Pagdako (詳細・ネタバレ編)


  • ガルカ、子ガルカフェイス、バストゥーク商業区〔S〕H-9
  • 過去世界で出会う、子ガルカ。バストゥークのガルカ達の長老的存在であるWereiのもとで修行を積んでいる。
  • 将来の夢はミスリル銃士隊に入ること。
  • 現代での名前は、ミスリル銃士隊No.3と言われる戦士Iron Eater


少年の夢は、現代のバストゥークへ(アルタナの神兵)

  現代ではバストゥークを代表するNPCの一人とも言えるIron Eater。語り部Raogrimmに強い憧れを抱き、同じようにミスリル銃士になりたいと願った少年時代は、バストゥークのガルカ達の長老的存在であり、彼に剣士として修行をつけたと言われるWereiに弟子入りしたといわれている。
  今までは基本的にその描写はNPCから聞ける情報や、各キャラクターの回想等だったが、20年前が舞台となる「アルタナの神兵」では、実際に当時のIron Eater(当時はまだ本名のパグダコと名乗っていた)に会う事ができる。
  時代はクリスタル大戦真っ只中。本来ならばヒュームとガルカは共闘し、共に国家を守るべき試練の時。しかし表面下では政府内でもその根深い差別意識が見え隠れしている。戦争に便乗して大統領政権にクーデターを起こす噂、軍務大臣の暗殺……バストゥーク自体の国家内は荒れに荒れていた。勿論すべての国民がそのような感情を抱いている訳ではないが、一部の権力者が見えない恐怖に掻き立てられるように舞台裏で何かしら動いていたのは確かのようだ。
  そんな中、不安要素はやはりガルカが原因のように言う者も少なくはなかった。そしてそんなヒュームの言い分に不快感を露にするガルカも多かった。しかし長老格として支持されていたWereiと、その親友にして同居人でもあったGumbahはこんな時代だからこそ、種族の団結を呼びかけていた。幼いパグダコは、この二人のもとで育てられていた。


  また、この時代では真のガルカの導き役となるべき語り部が存在していなかった。その為にWereiへのガルカ達の信頼(と依存)は絶大なものであり、部外者たるヒュームから見たら実質的なリーダーだったのだろう。ガルカ達が謀反を企てているという噂が流れた時に真っ先に疑われた一人にWereiの名もあった。

ウェライとグンパの拘束(クエスト『静かなる警鐘』)
  現代から、20年前に飛ぶ事になった冒険者(プレイヤー)は、とあるきっかけでWerner軍務大臣と接触し、信頼を得る。その流れから、「ガルカ達の不穏な動き」についても聞かされる事になる。それは、軍務大臣の政府内での「ライバル」とされるPale Eagle議長への疑惑だけに留まらなかった。

Engelhart :……だが、幸いベルナー軍務大臣が、議長に先んじて着々と手を打っておられる。そう、今回のお前の仕事は内乱を未然に防ぐため、とある情報の裏づけをとることだ。議長は、ガルカの民の長老ウェライとその同居人グンパに接触しているらしい。その2人が、内乱準備のため、大量の武器を保管しているという噂があるのだ。おまけに、ウェライはパグダコという子供にまで剣術を教えているという。子供まで内乱に巻き込むつもりなのだろうか……。お前はウェライとグンパの身辺を洗ってくれ。頼んだぞ。

  二人の調査を依頼された冒険者は、早速Werei、そしてGumbahと縁の深いパグダコのもとを訪ねる。その様子に僅かに警戒は見せるものの、パグダコとWerei達は、内乱を目論んでいる事実はないと否定し、逆に、政府に不満をもつガルカ達の気持ちを鎮めるよう説いてまわっているのだと言う。
  現代のIron Eater(パグダコ)も記憶にあるほど、実はWereiGumbahと連れ立って、戦乱のグロウベルグに赴いていたようだ。無実にしろ、実際に内乱を計画していたにしろ、そこに何か手掛りがあるかもしれない。
  グロウベルグには幾つもの洞窟が存在し、その中のひとつで冒険者は地面の下に隠された武器を掘り起こしてしまう。そして、そこでWereiGumbahと鉢合わせになってしまう。少なくともここに隠された武器と二人は関連性は深いようだ。しかし不運にも、その武器の意味を聞く間も無く、その場に憲兵隊が現れる。


尾行されたのは冒険者ではなくWereiらのようだ。

Gumbah :ウェライ、私たちはどうやら彼らに追跡されていたようだ。
Werei :さっぱり話が見えんが……これはいったい、何の真似だ?
Dieter :内乱の噂など、この目で見るまでは半信半疑だったが……これほど大量の武器を隠し持っているとあってはもはや弁解の余地はない。話は首府で聞こう。
Werei :……ここは黙って従ったほうがよさそうだな。
Gumbah :ああ。そうしよう、ウェライ。

  二人は抵抗を見せず、黙って従うことにし、そのまま憲兵隊に連れて行かれる。無実であれば、自ずとそれが証明されてすぐに釈放されるから、という確信に近い様子で二人は拘束されることになった。現代のクエストやミッションで彼らを知っている冒険者ならば、同様にそのように信じていたかもしれない。しかし、政府内も不安定な戦乱の時代はそう簡単に事を済ませる筈もなく、事件は起きてしまう。バストゥークに戻った冒険者は、Werner軍務大臣が厳重警備されている大工房の密室で殺害されていた事を聞かされる。
  タイミングが重なってしまい、WereiGumbahはそのまま事件への関連性も含めて尋問される。そして冒険者もまた、事件の真相を追う為に大工房に潜入することになる。

