Prishe(詳細・ネタバレ編)


  • エルヴァーン♀、独自フェイス、通常配置無し
  • タブナジア自警団のリーダー。
  • タブナジアで「忌み子」と呼ばれる謎に包まれた存在。


  事実上、「プロマシアの幻影」のヒロイン、そして主役として君臨しているプリッシュ。その重要性は冒険者(プレイヤー)をも上回り、主要メンバーのリーダー格といった扱いすら受けている。そしてその設定だが、正直何度読み直しても調べても考慮しても、管理人の技量では全部把握しきれない規模である(笑)。それでもなるべく判りやすいように、プリッシュというキャラクターにとって重要な要素であると思われる部分を整理してみた。

「世界の終わりに来る者」――プリッシュの過去

  「プロマシア」の物語を理解するには、プリッシュの過去の出来事やその役割を理解する事が重要と思われる。プリッシュは見掛けこそは「見目麗しい」と称されているが、実際には30年以上前からその姿を留めている、いわゆる不老の存在である。生まれながらにして「壮大」な宿命を背負った彼女の物語はストーリー中に断片的にしか語られておらず、全体的に理解しにくい構成で展開されている。その流れを、時間軸にあわせて順番に整理して行こうと思う。

予言されし誕生・「定めの子」
  プリッシュの物語のプロローグは、実に一万年前に遡る。時はジラート時代と言われており、王子達の反乱、そしてメルト・ブローという災害に見舞われヴァナ・ディールは混沌と化していた。当時から男神Promathiaの来襲やヴァナ・ディールの滅亡が人々を不安にさせており、ジラート文明もその果ての争いにより消滅(ジラートミッションとプロマシアミッションではその内容が大きく異なっている気もするが)。辛うじて男神Promathiaの存在を知っている者達は、来たる復活に備えてそれぞれの決意の元、そのときに向けて準備を進めていた。
  その一人、永遠の命を持つ事になった人物が、ヴァナ・ディールの未来について神獣Fenrirに月詠みを頼んだ。その神託をもとに、来るべきときを予想し、ヴァナ・ディールをその為に自らが誘導し、備えるつもりだったのだ。そして興味津々の様子でその依頼を受けたFenrirは、月詠みを行った。


サルタバルタを守護するFenrirと、星降る丘で謁見する。

  そして、その時Fenrirの月詠みにより伝わった予言とは一万年後のヴァナ・ディールの、「定めの地タブナジアに、定めの子、すなわち世界の終わりに来る者が生まれ落ちる」というものだった。そして冒険者の時代といわれる現代……より数十年前のタブナジアに、プリッシュが生まれたのだった。

「世界の終わりに来る者」という存在について
  「世界の終わりに来る者」とは、プロマシアミッションの中でキーワードとして何度も登場するが、実質的にそれが「何者」かは、明確な説明はされていない。とりあえずは何か不穏で不吉な存在、としてしかプレイヤー側には伝わってこないのが現状である。しかも物語の前半でのソレは「人物」のように語られているが、これが途中で可能性が途切れる展開となるので(下記参照)、後半では全く別のものとして登場することになっていく。はっきり言うと、これはバージョンアップと追加されていくミッションの中で話が二転三転し、存在そのものが違うものとして扱われないといけなくなった存在である。
  物語前半で「世界の終わりに来る者」とは、すなわち「定めの子」プリッシュのことであり、本来なら彼女は生まれながらにして膨大な虚ろなる闇をその身に宿し、やがてはその意志を継ぐ者として人間に仇なす存在である男神Promathiaが降臨するとされている。なお、その身にPromathiaが降臨する前に「世界の終わりに来る者」が死んだ場合は、その身に宿した虚ろなる闇はクリスタルに戻り、別の形でこの世に復活してくる。Promathiaを打ち倒す事を目的とした者は、この為に「世界の終わりに来る者」にPromathiaが降臨した状態で倒さないと、決着が付かない事になる。
  一万年前に「世界の終わりに来る者」が生まれる場所と時期を聞いた人物は、その者がPromathiaが降臨する「器」として成長し、やがて「定めの子」が男神を宿した「世界の終わりに来る者」として完全に覚醒した時に備えて動き、接近する事になる。

