Ajido-Marujido(ミッション編)



暗躍する院長(ウィンダスミッション前編)

  ミッション1-1から登場するアジドマルジドは冒険者(プレイヤー)を除いて、実質的な主人公のような扱いである。なお、ここはあくまでもアジドマルジド視点でまとめているので、他のNPCが主軸となる部分は省いている。

「ホルトト遺跡の大実験」
各地区のガードハウスに、冒険者に向けてミッションの仕事依頼を出していた口の院院長。
その依頼を受けた冒険者は口の院を訪れるが、院長は留守だといわれる。
補佐官のKuroido-MoidoHakkuru-Rinkuruから「ホルトト遺跡に向かった」と告げられる。

ホルトト遺跡の奥を目指す冒険者の横を、一人のタルタルの女性が通り過ぎていく。
そんな冒険者にわき目も振らず、その女性は遺跡の奥にある巨大な装置を目指していた。
女性Apururuは、その装置を弄っている、同様の服装のタルタル男性に食いかかって行った。

Apururu :……だってみんな言ってるわ。なんで私の話をちゃんと聞いてくれないの?
Apururu :ここホルトト遺跡の研究室だって、本当は入っちゃいけない……
Ajido-Marujido :……わかってないのは、みんなの方さ。それにおまえもだ。物事の真実が見えてない……。なぜ、戦いを恐れるばかりで何もしようとしないんだ?世の中は平和だというが、本当に平和だと思えるか?


冒険者に気付かず、兄妹喧嘩を始める二人。

二人の口論は、20年に続いた「平和」のそれぞれの見解から戦争による魔道士不足。
今も色濃い戦争の跡。そしてかつて、ウィンダスを救った、現在では禁止された魔法の存在。
一人の天才術士の犠牲により成し得た平和……その価値観に二人の意見は別れていた。

Apururu :……あの痛ましい事件を成功なんて言うのは、おにいちゃんだけよ……。世紀の天才があんな目にあったのよ?おにいちゃんみたいなニセニセ天才には、ぜ~ったい無理よ!
Ajido-Marujido :フン、なんとでも言うがいい。天才はいつの世でも、なかなか認められないものさ。ガミガミ言いに来ただけなら、帰れ帰れ!

むくれてしまったApururuは帰っていく。
静けさを取り戻した遺跡の中、アジドマルジドはようやっと冒険者の存在に気付く。
実は彼が仕事依頼として出していた実験はもう終わった後だった。
アジドマルジドは冒険者に「実験で壊れた魔導器」を見つけて口の院まで持って帰ってくれ、と頼んでその場を後にする。

「白き書」
  この項目はNanaa Mihgo (詳細・ネタバレ編)も参照にしていただきたい。

着々と各院からの仕事依頼をこなしていく冒険者。
今回は20年前に失われた重要な書物「神々の書」の調査と奪回を目の院院長から受けた。
「奪回」というのは、泥棒ミスラNanaa Mihgoが持っているという情報が手に入ったからだ。

Nanaa Mihgoの隠れ家と言われるホルトト遺跡の奥深くにある部屋に辿り着いた冒険者。
子分と共に現れた彼女は「神々の書」をエサに、ここで脅して身包み剥がそうという魂胆だ。
しかしそこに謎のエースカーディアンが現れる。
彼らはNanaa Mihgoが彼らから「奪ったもの」を要求する。
ありかを教える彼女だったが、カーディアン達は冒険者もろともNanaa Mihgo一味を殺すつもりで詰め寄った。


突然エースカーディアンを包む炎。

絶体絶命の冒険者とNanaa Mihgoらを救ったのは、アジドマルジドだった。
エースカーディアン達は、その姿に静かに退散した。
そしてアジドマルジドはNanaa Mihgoと向き合った。
彼もまた「神々の書」が目的でここに現れたのだ。

Ajido-Marujido :……しかし、あの本はカーディアンから盗んだものだったのか。しかも、カラハバルハの家に隠したなんて、「灯台もと暗し」だよ。後は、俺に任せてもらおう。カラハバルハの家のカギをくれ。おまえ、カラハバルハの指輪を持ってるんだろ?
Nanaa Mihgo :あの箱を荒らしたら、今度はあんたがカーディアンに狙われるって、わかってるのぉ?……まぁ、それで、不気味なカーディアンを、しつこいあんたに追っかけまわされなくなるなら安いもんだけどぉ。


