Clavauert(詳細・ネタバレ編)
- エルヴァーン♂、8a(白髪)、通常配置無し
- 世界的に高名な生物学者。出身は西方の国だが現在はアトルガンで研究を展開。
- フルネームはClavauert B Chanoix(クラボエール・B・シャノア)。
初登場は公式の読み物の、ヴァナ・ディールの生態についての記事というちょっと異質な存在だったクラボエール男爵。彼の登場は意外にもアトルガンで出会う事に始まる。アサルトやクエストで彼の研究を垣間見ることも出来るが、実際クラボエール男爵とはどういった人物で、どのような研究をしているのか?クエスト「翠緑のむこうへ」を主軸に男爵についてまとめてみた。
教授の尽きぬ興味・ポロッゴとの因縁
元々がサンドリア出身の貴族の出ながらその身を生涯・ヴァナ・ディールに生息する生物達の生態の謎を解き明かす為に捧げる決意をしたクラボエール男爵。深海魚をはじめ多くの生物達の謎を解き明かし、その功績は公式の読み物等の、ヴァナ・ディール内の研究の「基盤」として登場している。学会にも多くの研究や仮説を発表しており、既に老体ながらもバリバリの現役である。しかしその仮説は時には過激とも言われており一部ではキワモノと噂もされているようだ。
そんな彼がここ数年情熱を注ぎ込んでいたのが「ポロッゴ」と言われる伝説の獣人についてである。「西の都」ウィンダスで発掘調査を行っていた時に数百年前の地層から奇妙な骨を見つけたのだ(古代の生物生態の研究の為考古学的な事を行っていたと思われる)。それは巨大なカエルの姿をしたトード族より更に一回り大きい品種にも見えたが、骨格を復元してみると、トードよりも巨大な脳を持ち、前足で手を掴み、後ろ足で歩く事が出来る、トードとは似て非なる品種と言う事が判った。まるで童話の「蛙姫」に登場するかのようなその姿に、クラボエール男爵はその童話の蛙姫「ポロッゴ」から、この未知なる獣人に名前を付けたという。
クラボエール男爵は、このポロッゴが、トード族がより環境に適応する為に進化した姿であると仮説を打ちたて、発表した。しかし、トードとポロッゴが共に同じ年代の地層から発掘されたことの説明をつけることが出来ず、この仮説は学会で不評だった。無念の男爵は、その後も研究を続け「トード」と「ポロッゴ」を繋ぐ第三の生物、すなわち二つの種族の進化を証明する為に、進化の途中を示す中間的な存在を求めてた。
しかし、残念なことにクラボエール男爵はウィンダスの禁書室で見つけた一つの古文書を発見し、自分の仮説を打ち砕かれることになった。そこには、伝説の魔道士サマリリが当時ウィンダスで嫌われていたトードに同情し、魔法をかけたというもの。新たな人型生物としてトードだった物達はウィンダスを徘徊し、当時聖都は騒然となったという記録だった。あまりに現実離れした話であるが、魔法の国ウィンダスの歴史として記されている事、その詳細がとても『昔の人がでっちあげた物語』とも思えないものだったという。
いずれにしろ、「ポロッゴ」はとうに絶滅しており、これ以上の研究は困難になった。
傷心を抱えたまま、クラボエール男爵は皇室の招待を受けたこともあり、エラジア大陸、すなわちアトルガンへと渡った。新たなフィールドで数多くの未知の動植物を目の当たりにし、クラボエール男爵は新天地でめきめきと研究の成果を上げていった。クラボエール男爵の書く研究本は元々、一般市民にも読みやすいものとして好評だった為、聖皇はアトルガンの生態も研究して貰い執筆を重ねる事で全皇国臣民の知的水準向上を計っていたようで、彼の研究にも全面的にバックアップをしていた。更にアトルガン軍としても、敵である獣人軍の戦力として加わっているモンスターへの対策や、もたらす厄災への解決法を見出してくれるのではと期待を寄せていた。
クエストでも、皇国兵はクラボエール男爵にとても協力的。