「定めの子」から「忌むべき子」へ――タブナジア大聖堂での「事故」
  そして現代より30年以上も昔に、タブナジアでプリッシュは予言の通りに生まれた(その様子は神獣Carbuncleも感じていた)。しかしその身に宿された虚ろなる闇や宿命等、当時は誰も知る由がなく(Fenrirと、月詠みを依頼した人物以外)プリッシュはタブナジアで、普通の子供として育ったものと思われるが、当時の彼女の性格や描写はほとんど登場しない。
  そして昔からタブナジアの民にとって神聖な存在だったタブナジア大聖堂の神学生として、プリッシュは迎え入れられる予定となった。そして新たに教会に入る者は皆、タブナジア大聖堂内で古より伝わる聖遺物「洗礼の箱」の前で女神Altanaに仕える事を誓う儀式が義務付けられていた。


勿論、神学生になる予定だったプリッシュも例外ではなかったが……

  この「洗礼の箱」として使われていた物、実は古代ジラート文明からの遺産の一つであり、当時は「暁の瞳」と呼ばれるものであった。当時はジラート人とクリュー人という、本来は同じ種族ながら、「ある変化」によりジラート人であった者達に突然変化が起こりクリュー人となっていた。この「暁の瞳」はその時代に作られた、『虚ろを進化させ魔晶石と変える』能力を持った装置だった。これは、一部のジラート人が虚ろなる闇に蝕まれてしまった為に本来あった意思疎通手段「人の声を読む」能力を失い、結果「クリュー」と呼ばれる人々になっていった時代背景もある。この「暁の瞳」は当時、その虚ろなる闇をクリュー人から取り除き、再びジラート人に戻そうとした研究の中で生まれた物と思われる。
  昔より「神器」として古代ジラート文明の遺産をあらゆるルート(裏含む)で入手していたタブナジア大聖堂は、おそらくその本来の使い道を知らずに「暁の瞳」を保管していたものと思われる。そしてその性質、つまり「人の体内の虚ろなる闇を魔晶石へと結晶化させ、体外に出す」効果を神聖なものと解釈し、洗礼の儀式に用いる神聖な道具としたものと思われる。


なお「洗礼の箱」の行方はクリスタル大戦の戦乱で行方不明と思われていたが、実は現代では封印された礼拝堂(フォミュナ水道から向かう一角)の奥深くで保管されていた。

  一般的な、人が宿す分量の虚ろなる闇の場合は機械の影響は無害なものだった。むしろ体から虚ろなる闇を取り除き、それを無害化させるため、本来は有益なもののはずだった。しかし、プリッシュは「世界の終わりに来る者」として、その身の内には本人さえも知らない程、膨大な量の虚ろなる闇が眠っており、洗礼の儀式は思わぬ大惨事を引き起こすことになってしまった。


胸に宿した虚ろなる闇を突然「洗礼の箱」により結晶化・摘出されそうになったプリッシュは、その光に苦しみだした。そして……

  これは、当時のタブナジアの誰もが知らなかった事実「プリッシュが「世界の終わりに来る者」として尋常じゃない虚ろなる闇をその身に宿している」が引き起こしてしまった、惨劇としか言いようのない出来事である。プリッシュはこの時に体内の虚ろなる闇を突然結晶化され、更に「洗礼の箱」の許容以上の量だった為に、その胸に結晶が突き出す形で具現化されてしまった(現在も、その結晶化されたと思われる胸部の傷は確認出来るようだが、勿論プレイヤーは画面上で確認出来ない)。更に膨大過ぎた虚ろなる闇は結晶化し、その魔力が消える事は無かった。後に「タブナジアの魔石」と呼ばれるそれは、まさに魔晶石の小さな結晶のようなものとなり具現化されたのだ。
  そしてその時に部屋に溢れた膨大な光(虚ろなる闇の力)の為か、現場に居た神官達の大半は命を落す結果となった。その影響に耐えられた者も、プリッシュの体内(そして宿命)から溢れ出した光の中で、Promathiaの姿を見たと語ったとされている。