「英雄の家」へのカギとなる古びた指輪を受け取る。

Ajido-Marujido :……さぁ。おまえもいくぞ。こんなとこに残ってたら、ミスラに食われるぞ。

アジドマルジドは冒険者も連れて帰る事で助けた。
彼はこのまま「英雄の家」に向かう事にする。
冒険者も仕事依頼が「本の奪回」も含まれている為「英雄の家」に向かう。
家の中で、呆れながらもアジドマルジドは本について説明をしてくれる。

Ajido-Marujido : なに? 目の院のミッション?そうか、あれを受けたのはおまえだったのか。 バッカだなぁ。神々の書なんてもの、魔法使いでもない泥棒ミスラが手にすることが出来るわけないだろ? そう、これは神々の書じゃない。天才カラハバルハが書いた……。

しかし本を開いたアジドマルジドはここで言葉に詰まる。
なんと中の文章は消えてしまっていた。

Ajido-Marujido : まさか……。神々の書に沈黙の時が……?……おい、おまえ!急いで、目の院へ戻るんだ。 神々の書は文字を失った。そう、トスカポリカ(Tosuka-Porika)に伝えろ。これはもう神々の書じゃない。白き書だ!


結果的に本はそのまま冒険者に渡してくれるのでミッションはコンプリートである。

「それぞれの正義」
  この項目はSemih Lafihna(詳細・ネタバレ編)も参照にしていただきたい。

三国を巡ってきた冒険者は、天の塔を守る守護戦士の隊長Semih Lafihnaの興味を引いた。
天の塔の受付を通り、「羅星の間」で彼女に会うように指示をされる。
旅先で世界に迫りつつある危機を垣間見た冒険者とSemih Lafihna
しかしまだ不確かな要素が多い現状で星の神子に報告しても、混乱を国にもたらす恐れがある。
まだこの事は冒険者の胸にしまってほしいと言うSemih Lafihna
しかし許可なく立ち入る事が許されないこの「羅星の間」に侵入者が現れた。

Shaz Norem : 待て! そこで止まれ!
Vahn Paineesha : ここから先の立ち入りは、セミ・ラフィーナさまに禁じられているはずだ!
Semih Lafihna : どういうつもりだ!?神子さまへの謁見は禁じたはず。ウィンダスの平和を乱さんとする逆賊め!
Ajido-Marujido : ウィンダス最強の魔道士団長に逆賊とはなんて言い草だ。


守護戦士を退け、強行突破していくアジドマルジド。


ただならぬ因縁を感じさせる二人の対峙。

Ajido-Marujido : おまえ、何様のつもりだ?まさか一代限りの守護戦士が、俺のかわりにこのウィンダスを救うつもりじゃあるまいな。
Semih Lafihna : 力に目がくらみ、道を見失ったどこぞの院の院長よりは、お役に立てると思うが?
Ajido-Marujido : フン! ……これを見ても、ウィンダスはまだ、平穏の時代にあると言えるか?


Semih Lafihnaに突き付けたのは、「白き書」だった。

Ajido-Marujido :神々の書が文字を失い、壊れたカーディアン兵がなにやら企んでいる。しかし、我らにあるのは、壊れた遺跡と疲れた軍。これでも、おまえたちは何もしようとはしないのか? 何も感じないのか?俺は、やりとげてみせる。この国を、ウィンダスを、恐怖から救ってやる!
Semih Lafihna :……。

そのままアジドマルジドは踵を返し部屋を出て行く。
それを見つめながらSemih Lafihnaは、彼を尾行し真意を探る事を冒険者に命令するのだった。
(なお、守護戦士達の話を聞くと「悔しいが、手加減されたようだ」「彼の言うことにも一理あることはあるわ」等と、皆が彼を悪と思っていない節が見受けられる)

Semih Lafihna : ウィンダスの平和を壊すものは、誰であろうと許さない……。


他国出身の冒険者はこの一連の後、天の塔を去っていく姿を見る。

口の院を訪ねてみると、アジドマルジドは長旅の準備をして既に出て行った事が分かる。
更に「カデュケウス」を持ち出した事から行き先はオズトロヤ城じゃないかと明かされる。
(注:カデュケウスとはアジドマルジドが装備している片手棍)

