Pattna-Ottna (詳細・ネタバレ編)


  • タルタル♂、1b(金髪メッシュ)、通常配置無し
  • クリスタル大戦時の金牛戦闘魔導師団団長


  3/11/08の追加クエストにて、その存在が明らかになった金牛戦闘魔導士団。その団長としてパットナ・オットナは登場する。カンパニエの現地指揮者として登場した他の団長達とは異なった登場となった分、彼の活躍はクエストを中心に描かれていく。

白羽の矢を立てられた金牛戦闘魔導士団団長

  パットナオットナの初登場は、魔導士団団長と大魔元帥Robel-Akbelとの緊急会議となる。今回のクエストからのニューフェイスキャラクターの一人として、会議でも丁寧に描かれているのが特徴だ(カンパニエ等で既に登場している団長達は1、2のセリフ等で基本的に紹介は省かれている印象)。


登場キャラの大半が「見知った」顔ぶれなだけに、逆に目立った存在といえる。

Robel-Akbel :……揃ったな。……早速に本題に入る。我がウィンダス連邦は、建国以来の危急存亡のときを迎えている。

  緊迫した空気が張り詰める中、Robel-Akbelは今後の対策や作戦等を語りだす。ウィンダス滅亡の危機に直面している事実、今後の戦況の要となるカルゴナルゴ城砦。そして打開策のひとつとして、今まで宿敵とされていたサンドリアと手を結び援軍を呼ぶという、前代未聞の決断。驚きや講義の声もあがる、この時期はアルタナ同盟が組まれて間もない頃であり、まだ三国の信頼は薄く足並みがそろっているとは言い難い。

Robel-Akbel : 我々はすでに連合軍なのだ、カイルパイル。それにサンドリアは騎士道とかいう徳を重んずる国。こちらが礼をつくせば、応える義が生じよう。
Zolku-Azolku : し、しかし……
Lutete : ふぁぁぁ……精霊に礼をつくし、利を得るのは魔法の理と同じですものね……
Robel-Akbel : そのとおりだ。金牛戦闘魔導師団長、パットナオットナ(Pattna-Ottna)。貴下を特使に任ずる。彼の国の王立騎士団長がもとに参じ援軍を要請せよ……礼をつくしてな。
Pattna-Ottna : はっ、はいっ!


濃いメンツに囲まれているというのもあるが、なんとなく頼りなく見える。

  こうして、新しく登場したばかりのパットナオットナは、「長年の宿敵だったが水晶大戦により同盟国となったサンドリアに援軍を要請しに派遣された特使」という大役を担い、旅立つ。

哀愁のウィンダス特使

  その後冒険者(プレイヤー)は別途のルートを辿るが、同クエスト「憂国の使者」の後半に成り行きでミスラ傭兵のTihl MidurhiMihl Pakorhma、そして旅先で出会ったサンドリアの騎士Rachemaceと共にサンドリアに訪れる。


街に辿り着いた一行が出会うのは、特使として来ていた金牛戦闘魔導団の面々。

Pattna-Ottna :……おや、お前たち、ひょっとしてコブラ傭兵団の……?
Tihl Midurhi : そうだけど?……って、金牛魔導団のパットナオットナさんじゃない!?何してんの、こんなとこで。


口調から、会議の時と印象がまったく違う。こちらが素のパットナオットナと言える。

  丁度、パットナオットナ達は特使としてドラギーユ城に赴いた帰りだったようだ。異国で同胞に会えた喜びの為か、パットナオットナはTihl Midurhi達に謁見した時の様子を語り始める。


謁見に応じた王国騎士団団長・Yrvaulairもまた大軍の団長。色々視野に入れないとならない部分も多い。

Pattna-Ottna :……どうか、デスティン陛下にお取り次ぎいただき、貴国の勇猛なる騎士の御力にて我がカルゴナルゴ城砦の防衛を助けて頂きたく……かつての怨讐は水に流し何卒、我が連邦の窮状をお汲み頂いて……
Yrvaulair S Cousseraux : 話はわかり申した。大魔元帥どの直々の頼み、某としてもすぐに陛下に言上し、善処したいと存ずるが……
Yrvaulair S Cousseraux : 何分にも、海峡をわたり、ミンダルシアを縦断せねばならぬ厳しき行程。兵とチョコボの糧秣の準備、騎士隊の配置換え等俄に対応するのはなかなかに難しき現状にて……

  このクエストはウィンダス視点であるため、この時のYrvaulairは「融通の利かない石頭」のような扱いで登場しているが、サンドリア軍の現状等がこちらには見えていないという部分を考慮すると、彼が即座に返答出来ないのも仕方ないといえる。


