Raogrimm (詳細・ネタバレ編)


  • ガルカ、3b(茶髪)、通常配置無し
  • 転生後も前世の記憶を持つガルカの長的役割の「語り部」。
  • 過去のミスリル銃士隊隊長であり、部隊一の剣士だった。
  • 30年前にザルカバードを調査した共同調査隊の隊長。


  当時のミスリル銃士隊随一の剣の腕前とガルカの語り部として膨大な知識を併せ持つラオグリム。バストゥークでは彼に憧れている者は現在も多い。しかし謎が多いその「失踪」は物語のカギとも言える部分である。

ガルカの語り部・その壮絶な人生

  ラオグリムは元々ガルカ族にとっては特別な存在とされる「語り部」であり、バストゥーク国民からしたらミスリル銃士隊に所属していた優秀で聡明な人物であった印象が強いのではないだろうか。また「魔晶石」ミッションをきっかけに三国を揺るがす「ある事件」の重要人物として浮かび上がり、初期ミッションの謎を解き明かすキーパーソンとなっていく。ここではその波乱に満ちた人生の、物語で語られている部分をまとめてみる。

「語り部」の存在
  ラオグリムの人生について語るには、まず彼の立場上の主軸になる「語り部」という事について話してみる。ガルカ族とは元々性別という概念がなく、繁殖という方法でその種族が維持されているわけではない。寿命200年といわれるその長寿の一族は、その天命を全うし死期を悟ったとき「転生の旅」というものに出て、人知れずひっそりとその人生に幕を閉じる。同時に新たなガルカの子供がどこからともなく現れ、ガルカ達のもとへと戻ってくる。この際何かしら判別できるもの(旅に出たガルカの遺品等)を持っていた場合、そのガルカが転生してきた新たな命と見なされ同じ名前を貰い新たな人生を開く事になる。


現在の流砂洞に祭られた、かつての語り部の石像。

  元来転生したガルカは記憶を一切失っており、事実全く新しい生命・人物として200年ものライフサイクルを繰り返していく(そしてこれはあくまで寿命まで生きたガルカにおきる現象であり、病死や殺害等の別の死因の場合は転生しないとされている)。しかし各世代に一人だけ、記憶を失わずに転生する者が現れる。200年もの長い記憶を引き継いで生まれた新たなガルカは「語り部」と呼ばれ、その深い知識をもってガルカのリーダーを務める事になる。一種の信仰と呼べる位、重要視される地位である。
  ラオグリムは、前世の記憶を持って生まれたため「語り部」として幼少の頃からバストゥークのガルカ達に慕われて育った。しかし戦乱が繰り返されるヴァナ・ディール、そしてヒュームとガルカの種族間にある差別問題等、重い問題と直面せざるを得ない大変な時期を担う事にもなってしまったようだ。

幼少時代・語り部として(魔晶石ミッション・ベドー編)
  ガルカがバストゥークに流れ着き、復興の為に尽力していたと思われる時代。ガルカたちはその屈強な肉体を用いて鉱山開開拓に駆り出される事が多かった。避難民としてガルカ達を受け入れたのは、バストゥークに先住していたヒュームとされているが、ガルカ達に比べて非力な彼らは銃器や火薬等の開発によりその差をカバーおり、国の主導権を始め鉱山開拓における業績や戦績など、ガルカ達の活躍を闇に潜ませ自分達のものにしていた傾向が強かった。
  バストゥークで暮らすガルカ達はこのように虐げられる日々を過ごしており、不満を募らせていった。国として栄える程にバストゥークは意欲的に領土を拡大し、資源確保のために鉱山開拓も盛んに行った。そしてそれはバストゥークをはじめとする近辺地区をも巻き込み、やがて近郊に住み同じく鉱物類を率先して集めていたクゥダフ族との衝突を生み出していった。また同大陸に王国を築くエルヴァーン族のサンドリア王国との対立も激化していった。
  火薬の開発は軍事目的だけでなく、鉱山の開拓・開発そして略奪にも使用されていくようになり、物理的な力仕事はガルカに課せられていくようになっていった。一方ヒューム達は、それを純粋に己の力として無邪気に喜んでいる節もあった。


Blamro : しかし、火薬の威力とはすさまじいものですな!
Omran : ああ。おかげで、新しい鉱山を得ることができた。これでサンドリアにも対抗できる。
Blamro : クゥダフの住処など一発で……。