オズトロヤ城に向かった冒険者は、傷つき座り込んでいるアジドマルジドを見つける。
彼は、冒険者がSemih Lafihnaの命令で後をつけてきた事を見抜いていた。

Ajido-Marujido :……おまえ、星の神子さまの伝説を聞いたことはあるだろうな?はるか昔、迷える民をこの地へ導いたまばゆい星。その星が天へと戻るとサルタバルタを照らす光も失われ、闇が落ちた。しかし、満月の泉にて星月の力を得た初代の神子さまは、闇の中にも希望の星を見出し、ウィンダスを繁栄へと導いた。……その神子さまが後の神子さまのために残した歴史書……。それが、この前見つかった神々の書なのだ。しかし、こんな事態になっても、星の神子さまは何もしようとしない。何も語ろうとしない。だから俺は、もう1人の時の証人……サルタバルタに古くから住む獣人ヤグードに尋ねに来てやったのさ。その出迎えは半端じゃなかったがヤグード王は面白いことを教えてくれた。セミ・ラフィーナに伝えてくれ。口の院アジドマルジドは、確実に真実に近づきつつあると。

そしてアジドマルジドはウィンダスに戻ると言い残して去っていく。

「星読み」
天の塔・侍女長Zubabaに呼ばれた冒険者。
アジドマルジドが持ってきた「白き書」を見た星の神子はショックで寝込んでいる事を明かす。
憤りを隠せないZubabaは、冒険者にホルトト遺跡の中央塔の調査を依頼する。
倒れる前の星の神子がそこに何かしらおきる兆しを予言していたらしい。
更に20年前の戦争の後再び闇が復活しないように封印を施した護符が眠っている。
そこに変化が無ければ星の神子も安堵し、体調もよくなるかもしれないとZubabaは思ったのだ。
Zubabaの指示の通りホルトト遺跡の中央塔に向かった冒険者は封印を発見する。
しかしそれを守っていたらしいカーディアンに突然襲われる。


封印を守っていたのはカーディアンだった。

Ajido-Marujido :……オイ、大丈夫か?……大丈夫みたいだな。

ケアルのエフェクトと共に冒険者を助けたのは、またもアジドマルジドだった。

Ajido-Marujido : ここのカーディアンは、街中のカーディアンとは全く違うぞ。不用意に近づくと痛い目にあうことになる。なんてったって、こいつらは張り切りまくった俺のオヤジの力作だからな。


カーディアンが動いている事で父の生存の可能性がアジドマルジドの脳裏をよぎる。

強力な封印が施されたこの部屋に冒険者が居た事に興味を示すアジドマルジド。
封印の事、そして星の神子の容態を聞いてアジドマルジドの態度は一変する。

Ajido-Marujido :……なんだって!?星の神子さまがお倒れに?なにか恐ろしい兆しの星を見ただと? どういうことだ? ……やっぱり、自分の目で確かめねば。満月の泉に降りなければ……!

そう叫び、冒険者の事は既に頭にはない様子で、アジドマルジドは飛び出していく。

「魔晶石を奪え(オズトロヤ編)」
  ここは、実は「回想」であり、実際には「白き書」でアジドマルジドが冒険者に出会う直前--すなわち、ヤグードの王と謁見をした時の様子を描写している事を事前に記しておく。


突然襲い掛かるヤグードにスタンを放ちながら全力疾走するアジドマルジド。


Ajido-Marujido : 下がれ! 私はウィンダス口の院魔道院の院長アジドマルジドだ!