同じく謁見の間に居合わせ、話を聞いていたAshmea団長が意見した。

Ashmea B Greinner : クスロー閣下!お、恐れながら、わが家は伝統的に先遣部隊。常に出陣、遠征の準備を整えております。
Yrvaulair S Cousseraux : でしゃばるでない、アシュメア! 卿が思っているほどミンダルシア大陸は狭くないぞ。それに、ヤグード兵と戦ったこともあるまい?腕力頼みのオーク兵と違い、武器も鋭いぞ。

  Ashmeaの設定を考慮すると、まだ経験が浅く、部下達に支えられながら奮闘している新米団長である。ここでの発言は彼女なりの騎士道に基いた物であり、ウィンダス側としては友好な姿勢である。しかしYrvaulairは熟練の騎士団長。彼の経験からして、場に流されすぐに兵を動かせる程簡単な要望ではないようだ。


Yrvaulairの言い分は最もである。

Yrvaulair S Cousseraux :いや、これは失敬。御使者の前で、見苦しきところをお見せした。そういう理由にて、善処いたすが、すぐにとは約束致しかねる。そう、元帥どのに伝えられよ。
Pattna-Ottna :……。


しかしウィンダス特使パットナオットナとしては、色よい返事が貰えず、不振な遠征と思える結果になってしまった。


話を聞いて呆れた様子を隠せないTihl Midurhi

Tihl Midurhi :……ふぅん。それで、おめおめと戻ってきたわけ?騎士ひとり、見送りにもつけてもらえずに?
Pattna-Ottna :まあ、そういうことだ。取りつく島がないとはこのことだな。

  そう、現時点で帰ろうとしている金牛魔導士団とバッタリ会った冒険者達は、彼らを見送るサンドリア側の部隊の存在が皆無であるのが見えてしまっている。これは、元々は敵国であるとは言え、同盟軍の使者に対して行ってはいけない非礼といえる。しかしパットナオットナはここで、街の様子も見てきている事を伺わせ「一歩、裏道に入れば、傷ついた兵がぼろ一枚で路地に寝かせられていた……。援軍を出す余裕などないというのが本音だろうよ。」とコメントしている。一見嫌味とも取れる発言だが(特にサンドリア騎士団のRachemaceも居合わせているわけだし)、辛酸を舐めさせられるような結果になってしまった今回の遠征を考えると彼なりにサンドリアの現状を汲み取った分析の結果なのかもしれない。


とはいえ、現地人の前で謁見の内容や感想を語ってしまうパットナオットナは若干軽率だった感は否めない。

  こうしてパットナオットナらは帰路に着き、ガッカリなニュースを手土産にウィンダスへ戻る事になる。しかし幸いな事に、この場に居たRachemaceは冒険者とTihl Midurhiらに恩義を感じ、ウィンダスに恩を感じている、非常に友好的な感情を持っている人物だった。
  その後、一行が手に入れたヤグードの伝達用に使われていたキープス(縄文字の暗号で記された密書)の解読により、ヤグードの現在の状況と今後の戦略、そしてウィンダスに忍び寄る危機を知ることになる。先程のパットナオットナの謁見での一連を知っているRachemaceは、今回助けてくれたウィンダスの「同志」の為にも改めて王立騎士団団長Yrvaulairに面会し、援軍の必要性を進言したいと言い出した。そして解読に協力してくれた修道士のJoseaneautもそれに賛同し、共に進言することを約束してくれた(この部分の詳細はJoseaneaut (詳細・ネタバレ編)を参照して頂きたい)。


パットナオットナの「軽率」とも取れる行動が意外な効果を発揮した。

カルゴナルゴ城砦防衛戦での活躍

  続くクエスト「降臨、異貌の徒」では、不審な動きを見せていたKamolo-Domiloの行動により、ウィンダス軍が非常事態に陥る所から始まる。その動きを冒険者の活躍によりいち早く知ることが出来たRobel-Akbelは、自らカルゴナルゴ城砦に赴き指揮を取る事にする。そしてウィンダスに戻っていたパットナオットナもそれに同行してきたようで、城砦防衛戦に登場することになる。

  精霊魔法と魔法防壁を過信するあまり、Kamolo-Domiloは城砦の防衛を手薄にし、オズトロヤ城に猛虎団を送り込んだり、独断が目立っていた。度重なる命令無視等もあり、Robel-Akbelもその行動が手に余るようだ。直接対峙してもお互い一歩も引かない、緊迫した会話が続く。

Robel-Akbel :貴下は何故我が命に背き、猛虎義勇団をオズトロヤによこした?しかも、神子さまの神命を騙ったそうだな……
Kamolo-Domilo :お言葉ながら、我らの精霊魔法と魔法防壁があれば、砦は安泰です。余剰兵力は有効活用すべきかと……
Robel-Akbel :……。
Pattna-Ottna ::…か、閣下!き、き、来ました!!ヤ、ヤグード……ヤグードの大軍です!! いったい、どこから!?