  クゥダフの縄張りだった鉱山を火薬で一掃したと喜ぶヒューム達。共に鉱山に赴いていたガルカのBabennはその鉱山の真実を知っており、二人の会話を快く思っていないようだった。


Raogrimm : どうした、バベン?
Babenn : あ、ラオグリム様。やはり、あの鉱山にはクゥダフの神殿が……。
Raogrimm : やはりな……。奴らはそのようなこと、知ろうともせんか。

  子ガルカながら「ラオグリム様」と呼ばれているこの少年こそがラオグリムである。この時代・年頃で既に語り部としてガルカ達のリーダー格を務めている事が伺える。そして苦々しく報告したBabennによると、火薬を使った鉱山は、実はクゥダフにとっては神聖な場所であり、それを守るために立ちはだかっていたようだ。それに対するラオグリムの発言から察するに、このような出来事は珍しくないようである。ヒューム達の心の闇「無知」を具現化するかのように、バストゥークは国として対立するクゥダフ族の価値観や言い分を無視し結果的に略奪していた。そしてその加担を強いられながらも生活水準が一向に向上させられないガルカ達の不満を、このイベントで見られるように幼い頃から聞かされ、直接見続けていた事も容易に想像つく。
  ラオグリムはこのように、ヒューム・ガルカ・そしてクゥダフの種族の立場を目の当たりにしながら育っていった。そしてこの頃に感じた事が彼が大人になっていった時に大きく影響していくのが判って行く。

幼少時代・一人の少年の友情(戦士AFクエスト)
  現在もバストゥークの鉱山区で、よそ者を嫌うガルカとして印象に深いDeidogg。彼は実はラオグリムと意外な関係にあった。ラオグリム縁の品と縁を持った冒険者が話しかけると、Deidoggは自分がラオグリムと同じ年齢であることを明かす。

Deidogg:もっとも、奴は語り部様だからな。俺と同じ年に生を受けた時には、200年前からの記憶を持っていた。気にくわねえ野郎だったよ。身なりはガキのくせに、大人ぶって、みんなにあがめられて……。

  Deidoggは同じ年齢なのに周りのガルカ達に崇められて育った「大人ぶった」ラオグリムの事が気に入らなかったようである。そしてやがて大人になりバストゥーク政府で働くようになった彼を「嘘つき」「ヒュームに媚び諂う」と罵ったようだ。そのようにラオグリムへの感情を露にし冒険者に語るDeidoggのもとを訪れたのは現ミスリル銃士のIron Eaterであり、彼は幼少の頃よりラオグリムに憧れ現在の地位に上り詰めたガルカだった。
  ラオグリムはミスリル銃士を務めていた時代から国の指令に疑問を抱いていたとDeidoggを諭すIron Eater。ミッションとしてラオグリムは確かにクゥダフと戦った事を話すが、決して私利私欲の為に殺戮を行う人ではなかったと。しかしそんなラオグリムも「ある友人との約束を果たすため、ある靴を仕上げるという目的のため」にたった一度だけ自らの意思でモンスターからアイテムを奪った事がある、と語った。 

Deidogg:靴……? まさか……。
Iron Eater:オズトロヤ城のリーチからしか得られない貴重な品パラサイトの皮を使い、その友人に靴を作ったとのことです。その友人は口は悪いが、唯一語り部である自分と対等に付き合ってくれたと……。


  その話を聞き激しく動揺するDeidogg。それはかつてラオグリムからDeidoggに送られた靴と素材が同じものであった。しかしオズトロヤ城の奥、しかも凶暴なリーチから自らの手で「語り部様」ラオグリムが手に入れて来た事をDeidoggはまだ信じられないと語り、その靴にまつわる、まだ少年だった頃の彼らのやりとりを思い出していた。

Deidogg:ラオグリム!おまえ、走るの遅くないか?
Raogrimm:すまない。どうも大人たちがくれるものが体に合わなくてな。特に靴がどうにも無駄な装飾が多い。
Deidogg:けっ! おまえは甘やかされすぎなんだよ! 語り部だかなんだか知らねえが、靴ぐらい自分で選んで手にいれろよ!
Raogrimm:しかし彼らの好意を無にするわけにはいかないのでな。
Deidogg:だあっ、もう、うっとうしい野郎だな。ほら、これやるよ。この前2個セットで手にいれた靴だ。なかなか歩きやすいぞ。
Raogrimm:すまない……。なにか謝礼をしたいのだが……。
Deidogg:へっ、なんでも皆からもらえるおまえからもらったってうれしくねえや。おまえが自分の力でいいもの手にいれられるようになったら、何倍にもして返せよ!