そしてクラボエール男爵はこの地で運命的な出会いも果たした。なんと、絶滅していたと思われていた「ポロッゴ」がマムークに存在していたのだ。現在ではマムージャ軍の一員としてビシージにも登場し、アトルガン地方ではさして珍しい生物でもない「ポロッゴ」だが、クラボエール男爵としては、一度潰えた研究対象が元気な形で目の前にいる。研究の情熱に再び火がついたのだった。
クラボエール男爵にとっては夢のような光景。
ウィンダスのあるミンダルシア大陸から遥か遠いこのエラジア大陸にどうやって渡ってきたのか?かつて男爵が見つけた地層の骨と同じ種族なのか?どうやって長い年月生き延びてきたのか?クラボエール男爵の興味は一気に沸きあがった。
新たな仕事場で思わぬ情報を得たクラボエール男爵は俄然やる気に。
そしてこの大陸のポロッゴたちは「蛙病」という不思議な術を使っていた。それは人の体に影響を及ぼしトードのような姿に変え、一時的に操るといったもの。ビシージ等でも披露するこの技にアトルガン軍も悩まされていた。クラボエール男爵はこのメカニズムを解き明かす事で少しでもポロッゴの謎も解明していきたいと、研究に乗り出したのだ。
ポロッゴと戦う時は冒険者達も容赦なくこの蛙病に掛けられて一時魅了状態になる。
しかしマムージャ軍の根城・マムークに普段は生息しているポロッゴを調査するのもとても楽とはいえない作業である。ポロッゴ自身、かなりの強敵であるし、素直に研究に協力してくれる可能性のほうが薄い。そして蛙病自体が「魅了効果」がある為、クラボエール男爵自身が食らってしまったら、その後遺症や術中の彼の意識等、不明で危うい点が多くあった。そのため、クラボエール男爵が蛙病について研究をする為には、フィールドワークを行い際の護衛、そして蛙病に罹患する者、すなわち蛙病に掛かり研究対象となる被験者が必要となるのだ。
そしてその人材を集める為にアトルガン軍も協力に乗り出し、その一環としてアトルガン地方で傭兵家業を営んでいた冒険者が護衛役に、そして被験者として
Salwa-Molwaが立候補したのだった。
危険な研究なのに妙にテンションが高い
Salwa-Molwaとクラボエール男爵。そして冒険者。当然、この研究は一筋縄でいくわけがなかった……。
ぶっつけ本番のフィールドワークへ(クエスト『翠緑のむこうへ』)
(※この項目では男爵の研究関連の情報は別項目として随所に印付きで解説する)
念願のポロッゴ研究が開始できるとあってか、クラボエール男爵は白門で研究について語っていた彼と比べて随分としゃかりき爺さんのような雰囲気になっていた。彼より遅く集合場所に現れた冒険者、そして
Salwa-Molwaを叱り飛ばす。しかし打ち合わせを開始する前に、早くも緊急事態が起きてしまう。何処からともかく魔法が三人を襲った。それは強力な睡眠魔法・スリプガ2。
突然の不意打ちに成す術が無い一行。
薄れていく意識の中で冒険者が見たのは……カエルを追いかける
Salwa-Molwaの後姿。
意識を取り戻した冒険者はクラボエール男爵に、意識が薄れていく中で見た光景を報告する。しかも
Salwa-Molwaが追いかけていたそのトードを誘っていたのは、ポロッゴのようであると。そこで冒険者は、実は護衛といってもクラボエール男爵の、ではなく
Salwa-Molwaの護衛をする役目であった事を聞かされる。
ともかくおきてしまったものは仕方ない。このまま二人は
Salwa-Molwaを追い、そのまま研究を開始することにし、後を追いマムークへと向かった。
おとぎ話の「蛙姫」を思い出し、嫌な予感がすると語る男爵。
※童話「蛙姫ポロッゴ」について
カエルの姫であるポロッゴは、恋をしたタルタルの少年を王子に迎えるべくさらってしまったという、ヴァナ・ディールのおとぎ話。