カルゴナルゴ城砦の側に現れたヤグード軍の報せを持ってきて登場。

  この時Kamolo-Domiloは驚きを隠せないでいた。己の力量、そして城砦の魔法防壁を過信していたが為に彼は戦争とは全く別の感情に突き動かされ判断を誤っていたのだ。Robel-Akbelはその場で指揮権を自ら握り、その補佐としてパットナオットナを連れてヤグード軍の出方を見ることにした。


結果はともかく、ちゃんと特使として任務をこなしたばかりである。Robel-Akbelとしても、パットナオットナの方がよっぽど戦力になると判断したようだ。

Pattna-Ottna : 距離をおいたまま攻め寄せる気配がありませんね……。
Robel-Akbel : 敵の狙いは包囲だからな。だが、後背に聖都を抱える我らにとって、篭城は敗北と同義……
Robel-Akbel : 打って出るぞ。非戦闘員は内郭へ……
Pattna-Ottna : 了解です!


すぐに返事、すぐに行動。指揮官としては、このような部下の方が当然大事である。


そして城砦には非戦闘員ではない、研究員も多く居る。彼女達の命運はRobel-Akbelや、パットナオットナ達が握っている。(Kamolo-Domiloはこの点についても判断を誤っており、自分の部隊以外は軽視していた節がある)

  この後Robel-Akbelはミスラ傭兵団の指揮に回り、戦況を見守る事になる。その間の指示の伝達は、描写はないもののパットナオットナ達が担ったと思われる。

逆境の中に見た奇跡

  最初は善戦するウィンダス軍だが、次第にヤグード軍の猛攻に押されていく事になる。防衛戦後半は、全部隊が戦闘の最中にいる様を描いている。金牛魔導士団も奮闘している様子だが、かなりの被害も出してしまっているようだ。


Livura-Novora : はぁ……はぁ……も、もう、金牛魔導団で生き残っているのは我々だけです……
Kindel-Bandel : ゲホッ、ゲホッ……や、奴らに、なぶり殺しにされるぐらいならいっそ、この場でありったけのファイガを……!!

  団長のパットナオットナ含めて、金牛魔導士団の生存者はわずか三人となってしまっている。団としては著しい被害である。しかしパットナオットナは団長としても弱音は見せられない。死を予感している部下二人に高位プロテアを掛けながら檄を飛ばした。



  被害が大きくても、拡大させないのが団長の務め。二人が絶望に飲み込まれて戦意喪失しない為にも叫んだ言葉といえる。あるいは、自分に言い聞かせていたのかもしれない。ともあれ、イベントの展開の熱さ等で、このシーンの台詞が印象に残っているプレイヤーも少なくはないのではないだろうか。
  次々と倒れていく兵士達。飛び交う会話からも、敗戦の色が軍を塗り潰している様が描かれ、Robel-Akbelも必死に「あきらめるな、星の子ら!」と呼びかけていた。その最中、奇跡は起きる。

Ashmea B Greinner :……ウィンダスの兄弟よ!お待たせしました。我ら、サンドリア王立騎士団。危急の報せを受け、馳せ参じました!

  その声にパットナオットナも思わず城壁から様子を伺った。


Pattna-Ottna : なんと……これは夢か……!?

  Rachemaceらの説得もあり、サンドリア王立騎士団が援護に来てくれたのだ。一度は謁見して断られた援軍が現れ、パットナオットナはその光景に唖然とする。なお、これはRachemaceらの働きもあり実現したものだったが、そもそもの特使パットナオットナの印象が悪かったら実現は不可能だったと思われる。彼の謁見、そして努力自体は無駄ではなかったのだ。


謁見の時は即答出来ずにいたYrvaulairもハツラツと戦っている。

Yrvaulair S Cousseraux : 元帥殿、奴らの狙いは聖都ぞ!ここは我らに任せられよ!
Robel-Akbel : 恩に着る!