この後、大惨事となっていく……

  更に、プリッシュ自身への影響も胸の傷だけでは済まなかった。虚ろなる闇とは、人間誰もが抱える心の闇をさす。それを魂から抜き取る「洗礼の箱」は、並みの分量であれば害はないとされた。しかし、プリッシュの体内に眠っていた闇はそれを遥かに多かった。そして、その影響で彼女の身体は物理的な傷だけではなく、「人間」そのものではなくなってしまった。同じ洗礼の儀式に同席していた神職者は死亡、もしくは光の中で禁断の男神の幻影が見えた。その中で無傷ではないものの生還したプリッシュは……老化しない体になっていた。それと同時に「世界の終わりに来る者」という役目自体は虚ろなる闇が体内から取り出される事で消え去る結果になった。
  そして、その事を問題視したのは、他ならぬタブナジア大聖堂だった。聖職者を複数人失い、生き延びた者も不吉な幻影を見、その光があふれ出た少女は不老の不可思議な存在となった。更にその影響で彼女は人の心を自然に読み取る能力まで備わってしまい、それは「神に近い存在」となったとも言える。年老いる事無く、他人の心を読み取ることが出来る少女プリッシュは、宗教的教義上存在してはいけない存在になったのだ。そしてプリッシュは「存在してはならない者」すなわち「忌むべき子」の烙印を押され、衆人環視の目に触れぬようタブナジア大聖堂に幽閉される身となった。

タブナジアに現れた枢機卿、再び手に入れた自由
  クリスタル大戦が起きる前に、タブナジア大聖堂には博識な枢機卿が居たとされている。サンドリア代聖堂にも爵位を持つMildaurion。タブナジア大聖堂で彼女と、聖堂の「秘密」として幽閉されていたプリッシュが出会ったのは自然な流れだったといえる。その境遇に同情的だったMildaurionは、タブナジア大聖堂の反対を押し切り、プリッシュに(制限付きではあるものの)自由を与えた。そして自分の側に置き、共にサンドリア等にも出向いているようだ。


まるで我が子のようにMildaurionはプリッシュに接し、プリッシュも彼女との思い出を愛おしそうに語るが……?

  この自由を与えられた時期に、プリッシュはこっそり台聖堂から抜け出しミザレオに訪れた際に、聖歌隊のオーディションについて悩む少女と出会う。人の心が読めるプリッシュは、誰よりも大きい「声」をあげるその少女に興味を抱き、声をかけ、その悩みを「ぶっとばす」ような励ましをする。それをきっかけに少女・Ulmiaと仲良くなっていった。


後の大親友の出会いでもある。

  そして、20年前、クリスタル大戦。タブナジアにとっては、住まう者全ての人生に大きな傷を残す出来事となった。オークを中心とした血盟軍の脅威に晒されたタブナジアの一部の民は、Mildaurionの指示により大聖堂の地下から港へ続く隠し通路へと逃げ込んだ。プリッシュも彼女と共に民達を誘導し、避難を手伝ったとされている。その際にタブナジア大聖堂の神具等を保管し(隠し)、更にモンスターの力も抑える封印を地下礼拝堂とフォミュナ水道に施した。その後タブナジアはアルタナ連合軍に「見放される」形で滅亡の道を辿る(実際には異なるが)事になったが、その混乱の中にはMildaurionの姿は既に無かったとされている。

