Angelica(詳細・ネタバレ編)


  • ヒューム♀、5b(茶髪)、ウィンダス水の区 北F-10
  • 宿屋「ララブのしっぽ亭」の2階に逗留している芸術家。
  • 一般人には計り知れないセンスを有する根っからの芸術家肌。


アンニュイにはげシック!芸術家アンジェリカ

  独特なノリと口調で印象深いアンジェリカ。キャラクターとして一口に言うと、暴走しがちな自己陶酔型ともいえる。プレイヤーとの出会いも、突然絵のインスピレーションを受け、モデルを依頼してくる上にジョブによって服装を指定し、依頼を断ると「くさったバナナ」と罵ってくる奔放ぶりだ。モデルに承諾し、指定された装備を身に付けて彼女の元に訪れると、いろいろなポースを取らされているプレイヤーの様子が見れ、最後には調度品として使える絵と、彼女のサインが貰える(押し付けられる)。
  クエスト「画廊の迷宮」では、(当時解禁されたばかりの)カザムから戻ってきた冒険者から「ウガレピ寺院には未使用の額縁がならぶ画廊がある」と聞き、突然カザム族長のJakoh Wahcondaloに、ウガレピ寺院の使用許可を仰ぐ手紙を送っている。このクエストはアンジェリカが中心に動くが、依頼主はJakoh Wahcondaloであることも興味深い(彼女を含めカザムのミスラ達はアンジェリカの無謀さに呆れている台詞が数多く登場している)。そもそもウガレピ寺院は荒れ果て、獣人トンベリが徘徊するダンジョン扱いであり、とても悠長に絵を楽しむ場所でも一般人が訪れられる場所でもない(高めのLVの冒険者を対象に個展を開く予定なら別だが)。
  Jakoh Wahcondaloはその現状をしたためアンジェリカに送るがアンジェリカはそれでもめげない。これは芸術家としての試練だと解釈し、冒険者に新作の絵(下記参照)を冒険者に託しウガレピ寺院に飾るように頼む。更にその絵が寺院を守護するモンスターに引き裂かれてもめげず更に新作を作り出し再び飾ろうと試みる。絵に対する情熱、ファイトは本物である。


Angelica:わたしは負けないわ!この気持ちを、カンバスにぶつけるわ!もっと絵の具を!もっとひらめきを!

  アンジェリカはプレイヤーも含め周りを巻き込んで暴走する印象が強い。実際、美術に対する情熱により展示場や画材等、アンジェリカに振り回されるクエストの内容が多い。しかしその拘りと情熱によりクエスト「真珠色の思い出」では一人の老人の心を癒し救うことになる。芸術家冥利に尽きるのではないだろうか。

芸術家アンジェリカの作品の数々

太古の血潮
 抽象画。
 調度品の一種。
初期クエストで貰える調度品の一つ。クエスト「芸術家によるラプソディ」の報酬として貰える。プレイヤーをモデルにして描いた絵……のはずが、赤を基調にした抽象画である。

アンジェリカのサイン
 ウィンダス水の区の宿屋に泊まっている
 画家アンジェリカ(Angelica)のサイン。
 上下左右、どちらから見るべきかよくわからない。
上記の「太古の血潮」と共にクエスト「芸術家によるラプソディ」の報酬として貰える。こちらはだいじなもの扱いで、実際にどういうものかは視覚的には分からない。しかし説明文を見る限り、こちらも独創的な仕上がりのようである。

「最後の幻想」
 画家アンジェリカが描いた自称「世紀の力作」。
 計り知れない、凄まじい威力を持つ作品。
クエスト「画廊の迷宮」にてアンジェリカが描きあげた懇親の作。初めて受けた時にのみ受け取ることができる(このクエストは繰り返し可能であるが、難易度と面倒さからして受ける人は少ない気がしないでもない)。タイトルは、ゲーム自身のタイトルでもあるFinal Fantasyからくると言うのは容易に想像できる。なお、これをウガレピ寺院に設置した時、モンスターが絵を引き裂いて登場する。

「続・最後の幻想」
 画家アンジェリカが描いた自称「世紀の力作」。
 「続」がついていたら「最後」ではないのでは?
 と、突っ込みたくなる作品。
 しかし、前作を凌ぐ力作なのは確かだ。
上記「最後の幻想」同様クエスト「画廊の迷宮」にてアンジェリカが描いた作品。「最後の幻想」が破かれたのを知り、更に創作意欲を燃やし描き上げた力作のようである。なお、絵自体の運命は「最後の幻想」と一緒。それにしても説明文は毎回「ファイナル」とつきながらシリーズとして今も続いている「ファイナルファンタジー」シリーズへよくプレイヤーが突っ込む要素でもあり、スタッフの遊び心が伺える。

