Pembroke (詳細・ネタバレ編)


  • ヒューム♂、NPC用老人フェイス、通常配置無し。
  • 40年前に冒険者をやっていた老人。
  • 現在はとある理由でモンブロー医院に通院している。


40年前の現役時代はヒューム♂フェイス2aなのが分かる。

(※このクエストは「フェロークエスト」と呼ばれるシリーズの一部です。フェイスと性別によりフェローの口調も変わるため、このページでは意訳として載せています)

沈黙に隠れた真実(クエスト『ふたりの想い』)

※この話は「後編」としてまとめてあります。物語はPheauclemand (詳細・ネタバレ編)から続いています。

  一人で無理を重ねるフェローキャラ(以下フェロー)は、冒険者(プレイヤー)に頼ってばかりいる最近の自分の不甲斐なさに苛立ち、一人でも戦える事を証明するために二度に渡りクフィム島に潜むモンスターに挑んできていた。それは、Luto Mewrilah が最近親しくなったというエルヴァーンの老人Pheauclemandの昔話を聞き、更にフェローに話した結果の焦りと無茶だった。
  心配してクフィム島で窮地の自分を助けに来た冒険者、そしてLuto Mewrilah への申し訳ない気持ちを隠しながら、フェローは冒険者達が聞いたというPheauclemandの昔話の詳細、そしてPheauclemandが見せた悲しみと後悔について聞いた。そして自分がクフィム島で怪我をしたときに運ばれたMonberauxの医院で出会った、もう一人の患者を思い出した。


Monberaux : どうですか、調子は。
Monberaux : そうですか。ではまたお薬を出しておきますね。でも、薬で治るものじゃないですから、散歩したりして、気分転換してくださいね。

  無言で医院を出て行くその老人を不思議に思ったのか、その時のフェローはMonberauxにその老人について尋ねたという。

Monberaux : ペンブロークさんですか?……彼は声が出ないのです。40年前のことが、いまだに大きな傷になっているのでしょう……。それ以来、彼はずっと声が出ないままなのです。きっかけさえあれば、きっと元通り話せるようになると思うのですが……。そういえば、ペンブロークさんもあなたのような冒険者だったそうですよ。確か彼にも相棒がいたらしいのですが、もう何十年も会っていないとか……。相棒だった方がいてくれれば、声が治るきっかけにもなると思うのですが。今はもうどこの誰かもわかりません。

  話の共通点から、Luto Mewrilah は、このペンブロークこそがPheauclemandのかつての相棒ではないかと推理した。更にこの話が本当なら、Pheauclemandはおそらくペンブロークの容態を知らずにいる。


つまりPheauclemandの回想のこの段階で、既にペンブロークは現在の話せない状態だった。

  クフィム島でおきた出来事によりペンブロークは現在の、口の聞けないショック状態に陥り、それを知らずにPheauclemandは責め立ててしまったのではないか。そしてペンブロークもその状態をPheauclemandに知らせられなかったのではないだろうか(文字に書いて伝える、など冷静に考えれ意思疎通の方法はある)。すなわち、Pheauclemandは誤解をしたまま二人は「喧嘩別れ」をしてしまった可能性が高い。これに気付いた三人は、Pheauclemandに真実を知ってもらいたいと願った。フェローと冒険者はベンブロークに、そしてLuto Mewrilah Pheauclemandに状況を説明して引き合わせようと決意する。

  ペンブロークはやはりモンブロー医院にいた。そしてペンブロークの状況を診ていたMonberauxも一緒に喜んでくれた。心の傷が原因と語っていたMonberauxは、その元相棒であるPheauclemandがきっかけでペンブロークの症状が治るのでは、と語っていたからである。突然の状況に一瞬オロオロするペンブロークだが、そこにPheauclemandが駆け込んできた。


40年ぶりの再会。

Pheauclemand :……ペンブローク……。声が出なくなったというのは本当か?
Pembroke :……!


Pheauclemand : ああ……なんてことだ。お前がそんなことになっていたなんて、ちっとも気づいてやれなかった……。……ペンブローク、一体何があったんだ?


ペンブロークは言葉を捜すかのようにもがいた。(台詞は無いが口をパクパク動かす)

Monberaux : ペンブロークさん、頑張ってください!彼はあなたのことを聞いて、かけつけてくれたんですよ!
Pembroke :………。

  場面はフラッシュし、クフィム島が写される。そこにはヒュームの若者が一人佇んでいた。


Pembroke : ここが、強力なモンスターが現れるといわれている場所だな。フォクルマンに負けないように、絶対に俺1人で倒してみせる。……明日はぺラジアとの結婚式。これからは俺1人であいつを守っていかなきゃならないんだ。


若き日の、あの日のペンブローク。

  結婚式の前日。これまでは自由気ままに、冒険の時はPheauclemandと背中を庇いつつ、戦ってきた当時のペンブローク。しかし明日からは一人じゃなくなる。Pelagiaをこれからは守っていく事を心に堅く誓うように独り言を繰り返すペンブロークは、明日からは守っていくべき存在になる彼女の為に自信をつけようとして、単身魔物退治に乗り出したようだ。
  しかしここで不意に背後から彼に掛けられた声に凍りつく。


Pembroke : ペラジア!? どうしてここに!?