Salwa-Molwaは少年と言う年頃でも無いし、さすがにおとぎ話が現実に起こるとは思っていないと笑うクラボエール男爵だが、現実に起きることには必ず、何らかの理由が存在するとし、
Salwa-Molwaの失踪の原因が何かと言う事が気になるようだ。
冒険者と男爵がマムークに踏み入って間もなく、
Salwa-Molwaと会うことができた。あっさり見つかったと逆に拍子抜けしてしまうクラボエール男爵だったが、
Salwa-Molwaはとても慌てた様子で一連の出来事を語りだした。
※「蛙病」の治療法
一般的なものとしては(冒険者も体験するように)、単純に時間が解決する、というもの。時間と共に術がとけたら、元に戻る。無事に
Mikiluluを捕獲できたら、あとはじっくり治るまで待てば良い。もうひとつは、術者であるポロッゴを倒す事。クラボエール男爵は殺生を好まないと語るが、現状は緊急事態のため、
Mikilulu奪還の為の障害になるとしたらそれもやむを得ないと完結。
問題は数多く居ると推測されるこの地でのポロッゴ、そしてトードのなかで
Mikiluluだったトードを特定し、捕獲する事。これに関しては
Salwa-Molwaが「なにより、蛙症を患ってたってミキルルはミキルルです。だから、見れば絶対わかると思うんです!」と力説。確かに動物においても、パートナーを識別する能力は、他の同種の個体を識別するよりも格段に優れていることが実証されている。しかしそれが別種族に魔法で変身された場合も可能なのか。
そこでクラボエール男爵は真新しいトードの足跡を地面に発見する。ここを通ったのは
Salwa-Molwaの証言により
Mikiluluのトード姿であると判断した彼は、これを元に
Mikiluluの特定も不可能ではないと確信。彼女の救助を最優先とし、3人はマムーク奥のポロッゴが集うスポットへ向かうことに。
安全な場所へ戻り、
Mikiluluが元に戻ろうと
Mikiluluトードに手を伸ばしたときだった。彼女は逃げるように跳ね、洞窟の入り口へと向かった。その先には……ポロッゴが。
Salwa-Molwaは冒険者に「ミキルルを助けてやってくれ!」と懇願され、ポロッゴと対峙する。しかし、そこにポロッゴの支配下にあると思われるトードの群れがわらわらと……。この中の
Mikiluluトードを傷つけず、ポロッゴのみを倒すという戦闘へと突入していく。
微妙に名前が違うだけのトード達。
Mikiluluを判別するのは困難である。ボスであるPoroggo Cassanovaを倒す事に集中した方が良いバトルである。
無事にPoroggo Cassanovaは倒せた……が、
Mikiluluの姿が……。
※「蛙病」についての解明?そのメカニズムに関する仮説
男爵は、「蛙病」による変身の正体は、発病者の身体に起こる、一種の 抗原抗体反応の産物であると推理していた。それは簡単に説明すると、体内に侵食した異物(抗原)と、体内を守る、異物を排除しようとする器官(抗体)が体内で戦いあう蔡に起きる症状。その異物が排除されたとき「術がとけて」トードから元の姿に戻るというわけだ。ポロッゴがどのように「抗原」を相手に植え付けるかは(男爵自身、変身を目撃出来なかったから)不明。
※「蛙病」発症中の「魅了状態」について
トード形態を維持するためには、蛙症患者の抗原抗体反応を持続させる必要があり、抗原抗体反応を持続させるためには、患者の運動中枢に対しポロッゴが信号を送る必要がある。その為に従順なトードになった相手を操り、自分のそばに置く必要性が生まれる。遠く離れた場合は、その状態を維持する必要も無くなる為ポロッゴは信号を送るのを止め、患者は時と共に回復出来る。更にポロッゴが死んだ場合も同様である。
では元に戻らない
Mikiluluは何を意味するのか?
