Shiva (詳細・ネタバレ編)


  • 神獣、通常配置無し。
  • 全8属性のうち氷を司る神獣。
  • ヴァナ・ディールで語り継がれる伝説の登場人物。東の空に浮かぶ星座。


  歴代ファイナルファンタジーにも登場する美しい氷の女王。今までは基本的に各FFの世界に存在する伝説の人物や精霊といった扱いが多かったが、ヴァナ・ディールのシヴァには、ちゃんと彼女にまつわる伝説が残されている。


凍りついた悲劇の女王の伝説

むかしむかし、南方にひとりの女王が治める小さな国がありました。

先代女王の遺言により、若干15歳で王位を継承した新たな女王・シヴァ。伯父の公爵の助力もあったものの、まだ幼さが残る女王に不安を抱いた者も多かった。しかしそれも最初だけ。

外交の場では無理難題を要求する大国と智謀をつくして渡り合い、また戦争となると最前線にまで赴き兵士を鼓舞し、瞬く間に国民から愛される人気者になっていった。僅か数年で彼女の名声は遠国にまでとどろき、各国から商人や職人も集まるようになった。隣国も大国も彼女の国に迂闊に手出し出来なくなっていった。

しかし有能な人材が集うということは、かつて権力を持った者の影響力が弱まるということでもある。それを不満に感じる貴族が一握りながら存在した。そしてその中には野心家でもある女王シヴァの後見人・叔父である公爵も含まれていた。彼は元々、先代女王が亡くなった時から王位を狙っていた。未熟な女王の後見人となり、裏から操る作戦も、彼女の持ち前の聡明さにより不可能となっていた。

公爵はこの小国を狙う大国と内通をしつつ、二重三重の綿密な計画を練りながら、女王に反感を抱く貴族達を抱え込んだ。そして反旗を翻し、女王シヴァに対して反乱を起こした。

公爵に絶大な信頼を寄せていたシヴァにとってはまさに不意打ちだった。事実を理解する頃には、極北への追放が宣告されていた。国民から愛されていた彼女を処刑するには、さすがの公爵も抵抗があったようだ。

しかし悲劇は続いた。

公爵に協力するように見せ掛けていた大国からの軍隊は、女王シヴァが追放されると同時に公爵との約束を裏切り、街を略奪し始めた。これにより公爵は貴族達の信頼も失い、逆に反乱を起こされてしまう。結果的にシヴァが収めた国は大国に占領される形になってしまった。

公爵も打殺され、小国の軍勢は散り散りになっていった。その中でシヴァの忠臣だったエーオマトラは僅かな手勢を率いて、少ない情報を手に、追放された主・シヴァを探しに極北の大地をさまよい続けた。

しかし元々南国育ちの彼らには、北の凍える大地はあまりに厳しかった。吹雪に見舞われ、女王シヴァを慕う兵士たちは一人一人、力なく倒れていった。女王シヴァを見つけ出した頃には、エーオマトラの部隊はわずか10人しか残っていなかった。

しかし見つけ出した美しいシヴァは、既に息絶えていた。そしてその姿は変わることの無い氷の中に閉ざされていたのだ。それを見たエーオマトラ達は僅かに残った力を振り絞り鞘から剣を抜くと、忠誠の誓いをたて、そのままその場で息絶えた。


クリスタルの中に眠るシヴァはこのときのシヴァの姿に近かったのかもしれない。

「我ら、たとえ氷となりても女王シヴァに従わん!願わくば、業深きかの国に報いが訪れんことを!」

それから数年後……。大国の領地と化した、かつてシヴァが収めた国に雹が降りしきる天変地異が起きた。人々は極北で無念の死を遂げた女王の呪いだと噂し恐怖に震えた。年々激しくなる雹に、すっかり怯えてしまった大国の王は、家臣に言われるがまま、女王を祭る神殿を建立した。

王の改心を感じた女神は極北に眠る女王の兵士達の怒りを鎮め、その女王シヴァを天界に招き入れた。そうして南国で雹が降る天変地異は収まり、シヴァはその魂を天に飾られる存在になった。



現実世界の星座にも似たように神話を基にした伝説が残っている。なおヴァナ・ディールの「シヴァ座」でもっとも強く輝いている星の名前は「エーオマトラ」。

最終更新:2008年06月27日 08:26