クリスタル大戦後のタブナジア、そしてプリッシュ
  プリッシュと共にMildaurionの指示に従って逃れた民は、タブナジアを襲った戦災、そして厄災を生き延びた。しかし、それは同時に滅びて朽ち果てた祖国を目の当たりにする事にもなった。絶望に打ちひしがれた民達を奮い立たせたのは、他ならぬプリッシュだった。人の心を読み、長い間幽閉されていた彼女には、「人」の感情を感じ取る事は出来ながらも自ら感じることが出来ない精神構造となっており、恐怖や絶望を感じることは無かったのだ。それ故に、意気消沈した民達とは全く違う思考でこの現状を受け止めていたのだ。元々は「忌むべき子」と恐れられていたプリッシュだったが、その彼女の存在(と破天荒とも言える性格)が、今度は生き延びたタブナジアの民を奮い立たせ、生きる力を与えた。そして避難していた地下道をベースに新たな祖国タブナジアを復興させるに至った。これこそが現代でひっそりと存在するタブナジア地下壕となっていった。
  そして、他ならぬプリッシュが、頼られる事が嬉しかったと当時を語っている。なんとか社会といえる形になっていったタブナジア地下壕だが、そのすぐ外をオーク軍の残党が徘徊しつづけ、強力なモンスター達も蔓延っていた。薬草等の物資を手に入れる為に町の外に出て、魔物に襲われ命を落してしまう者も少なからずいたようだ。そんな町の民を守る為にもプリッシュはタブナジア自警団を結成させ、自分達の力で新たな祖国を守ろうと呼びかけたのだった。そして彼女自身、タブナジア大聖堂での生活で身につけたと思われる武術で、自ら外に飛び出し見回りにあたった。
  それから20年。現在もプリッシュはタブナジア自警団のリーダーとして毎日街の外の警護にあたっている。そしてその20年の間に逞しく育ってきたタブナジアの民達の若衆は彼女をみて育ってきた為か、彼女を慕っている者も多くなっていた。戦後の彼女は、まさにタブナジア地下壕の中心人物に近い存在と言える。もっとも、それはかつてプリッシュに起きた惨事、そして彼女が「忌むべき子」と呼ばれる理由を知っている老人達、特に長老Despachiaireには現在も冷たく接しているようだ。

「タブナジアの魔石」の行方

  上記の通り、「プロマシアの呪縛」でキーアイテムとして登場している「タブナジアの魔石」は、プリッシュの内に眠る虚ろなる闇が結晶化して出来た「魔晶石」であり、それは元々存在している「魔晶石」とも違った硬化を持った特殊な存在だったとプリッシュは語る。その性質とは、Promathiaの意思が色濃く出ている物である事は容易に想像できるが、効果そのものが恐ろしいものである。それは、持つものの心の闇に働きかけて秘めた欲望を開放するという危険極まりないものだった。その為、プリッシュから魔晶石が結晶化された後は、大聖堂によりタブナジアで保管されていたものと思われる。
  しかし、この「タブナジアの魔石」と「タブナジアの魔晶石」については大きく分けて二つエピソードが登場している。時々会話の中では同一視されることもあり、非常に理解が困難であるが、別々の存在である可能性が高い(ようにストーリーは進むが、その結論は後に語るつもりだ)。ここではその二つのエピソード、そして現代に(プロマシアミッションにて)登場する「タブナジアの魔石」についてまとめてみる。

30年前・北の大地で見つかった謎の魔石
  かつてバストゥークの大工房に謎の男性が現れ、工房長Cidに、不思議な石を渡した。それは不思議な存在感とエネルギーを湛えた、今まで見たことの無い、クリスタルのような石だったという。古代ジラート文明について研究を重ね、その仕組みを解明することにより飛空艇等の画期的な発明に技術を応用させるCidにとってその石は、興味深い研究材料となった。そして、その不可思議な石が遥か北の荒地・ザルカバードから見つかったものと聞いたのだった。
  当時のザルカバードは(現在もだが)、吹雪がやまない極寒の地であり、巨大なクレバスや断崖絶壁がまるで訪れる者を拒むかのような不毛の大地であり、人間達による調査がほぼ不可能とされている地域だった。その大地から見つかったといわれた魔石には、クリスタルとは比べ物にならない程にエネルギーが凝縮されており、Cidはこの魔石を研究すればバストゥークの技術が飛躍的に進歩すると確信したと語る。そして、その為のザルカバード調査、および魔石の採取を当時の大統領に進言したと振り返る。
  しかしこの情報はサンドリア・ウィンダスにも漏れ、結果的にバストゥークの指揮下で三国からの使者を集結させた共同調査隊が結成される事になったのだった。