Yagudo Avatar : 王座まで、たった一人で乗り込んでくるとは、命知らずの愚か者め……。ウィンダス口の院院長アジドマルジドと聞こえたが、それは真かな?
Yagudo Templar : ウィンダス、口の院だと!?そのような肩書き、誰にでも名乗れるわ!八つ裂きにして、天の塔へ送りつけてやるわ!
Yagudo Avatar : まぁ、待て……。わざわざ、ウィンダス軍の長があいさつに来たのだ。まずは話を聞いてやろうではないか。

命がけでここまで訪れたアジドマルジドに興味を示したYagudo Avatar。
そこでアジドマルジドが尋ねたのは「満月の泉」についてだった。

Yagudo Avatar : そろそろ気づいているのだろう?ホルトト遺跡が何のために建てられたものなのか。満月の泉がなぜに、あの遺跡の地下にあるのか?ホルトト遺跡は忌むべき塔。本来ならば、サルタバルタやその周囲へ満ちる魔法力を、あの塔が吸い取ってしまっている。お前達は我らヤグードがサルタバルタの大地を荒らしているというが、全てはあの塔を動かしたタルタル族のせいなのだ。


Ajido-Marujido : しかし、ホルトト遺跡が壊れた今でも、サルタバルタの大地の魔力は減り続けているではないか。この地下で、おまえたちが掘り続けている妙なものは何なのだ?不吉な光を放つ、あの石のせいじゃないのか?
Yagudo Avatar : ククク、既にあれをも見た、あなどれん。しかし、サルタバルタが枯れつつあるのは、あの石のせいではない。20年前……我らが敗退したあの夜に、おまえたちが取り返しのつかぬことをしたからだ。ククク……わからんのか?ホルトト遺跡の中央の塔を降りていくがいい。そして、神の神子と亡き召喚士の過ちを、その目で見届けるがいい。もはや、ウィンダスに星月の加護は無いのだ。

これが「白き書」にてアジドマルジドがヤグードの王から聞いたと語った真実。
アジドマルジドは、このやりとりから全てのカギは「満月の泉」にあると考えたようだ。

  そしてこの後冒険者はShadow Lord復活が現実味を帯びてきている事に気付き、その討伐に向かう。

運命の星々(ウィンダスミッション後編)

  三国共通部分、そして初期「ファイナルファンタジーXI」のクライマックスというべき「三国ミッション前半」を終えた冒険者。ここからは自国に焦点を当て物語は進んでいく。

「満月の泉」
世界に訪れる危機を未然に防ぎ戻ってきた冒険者に、既に次の依頼が届いていた。
差出人はアジドマルジド。内容は口の院で直接聞くように書かれていた。
口の院で冒険者は「西サルタバルタの「南西の塔」の研究所のスイッチを押してこい」と指示を受ける。
それが終われば魔法塔がいよいよ動き出す手はずのようだ。
冒険者がそれに従うと、魔法塔の装置は確かに動き出した。
それを確認し、アジドマルジドは早速奥へと向かう。

口の院の補佐官達は、守護戦士がアジドマルジドを探している事を不安に感じた。
冒険者に院長を呼び戻して欲しい、と頼むのだった。

アジドマルジドは、いよいよ「満月の泉」の場所を突き止めていた。
丁度そこで追いついた冒険者に驚きながら、彼はこう話しかけてきた。

Ajido-Marujido :……あ、おまえ……?ヒマなヤツだな。ついてきちまったか。……しょうがないやつだな。いいさ、俺と行こう。……真実を見に……!

二人で満月の泉に降り立つが、アジドマルジドは泉を見て驚愕する。

Ajido-Marujido : そんな……! これは……! クソ! やっぱりそうか!本来ならば、星月の光たたえるこの『満月の泉』が、その光を失ったから……ヤグード王が言っていたのは、このことだったんだ!まてよ……。だとすると……、20年前の召喚のとき召喚士が召喚しようとした「大いなる獣」は……?

しかしここでSemih Lafihna率いる守護戦士もその場に現れたのだ。


Semih Lafihnaとしてみれば、待ち焦がれた瞬間だったと思える。

Semih Lafihna : そこまでよ!おまえはやりすぎたわ、アジドマルジド。神子さまの許可が下ったわ。逆らえば容赦はしない!天の塔の禁破りの罪で、闇牢へ繋がせてもらうわ!

