Eald'narche(詳細・ネタバレ編)


  • ジラート人♂、独自フェイス、ジュノ ル・ルデの庭大公の間
  • 家族構成:姉(Yve'noile)、弟(Kam'lanaut
  • ジュノ大公Kam'lanautの弟を装って人間社会で過ごしているが、実はKam'lanautの兄であり、一万年まえにヴァナ・ディールで栄えたジラートの民の王族。
  • 弟のKam'lanautよりも幼い姿を留めている理由は、過去にクリスタルに触れた際の影響をより強く受けていたから。


  ジュノに訪れ、大公の間へ初めて通されたときに出会う大公の「弟」。その正体は、Kam'lanautよりも年長の「兄」であり、1万年前に栄えていた古代人の王子だった。1万年前に何が起きたのか、何故現代に彼らが存在しているのか。そして彼らの真の目的とは。エルドナーシュは事実上拡張ディスク「ジラートの幻影」の中心人物であり、ラスボスである。ここでは改めて、最終決戦までの情報等を整理しつつ、1万年前から続く夢の結末をまとめようと思う。

ジラートの幻影 エルドナーシュ(まとめ)

  ここでは多くのキャラクターを巻き込んで描かれていくエルドナーシュの設定をまとめる。イベントとしての詳しい流れや説明を見たい場合は下のリストを見て頂きたい。


古代ジラート時代での出来事

  • 一万年前、エルドナーシュが「真の」クリスタルの接触で永遠の楽園「真世界」と神々の姿を垣間見、そのヴィジョンに心を奪われる。(元々ジラート人には「他人の意思が読み取れる・心が読める」といった能力があったが、エルドナーシュはそれが特に強かったと思われる)
  • 「真世界」への「扉を開く」とは、神々の世界たる「真世界」をこの世・ヴァナ・ディールに降臨させる、という行為。
  • クリスタルを通してこのヴィジョンを見たエルドナーシュは「神の扉」計画を立案し、クリスタルの力を収束点に集める為「クリスタル・ライン」を建築させる。そしてその収束点にデルクフの塔を、その力を注ぎ込む受け皿「神の扉」としてトゥー・リアを作る。
  • しかし「真世界」招来に危機感を抱いた(自然の摂理、「アルタナの意思」に背く等)、「明星の巫女」達とクリュー人の謀反により北の地のアークが破壊。


「神の扉」計画は自然の摂理に背くもの。最初は計画に従っていたYve'noileらもその危険性を感じ取り、計画の中止を訴えたが、完璧な世界に憧れるエルドナーシュが聞き入れ無かった。

  • 各所に設置されたクリスタルに貯蓄された力が、それによりバランスを失い、暴走。「メルト・ブロー」と呼ばれる天変地異ともいえる大崩壊を引き起こし(実際にはエネルギーの大暴走事故)、ヴァナ・ディール全土・及びその生命体に強い影響を残す。
  • 「メルト・ブロー」により古代都市ジラートは国ごと一夜にして消え失せ、この時にエルドナーシュの夢も破れた。
  • 計画が瓦解し、帰るべき国も失ったエルドナーシュとKam'lanautの二人は、それでも夢を諦められず、再び「神の扉」計画を実行出来るほどの手駒・クリスタルの力が整うまでデルクフの塔で永い眠りに就く。


現代での覚醒、そして再び動き出す王子達

  • 30年前のRaogrimmShadow Lordに覚醒した事がトリガーとなり、デルクフの塔で目覚める。
  • 塔に最も近い(と思われる)小さな漁村に「流れ着き」、Maatに助けられる。
  • この後Kam'lanautを歴史上の立役者とし、彼が披露した「クルスタル合成」を広めることで人間達の生活を著しく発展させる。この時に集まった人と金で、現在のジュノ大公国の礎を築いていく。
  • 後にジュノは大公国として独立を宣言、Kam'lanautを初の大公として迎え入れられる。飛空艇等の技術も提供しつつ、ジュノに職人、資源、人材が集中していき、ジュノは事実上ヴァナ・ディールの四国の中心国に発展していく。
  • クリスタル大戦勃発。アルタナ連合軍の結成を呼びかけ、その中心としてジュノが先導する。永い歴史の中で違い続けてきた三国をまとめる事に成功し、最終的には連合軍を勝利に導く。これによりジュノ大国は政治的にも武力的にもその力を示すことになり、現在の地位を築く。
  • その一方で獣人にも情報を流し、多少なりともShadow Lord復活や魔晶石の情報を渡して裏で操作していたものと思われる。魔晶石に関しては、のちに冒険者(プレイヤー)がミッションにて、その経過や成長を報告する事になる。