そしてその調査中に悲劇が起こった……。

  なお、この石がなぜ「タブナジアの魔石」と呼ばれているかはCidはこのように説明している。

Cid :せめて今、あの石が手元にあれば、なにか分かっただろうがな。実はあれは、30年前の調査隊と共に、行方がわからなくなってしまっているのだ。ただあの石「魔晶石」は、「タブナジアの魔石」と呼ばれる石の破片だったという話だ。

  この魔晶石についてはUlmiaが知っていることから、タブナジアでも伝わっている話であることがわかる。

Ulmia :なるほど、30年前にタブナジアからバストゥークに売られた「魔晶石」という石のことを知りたいとおっしゃるんですね?けれどもそれが「タブナジアの魔石」の破片だと言われましても、私にはなんのことだか……
Aldo :タブナジアの魔石、か。
Ulmia :? アルドさん、なにかご存知なのですか?
Aldo :ああ、聞いたことだけはある。タブナジアには、門外不出の危険な石があったという話はな。しかしその石は、20年前の大戦のとき獣人どもが持ち去ったと聞いた。罪狩りのミスラがそれを探していたとか……。そうか、あれが魔晶石だったとすれば、獣人どもがあれを持ち去ったことも納得できる。しかしどこへ……ううむ……。

20年前・クリスタル大戦時に奪われた魔晶石
  上記の会話からだと、30年前に見つかった「タブナジアの魔石」と、獣人軍が持ち出したとされる、タブナジアにある「タブナジアの魔晶石」は同じであったと推測されるが、その大きさなどは大きく矛盾している。バストゥークに持ち込まれたものは、少なくとも劇中に登場するような大きなものではないようなので、比較的小さなものであったのではないだろうか。しかし、「タブナジアの魔晶石」といわれるものは、巨大な魔晶石の塊とされている。


その姿は、この際に捕虜となったある人物の封印された記憶の中に……。

  この石については、獣人軍が奪い去った事しか判っておらず、基本的にはこの記憶喪失の人物の記憶を無理やりこじ開けるような形で一瞬だけムービーとして見れるのみであるが、とても大きいものであり、その周りにはオークだけではなくデーモン族も居た事がわかる(さらに「闇のプロトクリスタル」とも呼ばれる為、理解するのに非常に紛らわしい)。
  なお、この巨大なクリスタルも30年前はタブナジアにあったような事をShikaree Zの話から聞ける。クリスタルについてMildaurionと当時の罪狩りのミスラ達は口論をした結果、Mildaurionを信じることにし、その結果が現在である(Promathiaの脅威が現実になりつつある)と訴えるShikaree Zは、元々Mildaurionを探し出してその罪を問いに訪れたようだ。

二つの石は別物なのか、それとも同じ物なのか?
  物語が更に理解困難になっていくのはミッションの中盤辺り、一行が、タブナジアより20年前に持ち出したとされ、Shadow Lordはその内より「闇の神」の声を聞いたとされる魔晶石の情報を手に入れる。更にウルガランの奥深くで見つけた不思議な空間、そこには巨大なクリスタルが設置されていたとShikaree Zの話からも聞ける。そして、その不思議な氷の広間で、一行は魔晶石の欠片と思われる石の塊を大量に見つける。


これが獣人軍が運んだ「魔晶石」の成れの果てのようだ。

  そして、プリッシュはその欠片を見つけると、周りが反応するより早く駆け寄って行った。そんな彼女に共鳴するかのように魔晶石の欠片かは光が立ち上り、そして腕を広げて迎え入れるプリッシュの胸の中へと飛んで行き……。そして彼女はこうつぶやいた。

