ミスリル銃士隊

The Mythril Musketeers


メンバーVolkerAyameNajiIron Eater。写真未登場:Zeid

関連イベント
  • バストゥークミッション全般
  • 三国共通ミッション・ジラート・プロマシア・アトルガンミッション
  • ジュノにて開催される四国会議
  • 戦士AFクエスト
  • モンクAFクエスト
  • クエスト「静かなる警鐘」「解明への灯」「新たなる猜疑」等

特記事項
  • バストゥーク共和国大統領府直属の精鋭部隊。
  • 人材は基本的にその時代の「トップの実力」と認められる軍人が所属する模様。
  • 稀に隊員の推薦や紹介により入隊する者もいる。
  • 時代の流れによりメンバーが全く違うのが特徴。このページでも3時代のミスリル銃士隊をまとめる。
  • 普段の業務は大統領府の警護であるが、情勢に応じ他国への諜報、ミッションの指揮、冒険者(プレイヤー)の指導・育成等、その職務は多彩である。
  • また状況により、大統領からの直接の命令や国家機密に関わる任務等、秘密裏で行動をする事もある。
  • 現在の隊長はVolker。歴代の隊長を務めた人物はRaogrimmUlrichKlaraが判明している。


現代のミスリル銃士隊・広がる世界と職務

  積極的に冒険者を取り込みミッションを出しているバストゥーク。自由で活発、という雰囲気を主張するその風潮は、バストゥークの国そのものの現在の姿に近いものといえる。様々な危険な秘密事項をこなしていくバストゥーク所属の冒険者は、やがてバストゥーク軍の「エリート組織」とも言われているミスリル銃士隊と出会い、共に任務にあたる事になっていく。そして政府の者では冒険者に最も近い存在として、時には重要な情報をこっそり流してくれ、時には共に戦う頼もしい仲間として登場し、そして時にはその素顔を覗かせてくれる時もある。
  大規模な戦争から約20年という月日の為か、現ミスリル銃士隊の面々は比較的気さくに冒険者と接してくれるのが特徴である。またバストゥークミッション以外でも、ジラートミッションやプロマシアミッション等、要所で(他国の冒険者も)彼らと出会い、その仕事ぶりを垣間見ることが出来る。


  現隊長でありミスリル銃士隊実力No.1とされるVolkerは、クリスタル大戦の時にShadow Lordを打ち倒した英雄として称えられ、隊でも古参と言える、長期間の在籍と実績を誇っている。現在では主に四国会議等でバストゥーク代表として参加している。No.2と噂される謎の人物Zeidは、現在は行方不明とされ、実際には直接銃士隊の任務にあたっている訳ではない。しかしVolkerとは何かしら因縁めいたものがあるようで、Volker自身、彼が本来隊長になるべき人物だと公言している。No.3のIron Eaterは、普段は大統領の執務室前で護衛を行っている。他にはその人脈等をかわれ、鉱山区のガルカ達と関わる任務や情報収集等を手がける。また、重要人物の護衛等で遠征する姿も見掛ける事もある。No.4の紅一点、Ayameはノーグで侍の修行を積み、実力でそのポストを手に入れたとされる実力派。現在はその人脈を考慮した外交任務にあたる事が多いようだ。またVolkerについて四国会議に出席することもある。No.5のNajiは元々別の部隊に所属していたが、Iron Eaterの紹介でミスリル銃士隊に移籍。しかしその短絡的な行動や思考の為か大きい任務に就かせて貰えないようで、現在は大工房で門番や雑務といった職務をこなしている。本人も不本意のようで、よく仕事の愚痴をこぼす場面を見掛ける。また同期にあたるAyameに強い対抗心を燃やしているが、基本的に色々と空回りしてしまう。
  種族・出身等それぞれではあるが、お互いへの信頼は基本的に高く、数人で行動している場面やお互いに声を掛け合い話し込んでいる場面等も比較的多い。

屈強の銃士隊が織り成す人間模様
  「エリート」と上記で書いてはいるが、実質的にはそれぞれが努力を積み重ね、現在のポストを勝ち取ったとされており、その思惑や悩み等はクエストやミッションで(比較的)丁寧に描かれている。「門番」として実際にクエスト等で冗談のように取り扱われる事の多いNajiも、前部隊ではトップクラスの実力を誇り、その力を持て余していたという。また、登場する場面も非常に多く、バストゥーク国内だけではなく代表としての顔、という役割も担っている所もあり、彼らの人間関係や過去もプレイヤーの目の届くクエストやミッションで描かれている。