  様々な人の思いにより実現されたこのサンドリア王立騎士団の援軍の登場で、戦の流れは再びウィンダスに戻った。この後クエストの舞台はカルゴナルゴ城砦から聖都ウィンダスに移るが、援軍のお陰で見事勝利を収める結果になったようだ。

考慮・金牛戦闘魔導士団の役割

  今回初めて登場した金牛戦闘魔導士団。上記のイベントに登場する数少ない出番を見ながら色々とその役割をウィンダス軍の一部として、そして物語の一部として考えてみた。なおこの部分は管理人の個人的な見解が山盛りであり、ゲーム内の真実ではないので注意していただきたい。
  「戦闘」魔導士団と銘打っているが、実際に戦闘を感じさせる場面は数秒しかなく、組織としての登場はもっぱら特使として赴いたサンドリアでの一幕であると思える。そして、援軍を呼ぶための特使ではある為に全部隊でサンドリアに向かう必要もないが、一応描写として登場する団員は、団長パットナオットナを含めて5人である。


実際に登場している金牛戦闘魔導士団。

  確かに友好的な姿勢を見せ、救援を求めに派遣された部隊として、少数先鋭なのかもしれないし、大挙で現れたら、元敵国のサンドリアとしても警戒したと思われる。同様に友好的な姿勢を見せる為に、団一同が非戦闘員のような服装をしているのかもしれない。しかしそれにしても、戦争が各地で行われている戦乱の水晶大戦時代の、飛空艇がまだ飛んでいない(移動手段は徒歩かチョコボ、船程度)時代の遠征部隊の登場・帰路に着く直前の場面にしては心もとない雰囲気である。


サンドリア遠征時と違い、魔道士らしい装備に着替えている部下達にも注目したい。

  そしてカルゴナルゴ城砦防衛戦でわずかに登場する、金牛戦闘魔導士団の戦闘中の場面。この段階で既に部隊の生存者はパットナオットナ含めて三人と判る(つまり、特使遠征の時に登場していたタルタルの女性二人は死亡してしまった)。人数が多い部隊ならば、戦争の痛烈さを描写する為にもミスラ傭兵団同様に、実際に戦って倒れていくシーンが用意されているのではないだろうか。それが敢えて登場せず、いきなり「もう、金牛魔導団で生き残っているのは我々だけです」のシーンに飛んでいるのだ。
  この二つの点から、管理人は「金牛戦闘魔導士団は、5人だったのではないか」と思っている。3人しか生存者が居ない事、死亡したのが女性二人の為に描写がない(それでも戦力は単純計算でも40%ダウン)のもそれが理由だと思う。他の部隊(カンパニエ等で見る)同様にもっと人数が多ければ、それなりの描写はされていたと思うし、実際に5人の部隊で、犠牲者が女性二人なら、そのシーンがカットされてしまったのも理解出来る(肉弾戦を主とするミスラ傭兵団ならともかく、後衛部隊のような描写がされている上に幼い容姿のタルタル女性二人が殺されている場面だけ出ても痛々しいだけと思われる)。
  では逆に、たった5人位の部隊で何ができるのか。もし金牛戦闘魔導士団が実際に5人だったと仮定して、わざわざ「団」として登場している有用性は何なのか。元々、ウィンダスを含めた三国は、長い歴史の中でお互いに戦争を重ねてきた敵国同士だった。それが水晶大戦の最中、獣人たちの「血盟軍」に太刀打ちするためにジュノの提案により急遽同盟国となることになった。しかし長い歴史の中で溜まったお互いへの不信感も含めて、なかなかぬぐいきれない感情があるのも、各クエストの節々で感じ取れる。
  しかし同盟国になった以上はお互いに協力しあい、助け合い、共通の敵である血盟軍に立ち向かわないといけない。今までは特に必要とされなかった「友好的な外交官」のポストが、今回の水晶大戦で特に必要になったのではないだろうか。その結果、「戦闘」と銘打ってはいるが、金牛戦闘魔導士団がこの役目を果たすために結成されたのではないか、と自分は解釈した。


サンドリア遠征の時「全員」で、謁見の間を訪れている、という見方も出来る。

  この結論は、パットナオットナ自身への印象も大きく関わっている。実際の戦闘場面での檄を飛ばすシーンはともかく、全体的な役割は突然現れたヤグード軍登場の報告や、非戦闘員の避難など、実際の戦闘よりも補佐・サポート役といった役割で防衛戦前半では描写されていた。そして、謁見の結果はともかく、サンドリアの情勢をしっかり見て回り、その結果「サンドリア自身、すぐに援軍を出せる状態ではない」と、相手側の状況を見極められる分析能力。交渉などでは重要な素質だと思える。そのような人物であるパットナオットナが団長を務める金牛戦闘魔導士団。その役割は、パットナオットナが見せる働きそのものにそったものではないだろうか。
  アルタナ同盟軍が設けられた水晶大戦だからこそ結成され、活躍した外交・交渉を主にし、戦闘時はサポートに回る役割だった、と個人的な考慮ではあるが、今回のイベントで自分はそのような結論に到達した。

最終更新:2008年11月26日 04:12