Prishe :おかえり、俺の魔晶石……。

  彼女は、そのまま、「タブナジアの魔晶石」の行方を追っていたスカリー三姉妹から逃げるようにその場から走り去る。冒険者(プレイヤー)も残して。この場面を見ると、30年前にバストゥークへ「売られた」とされる「タブナジアの魔石」も、獣人軍が持っていたとされる巨大な「タブナジアの魔晶石」も、洗礼の儀式の時にプリッシュの体内から結晶として出た魔晶石そのものであったと解釈できる。
  その後も、二つの石は同じもの、別々のものとして、その時の会話の内容によって変化していくが、基本的には「プリッシュのもとに戻った魔晶石」がその現在の姿と言う風に扱われている、と思われる(あまりに二転三転するので管理人は曖昧になっているが)。少なくとも、プリッシュがこのとき手に入れた魔晶石の欠片は、30年前に彼女の胸から出たものと効果は同じのようだ。


プリッシュの意志により出たり消えたりする不思議な石……。

しかし危険かつキーアイテムとされているその石は、交渉の手段等として、プリッシュに案外ぞんざいに扱われている気がしないでもない。

しかも最終的にプリッシュがPromathiaの顔に投げつけている。やはり最後までぞんざいな扱いである。

  総括すると、獣人軍に奪われたとされる巨大なクリスタルも、バストゥークに持ち込まれた小さなクリスタルも「タブナジアの魔晶石」ということになる。実際の「魔晶石ミッション」を思い起こすと、巨大なクリスタルを見つけた冒険者は、小さなサンプルのような石を持ち帰っている。「タブナジアの魔晶石」も同じということだろうか。そして、最終的にプリッシュへ「戻った」魔晶石は、その後ミッションイベントにでる細長い形に生まれ変わったということではないだろうか。それで納得しないと、色々矛盾がありすぎて考えるだけでも疲れてしまう。

忌むべ……き……子?

  公式サイトでのプリッシュの紹介ページでプリッシュは「かつて忌むべき子と呼ばれていた少女。」と言う風に説明されている。とても重要視されているようなこの設定だが、実際のミッションではどうだろうか。
  タブナジアでは「自警団」のリーダーとして注目と人望を集めている様は搭乗でいきなり見せ付けられる。実質的に現在のタブナジア自警団の面々は若く、大半は幼い時期、もしくは生まれたときからプリッシュが自警団の中心人物として活動していたのを見て育っていると思われる。


登場した時から「きた!メインキャラきた!これでかつる!」という雰囲気である。

ストーリーが進み、禁止された事項を犯して幽閉される事はあっても人気者にしか見えない。

  印象をまとめると、タブナジアでプリッシュに対して冷たく振舞うのは長老のDespachiaire老くらいしか居ない気がしてならない。それも、過保護なまでに溺愛している孫娘Ulmiaがプリッシュの行動にベッタリくっついてタブナジアを飛び出すから、という意味合いの方が強い。つまり、私怨ってやつである。最初こそは冒険者にプリッシュについて注意するDespachiaireだが、結果的にはプリッシュがきわどい行動を起こすと喜んで罰を与える障害でしかない。タブナジアでは「忌むべき子」というのは過去の話になっている、とさえ思える。
  それでは、他の国へと飛び出したプリッシュへの、他国のNPC達の反応はどうだろう?ジュノを訪れたプリッシュが真っ先に訪れるのは天晶堂である。その理由とは「頭領と面識があるから」だったが、それは実は前頭目のグレッゾの事であり、現在の頭目Aldoとは初対面となっている。
  彼女を追って天晶堂を訪れた冒険者だが、とんだ誤解もあり犯罪者扱いをされジュノ親衛隊に追われる身となってしまった状態で天晶堂に駆け込むことになる。困っている冒険者を見て、Aldoは助け舟を出しジュノ親衛隊隊長Wolfgangを説き伏せて擁護してくれる。