その人間関係も銃士隊の見所のひとつといえる。

  AyameNajiは幼馴染にして同世代ということもあり、絡む場面も多い。普段は自分より「遣り甲斐がある仕事」に就いている事に嫉妬心を燃やすNajiAyameに一方的に絡み、またAyameも彼に対してクールな態度を取ったり、逆に茶化す場面も見られる。しかしお互いに気遣ったり、また共に任務にあたっている場面も多い。
  Naji自身は元の部隊に所属していた時代にIron Eaterと手合わせの試合をし、コテンパンに負けたとされているが、その時にIron Eaterが彼の負けん気を気に入り、直接ミスリル銃士隊に誘ったという経緯がある。現在でも時には兄弟のように、そして時には師弟のように、お互いを信頼した、一歩踏み込んだ仲良しのような描写がなされている。Iron Eaterが、Najiの給料の使い道(武器を買いすぎて金欠)等を知っているという、コミカルなやり取りがほほえましい二人である。
  Iron Eaterは元々ミスリル銃士隊に強い憧れを幼少時代から抱いており、かつての銃士隊隊長Raogrimmとも深い関わりを見せていた。その夢を叶えるべく幼い頃から剣術を学び、現在に至っている。また、幼少時代からミスリル銃士隊とも関わりを持っていたのが「アルタナの神兵」で描かれている。
  そんな幼少時代のIron Eaterが見つめてきたミスリル銃士隊にクリスタル大戦時から在籍していて現在も現役なのが隊長のVolker。その血筋を疎まれる事もあるが(本人も気にしている)、現在の地位、そして種族を超えた信頼を勝ち得ているのは一重に彼の人望と人柄のお陰である。その実直な性格、男気溢れる価値観等は、現在のミスリル銃士隊隊員達の信頼も勝ち得ている。地位に溺れず奢らず、常に先陣に立ち、自らも任務にあたる印象が強い人物だ。


  そしてミスリル銃士隊の物語の中枢とも言えるのがVolkerZeidの関係。実際には任務を放棄して行方をくらましているも同然のZeid。そのポストにこだわり、在籍を取り消さないのはVolkerの配慮によるもののようだ。二人はクリスタル大戦時からの仲間であり、ミスリル銃士隊に所属していた(下記参照)。そして、共にShadow Lordに挑んだ仲でもある。しかし、討伐についての詳細は政府により捻じ曲げられた事をVolkerは今でも気にしているようで、本来ならZeidが隊長であるべきだった、とコンプレックスに近い感情を抱いているようだ。戦友でありライバルとも言える間柄なのかもしれない。


30年前のミスリル銃士隊・狂う運命の歯車

  三国共通ミッションの主軸として描かれる過去のミスリル銃士隊、RaogrimmCornelia(先代)、そしてUlrich。当時はRaogrimmが隊長を務めており、三人でミッションに赴いた時のエピソードなども描かれている。
  こちらは、銃士隊としてより、軍内にも浸透していた種族差別等の描写や現在よりも(鉱山と聖域という見解の差で同地区を奪い合う)熾烈な戦いを繰り広げていたクゥダフとの争い、そしてそれらによって引き起こっていった負の連鎖が物語の核になっている為、三人以外のメンバーは登場していない。また、ミスリル銃士隊時の活躍よりも、後のザルカバード共同調査隊(三人とも参加)に重点が置かれている為に、その活躍や活動は片鱗しか浮かび上がってこない。


ミッションで政府から下った任務でパルブロのクゥダフを殲滅する三人。

  なお、Cornelia(先代)の兄も銃士隊に所属しており、その時にヤグードの拳聖に殺されたとされる。その仇討ちの為にCornelia(先代)は兄を継ぎモンクとなり、修行を積んだが仇を討った時に駆られた虚しさによって一度道を失う。その時わずかに面識のあったRaogrimmが彼女に語りかけ、新たな道を示した。これをきっかけに二人は頼れる仲間として、そしてかけがえの無い存在となっていく(一部では恋仲だったのでは、という見解もある)。
  一方、Ulrichは軍の中でも種族差別を公言していた者で、Raogrimmに対して並ならぬ劣等感と嫌悪感を抱いていた。同じ部隊に所属していた為に共に戦ってはいたものの、当時は決して仲間と呼べる間柄ではなかったものと思われる(少なくとも本心から信頼はしていない)。そしてその負の感情はザルカバード調査の際に爆発し、UlrichRaogrimmと、止めに入ったCornelia(先代)を殺害し、更に二人は「遭難」し「行方不明」になったと報告した。最初から計算していたかはともかく殺人・隠蔽工作をしたのである。