密室の殺人現場にて
  非常事態となり、大工房は第一級の厳戒態勢が敷かれる事になった。ミスリル銃士隊も、殺人事件の解明に全力で取り組む事になり、冒険者もそれに巻き込まれていく形でかかわっていく。しかし、灯りを灯していない密室の殺人事件には不可解な点も多く、手掛かりと言えるものは逆に謎を深めて行くものばかりだった。
  そんなある日、Werner軍務大臣が殺害された現場に、人影があった。ガルカの少年、パグダコは何やら近場のデスクをしきりに探しているようだった。


どこから潜入したのか、パグダコは現場を一人で調べていた。


しかしミスリル銃士隊隊長のKlaraに見つかってしまう。

  警戒態勢の上に、もともとが戦時中で警備も厳しい大工房。しかも殺人事件が起きて間もない現場に子供がいたという事で驚くKlara。見つかったパグダコも、当然驚いてまごまごしてしまう。

Klara :なんだ、子供か。ここは遊び場じゃありませんよ。
Pagdako :ミ、ミスリル銃士隊のクララ隊長……!えっと、その……僕、遊びに来たわけじゃ……。


Klara :じゃあ、どうやってここに来たのかな?言ってごらん。



  叱られると思いきや、Klara隊長は逆に優しく接して来た。その様子に逆に動揺するパグダコだったが、それは叱られるからという身構え等からではなかった。ミスリル銃士隊といえばパグダコの将来の夢であり、憧れでもあった。その隊長が今目の前にいて、自分に話しかけている。パグダコは嬉しさと気恥ずかしさにもじもじしてしまっているようだ。
  一方Klara隊長は、「どこから入って来たのか」、情報が聞けたら事件の犯人の侵入経路が分かると思って問いかけたようだ。しかしパグダコの反応を「黙秘」と解釈したようで、少々がっかりしながらもパグダコを大工房の出入り口までエスコートする事にした。


門番の Gentle Tiger は、この時点で何が起きたのかは知らない。

優しいながらもしっかり釘は刺す隊長。

  Klara隊長は、「二度と中に入っちゃいけませんよ」と釘を刺すが、今回の事はお咎めなしという事でパグダコを「釈放」した。パグダコも、自分がした事を理解した様子で、一礼して逃げるように走り去っていった。


Pagdako :……す、すみませんでした!

  この後、Gentle Tiger は初めて侵入者を再び許してしまった事態を知り、慌てる(後に減俸になるのでは、と心配する)。しかしKlaraは「門番も衛兵も、ミスは犯していない。」と、警備が甘いとは思っていない事を明言する。どうやら、パグダコが入ってきた経路が殺人事件解明の手掛かりになるかもしれない、と思っているようだった。

彼が無茶をしたワケ
  普段はバストゥーク商業地区の東側に佇むパグダコに直接、進入経路を聞きにいくと、彼はあっさりと話してくれた。

Pagdako :換気口です。入口には見張りの人がいましたから。


噂を聞きつけ、パグダコを心配する大人ガルカ達。

Dunbaff :無茶するんじゃない、パグダコ。
Biggorf :大工房に潜りこむなんて、無謀にもほどがあるぞ。

  言われてみたら、普段のパグダコからは想像も出来ない大胆な行動だったといえる。釈放された時も礼儀正しく一礼したり、目上の人にもしっかり敬語を使う、ある意味ヴァナ・ディールでは珍しい子供だし、今思うと大工房潜入等、逆に彼らしくない無茶っぷりだったのかもしれない。それでは彼はなぜそんな事をしたのか。

Pagdako :みんな……。でも、ウェライさんとグンパさんが捕まってから、軍務大臣を暗殺したのもウェライさんたちの仕業じゃないかって噂するヒュームの人たちがいるんです!それで僕、ウェライさんとグンパさんの潔白を証明するために犯人をつきとめたかったんです。


少年の訴えに納得する一同。

  敬愛する師匠が、ただでさえあらぬ疑いを掛けられている上に、更に疑う噂を聞いて、パグダコは我慢できなかったようだ。


そこにパグダコの思いに応えるかのように、釈放されたWereiGumbahが戻ってくる。





  無事なWereiの姿に安堵し、駆け寄るパグダコ。Wereiもまた、それを受け止め、優しく頭を撫でてやる。まるで父子のようにも見える。ともかく、Wereiの存在の大きさは、パグダコの安心しきった表情でも見て取れる。

  二人をここまで連れてきたミスリル銃士隊Volkerは、噂の話も耳に入り、「同じバストゥーク人として恥ずかしい」と心境を述べ、その場にいたガルカ達に詫びた。当時はまだ一隊員に過ぎない彼が出来るのはこの位だったのかもしれない。しかし、このようにガルカを対等に扱い詫びるヒューム自体が少なかった時代でもある。彼に殴りかかろうとするガルカを、Gumbahが制した。そんなGumbahに免じて、ほかのガルカ達もその場を後にすることにした。


ガルカ達もまた、このVolkerに「何もしない」事に意味が含まれている。

  頭を下げたまま、その場に留まるVolkerWereiもまた、この場を後にするが、その時に心の中で「叔父上のウルリッヒ前隊長と違って、いつかガルカの民をも率いていける男かもしれんな……」と、心境を語る。

  なお、グロウベルグで見つかった武具は、アルテパでアンティカに襲われ逃亡したガルカ達の遺品だった。それを過去の、種族の思い出の品物として大切にWereiGumbahが保管していた事を明かしたのもVolkerだった。これで、パグダコを不安にしていた容疑はすべて晴れたというわけである。


そんなVolkerをじっと見つめるパグダコ。後の上官と部下である。



最終更新:2008年05月22日 06:49