左がDeidogg、右がラオグリムである。

  子供時代は「語り部」として高価な品を他のガルカ達から謙譲されていたラオグリム。しかし「二個セット」で手に入れたと言いながら、子ガルカにピッタリのサイズをぶっきらぼうによこしたDeidoggの靴の方がよっぽど印象に残るほど嬉しかったのだろう。そして大人になり約束を守る為に危険なオズトロイア城に乗り込み高級素材を手に入れ、当時約束した謝礼としてDeidoggに贈ったものだった。この事実を改めて分かり、自分との約束、そして友情をラオグリムが大事にしていたと知ったDeidoggは、ほんの少し、素直な気持ちで冒険者にも感謝の言葉を告げるのだった。

  なお、戦士AF3のクエストで、Deidoggにジンジャークッキーを冒険者が渡す場面があるが、そのときの反応から察するにかつてラオグリムと一緒に食べた思い出の品である事を伺わせる。語り部ラオグリムにとって、Deidoggは素の自分として対等に付き合える貴重な友人だったことを思わせる。

サンドリア特使、ダボイ調査、そして……(戦士&モンクAFクエスト)
  戦士AFクエストでは、ラオグリムがかつてサンドリアとの親睦を深めるために特使として派遣した時期があった話、そしてその際オークの生態の調査の一環としてダボイに赴いた話が聞ける。特使としての務め自体は、友好の証としてラオグリムが自ら使用していた防具を献上した話しか聞けないが、ダボイ調査のエピソードは意外な人物の父親について、そして後々ラオグリムの運命を大きく変えていく人物との出会いが描かれていく。


ダボイ調査に赴いたラオグリム。奥にいるのが同行者のYasin

  ダボイ調査でラオグリムと共に赴く任に就いたのは、Yasinという冒険者だったことが明かされる。当時既にミスリル銃士隊のメンバーであったラオグリムにとって冒険者であるYasinは派遣された用心棒のような立場であったようだ。


ダボイから戻った二人を出迎えるパグダコ(Iron Eater)。

  その際ダボイで手に入れた剣の材料に浮かれるYasinに、ラオグリムは直接「盗人のような行為には感心はしないが」その剣の腕前のお陰で何度も助かったと語り、ミスリル銃士隊に誘うような言葉を掛けている。それに対してYasinは「俺なんて銃士様になったところで門番させられるのが関の山だ」と断っているが、それでもラオグリムはYasinが持ち帰った素材で自ら鍛冶屋と掛け合い剣を仕立て、報酬としてYasinに渡している。それなりにYasinを気に入ってたようだと言う事を伺わせる。そしてこのYasinこそが、現在ミスリル銃士隊No.5として皮肉にもYasinが予言するかのように門番をしているNajiの父親でもある。(ここまでが、戦士AFで語られている出来事で、以下はモンクAFで語られる別視点から見る同じエピソードである)

  この調査の最中にラオグリムはたまたま訪れた顔見知りに出会う。高名なモンクとして名高く、国からの要請を受けることもあるOggbiだった。敵地で知り合いに出会ったのが嬉しかったのか、声を掛けるラオグリム。


なおOggbiは別の理由で弟子と共にダボイを訪れていた。

Oggbi : ラオグリム……様?
Raogrimm : オグビィ殿のような方が、オークの居住区などに何の御用ですか?
Oggbi : いや、ちと探し物がありましてな……。
Cornelia : 失礼な野郎だな!うちの御師匠様をこそ泥みてえに!


そして、めぐりあう

Cornelia : そうか……おまえ、語り部のラオグリムだな? 御立派な銃士様がこんな汚いとこに来てんじゃねえよ!
Raogrimm : これは、面白い御弟子様をもたれた。それに、私のことを知ってるヒュームの女性とはまた珍しい。語り部なんて言葉すら知らないでしょう、普通は。
Cornelia : ふん、いろいろあってな!そんなどうでもいいこと、知りたくて知った訳じゃない。
Oggbi : やめんか、コーネリア!