  明日から一人ではなくなるのはペンブロークだけじゃない。Pelagiaもまた、(おそらく会話からすると彼女に告げることなく)一人で飛び出してしまったペンブロークを心配して追ってきてしまったのだ。驚く彼に駆け寄っていく。


Pelagia : あなたがここへ1人で向かっていると聞いて、心配で……。
Pembroke : 俺のことは心配するな!ここは危険だから、早く街へ戻るんだ。

  ここは魔物がひしめくクフィム島。女性が一人で来るにはあまりに危険な場所である。そして、最悪の事態が訪れる。二人の声が聞こえたからか、巨人族のモンスターが襲い掛かってきたのだ。


Pelagia : きゃーーーーっ!!!
Pembroke : ペラジア! 隠れてろ!!!

  とっさに剣を抜き、Pelagiaを庇うように立ちはだかるペンブローク。だが、巨人は予想より遙かに強かったようだ・・・・・・。

Pembroke : くそっ……やっぱり1人じゃだめなのか……!どうしたらいいんだ……!

  攻撃に耐え切れず片膝を付き耐えるペンブローク。やはり一人では無理な戦いだったのか。しかし巨人はそんな後悔をさせる時間すら与えない。その場に座り込んだペンブロークに興味が失せたのか、その巨体は別方向に向かって歩き出した。それを見て必死に叫ぶペンブローク。


巨人が向かうその先には・・・・・・。

Pembroke : 待て、そっちには行くな……!!


Pembroke : ペラジアーーーーっ!!!

  素直に最初からPheauclemandを頼っていればこのような状況にならなかったのかもしれない。しかしそもそもこの魔物討伐は、Pheauclemandの助力がなくても一人で立派にこなせる事で自分を証明したかったペンブロークの独断で行ったことである。そしてその結果、最愛の女性Pelagiaを目の前で失う結果になってしまったのだ。



Pembroke :……わ……私は……。

  フェローは、そんなペンブロークの気持ちを痛いほど理解していた。自分もまた、ペンブロークが相棒のPheauclemandに抱いた気持ちを、今回冒険者に持ち、一人で無茶した結果二回に渡り心配させ、結果的にクフィム島で助けられたからである。

Pembroke :……ペラジアは…………私を追って……。……ペラジア……すまない……。 私が……あんなところに行かなければ……。……私に……もっと力があれば……。
Monberaux : ペンブロークさん、あまり自分を責めないでください。


40年越しにやっと判った、ペンブロークの苦悩。

Pheauclemand :ペンブローク……。私は、お前がそんなふうに思っていたなんて、ちっとも気づかなかった。でもな、私だって、いつもお前に助けられていたんだ。……私だって、1人では無理なんだ。ペンブローク、お前と別れてから……それが改めてわかったんだよ。
Pembroke :……ああ……。……ああ……そうだな、フォクルマン。長いあいだ……すまなかった……。

  二人は、お互いの気持ちをやっと伝え合うことが出来た。二人いて助け合って、それが相棒というものである。40年の月日を経てお互いの大切さを確認し合えた二人はようやっと当時の傷を乗り越えて和解することが出来た。そして老いた二人は、冒険者とフェローに感謝した。

Pheauclemand : ありがとな。お前さんたちのおかげで、ずっと心につかえていたものが、やっととれたよ。 これからは、また若い頃のように、ペンブロークと2人でうまくやっていくよ。 なあ、ペンブローク。
Pembroke :……ああ。私からも、礼をいうよ……。……ありがとう。


二人仲良く出て行く。(写真のエルガッパは管理人のフェローです)

  二人が取り戻した絆を見て、フェローも今回の一連を思い直していた様子。おずおずと冒険者に「冒険者にも、自分(フェロー)がいないとつらい時はあるのか?」とたずねて来た。うなずく冒険者に安堵した様子で「自分もペンブロークさんのように一人で背負い込みすぎた。心配を掛けてしまってごめんなさい」と今回の事を詫びた。お互いがお互いを相棒として必要とし合っている。それを確認できたフェローは更に腕を上げるべく張り切るのだった。

見覚えのある後姿?(クエスト『追想のポリフォニー 』)

  下の写真は、踊り子AFクエスト2にあたる「追想のポリフォニー」での回想からである。バストゥークで開催されているブリリオート舞踏団の、そしてバレリアーノ一座のパフォーマンスに酔いしれる観客たち。その右端の二人のヒュームの男女の後姿に注目していただきたい。上のクエストに登場する若い日のペンブロークとPelagiaの装備と同じ格好をした男女がいるのだ。しかし実際のペンブロークとPelagiaの出来事は「40年前」。そして下の写真は「10年前」の回想である。Pelagiaは「40年前」に亡くなっている訳だから、本人達ではない筈である。
  確かにNPCが普通にPCと同じような装備品を着ていることはよくある。しかし二人揃ってフェイスも服装も同じとなると、なんとなく色々考えてしまうものでもある。


本編では幸せな結末を迎えられなかった二人への、開発陣のせめてもの「幸せなひと時」なのだろうか。

最終更新:2008年06月26日 19:41