なお、Ulrichは現隊長Volkerの叔父でもあり、この事件はVolkerにとっては違う意味合いで深く関係してくる。

  当時ミスリル銃士隊隊長でもあったRaogrimmの失踪により、Ulrichが後任を任されることになり、実質的には彼の陰謀は果たされた。しかしガルカ達はUlrichに強い反発を示し、銃士隊を掌握する前に非業の死を遂げている。
  この三人は、現代のヴァナディールだけではなく、謎の異世界デュナミスにも深い関わりをもっており、魂のみの存在だが、登場している。そして当時から30年経った現在のそれぞれの心境の変化なども伺える。

クリスタル大戦時のミスリル銃士隊・戦時の精鋭部隊

  過去世界にて、深夜の大工房・工房長室にて起きたWerner軍務大臣殺人事件。密室による困難な犯行の解明、そして犯人探しに乗り出したのが当時のミスリル銃士隊である。ひょんなきっかけで事件に絡んでしまった冒険者は、事件の謎に迫りながらミスリル銃士隊の面々と協力しあい、バストゥーク政府内に渦巻く陰謀、そしてとある計画の全貌を解き明かしていく事になっていく。


メンバーVolkerFive MoonsKlaraNicolausZeid

新旧キャラクターが織り成す謎解き、そして見え隠れする政府内の陰謀
  事の発端は、冒険者(プレイヤー)が成り行きで取引の手伝いをする事になったWerner軍務大臣が、密室で殺害されていた所から始まる。大工房の警備にあたっていたのはミスリル銃士隊Zeid。その汚名を晴らすべく銃士隊が一丸となって謎を解き明かす為に乗り出す。


紅一点にして隊長・Klaraの指揮下で物語は動いていく。

  灯りすら点けられていない深夜の密室での犯行、早くも迷宮入りしそうな雰囲気の中、冒険者の活躍により少しずつ手がかりが集まっていく。そしてそこにはヒュームとガルカの間に根強く残る差別意識、戦争という状況下で展開されていく数々の思惑や陰謀、そしてそれぞれの絆の強さを軸に描かれる。
  メンバーには現在では隊長となっているVolker、そして真面目に(?)任務にあたっていた時代のZeidが登場している。Volkerは20年前という事で(見掛けは変わらないものの)現在より若々しい言動で熱血に描かれている。殺人という犯罪を許せない正義感、そして誤解により逮捕されたWereiGumbahに頭を下げて詫びる描写等、現在にも通じる誠実な性格も見える。そして若い彼は、熟練者のような風格を見せるZeidと主に行動をしている場面が見られ、その価値観の違いによる衝突は時々見られるものの、基本的には信頼しあっている仲間として共に任務に励んでいるようだ。そしてZeidの、ガルカならではの知識もミスリル銃士隊に役立っている場面も見られる。


Zeidの、現代では(ほとんど)見ない活躍も見せ場の一つとして盛り込まれている。

  そして注目すべきは、やはり新キャラクターではないだろうか。特に隊長Klaraは、紅一点にして屈強の男達を率いる指揮官として登場している。部下達には熱い信頼を寄せており、彼らと冒険者も含めた多くの人物にそのカリスマ性を発揮し、活躍する。年齢等にとらわれず適任の人材に任務を下し、目先の情報だけで結論を出すことは無く、毅然とした態度で困難にも立ち向かう姿勢に、部下たちも信頼を寄せているようだ。
  またサンドリアからバストゥーク領事館へ赴任する予定だったElbiont准爵の一行がクゥダフの兵団に拉致されたと聞きつけた際は彼女自ら救出に向かい、クゥダフの一軍に華麗な剣捌きを見せた。まさに「麗人」という言葉がふさわしい女性である。


実力、人柄共に「上に立つ者」の風格を感じさせるKlara

  同じく「アルタナの神兵」で初登場となった過去世界ミスリル銃士隊のメンバー・NicolausFive Moons は、主に殺人事件の解明の為に今回動いているようだ。謎解きの解明に関する描写や場面で中心的役割を果たしているNicolausは、本来はシュルツ軍学の門下生であり、学者の出である。その高い分析能力をかわれミスリル銃士隊員になり、門下生の間でも「異例の出世」とした有名人として噂にものぼっているようだ。密室殺人事件の時の情報整理等では、銃士隊のなかでも彼が皆に頼りにされている節があり、また手掛かりを得るための尋問も彼が行っているようだ。なお彼の設定や立場は、学者AFクエストにも活かされている。
  一方Five Moons は最初の頃は目立った活躍は少なく、VolkerElbiont准爵の失踪を知らせる場面等、登場も現在の所少なく、どちらかというとモブに近い扱いになってしまっていた。しかしNicolausと共に殺人事件に関連する情報を集めている描写があるために、彼の主な役割は冒険者と直接関わらない、政府内での尋問などが主だったと思われる。そしてある事件をきっかけに、彼の立ち振る舞いは大きく変わっていくことになる。