冒険者との初対面では無邪気な少年を「演じて」おり、その特殊能力によりミッションで冒険者が体験したことを読み取った。

  • この時冒険者の記憶を読み取ったエルドナーシュはVerenaの存在とその能力に気付き興味を抱く。Wolfgangに「連れてきて」と頼む。これはKam'lanautには明かしていない、エルドナーシュの独断で行われた事である事が後で判り、後の(ジラートミッション冒頭)Verena失踪事件へとつながる。
  • サンドリア国教会にエルドナーシュは独断で働きかけており、その教皇Shamondeに“聖剣は伝説の真世界とヴァナ・ディールの扉を開くカギである”と語っている(サンドリアミッションより)。これによりサンドリア国教会では「楽園の扉」を開くことに特に意欲的になり暗躍を始めたものと思われる。そしてサンドリアミッションの中枢にある「聖剣」の存在にShamondeが躍起になり、計画が綻ぶ事になる。なお、これは時期的には不明であり、恐らくは「神の扉」についてのヴィジョンを鮮明にみているエルドナーシュが独断で行ったものと思われ、後にサンドリアも手駒として「神の扉」計画を進めようとしていたのかもしれない(計算外だったのは、おそらくShamondeの短絡的な言動)。詳細は下記参照。

歴史の舞台裏・計画再始動までの「準備」

  • 復活したShadow Lordを冒険者がミッションにて討伐。Raogrimmが30年まえにザルカバードで見つかったクリスタルに触れた時に、その大地と何らかのリンクが生じ、その力が彼に注ぎ込み、暴走を起こしShadow Lordとなった。
  • 20年前のクリスタル大戦でShadow Lordを滅ぼしたアルタナ連合軍だが、Shadow Lordの「死」による、大地とRaogrimmの魂との「リンク」は絶たれなかった。エルドナーシュ達の計画はここで一旦遠回りを余儀なくされることになる事に気付く。
  • クリスタルより流れ込んできた大地に貯蓄した人間の負の力が許容範囲をオーバーしたためにRaogrimmは自我を崩壊させShadow Lordとなったと仮定するなら、魔晶石を集めれば、何らかの形で復活すると計算したと思われる。魔晶石の正体は、虚ろなる闇が進化し結晶化したものであり(プロマシアミッションより)、ザルカバードでRaogrimmが体験した負のエネルギーに近いものではないだろうか。
  • 魔晶石の膨大なエネルギーを狙って、エルドナーシュ達は獣人たちに情報を一部流して、Shadow Lordの復活に繋がる重要なものである為に集めるように操作していたと思われる。
  • そして復活したShadow Lord、及び冒険者をミッションで操作することにより、その魂を開放させ、ザルカバードのクリスタルとの「リンク」を断つ事に成功する。

サンドリアに眠る聖剣伝説・新たな布石?

  • サンドリア教会に取り入り「楽園の扉」信仰を推進した理由のひとつは、宗教による洗脳的な効果で「楽園の扉=神々の世界」を支持し、協力する手独楽を増やす為と思われる。
  • だがそれ以外にもサンドリアにはもう一つ興味深い要素があるのでここでまとめる。
  • それはサンドリア王家に伝わる伝説の剣であり、それを用いて龍王Ranperreは黒竜を退治し、サンドリアを統一した。
  • しかしRanperre自身はこの剣に関して「世に満ちる気力を吸収し、それを力に変える剣であり、世に邪気がはびこれば邪悪な力を持つだろう」と語っており、子孫には封印するように伝えている。
  • 後に聖剣はタブナジアに渡り、フォミュナ水道で保管されていたが、クリスタル大戦時にRochefogneが聖剣を獣人から守る為に持ち出す。
  • オークたちに追い込まれ、聖剣をやむなく抜いた時に光の洪水のような現象が起き、タブナジアを一瞬で消滅させる力を解放する。
  • この時Rochefogneは「夢幻花」を所有していた為に生存はしたが、記憶喪失となり長らく「眠っていた」。
  • 聖剣はオークからは憎悪の対象となっており、オーク帝国がヴァナ・ディールに遠征している理由の一つも「聖剣の封印」にある。
  • 実際に聖剣を抜こうとしたTrionは、その瞬間に抗えない破壊衝動に襲われたと語り(夢幻花の力で難を逃れる)、聖剣を盗み出したオークの部族の言い分を聞いた時も、その時の状況を想像していた。
  • エルドナーシュから入れ知恵をされたShamondeは、この聖剣こそが「楽園の扉」を開く鍵となると見ていた。そしてその発見を最優先にしている節があり、その為に信仰に熱心だった第二王子Pieujeに取り入って、その捜索を促していた。
  • 聖剣にまつわる話自体、「国を一瞬で滅亡させる力」=メルト・ブロー、その力を解放した王族の末裔が生き延び「長年眠る」、大気の力を貯蓄し手にしたものに流し込む=ザルカバードのクリスタルの性質、媒介となった者に力が流れ込んだら暴走する程感情が膨らみあがる=Shadow Lordの覚醒、とジラート人の歴史と非常に似通った部分が見られる。
  • 結果的に「三国ミッション」も「ジラートミッション」も終了している現在、これは元々何かしら物語として絡ませる伏線だったが、回収しきれなかったものと推測される。

