Selma (詳細・ネタバレ編)
- ヒューム♀、8a(赤茶髪)、バストゥーク商業区・職人通り近辺(イベント時)
- かつて「闇百合の魔女」として恐れられた伝説の魔女の一人。
おそらくは最初に「
闇百合の魔女」となったと思われる少女。あどけなさが残る顔立ちだが、零れ落ちる思い出から壮絶な過去が見えてくる。彼女と、彼女を救った
Pretty Heart がかつてバストゥークで見たものとは?
闇百合の乙女・ゼルマ
「
闇百合の魔女」イベントに関連する女性たちの中で、一番重い過去を感じざるを得ないゼルマの独白。それは元々、自分とは異なるものに対する「無知」がもたらしたものなのか。同じヒュームでも人とは違った能力を持って生まれてしまったゼルマは、この街でどんな思いをしてきたのだろうか。
- ……この街路樹……「ファイア」で……燃やしたけれど……今は……元どおり……植わってる……
- ……この川……「ブリザガII」で……堰き止めたけど……今は……元どおり……流れてる……
- ……この建物……「エアロガIII」で……崩したけれど……今は……元どおり……建ってる……
- ……大工房の壁……「サンダーIV」で……半壊したけれど……これも……元どおり……
- ……まるで……私は……存在して……なかったよう…………私の……罪も……消えたかしら……?
- ……生まれながら…………多すぎてしまった……私の……魔力…………人々の……冷たい……視線……
- ……いじめられて…………必死で覚えた……私の……魔法…………人々の……心ない……ウワサ……
- ……憎かった…………この国の……人も……街も…………なにも……かもが……
- ……だのに……なぜなの……?……今は……なにも……かもが…………ただ……懐かしい……
- ……だのに……なぜなの……?……今は……あれも……これもが…………ただ……愛しい……
- ……さぁ……そこのあなた…………もう……探偵ごっこは……終わりにして…………今は……1人に……なりたいの。
ゼルマの独白の前半から見えてくるのは彼女の過去、ひたすら行った破壊活動。しかも高等な黒魔法でその感情を街に傷跡として残していたようだ。しかしその一見狂暴に見えてしまう行動の裏には、彼女の才能に怯え、迫害し続けた街の人々の姿が見え隠れする。ゼルマが体験した事は、少女の心を深く傷つけ、捻り上げるには充分すぎる迫害だった。
同じくバストゥークにその魂を舞い戻らせている
Pretty Heart の独白を照らし合わせてみると、彼はおそらくゼルマの街での扱われ方を見、悲しみ、彼女を救う為に街を出る旅へと誘ったものと思われる。壊れていく街、心無い人々の心から彼女、そして彼女と似た境遇の子供達を助けるために「
闇百合の魔女」を立ち上げる事を決意したことが見えてくる。
しかしどんなに憎んでも、結局は「自分」を形成した場所である事は変わりない。わずかかもしれないが良い思いでだってきっとあったはず。人は、故郷から離れ、距離や時間と共に、思い出へと変わっていく中で、激しい感情は緩やかにおだやかになっていくものなのだ。
そして、一度は魔物にまで魂を売ったゼルマはすべてを失い、魂のみの存在となり、一度離れた故郷へ馳せたのは愛しさと懐かしさだった。長い年月と共に彼女を迫害した人達もまた、変わっていったり、いなくなってしまったりしているだろう。彼女がかつて破壊した街並みは、今はすっかり美しく生まれ変わって新たな時代を生きている。そんな故郷・バストゥークを見つめ、ゼルマは一体何を感じているのだろうか。
最終更新:2008年10月21日 21:17