今後の活躍に注目したい二人。

  元々は軍務大臣殺人事件で始まった過去世界のバストゥーククエスト一連だが、現在はデーモンの関与、ヒュームとガルカの価値観の違いによる摩擦、そして見え隠れする「秘密兵器」の存在やWerner軍務大臣と対立していたと噂されていたPale Eagle議長に対する不穏な動き等、様々な要素が絡み出して来ており、今後の展開も興味深い。
  なお、この後の展開では(史実)、VolkerZeidShadow Lord討伐隊に所属することになる。また、戦争が終結し数年後にKlaraは隊長の座を退いている事が明かされている。

未来と過去の銃士
  「アルタナの神兵」の世界では少年として描かれているIron Eaterも登場している。当時は本名であるPagdakoで登場し、ミスリル銃士隊に憧れているガルカの少年。その師であり父親的な存在でもあるWereiらの逮捕を聞き、本来は真面目な少年であるPagdakoはいてもたってもいられなくなり、換気口から大工房に侵入する。
  現場に手掛かりが無いか探している所、Pagdakoを見つけたのはKlaraだった。この時のPagdakoは後々殺人事件の解明の大きな手掛かりとなっていく。


PagdakoKlaraの、かみ合っていないやりとりも面白い。

20年前のフォルカーとザイド
  上記の通り、「アルタナの神兵」時代では共にミスリル銃士として活躍していたVolkerZeidだが、現代での彼らの関係を知っている者から見たら、その印象は現代とは若干異なったものとなる。


当時のZeidは、ミスリル銃士である事が誇りだと語る。

  特に驚くのはZeidに対する印象の違いではないだろうか。現在では仕事を放棄し、「何か」を調査するかのように世界中を独りで旅し続けている彼だが、当時は任務に対する姿勢は至って真面目で、冷静(時には冷酷)にこなしていく。同じくミスリル銃士隊員でありガルカであるFive Moonsがク-デターを起こすようなデモンストレーションを行った時も、現場でFive Moonsを取り押さえた。そのときのやり取りが非常に印象深い。

Five Moons :ザイド!お主には、ガルカ族の誇りがないのか!
Zeid :……ほう、誇りだと?職務への誇りならあるが。

  一方、20年前と言う事で、現代よりも熱血な印象が強いのがVolkerである。曲がった事を嫌い、任務にも己が信じる正義の為に全力でぶつかっている。また、Five Moonsの逮捕に一番動揺をしてたのも彼だったようだ。その動機をある程度分析し納得したNicolausや、「殺人鬼を英雄扱いするとは困ったものだ」と言い捨てるZeidとは対照的に、仲間としてを説得しようとあがくのだ。


仲間意識の違いにより、Five Moonsの一件で言い争う二人。

  後にFive Moonsが脱走したと聞き、Volkerは直接説得しようと、冒険者と共に探しに出掛ける。結果的にFive Moonsは既に「戻れない」と話し、説得は失敗に終わってしまうが、代わりに一部始終を見守っていたガルカの長老のWereiVolkerFive Moonsの次の計画について明かすことになり、バストゥークの平和を託される事になる。


Five Moons自身、Volkerの呼びかけに戸惑う仕草も見せる。

  このように、現在よりもずっと「若い」印象の二人は、それ故にそれぞれが己の意思を曲げない部分も見せており、たまに衝突する場面もある。あくまで職務第一であり、それに立ちはだかるモノは仲間でも容赦が無いZeid、そして自分の正義を信じ、例え任務でも疑問を抱けばそれを問うVolker。それが特に感じられるのが任務中に見つけた「アンティカ」の存在と、それに対するスタンスの違いである。


真っ向からぶつかる二人。

  ガルカ族としてアニティカには想像を絶する憎しみを抱くZeidはその危険性も熟知しており、その場で切り捨てようとする。しかし「このアンティカは、捕虜として軍規にのっとって扱わねばならぬ」と訴えるVolkerは、それよりも既に虫の息に等しいアンティカを庇う意味も込めており、自らZeidの刃を受け止める形で立ちはだかった。このシーンでは、結局アンティカは瀕死を装っており、直後にVolkerを背後から襲い、Zeidの読みが正しかった事を証明する。
  二人とも現在でも重要なキャラクター達であるが、過去のバストゥーククエストでも重要な人物達であり、この後のクリスタル大戦での活躍も期待されている。二人の関係の変化にも注目したいところである。

最終更新:2008年10月24日 17:53