尽くそうとする。
しかし、イギリス縛りから外れてしまう(当時はイギリスもローマ領だけど)。とするとゲド戦記あたりか…?
しかし、イギリス縛りから外れてしまう(当時はイギリスもローマ領だけど)。とするとゲド戦記あたりか…?
現実の出来事で良いなら、イラン革命が当てはまりそうな気もするが、新宿ともイギリスとも関係がないのが難点。
でも、イギリス、新宿、革命とくれば、英国に対する独立運動に身を投じた新宿中村屋のボースさんじゃないの。
エトランジェを追っかけ回すのは、やつらが侵略者だから!
エトランジェを追っかけ回すのは、やつらが侵略者だから!
インドカリーのナカムラ屋
女主人は名高きソーマ
亡命者がやってくる
革命家がやってくる
お礼にレシピを残していったヨドレエレジィ「ナカムラ屋」より
参考書籍
- ロビンソンクルーソー(ダニエル・デフォー,1719)
- 十五少年漂流記(ジュール・ヴェルヌ,1880)
- 蝿の王(ウィリアム・ゴールディング,1954)
- 不思議の国のアリス(ルイス・キャロル,1865)
- 砂の妖精(イーディス・ネズビット,1902)
- 魔よけ物語(イーディス・ネズビット, 1906)