  この時ラオグリムに威勢よく食って掛かった女性こそ、先代Cornelia(以後Cornelia)だった。同行をしていたYasinも「なかなかのかわい子ちゃんだったな、あのモンクのいさましいお嬢ちゃん」とコメントをしており、Corneliaとの出会いは良くも悪くもインパクトの強いものだったようだ。しかしこの出会いがラオグリム、そしてCorneliaの運命を大きく変えていくものになるとは二人とも気付いていなかった。

  Corneliaが元々モンクとしてOggbiに半ば強引に弟子入りしたのには理由があった。モンクAFクエストは彼女の修行時代のエピソードが主軸として据えられている。その中で明かされる彼女の目的とは、ミスリル銃士隊の一人でありモンクでもあった兄を殺したとされるヤグードの拳聖への仇討ちだった。憎しみで曇る彼女の心を見抜いていたOggbiはそれゆえに彼女の暴走を憂い、心配し続けていた。最終的にCorneliaは仇を討つことができたが、Oggbiが危惧し続け諭していた通り、彼女は復讐の虚しさを悟り、いい知れぬ虚無感を抱きながら戻ってきたのだった。
  心も晴れず、逆に何かを失った感覚に悩まされる彼女を救ったのはほかならぬラオグリムの言葉だった。


Raogrimm:復讐は……何も生みはしない。それは、その対象を喪失する行為だからだ。
Cornelia:あなたは……。
Raogrimm:……よく人は、「失うものがない者は強い」などという。おまえもきっとそんな気持ちだったはずだ。だが、そんなものは幻想だ。失うものがない者は、裏を返せば……。守るべきものがない。そういうことだ。真に強い者とは……守るべき何かがある者だ。
Cornelia:あなたには……それがあるの?
Raogrimm:俺の記憶は200年以上もの時を過ぎた。重荷に感じることの方が多い記憶だが……失う訳にはいかないものだ。その記憶の中に生きる人々の笑顔を守るためなら、大統領府で役人どもの小言にも耐えることができる。
Cornelia:私にも……見つかるかな?守るべき何かが……。
Raogrimm:見つかるだろう。きっとその時は来るはずだ。


ラオグリムの背負う物の重さを垣間見れる話である。

  ラオグリムの言葉で己の今までの拳の迷いが少し晴れたCorneliaは、自らの人生、そしてこれからの道を見つめなおす事にし、後に兄がかつて所属していたミスリル銃士隊に入ることになる。そしてラオグリムと同じ部隊に配属され、彼の教えを聞き成長していく事になる。

ミスリル銃士隊隊長として
  ラオグリムが政府に所属していた時代のバストゥークにとっての最大の敵はクゥダフ族であった。バストゥークとしてはクゥダフの領地とされていた場所は貴重な鉱石が数多く採れる場所でもあった為、資源の確保の為にもクゥダフとの領地争いは激化していた様子は幼少時代の部分でも触れているが、ラオグリムが成人となり、ミスリル銃士隊隊長を務める頃には「国の脅威」と見なし各地で討伐などを行っていたようだ。魔晶石ミッション・ベドー編の続きでは、パルブロ鉱山の奥深く二訪れたラオグリム達が描かれている。


ラオグリムと共にCornelia、そして同じくミスリル銃士隊Ulrichが登場。

  何かを守るかのように襲い掛かってきたクゥダフたちを三人はなぎ倒していった。この時戦ったクゥダフ達は「とんでもなく強かった」との事で現在もバストゥークの語り草となっている。しかし鉱山の奥にはめぼしいものが無いと判断したUlrichは苛立ちを隠さずにいた。


Ulrich : なんだなんだ、クゥダフどもが大事そうに守ってるから、お宝でも転がってるかと思ったがな。 次だ、次。さっさと作戦を終わらせちまおうぜ。
Cornelia : ちょっと、ウルリッヒ!