その場の異常な緊張感を感じ取ったアジドマルジドは、冒険者にデジョンを掛けて逃がす。
そして自らが残り、Semih Lafihnaに捕らえられた。

「王と道化師」
これから暫くはアジドマルジドは「闇牢」に閉じ込められて登場しない。
しかしその間も不穏な動きが無いか守護戦士がミッションお内容を監視していた。
ガードや依頼を出す各院もそれに関して不安や不快感を隠せずにいた。
そしてある日、ガード達が「守護戦士の許可が降りていないミッション」を冒険者に見せる。

Rakoh Buuma : このミッションは守護戦士どもの認可がおりていないものだ。しかし、気にする必要はない。ガード全員の合意で、おまえにこのミッションを出す。

その内容とは手の院院長、そしてアジドマルジドの妹であるApururuからだった。
ガード達が守護戦士に抵抗するような形で冒険者に彼女を助けて欲しい、と言って来た。

Apururu : ありがとう。ガードの人たちから聞いたと思うけど、こんな大変なミッションに来てくれて本当にありがとう。あなたも知っているとおりあたしのおにいちゃん……アジドマルジド院長が闇牢に入れられちゃって、もう随分たつわ。おにいちゃんは、とっても強い人だけど、闇牢はどんな魔力も吸い取る部屋。こんな長く入れられたら……。 お願い!おにいちゃんを助けるのに協力して!いけないことだとわかってるけど、おにいちゃんを助けたいの!


心配顔で懇願するApururu。普段喧嘩していてもやっぱり妹である。

協力を快く申し出る冒険者に喜ぶApururu
アジドマルジドが捕らえられている「闇牢」については彼女なりにもう調べているらしい。
元来闇牢は星月の力で封じられており、天の塔に保管されている札を持ってのみ開かれる。
五院の院長の持つ指輪にも星月の力がある為に彼女は自分の指輪で闇牢を開こうとした。
しかし当然の事ながら、その力だけでは足りなかったようだ。
扉の前で落ち込む彼女の前に意外な人物が現れた。
アジドマルジドの師匠にあたるShantotto博士だった。

Shantotto : あなたが闇牢のことを尋ねまわってると聞いて、ピンときましたことよ。……というより、あれじゃあ、「牢破りをするから捕まえてください」というようなものじゃないの。あさはかですわ。
Apururu : だってわたし、おにいちゃんを見捨てることなんてできないんです! でも、このままじゃおにいちゃんは、おにいちゃんは……
Shantotto : わかってますわ。わたくしも、あの子を失うわけにはいきません。せっかく、口の院を任せることができるようなタフな魔道士に育てあげたっていうのに……。


Shantottoは、ホルトト遺跡の仕組みをApururuに語った。
遺跡内の扉は星月の力で制御され、クリスタル大戦での損傷でその力は弱まった。
その段階で院長の指輪一つで開ける事が可能だったからアジドマルジドは研究が可能だった。
満月の泉への道を開くためにアジドマルジドが遺跡の力を復活させてしまった。
皮肉にも、それが原因でアジドマルジド救出が不可能になってしまっているのだ。
ガッカリするApururuだったが、そこはShantotto博士のことである。
何も対策を持たずにこんな話をした訳ではない。

Shantotto : オホホ!院長の指輪を5つ集めてごらんなさいそうしたら、あなたの魔力でもきっとその扉を開くだけの力になるでしょう。


これにShantottoの個人的な思惑が含まれているのはApururuは気づいていない。

Apururuは最後に自分自身の指輪を冒険者に託す。
他の院長からも指輪を集めて、5つそろえて持ってきて欲しいと冒険者に頼む。
これは結果的にウィンダスだけではなく各地を放浪する事になる。
が、事情を話すとそれぞれの院長が指輪を(比較的)快く貸してくれる事になる。

実際に5つの指輪を持ち帰った冒険者に驚くShantotto
「冒険者ごときが、5つの院長の指輪をこのように揃えるなんて」と言ってしまう。
しかし院長全員を巻き込めば、Apururuだけが責任を問われる事は免れられる意図も明かした。
Shantottoは一度に全ての指輪を扱えるように「常夜の手袋」を作る。
それをApururuに使うように指示した。
怪しまれないようにApururuとは別行動をし、闇牢がある遺跡の深部で合流する約束をする。


「常夜の手袋」の力を解放するApururu


ようやくアジドマルジドとの再会を果たした。

闇牢は、閉じ込められている者の魔力を吸うと言う。
長い間捕らえられていたアジドマルジドも、衰弱していた。

Apururu : おにいちゃん!
Ajido-Marujido : なんだ……おまえか……。いや、夢か?
Apururu : 大丈夫? おにいちゃん!?夢なんかじゃないわ、目を覚まして!
Ajido-Marujido : そうか、夢じゃないのか……。今まで、永い夢を見ていたようだ……。