その様を見ているプリッシュ。一応コミカルな演出のようだ……。

  結局「犯罪者」として指名手配されている冒険者の話を盗み聞きしたプリッシュは、その後Aldoの機転で天晶堂に入れてもらった冒険者は、この事について彼女に散々言われる。一方、Aldoのプリッシュへの態度はというと、本来なら既に他界した義父を親しげに「グレッゾのおやっさん」と語って突然現れる少女というものは、全く気にならないようだ。それどころか「タブナジアに帰りたいから船を貸せ」というとんでもない要望をするプリッシュに「客がタブナジアに渡るようだから頼んでみろ」とアドバイスまでする。更に犯罪者となった冒険者を「タブナジアへの亡命も頼んだらどうだ?」と話しかけるAldoだが、プリッシュは「罪は償え!その命をもって!」と言い放ち、自分はジュノで大遊びをしてくると飛び出していく。


あらぬ誤解を受けている冒険者に散々鞭打つプリッシュ。倒れたら病院へ担ぎ込まれる等、ジュノでは優遇待遇といえる。

  ジュノにたどり着く前に流れ着いた場所、そしてその後飛空艇が必要になったプリッシュ達はタブナジア外の活動の拠点はなんとバストゥーク大工房となっている。過去を暴く為に本来なら立ち入り禁止の区域にガンガン入り込む冒険者達が持ち帰る品物にCidが興味を持っていたりするのもあるのかもしれない。バストゥークでのプリッシュの待遇はというと、いつの間にか大統領令嬢のCorneliaとマブダチになっていたりしている。勿論、その貴重な話に興味を抱いているCidもプリッシュには優しく、最終的にはBahamutのもとへ乗り込む飛空艇等を提供している優遇っぷりだ。飛空艇は元々、ジュノとCidの協力で生み出された、いわゆる企業秘密的な精密機械のはず。それを独断でCidが貸し出している事自体、当時はプレイヤー達の間でも疑問視されていた(元々Cidの性格では考えられない軽率な行為なだけに)。


不自然なまでにバストゥークの重要NPC達と絡む。そういえばプロマシアのディレクターって……。

  一方、冒険者のバストゥーク関連プロマシアイベントでの扱いはというと、それぞれの関連NPCが「自分が調べたい事」を探る為に(勝手に)世界中に飛び散り、その様子を見て欲しい・準備が整ったので呼び物度して欲しい・飛空艇の木材を取ってきて欲しい(Cid)等、ぶっちゃけてしまうとパシリ扱いとしか言えない、ぞんざいなものである。
  サンドリアは、基本的にUlmia関連のイベントが中心となる為、基本的にプリッシュの扱いに関してはあまり判らない。しかし、過去のフラッシュバックによると、「忌むべき子」と呼ばれていた時代にMildaurionにつれてこられた描写はあり、その中での彼女は遠巻きに修道僧から悪口を言われているようなシーンがある。当時はタブナジア大聖堂とも繋がりが強かったらしいので、噂がサンドリアへ渡ったものと思われる。
  そしてウィンダスだが、これはどちらかというとチェブキー兄妹のイベントがあまりに濃い。結果的に他のプロマシア関連NPCもウィンダスを訪れるが、それほどインパクトに溢れるものは特に無いといえる。冒険者も、チェブキー兄妹の最大の被害者であるYoran-Oranにちょっと罵られる程度で済んでいる。その中でのプリッシュはというと、一番印象に残るのは「Shikaree Yとの出会い」の場面ではないだろうか。しかし個人的に注目してほしいのは、あのS気の激しそうなShikaree Yとのやりとりではないのだ。ここではサラリと、凄いやりとりがある。

Prishe :それと、親切なおばちゃん、おじちゃん、良くしてもらってありがとよ!
Shantotto :おば……っ!?