一万年続く夢・再び動き出す過去の悪夢

  • 実際にRaogrimmの魂が開放され、Shadow Lordが討伐された時に「準備は整った」とKam'lanautが「闇の王の間」に出現。
  • ザルカバードのクリスタルとRaogrimmの魂の「リンク」が断たれた事を確認し、本性を露にする二人。


話を進めるのはKam'lanautだが、実際に魔晶石を「解析」し、ザルカバードのクリスタルとRaogrimmの魂の「リンク」が断たれた事を確認するのはエルドナーシュ。この現象を「ノイズ」と呼んでいる。

  • ジラート人としての過去、真のクリスタルの力の解放を語り、アーク・エンジェルを召喚。冒険者達の始末を言いつけ、二人はその場から消えていく。
  • ジュノでは、Verenaが行方不明となっており、大公親衛隊に連れ去られたのを目撃されていると知ったAldoも冒険者に協力をする。
  • クリスタル・ラインを通してクリスタルから集まった力が注がれるデルクフの塔で冒険者達を待っていたのはKam'lanaut。クリスタルに選ばれた者と名乗りその本来の姿を見せたKam'lanautは冒険者達に襲い掛かってくるが、冒険者に敗れる。
  • その際アーク・エンジェルが自分を助けない事に困惑したKam'lanautにエルドナーシュは現実を突きつける。


実の弟をも手ゴマにしていたエルドナーシュ。

  • Verenaの同調能力と、Shadow Lordを使って「神のトゥー・リア」を始動させる。
  • 全ての首謀者・主犯格である事を明かす。


エルドナーシュは冒険者達にトゥー・リアで待っていると伝えて消え去る。


総まとめ・エルドナーシュの本性

  • 元々は古代王国ジラートの第一王子。ジラートは1万年前に存在していたが、現代のヴァナ・ディールでも想像が出来ないような高度な文明と栄華を誇っていた。
  • ジラート社会の中でも「ジラート人」と「クリュー人」という別の総称の人種が居るが、元々は同じ種族である。社会内に格差問題が(多少なりとも)あることを物語っており、その王子であるエルドナーシュがその事に高い誇りを抱いていたのは容易に想像できる。
  • ジラート人特有の「他人の心が読み取れる」能力に長けており、クリスタルに触れた時に「楽園の扉」などのヴィジョンを見る。これにより「完璧な存在(神々)が住まう世界」「真世界」にとりつかれたように取り組むようになる。
  • なお、眼帯は「神の扉」計画中の回想シーンで見る限りでは、当時はもう既に使用していた。そして最終決戦でそれが外れた時、瞳があるべきところにピンクの光を放つ「何か」が埋め込まれたような形状になっているのがわかる。この詳細は不明。
  • 「暁の巫女」やクリュー人の抗議を無視し「神の扉」計画を強行しようとした結果、メルト・ブローが発動。これは抗議を受け入れなかった結果でもあり、将来的に王族として一族を率いる(はずだった)者の思考としては失格であり、メルト・ブローは彼自身が招いた結果とも言えるのではないだろうか。
  • 現在では自分達以外の全ての生物を「劣化したまがい物」「虫けら」と語っており、利用する事にも殺す事にも躊躇いを見せない。非常に傲慢で自己中心的といえる。
  • 最終的には弟をも「手ゴマ」として扱い、救いを求めるKam'lanautをあっさり見限った。
  • 彼が「真世界」に誇示する理由は、彼のエリート意識が強く影響していると思われる。完璧な存在=神の住まう世界に入る事により、自分自身もより完璧な存在に近づけると思っていたようだ。
  • そしてそれが全て拒まれ、阻止されそうになると、計画を全て破壊へと暴走させていく。手に入らなければヴァナ・ディールごと消滅させるという、非常に子供っぽい、短絡的な破壊衝動で動いている。

これらの情報・設定を礎にし、エルドナーシュと冒険者達は、「宿星の座」にて最終決戦に向かう事になっていく。(Eald'narche(ミッション編)へと続く)



最終更新:2008年09月25日 04:53