アジドマルジドは夢を見ていたと語る。
黒い怪人のような人物が何かを探すようにもがき苦しんでいたという。
意識がはっきりしてきたのか、アジドマルジドは冒険者の持ち物に魔力を感じる。
それは冒険者が成り行き上で「白き書」に再び魔力を宿した「蘇りし神々の書」。
これは特殊な本であり、強い魔力を帯びている故に魔道士しか読めない代物。


呼び覚まされた探究心を押さえられず、衰弱しきった体で本を手にする。


しかしその魔力に耐え切れず、この後アジドマルジドは再び意識を失ってしまう。

アジドマルジドはそのまま手の院に運び込まれたが、目が覚めないらしい。
Apururuは、冒険者に礼を述べ、兄が目覚めるまで面倒をみると告げる。
一方、Apururuから手袋を受け取ったShantotto
指輪が抜けなくなったという事で指輪ごと手袋を預かっておくという。
そして意識を取り戻さないアジドマルジドに関してはこのように話す。

Shantotto : まあ、アジドマルジドが目を覚まさないのは、難儀なことですけれど……それでも心配はありませんことよ。なんていったって、彼は、わたくしが育てたあげ叩きあげて生き残った魔道士。ちょっとやそっとじゃ、くたばりませんわよ!

「死者の人形」
アジドマルジドが意識を取り戻したとの報せを受け、冒険者は手の院に向かった。
意識が回復した彼は、すぐさま「神々の書」の解読に取り掛かったよ。
記されたウィンダスの危機に関して、冒険者が訪れると同時に話し出した。
しかしそこに思わぬ客が訪れる。
アジドマルジドが闇牢から抜け出したと気付いたSemih Lafihnaだった。


驚く妹、身構える兄。

Semih Lafihna : 闇牢にいないと思ったら……やはりここか! アジドマルジド!
Apururu : セ、セミ・ラフィーナさま!?
Ajido-Marujido : やれやれ、もう見つかっちまうとは……。
Semih Lafihna : 違う、捕えにきたのではない!アジドマルジド、すぐ来てくれ! 大変なことになっている!

Semih Lafihnaによると、天の塔に謎の怪人「黒き使者」が現れたのだ。
星の神子が開かない事に焦ったSemih Lafihna
もしそれが魔法が掛けられたからならアジドマルジドなら破る事が出来ると思い探しにきた。
星の神子の身に危険が迫っているからアジドマルジドの協力を請いに来たのだ。
星の神子の危機と聞き、アジドマルジドと冒険者はすぐさま天の塔に向かった。

星の神子の間では「黒き使者」がまさに星の神子ににじり寄っていた。
怯える彼女だったが、胸の「まがつみの玉」が反応して輝きだした。
丁度、アジドマルジドとSemih Lafihnaが部屋に駆け込んできた。


間一髪のところで二人が部屋に殴り込みを掛ける。


「黒き使者」のスタンで身動きを封じられたアジドマルジド。

「黒き使者」はそのまま消え去り、事なきを得たようだ。
Semih Lafihnaはすぐさま追跡を宣言するが、アジドマルジドがそれをとめた。
「黒き使者」の魔力は、それがホルトト遺跡の力と同じ……星月の力だったと語る。
「黒き使者」から感じたそれが示すのは、満月の泉から消え失せた筈のFenrirの気配だった。
そして星の神子に、「神々の書」を読んだことを告白し、アジドマルジドは真相を問いただす。

星の神子は代々満月の泉で詠んだ「月詠み」の予言でウィンダスを指揮していた。
「月詠み」で得られた予言は天の塔にある、天文泉に記憶され、保管されてきた。
しかし20年前に星の神子の「月詠み」が予言したのは「滅び」だった。