  なんと、「あの」Shantotto相手に「おばちゃん」と言っている。しかもShantottoが反応・反撃する前にプリッシュは走り去っていく。このような暴言(Shantotto的に)を吐いて無傷で済んだのは後にも先にもこのプリッシュだけではないだろうか。しかもShantottoはミッションやクエストだけはなく公式サイトでも最強キャラクターのような扱いをされ、過去ウィンダスクエストでもとんでもない登場をしている。そんなShantottoの優遇っぷりを上回るキャラはそうそういない。


その数少ないVIP待遇にプリッシュが居るといえる。

  最終的にミッションでも、常に困難なアイテムを入手したり世界中に勝手に自由行動をくりかえすNPC達を呼び戻す「パシリ」役の冒険者に対し、プリッシュはその存在そのものを問われて仲間内で衝突が起きたり、彼女を追って全員が色んなことに巻き込まれたり、まさに主人公の扱いだ。


最後の最後まで「プリッシュ」に集まり、「プリッシュの言葉」で進む物語。

  個人的には一体どこらへんが「忌むべき子」だったのか、クリアして二年になる管理人には未だに判らない。

戦闘スペック

  戦闘に参戦するNPCとして、プリッシュはプロマシアミッションの終盤「暁」で冒険者と共に戦う事になる。更に公式イベント等での特殊BC[ヒロインズコンバット」ではミッションヒロイン代表として参加している。基本的にはモンクと白魔道士のハイブリッドとした能力を持っており、格闘スタイルは自己流といった感じである。高位白魔法を駆使しながら、拳をふるって戦う。


ミッションBC「暁」
ミッションの最終決戦で、Promathiaを相手に冒険者PTとNPCSelh'teusと共に参戦。最終決戦というだけあって、プリッシュのセリフも熱いものが多い。格闘WSの亜流、白魔法以外に、自らアイテムを使うこともあり、更にPCから魔法で回復やレイズ等が可能。

2時間アビ:百烈拳 / 女神の祝福
固有WS:崑崙八象脚[単体/ダメージ有/ノックバック] / 羅刹七星拳[単体/ダメージ有/スタン]
白魔法:ケアルIV / ケアルV / バニシュIII / バニシュガIII / ホーリー
アイテム使用:アンブロシア / 気魂香 / 剛体香 / ダイダロスウィング

1戦目戦闘開始時:俺たちが思い出させてやるぜ!生きようとしているものが、どれくらい強いか!
2戦目戦闘開始時:笑っちまうぜ!さあ! 笑いながら勝とうぜ、<PC Name>!

百烈拳:5000万倍返しだ!!生きることから逃げ出させはしねぇぜ!!!
女神の祝福:暁の女神アルタナさま!俺のすべてを差し上げますから、どうか、光を……!

崑崙八象脚:爆っぜろぉお!!人の想いは留まりゃしねぇ!!!
羅刹七星拳:ひっらめけぇえ!!馬鹿げた夢から目を覚まさせてやるっ!!!

戦闘不能時:ちくしょおぉ!負けたくねえ……負けたくねえよ……!
蘇生時:諦めねぇぞ!いくら傷ついても、俺の心だけは傷つけられねぇ!


特別BC「ヒロインズコンバット」
ミッションとはうってかわって、モンクの技のみで勝負を挑んでくる。セリフもミッションの時の熱さとは掛け離れた「ハラペコ」キャラとなっている。元々はオフラインイベントの目玉イベントとして作られた「ヒロインズコンバット」だが、それにしてもあんまりである(笑)。

2時間アビ:百烈拳
固有WS:崑崙八象脚[単体/ダメージ有/ノックバック] / 羅刹七星拳[単体/ダメージ有/スタン]

戦闘開始時:チクショウ、ハラペコだぜ!この勝負に勝ったら、うまい飯を腹いっぱいおごってもらうからな!
途中参戦:ハラペコマンボ!プリッシュ様の登場だ! なんかオゴレ!

プレイヤー戦闘不能時:ごちそうさまだ!美味しゅうございましたぜ!
撃破時:やられターメリック……!

百烈拳:喰わせろ!サンドリアグレーーーープ!!!
崑崙八象脚:喰わせろ!バストアサーディーーーーン!!!
羅刹七星拳:喰わせろ!ウィンダスタコーーーース!!!

最終更新:2008年11月27日 04:38