なお、説明が長いせいもあるのか、男爵は途中から非常にリラックスした体制で説明する。
もっとも、この仮説(一般的な病気と理屈は似ている)は、現状目の前の
Mikiluluが戻らないところを見ると、「間違っている仮説」であるか「特異例である」のどちらかになってしまう。色々とこの状況を説明しようと仮説を立てる男爵であるが、どれも確証は持てない。落胆する
Salwa-Molwaを励ますのが精一杯だった。
Mikiluluは自分の実験の被害者となってしまったと語るクラボエール男爵は、数ヶ月……あるいは、数年掛かってしまうかもしれないが、必ず彼女を元に戻す為にも研究を続ける事を約束する。それを聞いて
Salwa-Molwaも、逆に自分も何でもいいから手伝いたいと言い出す。
Salwa-Molwaの心情を知っているクラボエール男爵は厳しいながらも優しく、彼女の為に研究所に住み込み世話係をするように提案する。トードとなったままじっとしている
Mikiluluに、
Salwa-Molwaは安心させようと笑顔を向けて語りだした。
Salwa-Molwa :さあ、ミキルル。帰ったらお前の御殿を作ってやるからな~。やっぱ蛙だから、泳ぎたいよな?まかせとけって!俺が池を掘ってやるから。もちろん、お前専用のだ!!ったく、羨ましいね~。このこの~。食べ物はなにがいい?もしかして、ミミズとか好物だったりして……。だったら、ついてるな。俺、栽培ヘタクソだろ?だから、ミミズならいっぱい持ってる。楽しみにしとけよ!
Salwa-Molwa : そうさ……そうやって、毎日いっしょに過ごすのが夢だったんだ……。 いつかお前が元に戻れたとしたら、その後も……ずっと……ずっといっしょに……
Mikilulu :その言葉が聞きたかった……。
※なぜミキルルは元に戻ったのか
Mikiluluの変身は
Salwa-Molwaの呼びかけで解かれたのは明白。これは、「蛙症」の抗原抗体反応に人間(患者)の精神的変化が強く影響している事を意味していると思われる。つまり、変身を維持させる信号は人間自身が引き起こしており、そのきっかけとしてポロッゴの術(歌)が関係していると推測される。これは「蛙病」の「真犯人」は人間の中に眠っている可能性があると同時に、トード中の心理状況が不明な為に証明すべき要素が多い。
……と、まだまだ研究の余地は大いにあることが明かされるが、報酬を渡すくらいの働きは充分にしてくれたという事で、アトルガンに戻ったら
Salwa-Molwaに渡すことを約束した。 2人へのささやかな祝儀もプラスして。
Salwa-Molwa :(だって、ミキルルは蛙の中にいたって、もっとも美しいはずだから!そう、まさに「蛙姫」と呼ぶに相応しいぐらいさ!)
真相は、闇の中……?
クエスト『翠緑のむこうへ』完結・男爵の見解は
二人は幸せそうにその場をゆっくりと歩き去り、冒険者とクラボエール男爵はそれを見守った。そして、冒険者は気付いてしまった真実を、男爵にぶつけてみることにした。ちなみにその時の選択肢は激しいものである。
言いたいことは?
- ポロッゴはなにもしていない!
- 真犯人はミキルルだ!
- 彼女は自在に蛙に変身できる!
- なんて恐ろしい女だ!
- サルワモルワが危ない!
- 彼女を調べるべきだ!
なお、どの選択肢を選んでも、会話に変化は無い。男爵は、冒険者が見出した結論に感服し高笑いをあげた。そして、学者である彼自身、可能性の一つとして、同じ可能性を考えていたと語る。
確かに不思議な出来事がたくさんおき、それはまるで「蛙姫」の物語をなぞるかのように、二人の幸せそうな姿で締めくくられている。まだ確証をもてない現在の状態で
Mikiluluを調べたところでより謎が深まる可能性もあるし、二人の幸せに水をさす結果になってしまう。
Clavauert :それに見たじゃろう?あの2人の幸せそうな様子を。そおっとしておいてやろうではないか……。真実が、新たな因果を生み出すまでは。それにしても、「事実は小説より奇なり」じゃな。この度の出来事は2人が結婚するというところまで何から何まで、あの「蛙姫」そっくりじゃった。あれはあくまで子ども向けの作り話。偶然にすぎんのじゃがな。現実のポロッゴは発生、生態、文化、変身……もっとエキサイティングな謎に満ちておる。大切なことはまるでおとぎ話のような不思議な現象を目にしたとき……それを安易に伝承などと結びつけて知った気になるのではなく……納得するまで自分の頭で考え、時に自分の目で真実に迫ろうとする、飽くなき探究心じゃ。……おっと、君ら冒険者には言うまでもないことじゃったな。またいつか共に冒険する機会を楽しみにしておるぞ。
最終更新:2008年11月01日 14:44