「おばあさんの肖像画」
 画家のアンジェリカによって
 描かれたもの。「乳白色の原石」からつくられた
 絵の具が使われている。
クエスト「真珠色の思い出」にて、アンジェリカがクエスト一連の物語と自分自身の過去の思い出により描き上げた作品。クエスト冒頭では既に一度この老婦人の絵は描いているが、依頼主Umbertoへ届ける最中に海賊に奪われた(クエスト終盤で戻ってくる)。依頼主の、絵を依頼した経緯を聞き新たに創作意欲を掻き立てられた彼女は再び描きなおす事を快諾し、更にモデルとなった老婦人はかつてバストゥークで出会った絵描きの老夫婦の夫人である事を知り、運命を感じる。老婦人が愛用していた特別な絵の具を再現し描き上げたこの新作は、依頼主の心を動かし、夫人を失った事で孤独に閉ざされた彼を救う事になる。


おまけ・「おばあさんの肖像画」のキャンバス

  なお、これがクエストの時見られる描きかけの「おばあさんの肖像画」である(キャンバスが見えるように画像の彩度等をいじってあります)。他の作品も抽象画としてエキセントリックな出来であったが、この段階でも「おばあさんの肖像画」もその路線で描かれているようだ。しかし最終的に特別な絵の具により完成した「おばあさんの肖像画」は、依頼主曰く「この絵は……!ばあさん、そのものじゃないか!」ということと、亡き妻が画家だったとはいえ依頼主自身は絵に関心が無かったと言っていたので、「素人目から見てもすばらしさが分かる」絵、すなわちアンジェリカの普段好んでいる抽象画ではなく、リアルに描いたものと思われる。

おまけ・普段のキャンバス

  普段のアンジェリカの場合、プレイヤーはアンジェリカの周りに入り込めない仕様になっている。その為、フェイスを見ることがなかなか出来ないが、辛うじてキャンバスを見れる角度で撮影は可能なので、彩度等を上げて見やすくしてみたが、上の、「真珠色の思い出」のイベント中に見れる物とほぼ一緒であるのがわかる。イベントのものは、肖像画ということでキャンバスを縦にしたものと推測される。

アンジェリカのパレットの謎


  アンジェリカのモデリングは絵筆・パレットを手にしている特殊なものであり、現段階では彼女固有のものである。そしてサービス当初から謎とされていたのは、アンジェリカのパレットである。上の写真のように、絵の具がついてる部分、つまり使用されている部分が彼女から背いた裏側、になっているのだ。これについては以下の解釈がなされている。
  「通常はパレットの上部が絵の具で一杯になると、別のパレットに切り替えるが、制作に没頭するあまり、二つのパレットを持ち代えるのが面倒な場合は、さかさまに使用する場合もある。油絵のような粘度の高い塗料の場合は、パレットを逆さにしても、こぼれることはほとんど無い。よって彼女のキャラを際立たせる意図的な演出だと思われる (出典:Angelica/FF11用語辞典の注釈2より抜擢)」
  確かに油絵などの固めの絵の具を使う場合、パレットを逆さにしても流れない。そして大型の絵を描く場合や多数の色を用いる場合、一つのパレットには収まらないこともある。複数のパレットを使ったり工夫を凝らす場合もあるが、画材が固めの絵の具の場合で、かつアンジェリカが使っている形のパレットの時は、確かに裏返して使う時もある(以上、大学時代美術部だったのでその経験を元にしたが、個人的視点で申し訳ない)。
  ではアンジェリカの場合はどうだろうか?上記の通りの理由で彼女のパレットが裏返っているのなら合点も行く。彼女が使用している表側をイベントなどで確認してみた。


左手に持つパレットに注目してほしい。

  見ての通り、彼女が現在使っているはずの表側には色(絵の具)が一切ついていない事に注目して欲しい。良心的に(無理に)解釈するとパレットを裏返してまっさらな状態で今まさに使おうとしているのかもしれない。


そのまま絵の具なしで着色開始

  ……やはりこれは美術的にも良心的にも解釈はしてみたが、設定ミスと思ったほうが正しい気がしてならない。


最終更新:2008年02月21日 17:29