  そう言って立ち去っていくUlrichCorneliaは諌め様とするが、聞く耳も持たない。そしてそんな二人のやりとりが目に入らないかの様子のラオグリム。彼は、クゥダフたちが必死に守っていたものを見つけてしまったのだ。


Raogrimm : やはり、卵を守ろうとして……。 彼らは、知ろうともしない。

  元々は国民の利益のためを願い獣人と戦ってきたラオグリムだったが、今回のクゥダフ討伐も国からの指令であり、このような状況が判明するのは幼少時代から変わらないままだった。クゥダフ達も自分達の大事な場所、そして未来を守る為に必死だったのだ。この時あくまで国からの指令は「クゥダフの討伐」だった為、その証拠品となりうる卵は持ち帰らなかったようだ。そして一方的な国からの指令に疑問を抱いたことも数多くあった事も明かしていた。
  YasinCorneliaといったような、ヒュームの一部と親睦を深めていったラオグリムだが、ヒュームが総合的に抱く負の部分「無知」に直面し国家として、そして共に暮らす別の種族として悩みを抱き続けていたラオグリム。そんな彼はガルカ達だけでなくクゥダフにも同情的になる状況を何度も目の当たりにし、獣人と人間との紛争に関しても疑問を持つ事も隠さずにいた。そしてそんな彼を疎ましく思っている人物も政府内では少なく無かったようだ。

三か国合同調査隊隊長・その真実
  ボスディン、ザルカバード地方は、昔から「忌まわしき地」とされており、ほぼ未開の土地だった。現代より30年前、バストゥーク共和国は調査の必要性を発案・企画し、他二国・サンドリアとウィンダスの協力を仰いだ。各地より代表者が集まり、その隊長としてラオグリムが任命された。
  実際には当時の三国は少なくとも現在よりも遙かに友好性が必要とされてはおらず、表面上は協力する一方で、この調査の中でお互いの腹の探りあいをするのが国同士の目標であった。国からの使命だけではなく、個人的な理由を抱きながら同行している者もいた。数々の思惑が交錯する中で調査隊はザルカバードに向かうことになった。
  北の大地は吹雪が吹き荒ぶ大地であり、調査自体が困難を極めた。ただ、漠然に……しかし確実に感じる「イヤな予感」「野生のカン」を訴えるメンバーもいた。忌わしき地に眠る何か。それに呼応するかのように事件は起きてしまった。
  吹雪の為に洞窟で待機を命じられたYow RabntahIru-KuiruCorneliaも、という可能性も高い)、そして別方向の調査に向かったFrancmageと引き離される形でラオグリムはUlrichと共にズヴァール城近辺に居た。そして突然のUlrichの不意打ちにあい、負傷してしまう。


本来はミスリル隊員としても「仲間」だったUlrichの裏切り。

Ulrich : 無様だな、ラオグリムよ!
Raogrimm : ウルリッヒ、貴様……!

  Ulrichは元々種族差別主義者でありヒューム至上主義者であった。語り部として尊敬を集め、獣人との和平を訴えていたラオグリムが同部隊、しかも隊長として働く事に不快感を抱かない筈が無かった。今まで隠していたと思われるラオグリムへの劣等感・嫌悪感が一気にここで殺意という形で爆発してしまったのだ。


遂には腰の剣を抜き、無防備なラオグリムに刃を向ける。

Ulrich : 前からおまえは、気にくわなかったんだよ!
Raogrimm : 自分が何をしているのか、分かっているのか?
Ulrich : 黙れ!

  しかし、その狂気の刃はラオグリムに届くことは無かった。


二人を追ってきたと思われるCorneliaがその身を挺してラオグリムを庇ったのだ。


Raogrimm :……コーネリア!?
Ulrich : う、ああ……。

  予想外の出来事にUlrichは後ずさりをし、その場を逃げ出してしまう。一方ラオグリムもあまりの出来事の連続の為か硬直している様子。


静かに崩れ落ちるCornelia


ラオグリムは慌てて彼女を抱き上げるが、Corneliaは既に瀕死の重症のようだ。

Raogrimm : なぜ……
Cornelia : あなたは、死んではいけない人……。
Raogrimm : コーネリア!!


Raogrimm : 奴らは……奴らは!!

  この後、ラオグリムとCorneliaの姿を見た者は居なかった。イベントの描写でCorneliaは命を落としてしまった事が伺えるが、ラオグリムはそのまま「調査中にモンスターに襲われ、コーネリアと共に地表の裂け目に転落、消息を絶った」とされ、記録上は「死亡」と扱われている。
  Ulrichをはじめ、調査隊に参加していたFrancmageYow Rabntah、そしてIru-Kuiruは帰国した後に謎の死を遂げている……。


一応、行方不明の二人を捜索したが、見つからなかった。


この結末の真相・そして現代に及ぼした影響等はこちらを参照していただきたい。


最終更新:2008年11月26日 04:26