その事実に恐怖し震える彼女の心をFenrirが見抜いていた。
そして「星月の意志は天の意思」と告げ、決して逃れられぬ運命だと告げた。
それに絶望する星の神子を救ったのがKaraha-Baruha
星月の意志を変える、とKaraha-Baruhaは神獣の心をも支配できる「召喚魔法」の研究に没頭。
そしてその果てに、「完全支配」という形でFenrirと融合した。
人の、運命に抗う力を感じ取ったFenrirは、取り残された星の神子にこう告げて消えていった。

Fenrir : 神子よ、怯える必要はない。恐れる必要はない。 導きの光なき闇夜が来るが、決して歩みを止めてはならぬ。歩みを照らす光はないが、光なくとも道はあるのだ。

滅びを回避する為に星の神子Karaha-BaruhaFenrirの死を同時に目の当たりにした。

Star Sibyl : ウィンダスは、星月の加護を失いました。ホルトト遺跡は役目を果たすことができなくなり、魔力の水は枯れ、星の大樹は枯れていきました……。けれども私は、星の神子として民を導かなければなりません。光なくとも、光を示さねばなりませんでした。 あれから20年……。私は星読みをする真似ごとで、民を導いてきたのです。天文泉は何も映らない。映る未来などないのだから……。

そういって目を伏せる星の神子
そんな彼女の言葉に思いを巡らせながらアジドマルジドは口を開いた。

Ajido-Marujido :……しかし、神子さま。未来は続いている。フェンリルが言ったように、俺たちの前に道は続いている……。平和が約束されていないとは、滅びも約束されていないということだ。俺たちは自分で光を掴まないと……!
Star Sibyl :……!
Ajido-Marujido :神子さま、俺にカラハバルハの心の院へ入る許可をください。カラハバルハも俺も、想いは同じです。ウィンダスを救いたい。そのために、俺にカラハバルハの叡智を……。
Star Sibyl :……アジドマルジド……。


目指すところは同じ。絶望の先の光なのである。

アジドマルジドの真意、熱意を感じた星の神子Karaha-Baruhaの研究所への出入りを許す。
主が協力する姿勢を見せた以上、Semih Lafihnaも従わなければいけない。
長い間対立していた天の塔とアジドマルジドはここで和解し、共に戦う事になった。
そして許可が下りた研究室に早速向かうとアジドマルジドは告げる。

(※ここから冒険者とアジドマルジドは別行動になる。詳細はZonpa-Zippa(詳細・ネタバレ編)を参照して頂きたい)

Karaha-Baruhaの研究所から戻ってきたと思われるアジドマルジドが向かったのは手の院
しかしそこで見たものは顔面蒼白のApururuと、行方不明だった父Zonpa-Zippaからの手紙。
次々に判明していく事実。野良カーディアン達が捜し求めていた「王」Joker
そのJokerの製作者がKaraha-Baruhaだった事。
そしてJokerの復活と共にKaraha-Baruhaもまた復活している事……。


あまりの新事実の連続に悩む二人。

Ajido-Marujido : もしも、本当にカラハバルハが蘇っているのならば、なぜ、神子さまの前に姿を現さない? 俺たちの前に、姿を現すことができない理由があるのか、それともなにか企んでいるのか……?……。召喚……。
そうだ、召喚だ。カラハバルハの目指した召喚は、「完全召喚」だった。
カラハバルハは、大いなる獣フェンリルの力を借りようとしていたわけじゃない。フェンリルの心を「完全支配」しようとしたのだ。もしも、もしも……、それが成功してたのだとしたら……?蘇ったのは、カラハバルハだけではなく……? ! 満月の泉だ!まずい、神子さまを止めなくては!

しかしアジドマルジドが出した結論、そして感じ取った危険は的中していた。
Karaha-Baruhaが蘇ったのはJokerの体内ではなかった。
そして満月の泉に降り立っていた星の神子の前にカーディアンの王としてJokerが現れた……。

満月の泉に駆けつけた冒険者らだったが、星の神子は既にカーディアン達の手中。
そしてそこにはJokerの姿も。

Ajido-Marujido : 神子さま!!!……おまえ!?
Joker : 神子よ、そなたの願いの星がついに来たようだ。あのまばゆい輝きが、いくつもの導きをもたらしてきたのだ。さぁ、願いの星よ。我は、そなたの最後の導きをここで待つ……「黒き死者」を再び、この星月の地へと導け……! 奇跡の「時」を起こすのだ……!

「月詠み」
天の塔からの報せを受けて訪れた冒険者を待っていたのはSemih Lafihna
ウィンダスと結んだ和平条約に違反があったと、ヤグードが騒いでいるらしい。
「西サルタバルタにある中央魔法塔は、双方の同意ない限り、今後二度と動かさない」
アジドマルジドが魔法塔を動かしたことによってこれが破られた。
その代償としてホルトト遺跡の権限を譲れ、と迫っているのだ。
ホルトト遺跡はウィンダスの目と鼻の先、格好の拠点になる。
星の神子が拉致された今、これを言い出すヤグードのタイミングがおかしいと指摘。
これはカーディアンがヤグードと裏で手を結んでいる可能性があると告げる。

Karaha-Baruhaの研究所に集うことにした一同。
星の神子を拉致したのがカーディアンと聞いてSemih Lafihnaに謝罪するApururuだった。
Semih Lafihnaもまた満月の泉で星の神子を守れなかった自分に責任があると話した。
一通り話し落ち着いた二人にアジドマルジドは現在の状況、そして仮説を語る。
「黒の使者」の正体がKaraha-Baruhaではないか。
それを必要としているJoker、もといFenrirの目的は何かまだ明確ではない。
が、「黒き使者」を見つけ出し引き渡すのが星の神子を無事に保護する為には必要ではないか。
今後の準備に必要な事をSemih LafihnaApururu、そして冒険者に指示するアジドマルジド。
そして心の中で問いかけた。

Ajido-Marujido (それにしても……カラハバルハよ……おまえほどの魔道士が、「完全召喚」によって自分が死ぬことを予想できなかったのか?……もしも……もしも、予想していたとしたら……すべてを予想していたのなら……?)

冒険者の担当は「黒の使者」を呼び出すために必要な古代クリュー人が使ったとされる楽譜。
それらを集め、神子の間に戻ると「間に合った」とアジドマルジドとSemih Lafihnaに讃えられる。
冒険者がウィンダスを離れている間に、ヤグードから平和条約破棄の通告があった。
その日程と、Jokerが「黒き使者」を連れてくるように指示した日程が一致しているらしい。
Jokerが死ねばカーディアンが混乱に陥る。
その隙ににヤグードたちはウィンダスに攻め入る準備を整えたいわけだ。


冒険者が間に合った事で、最悪の事態は免れそうで安堵する二人。

Jokerの意図がいまだに見えてこないことに不安は隠せないが今出来得る事全ては整った。
一同は満月の泉に向かう。

「黒の使者」を呼ぶ事に成功した冒険者。
Jokerは、かつてKaraha-BaruhaFenrirにしたように、「黒き使者」を取り込もうとする。
しかしそこで思わぬ事態が発生してしまう。
Jokerと「黒の使者」が融合すれば、ソレはJokerではなくなる。
周りのカーディアン達は暴走を始め、冒険者たちに襲い掛かった。


応戦する面々。


戦闘スペック
【バースト】遊びはここまでだ!常夜なる魔よ、俺とともに有れ!
【フラッド】感謝しろ、教えてやる。……おまえが帰るべき場所を、な!
【魔法使用時】 冒険者よ、諦めるな!ウィンダスの未来を、光を導くのだ!

脅威を撃ちやぶった冒険者とアジドマルジド。
再び起動を始めるカーディアンに身構えるアジドマルジドだった。
しかしJokerは「分かたれた我には、もはや彼らを操る魔力はないようだ」と語る。
ソレはもう、Jokerではなかった。
そしてその後星の神子が起こす奇跡を冒険者とアジドマルジドらは目の当たりにする。


ミッション・その後
Ajido-Marujido : それに俺も、……妙だな、カラハバルハの呪縛から解き放たれた気がするんだ。俺は、大天才カラハバルハが残していったものに、踊らされていたような気がする……。どう考えても、あいつは自分の死後、俺みたいな頭の切れる魔道士が現れることを予想してたように思うんだ。


Ajido-Marujido : 職に困ったら、口の院に来いよ。実験台のひとりやふたり、雇えるだけの予算はあるさ。 神々の書で知った、いくつかの魔法を試してやるよ。いい経験になると思うぜ?


最終更新:2008年11月26日 03:45